まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
以前に、トートバッグの型紙を作る際の寸法の中で、縫い代をどう含めていくのかを解説した、【137】と【138】の記事がございます。
このたびの【769】はその2記事とも大いに関連し、重複する部分もありますが、この理解こそが今後胸を張ってトートバッグを製作して行けることにつながると考え、まとめのような形で再アップをさせていただいたものです。
型紙を作る直前の計算式
慣れてしまえば、暗算をして型紙もすらすらと作れるようになるかと思います。
最初はじっくり時間をかけて理解しないと何か不安ですものね。
ということで、マチ付きのトートバッグの型紙寸法の計算の場面を例としてご紹介します。

黒いマジックは、そう出来上がるための型紙の寸法の積み算です。
まずとにかく手順から解説を始めてまいりますねえ。
縦から行きます。まずは、そのまま実寸を置きます。
次に、上下の縫い代を同じ寸法の1.5cmずつ上下の分を足します。
私の場合、上が大きく縫い代をとるようなことはしておりませんので、上下が同じです。
そして、最後に、マチの出来上がりの半分だけを加えます。
半分であることの理由は、バッグの構造が前面と後ろ面の2つのパーツを合体させるものなので、型紙としては半分になるのです。
これを間違えてマチそのままの寸法にしてしまった経験がありましたが、出来上がりが40cmというおそろしく大きなマチが出来上がってしまいますので間違いですからね。
次に横です。
横も同じように、出来上がりの35cmをまず置きます。
そして、次に、両サイドに縫い代が必要なので、1.5cmを2度足します。
最後にマチですが、横の場合は縦と違ってマチが両サイドに存在しますので、2度足す必要があります。
ただ、あくまでも、半分の構造の分だけなので、2度足すとはいっても、半分の10cmずつを2度足すというものです。
そして、最後にマチです。
マチは、長方形で描いた縦横の値の、38cmx58cmの型紙の端っこの下側をこちらも、半分である10cmで正方形にくり抜きます。
10cmx10cmの正方形の分が余計なパーツですので除外するくり抜きをするのです。
マチには、なぜ縫い代を含めていないのが正解なのかの証明
ここで疑問があるかと思います。
マチには縫い代を足さなくてよいの?ということです。
こう思ってしまう理由は、マチが立体的に出来上がる構造の物理的な不思議が1つあるからなんです。
実際の製作の場面でマチをつまむと、ぺこんとマチが台形のような形に変わります。
実際にステッチをかけるのは、その台形のトップではなくて、縫い代1.5cmの内陸部です、
そうすると、台形は、底辺が横に余分に突き出していますよね。
この突き出しの分量が、縫い代の1.5cmに等しいのです。
これは物理的な法則とでもいう現象で、縫い代が1cmの場合であれば、1cm突き出します。
つまり、実寸で計算しておけば、自然に縫い代が含まれているということも言えますし、そもそもマチ部分は、縫い代とは無関係な内側に出来上がるものであるから、すでに、縦横で含めてある縫い代で事足りるということです。

この台形の上辺は、型紙のの10cmから見ると、継ぎ目の縫い代で1.5cmずつ前面後面のパーツともにとられ、
短くなり、10-1.5=8.5cmずつの2パーツで合計17cmしかありません。
しかしです、縫う部分というのは実は、その1.5cm縫い代をとった下辺。そこは、物理的な構造状、
縫い代を1.5cm足した長い辺の長さになっているではありませんか。
それが上の17cmに突き出した1.5cmずつを両面分足した20cmであるということが事の解明です。
赤いマジックだけを見てください。
実際のマチになる線というのが、ちゃんと20cmに仕上がっている証拠がこの図でご理解いただけるかと思います。
台形の底辺は縦の長さ分上の辺より長くなるようなのです。
どうしても、頭で想像すると、台形の上辺を想像してしまうのですが、実際に縫う場所=実際のマチの出来上がりがその1.5cm下の辺であることがなかなか想像しにくいのですね。
この図解で想像だけのイメージと実際の構造が随分違ったものであることに私も驚いたものです。
あとがき

このマチの件は少し奥が深いかもしれません。
大変多くの人が悩んでおられるようで、腑に落ちていないのだと思います。
どうか、この記事がこの困難を乗り越え、マチ付きトートバッグが得意になるようなミシンライフを送っていただけるきっかけになりますよう(^-^)。
