一見そっくりな黒無地の撥水加工生地4種の違いは、織り目の種類のちがいである【354】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今後、ハンドメイドバッグ製作に黒無地の生地も多く登場してくるかと思います。

特に、「テリーヌ」というブリーフケース型は、ナイロンなどの撥水加工生地を必ずチョイスすることにしておりまして、表地には無地を、裏地には華やかな柄を使うとも決めているんです。

そうすると黒無地というのは何か仏頂面のような表情の薄い素材に映りがちです。

ましてや、ネットで写真のみの手がかりから素材の表面の様子を知ることになるわけです。

ここが非常に困難な点。

やはりネットは華々しい柄や色が分かりやすいものです。

ということで、今回は、黒無地の撥水加工生地を4種ご紹介したいと思いまして、一見黒無地ののっぺりとした素材に映るものが、実はよく見ると生地の織り方に違いがあり、それぞれ美しいものであるということをお伝えしたいと思います。

4種の一見同じような生地が実は別物だと分かるコーナー

とりあえず4種の生地を並べてみました。

撥水加工生地4種:一番左からナイロンオックス、ナイロンワッシャー、綿ストライプ、ナイロンタッサー・・・こうしてみてみるとそれほど違いが分かりませんね(^_^;)。

では、次に細かく1点1点に近寄って見てみましょう(^-^)。

1)ナイロンオックス

これが一番王道でしょうか。私も撥水加工の黒い生地との一番最初の出会いがこのオックスでした。

オックスというのはオックスフォード織のことです。

オックスフォード大学の学生のシャツのようだということでその名が付き、まるで、ブッチャーという生地がお肉屋さん(butcher)のエプロンの素材の織り方と同じだから名付けられた経緯に似ています。

後程アップにした写真を撮影したので見ていただきますが、均一に四角いブツブツが入ったような柄です。

けれど遠目で見たり、普通の視線で見れば、プレーンな織り目といった感じで、今回ご紹介の4種の生地の中では、一番平たく見えます。

1)撥水加工ナイロンオックス:ナイロン/100%、日本製・・・ここまでアップにすると織り目がよく分かります。ぶつぶつとまだら柄のようともいえるし、四角いマスがレンガみたいに敷き詰められているとも言えます。この整った配列が遠目で見た時にプレーンに映りますし、ひときわ光沢も感じます。

2)ナイロンワッシャー

ナイロンワッシャーも結構有名で聞いたことがあるかもしれません。

ジャケットやコートなどにも使われることがある生地。

ワッシャーというのは、しわ加工のこと。

このしわ加工は、凹凸感ある表面の演出、この加工による厚みも感じられ風合いを良くしています。

オシャレ感が増しますね。

2)撥水スパンライクナイロンワッシャー:ナイロン/100%、日本製・・・少し複雑になりますが、ナイロンオックスのワッシャーというのもあるので、ワッシャー加工が入るのは、何もこの写真のようにストライプみたいに縦に線が走る織り方の生地がワッシャーというわけではないです。いろんな織り方との組み合わせでワッシャー加工できるようで、数が豊富かもしれません。

3)綿/100%の撥水加工生地

撥水加工はナイロン/100%ばかりではないんです。

綿/100%とかポリエステル/100%にも撥水加工がされている生地があります。

私も、過去に「雨の日シリーズ」という撥水加工の生地ばかりを集めて雨しのぎの比翼リュックを作った経験がありますが、その時に使用したモカグレーの生地にも綿/100%のコーティングで撥水効果のある生地でした。

このリュックを作った時の生地名は、ストライプコーティング、綿/100%、日本製。モカグレー色でした。

織物事情が事細かに分かるわけではありませんが、こういった撥水加工にもできるような加工に差し障りのない程度の織柄というのが、均一感あるストライプだったりするのかなと私は思っていますが、果たして。。。

3)防水・撥水コットン100%:綿/100%、日本製。・・・生地名がはっきりわからず生地屋さんの表示のままに記載しました。

過去に私が使用した先ほどの上の写真のモカグレー色のストライプに似て、こちらもストライプの織目が入っています。

これが、もし、薔薇の花のジャカードだったりすることは、撥水加工が均一になりにくいので、不完全な商品にしかならないということであえて作ったりしないということから豊富ではなさそうですね(あくまで私の予想です(^.^))。

この生地だけ4種の中で綿/100%なのですが、不思議なもので、撥水加工していない生地は、明らかにナイロン/100%と綿/100%の違いが判るのに、撥水加工がなされると似た感じになるということです。

かろうじて、端っこのカットの跡のほつれ具合で綿の糸だと分かります。

綿/100%の撥水加工の生地の端の様子・・・ほつれ具合からナイロンとの違いが分かり、綿っぽさが出ています。ナイロンよりもガサガサッとする風合いです。

4)ナイロンタッサー

タッサーには、分かりやすい特徴があります。

生地の織り糸がボーダー柄みたいに走っていることがかなり分かりやすく表れていること。

4)撥水加工ナイロンタッサータイプ:ナイロン/100%、日本製・・・目の詰まったボーダー柄がはっきりわかります。ここまでぎっしりなので当然全体としてしっかりとしていて程よい厚みがあります。おそらく人気の生地ではないかなあと考えます。

ナイロンタッサーは今まで出会ったことが無かったので、今回感激で、普段より多く生地を調達させていただきました。

こうして見てみると、一見同じような黒の無地の撥水加工の生地といっても、ここまで違いがあるんだと分かります。

他にも、市松柄のような織り方のナイロン撥水生地も見かけたことがありますので、今回のこの4種以外にもまだまだあるかと思います。

今後、「テリーヌ」製作をしていき、黒無地の撥水加工生地を使わせていただく中で、撥水分野にも興味を持っていろいろ研究していきたいと思っています。

撥水加工に向かない生地ってあるのだろうか、過去の撥水剤の経験から語ります

過去に、当記事の【89】同じく、連動のYOUTUBE動画の【89】で、強力なとても良質な撥水剤を綿/100%のサッカー生地にほどこす実験をしています。

サッカーという生地は凹凸感があります。

ほぼ均等の割合で、ふくらみとへこみがある生地です。

この生地の薔薇柄プリントのものをリュックに仕立てて、撥水剤がうまく効能すれば、撥水加工の可能性が無限に広がるなあと思っていました。

結果は、ものすごい量の撥水剤を使い切ってのやっと完全なる効力でした。

撥水効果が凹凸感ある生地にも不可能ではないということが証明できましたが、高級な撥水剤を数本使ってやっとというのが凹凸感ある生地の撥水加工の現実なのかもしれません。

よって、上述で私が予想したように、薔薇柄のジャガードとか、凹凸感ある膨らんだ部分とへこみ部分のあるような生地では撥水加工の効果が完全には施工できない部分が起きてしまうということなのでしょう。

以前製作したリュック:サッカープリント、綿/100%、日本製・・・ご覧になって分かるようにぶつぶつと織柄が入っています。この凹凸柄がサッカーの特徴。ここへ撥水剤というのは、本来無謀な行為だったのかもしれません。けれどもセラミックプロテキスタイルという良質な撥水剤のおかげで、たくさん使ったものの、実験でお水をぶっかけてもはじくまでに完成できました(^-^)。
撥水剤施工・・・300mlのボトルを3本ほど空けたと思います。ceramicprotextile(セラミックプロテキスタイル)です。カーコーティングのお店、polishgarage名西店様にこの撥水剤の存在を教えてもらいました(^-^)。
撥水効果・・・バケツをひっくり返したような大雨をじょうろで再現した時の撥水の様子です。ころころと玉のように水をはじくことに成功しました(^o^)丿。

あとがき

今回もYOUTUBE動画お作りしました。ご視聴してみてくださいね(^-^)。

撥水も奥が深いものです。

ネット上では、表面に玉のようにはじかれたお水の粒がコロコロ転がる美しい写真ばかりを目にします。

しかし、実際の雨の時の沁み込み方というのは、バッグの縫い目からの侵入、生地の裏面からの侵入など事細かなケースが考えられると思っています。

今気にになっていることは、万が一、表地に撥水がしていない生地で雨が侵入した時に、撥水加工の裏地の裏面から通過した場合に到達した時の撥水効果の威力とかそんなことです。

雨の侵入にもいろんな経路があるかと思うのです。

これは、自分で実験しないといけないようです(^_^;)。

今後もっと撥水について詳しくなったら、記事にアップしていきますね。

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