まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
ハンドメイドバッグにあれこれ金属製のパーツを取り付けることでバッグがもっともらしくなります。
元々布が本革レザーの迫力に対する劣等感のようなものを覆すべく、附属品に力を入れる製作です。
しかし、よく考えると、それは附属品頼みの製作に陥る可能性もあり、ちゃんと自主製作の軸を残したいものです。
ある貴重なお言葉をパーツメーカー様からいただき、当記事に盛り込ませていただきたいと思います。
ハンドメイドバッグ作りの多くが「布」で行われることも多く、素材としては一番入手しやすくバラエティーにも富んでいます。
ただ、ほとんどのバッグパーツの附属品をトライしてみた結果すごく意外な結論に行き着きました。
このたびは、「ヒネリ錠」というパーツを引き合いに、パーツについて綴ってまいりたいと思います。
デニム生地に裏地を付けたクラッチタイプのバッグに取り付けたヒネリ錠の苦々しいエピソードから得たこと
セルヴィッチデニム生地で2点同じデザインを製作しました。クラッチバッグです。
裏地の種類、金具のヒネリ錠の色を変えるという点で雰囲気を変えてみました。
2点同時製作をスムーズに行う方法というのは、過去にも経験があるので、いくつか思い浮かびます。
・糸の色を可能であれば同じにする
・同じ作業を続けて行っていく
こんな辺りが当たり前と言えばそうですが、作業効率が良くて、早く仕上がります。
ぱっと濃紺のデニムの蓋を開けたときにこれらの柄が内側で広がっているのです。
楽しい気持ちになりそうです♪。
ところで、同時進行の糸の色は、裏地側に関しては、白をチョイスの共通に致しました。。
表地に対する糸は、デザインも兼ねて金茶の30番糸で共通です。
ヒネリ錠は機能だけでなく一気にクラッチバッグを華やかにするデザイン性もあるのだと感じます。
ネジをプラスドライバーのミニを使って留めるタイプでしっかり固定してくれます。
とはいっても「生地にしっかり穴が開けば。。」の条件があります。
ある程度のパッキンのような補強の芯地が中に詰め込まれていないと安定感が無く、動きがあることで、中の生地の切れ目が見えてしまうような事態になりかねません。
本来こういった錠(じょう)タイプのパーツや、その他ドットボタン系統、カシメなどはすべて本革レザー向きのパーツとして作られたものだとのこと。
そのようにおっしゃっていたのは、紛れもないパーツメーカー様。
それなのにいかに巷では生地にこういったパーツが多く使われていることか。。
生地は繊維がレザーより緩くひっかかって穴が開きにくいのです。
そういう事情なので当然穴へネジが通ることも困難なのです。
本革レザーはきゅっと引き締まっていて、そもそも穴あけに向いた構造なのです。
何度やってもうまくできたと思えなかったヒネリ錠、このたびをもって使用を最後に致しました。
そして、もう1つ悪い傾向を見つけてしまいます。
それは、ヒネリ錠の「枠:わく」の方のパーツの時に開ける長方形の穴。
これをポンチで開けたり、ハサミで補助したりしたわけですが、切りっぱなしの状態でこの枠をはめ込むと、力がかかった時に生地が移動し枠から縫い代がはみ出すことがあります。
そこまでして、穴を開ける必要があったのか。。
その点を非常に何度も考えに考えました。
それでも、生地に対してヒネリ錠を使用したい場合のご提案、不織布による玉縁で縫い代を隠す方法
とてもこの先このヒネリ錠を生地に対して使っていく気持ちにはなれませんでした。
生地を引き裂いて、それが見えてしまうなんてことがとても乱暴なことに思えたからです。
「優しい製作、優しい取り扱い」という点とはかけ離れたものなのではないかと考えるように。。
ただ、それでもどうしてもこのヒネリ錠を付けたいならば、このような案が後に浮かびました。
もしご参考になればと思います↓。
少し場所が狭いので、拡大します。
グレーが不織布芯です。
この後の始末は当然ヒネリ錠の内側に見えないように隠れるよう不織布をカットします。
そして、ミシンステッチで押さえてまずは固定してしまってはどうでしょうか。
そうしたことで見えないヒネリ錠枠の内側では安心の状態が保たれると見ています。
ただ、ここからが自らが行き詰まったところ(汗)。
このやり方も、さらにここへネジ用の穴を開けなければならないのです。
不織布にぜんまいが貫通するような位置でなければいけないでしょうから、せっかく玉縁を作っても、またその玉縁周辺のラッピングにゼンマイの穴を開けなければならなくなります。
ということで、この度の写真のような「ネジ式」のヒネリ錠はどの道生地には向かないのです。
そこで、ここでご提案しておきますのが、「ツメ式」です。
これなら、せっかく作業した玉縁を傷めることなく内部に収納できます。
ツメ式は、比較的優しい留め具なので生地を傷めずにただはめてツメを倒して固定するだけだということです。
そうしますと、あとは、気を付けるのが、玉縁の布の始末ということになります。
ヒネリ錠からはみ出さないのが無理があるなら、裏側でスタイリッシュにはみ出した縫い代を始末してデザインっぽくするなどの工夫が見込めます。
あとがき
「ヒネリ錠」と同類の「差し込み錠」も同じことですが、差し込み錠はネジだけなので穴だけ空けるにとどまります。
ただ、片面ハトメ、ホックなどもすべてにおいて、生地にメスを入れるということをしますので、本当にそれをするべき理由があるのかどうかまでとことん考えるべきです。
「長持ち」をモットーとしておりますので、そう考えると「飾るために生地を傷める」ことへの抵抗感が非常にあるのです。
どうでしょう、パーツについて今一度考えてみて下さいませ。
ヒネリ錠をどうしても使わなければいけない「理由」です。
この「理由」に関しては、製作におけるすべての工程に入れ込むべきことであり、その集まりが成果となって「良質さ」とか「粋」を作っていくと思っております(^-^)。