まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
ファッション分野の事業というと、これまでは、あるデザインをたくさん製造してたくさん販売することで、その実績が売り上げになっていくというスタイルでした。
それが、ここ近年コロナ到来も重なりよりその構造の不可能さが際立ってきたように感じます。
アパレルはすでに業界全体の全盛期と呼ばれるような華やか時代をとっくに終えています。
しかしながら、その時の成功体験にしがみつくやり方一辺倒であったことで、これまでの老舗や大手が続々と廃業していきました。
もちろん、企業内では変化しようと試みたいろんな苦労や対策をしたかもしれませんが、その効果が結果を生むことに繋がらなかったゆえかもしれません。
そもそも大量に製造したファッションアイテムは、在庫ありきの商いであるため、その道に携わった以上そのしがらみを脱することが難しいと言えます。
私のようなほんのプチサイズの業者もそれを見て人ごとにしないことが大切です。
規模ははるかに小さくとも、複数の製造をすることで分かった「材料の無駄」も見逃せない事実でした。
今回の投稿は、プチサイズの業者だからこそ率先しやすい、根本からの製造企画の見直しのお話になります。
そもそもその企画はやるべきではないのではないかという選択肢も1つ入れておく
好きな分野でやってきたことのしがらみやこだわりが強すぎて、「捨てる」「やめる」ということに対して目を背けがちです。
しかし、やめることで新しいこの先への一歩を踏み出すこともできるのだということがあります。
よく、イメージにあるのは、海外のファストファッションの安い賃金で格安商品を仕上げる、その労働者への配慮の無さです。
金銭面や環境面での軽視が例の有名なバングラディッシュの縫製工場等のビル倒壊事件でその象徴を見ました。
私もこれまで、生地をはじめとする材料を自分で調達してきていますので、複数製作の場合の材料調達に関してもイメージは分かります。
労働者である「ヒト」が一番に取り上げられますが、実は、材料のロスというのも大量生産ではかなり無駄を生み出します。
確かに、足りなくなっては生産が止まってしまうので、多めに調達しているわけで、附属品のやたら多い製造では、それが何倍にも積み重なり全体のロスも多くなります。
じゃあそのロスで使用されなかった材料の行方は。。。と言うと、私の場合だと、特殊な色だったりその時ならではの特徴あるアイテムだと別で使用できないこともあることを知っています。
そう考えると、そもそも、「大量に作って利益を得る」という考え方の見直しをするくらいの思い切った行動をしなければ解決されないであろうと思います。
大量に作って利益を得る以外に商業が成り立つのか。。ここが難しい所なのですが、少なくともここを長い時間をかけて考えていくという意識をおのおのの事業者が行うべきではないかと思うのです。
私の場合、たまたまハンドメイドバッグが思うようにバンバン人気商品として売れなかったことで、製造しても受け入れられなかったという諦めが生まれました。
その諦めを無駄にしたくない、これまでの培った技術や手法はあるわけだから、それだけでも生き延びるようにできないかと考え抜いた結果、やり方などを共有していくタイプの事業になるよう歩み始めています。
ただ、商業としては成り立ってはいません。
だけどやめてもいません。
矛盾するようなのですが、「やめた」のに「やめていない」という2つが混在した新しい形の事業内容を目指したのです。
よって、ハンドメイドバッグのコンテンツにまとめた作り方を販売などの方向に行こうとしたのだけれど、これもなかなか実現しにくい事情があります。
一度は完成してアップしたもののまだその後の研究で直すところが出てきたりと完璧にはいかないのです。
あせってもいけないものなのですね(^_^;)。
よって、現在は、有料版は研究中にとどまり、無料のYOUTUBEや当ブログでその実体験をそのままリアルに、そして、ホットにいち早くその日の学びをアップすることで少し活動しているにとどまります。
それくらい「製造する」ということに対して責任を持つ、時には、「製造をそもそもしない」をジャッジせねばならないという認識になりました。
売れないものを作っても廃棄処分や在庫が生まれるだけなのです。
ということで、アパレル従事者達の多くが目を背けがちな、「製造企画そのものをやめる」という見直しは選択肢としては必要です。
製造しなければ環境に対してはある一定の効果が見込めますので、「本当に意味のある企画をしているのかどうか」というところも真剣に考えねばならないと思います。
あとがき
この「大量生産問題」非常に難しいと思います。
大量生産だからこそ成り立っていた企業はとりあえず成り立たなくなっているようです。
ずっと長い間1950年代のアパレル業の草創期とも言える時代からの同じ調子で稼働してきたその根本の構造が今破綻を迎えていると言えるでしょう。
1つそんなファッション分野の現実の中でも今後も引き続き大切にしていくことというのが私としてもあります。
それは、「ハンドメイド文化」みたいなものです。
このきちんと丁寧に作っていくスタンスは、もしかして日本人らしいのかもしれません。
古着も日本製のものは、質が良いと外国からも評価されている一面があるようです。
何か、丁寧に1つの物を作って行く、それを購入してくれた人が末永く愛用してくれる、このイメージは簡単に捨てられるファストとは対極にあります。
私のようなちっぽけな事業者にできることは、まずはその姿勢を自ら示していくこと、とにかくデザインや技術やコツなどはおしみなく伝えていくことだと思います。
それがどんな効果になっていくのかは読めませんが、とりあえず方向性を変えてでも「ファッション分野でのお仕事ずっと続けてきているよ」と胸を張って言うことはできます(^-^)。