大のパンプス好きがしぼりにしぼった合計14足のヴィンテージパンプスを高級感たっぷりに1足ずつ大切にしていく収納方法【165】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ヴィンテージ服が好きな私ですが、実は靴もヴィンテージ。

靴は洋服よりもヴィンテージでありながらもそこに求める「綺麗さ」の部分は大きいです。

気持ちよくはける昔ながらのパンプスというところがテーマで、ほとんどが一度もはかれていない型落ち新古品のようなものを中心に選んでいます。

靴は結構長期在庫も多いと見ていて、未使用品ヴィンテージも多いです。

ただ、捨てられずに長いこと保管の新品でも、靴に関しては、ヒールのかかとが劣化して割れてしまうことを何度も経験済。

ほんの僅か数十歩歩いただけでヒールのかかとが見事に崩れバラバラになる体験を何度もしています。

よって、購入後ははく前にリフォーム屋さんへ持ち込むことも多いです。

その余分な1ステップがあることを承知のうえで、表面や中敷きの質感や素材の良さ、綺麗さを重視しながら集めてきた現在の14足のラインナップです。

服持ち様からはミニマムな数だと思われるかもしれませんが、お洋服のラインナップが年間合計でたった上下ペアーの25セット(ワンピースは1セットとカウント)。

その割合からは、約1足で2セットのお洋服を兼ねて組み合わせるようなイメージです。

靴は消耗品度が高く、傷みやすいもの。

それは地面との摩擦などで仕方がないことです。

バッグやベルトよりもその寿命は短いこともありますが、ある程度の数を時々まばらにはくことで、1足だけを重点的にはくよりもはるかに長持ちになるという工夫もできます。

今回お伝えしたいのは、すべてヴィンテージの靴なのに信じられないくらい高級感が感じられるというその「収納箱」と「収納風景」です。

1足ずつがまたとない1点物であるヴィンテージらしい扱い方を、その収納からも見て取れるような「徹底的なこだわり収納」をお見せしたいと思います。

全14足の靴のラインナップ、ヒールは低めで安定、いつの時代でも飽きないフォルムの数々

以上現在の14足のラインナップです。

時々靴のメーカー様が重複しますのは、そのメーカー様特有の履き心地やデザインが気に入っているからですね。

靴は主に差し色に使います。

黒コーデの多い私なので、黒ベースから集めていきましたが、時々重みのあるトーンの赤とかブラウン系も取り入れ、マルチカラー、グレー、切替タイプ、凹凸感ある素材などを散りばめます。

どれもこの色が必要だと追加してきての14足なのでそれぞれ出番があります。

靴集めもやみくもに靴だけを見ているときりが無く、過去に60足程が最高の数でしたが、はくアイテムに偏りが出ていて、結局黒無地ばかりを5足程はいていただけだったというもったいない経験をしています。

多くが靴だけがひっそりと購入時のまま保管されていたという何ともコスパの悪い集め方だったのです。

それよりも、数をもっと最小限にしぼり、必ず出番が1つのお洋服に対して出てくるという存在であることが望ましいと思っています。

洋服25セットに対して14足というのは少し多いかもしれないですが、コーデがバラエティーに富んだ表現をコスパ良くしていくためには、現在は納得の数になっています。

とっておきの収納方法、靴箱は高級感あるブラウンカラーの「パンダンボックス」、そのボックスの積まれた姿こそがインテリアの一部となる意識

靴の収納方法:14足というややひかえめな数で十分なのかは、洋服のテイストを特化しているから。

洋服のテイストを特化すると靴、バッグなどの小物の数も少なくて大丈夫。

多くても被るだけであまり意味がないからです。

箱に関しての拘りに関しては、60足程靴を持っていた頃は100均の紙製の箱に入れていましたが、数を14足という最小限に抑えたことで、靴箱に少し費用をかけられるようになりました。

1箱¥1,000強です(物価高騰で以前よりもアップしてしまいましたが)。

折りたたみ式の組み立てボックスでインドネシアが産地のパンダンボックス。

レザーの代替品にもなる高級感があり、ショートブーツは深いサイズの箱の方でゆったりと収納できます。

パンダンボックスの中も常に美しくしておきます。

新聞紙を丁寧に敷き、1つ乾燥剤を入れておきます。

ボックス購入時にボックス1箱ずつついてきますので、それをそのまま入れておきます。

乾燥剤が無い場合や消臭効果として、新聞紙を丸めて靴に入れておくこともOK。

そして、その箱1つ1つには、写真シールを正面に貼り付けます。

これでピンポイントで目的の1足が無駄なく取り出せます。

この箱が積みあがったその姿は、美しい編み込み柄が魅力のパンダンボックスのインテリアになりました。

あとがき

動画内の靴と現在の14足ではラインナップが多少変わっています。

お洋服がチェンジするとともに靴も出番あるなしで変わってきたからです。

2023年7月現在は洋服も靴も集めておらず、既存のままで安定しています。

特に流行を意識しない自分表現として、ヴィンテージ服を着続けてきたこと30年程。

どんなデザインを選ぼうとも自由なヴィンテージ服は難しい人には難しいかもしれません。

「何を着たらよいのか分からない」そんなことを思われるかもしれません。

そういった場合は、まずは、カラーの意味から考えて、最強カラーであり合わせやすい「黒」から始めてみるのも良いかもしれません。

お洋服が黒ならその他の小物は黒が映えるようなマルチカラーとか鮮やかな差し色を加えることで何かその先が見えてくるかもしれません。

また、この色が好きなんだという1色があれば、黒でなくてもその好きな色の洋服からスタートしていくのも悪くないですね。

ある程度洋服のラインナップが決まると靴も決めやすくなります。

ポイントは、その靴そのものの素敵さだけを考えるのではなく、全体コーデになった時の洋服との相性などを俯瞰して見る目ですね。

靴だけをはくことが装いではないのですから、せっかくの素敵な靴もうまく合わせられなければ活きません。

今後もそういった相性とか組み合わせの秘訣なども自身が研究してアウトプットしてお伝えしていきたいです(^-^)。

お肉料理などのメインディッシュとのコントラスト効果のある甘酸っぱい味がやみつきのサイドメニューの人参のピールサラダ【170】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

人参の使い道にお悩みの際に、是非この1品をご紹介させていただきたいと思います。

それが、「人参のピールサラダ」。

ピールは、皮むき器で薄い麺のようにしなやかなカットの仕方になります。

この形は、味付けの浸み込みやすさがメリットです。

パスタやラーメンでいうところの平打ちのソースや汁とのからみやすさに似ています。

人参の使い方の一例として、何か1品困った時にでもすぐに出来上がる簡単メニューとしてお料理レシピの引き出しに、「人参ピールサラダ」をインプットどうぞ(^-^)。

ハンバーグの横にサラダとしてプレートに盛り付けたその姿が食をそそる人参ピールサラダ

ハンバーグは濃い味付けなので、その対極のような甘酸っぱさは相性が良いです。

今回はハンバーグプレートを作りました。

ハンバーグにえのきを投入したことがちょっと個性的だったかもしれません。

よくしめじが入っているのが外食でありますが、そこからのヒントでえのき。

えのきは水分が多いので、よく拭き取ってから入れるべし。

もしくは、少し焦げ目を付けた「焼き」をしてからの投入もうまみがハンバーグの中に閉じ込められて味わい深くなりそうです。

今回のスポットは、その隣、人参のサラダです。

皮むき器で縦にひらひらとした人参をむきまして、オリーブオイル大1、酢大1、塩、コショウ、砂糖大1/2を混ぜて出来上がる簡単自作ドレッシング。

これに人参をあえるだけ。

このにんじんの切り方にドレッシングがよくからむのです。

歯ごたえも良く、ドレッシングの味がよくしみているので、やみつきになります。

人参にはいろんな切り方がありますが、包丁を使わず「ピューラー」だけで作って行けます。

味がその場で浸み込みやすい切り方なのか、煮込んで味をしみこませるような煮物なのか。

人参を使ったメニューの選択は切り方だけでも随分その出来上がりの触感や味わいがそれぞれ違ってきます。

材料が共通でも、自身のメニューのフィルターにかけたその完成品のお料理がバラエティー豊かなレシピに展開できることが人参の良さですね(^-^)。

あとがき

お料理も、最後の盛り付けや組み合わせでテーブルに並んだ状態こそがゴール。

一緒に組み合わせる他のメニューとの相性とかなじみというのは。。あれっ?お洋服のコーデにそっくりなのです。

お料理とファッションの垣根が崩壊した瞬間を見た気がします(^-^)。

まんまるなボタンによる目力、風合い良きタオル地によるモフモフ感が心をキュンと打つ真っ黒ワンコボディーバッグ製作【98】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

YOUTUBE動画のサイトに入ると、ここ最近動物の殺処分を守る広告が見られます。

生後3か月で飼い主から手放されて、ドリームボックスという名のガスボックスで殺されかけた子犬がとても印象的。

とてもかわいいお顔をしていて、絶望と恐怖に怯えていた。

その寸前で、チームに引き取られ、救助犬としてお仕事で活躍している現在のようです。

動物にも表情があり、気持ちがあるのです。

今回、お作りしますバッグのシリーズは、<動物シリーズ>。

動物の可愛さに癒されるような気持ちのように「心持ち」の面を重視した製作です。

キュンときて、かわいいと思ってもらえたら成功です。

動物シリーズの①、②、③でバッグのデザインは変えていきます。

今回は、①の犬のボディーバッグ。犬の顔のみで形作ったデザインで表情にスポットを当てます。

キュートな犬になるための要素(1):素材のふんわり感

表地:シャーリングタオル。綿/100%。日本製。・・・手前に映っているのが、表面。
ふんわりとして気持ちよさそう(^-^)。裏面はバックに映っているように凹凸感がある表層です。
通常のウォッシュタオル、ハンドタオルなどではあまり使われない、パイルカットタイプ。

この素材で作ること自体、触りたくなるような犬のイメージにつながるかと思いました。

裏地:ジャカード。ポリエステル/100%。日本製。・・・まだら柄のジャカードがとてもシック。
表地の黒に対して裏地も黒をコーデ。この裏地で大人っぽさが一気に加わります。

キュートな犬になるための要素(2):立体的に動物を形作る手法

1枚の生地にアップリケで犬を縫い付けるのではなく、バッグそのものの立体構造を犬の顔の形にするところが特徴。

表地と裏地を最初から貼り合わせておいて、最後に縫い付けて組み立てる方法です。
組み立てる時は、端から3mmほどを二度縫いして頑丈にします。

通常の表地の袋と裏地の袋を合体させるやり方ではこのような8角形の角を綺麗に出すことができません。

あらかじめ縫い代の始末を解決しておくというところがポイントです。

こうして、バッグのデザインそのものをまるごと犬の顔にすることが、立体的で迫力があり、何かきゅんと来る要素になるかと思います。

キュートな犬になるための要素(3):カワイイ目になるボタンをチョイス

目を表現するボタンの種類の選択も重要だと思います。

見たときに、あーっかわいい♡、と思うことは、目を見たときに強く感じるのでは?。

どんな目にすればキュンと来るのか。

そう思っていろいろシュミレーションした結果がこのボタン。

結構大きなボタンです。ペタンコであることが表情が安定。脚のないタイプのボタンです。
そして、黒の中になじみながらも際立つグレー色が良いようです。真っ黒よりも表情が出ました。

完成品の特徴としてお伝えしたい多角形の引用について

犬のボディーバッグ完成:犬好きさんにもおすすめのかわいい1品です。
背に、シートベルトでベルトが取り付けてあります。調節も可能。

動物デザインをバッグに入れ込む時の案としてはいろいろ考えられます。

動物の柄の生地をそもそも選択、刺繍、アップリケがありますが、このバッグそのものを動物の顔で表現するという点は個性的です。

いろんな犬がいますので、今回のデザインがどんな犬であるかと聞かれると。。。

実は犬に関してはそれほど詳しくありません。

ただ、見たときに可愛いと思えるような自分の中のイメージの犬がここで生まれました。

耳が短くてお顔が広く、目が真ん丸で8角形。

かなりデフォルメされていますが、耳と本体を見ていただく通り、この8角形はひっくり返さずに縫い合わせて縫い代が隠れることができる多角形の1つです。

多角形をバッグ製作に取り入れていくということは、他の取っ手の付け根の部分のタブなどでも引用しています。

多角形はその他、アップリケのお花などにも利用することがあります。

あとがき

こんな感じで、動物シリーズ、残り2点やっていきたいと思います。

今回の犬は、人間がよく飼うなじみ深い動物です。

かわいらしさは、飼い主さんがとてもよく知っておられます。

そんなかわいい大切な家族の一員を思いながらの製作や着用は一層持つ意味が高まります。

次回は、うさぎになります。

うさぎは、私が好きな動物で、小動物にしては少し大きく、動作が比較的目で追いやすいのか、行動の可愛さがよくクローズアップされますね。

是非、ご期待くださいませ。

デニム生地のバッグを長く愛用してもらうためには、附随の裏地も末永い使用を見込んだ丁寧で丈夫な作りをするべき【97】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、デニムシリーズの最後となります。

①セルビッチデニム、②デニムライク、と進めてまいりまして、このたびの素材は、③7オンスデニムです。

7オンスということで、通常の12-14オンスのジーンズのイメージのあのごわごわした厚手のものの半分くらいのボリュームです。

主に、春夏向けのデニムとも言えまして、デニムのような感じがしないとさえ映りますが、歴としたデニムなのです。

織り方が綾になっていて、しっかりとした作りであることは間違いないです。

今回は、前2回と同じデザインの「丸底バッグ」のまま、アップリケをリボンで飾ったかわいらしさを秘めた+αを加えて、チャームポイントにしていきたいと思います。

水玉の上品な7オンスデニムとの出会い

今回、7オンスのブラックデニムなのですが、さらなる素敵なあしらいがある生地です。

なんと水玉ジャカード。よくあるプリントの水玉とは一線を画します。

水玉のジャカードは結構レアであると思いますし、お洒落で高級感を持ち備えます。

その原因は、やはり糸で柄を出してあることによる凹凸感です。

ネクタイにその良さを見ることが多々ありますね。

<表地>7オンスドットデニム(ブラック)、綿/100%、日本製
・・・ジャカードであることの裏面にも同じ柄が反転で出ることが多いという素敵なメリットを利用します。
反転の裏面でリボンアップリケを縫い付けました。柄が同じなので「なじみながら浮き立つ」素敵なバランス。
<裏地>ジャカード(ブルーグレー)、ポリエステル/100%、日本製
・・・今回裏地にもリボンアップリケを縫い付けました。今度は、裏地に対しては、表面使いが面白いです。
バッグを覗いた時、眺める時、いろいろ楽しめるよう、幾種類かの色合わせで装飾を楽しいものに工夫(^-^)。

裏地だってバッグの顔である

今回のデザインは、なぜか、表地よりも裏地の方が作業が多いです。

以前、当ブログでもアップしています記事にありますが、結構な老舗ブランド様のバッグでも裏地に手を抜いたり、コストをかけまいと悪い素材を使用しているのが見受けられます。

表地は高級な本革で飾るのですが、裏地には長持ちしないと分かっている合皮とかPVCを使うのです。

これには大変疑問と憤りを感じます。

長く持てるお品物をと本気で思うなら、裏地も必ず長く持てるような作りや素材にしなければ、実際に途中で手放すものになることになるのが大変な矛盾です。

どんどん買い替えてもらうための計算なのか、それとも、費用の調整なのか。。。

このように、私自身もブランドバッグが好きでそういった裏地の点で苦戦したり、がっかりした教訓があるのです。

そうして、自分が製造するバッグの裏地は表地にともなってそれ相応の状態で使っていけるものにと考えています。

ということで、裏地という中側の見えない部分であっても1点1点のパーツに込めた丁寧さであったり、縫いであったりを意識しています。

バッグの中側の様子:裏地だからとレベルを落とす云々ではなく、
表地+裏地という対等な考え方で、丁寧に新調に素材を選びながら作って行きます。

まず、布製なので、経年劣化は起こり得ません。

その他、パーツを取り付ける時の返し縫いなどを惜しみなく施します。

Dカンのタブが外れたりなどのことが使っていく途中で起こらないように作っています。

ポケットに関しても、2度縫いをしているので、頑丈に取り付けられています。

2mm厚のベルポーレン製の底板も裏地の底の下に設置されて入れ込んであります。

もちろん、本革には本革の良さがありますが、布製も負けず劣らずの「持ち」がある程度可能であるところも作り方しだいだということをお伝えしたいです。

タブなどは、革製は、どうしても取り付けのミシンの通り具合を考えて、薄くすいたりすることで結局は弱いものとなりがちです。

以前、これもブランドバッグですが、タブが簡単にちぎれてしまいました。革が1枚仕立てですいてあったのです。

そうすると、布製の共布のタブは、4重の2枚重ねということである意味薄く漉かれてしまった本革よりもかえって丈夫だと言えるのです。

この辺りは、細かい部分で陽の当たらない部分ではあるのですが、後のお直しをできるだけ必要としない工夫の数々なのです。

完成品を見ながら、オンスの小さな薄手デニムの可能性を考える

完成した7オンスデニムのバッグ(黒):<サイズ>縦32cmx横35cmxマチ15cm。

取っ手は本革を使用しています。8mmのアイレットカンに通す8mm巾の取っ手です。

スリムなので、スタイリッシュな雰囲気です。この本革のベルト素材は既製品で、幅は8mm-10mm辺りがスタイリッシュに映る巾となります。

8mmより狭いのは、バッグのサイズから見ると、バランスが悪すぎるので、ミニマム8mmと考えます。

あとがき

購入者様も長年使ってデニムの色の変化を楽しみたいという気持ちもお持ちだと思います。

そうすると、表地の素材だけを重視するのではなく、それにともなった裏地の作りも長持ちするように工夫することが大切になっていきます。

一流ブランド様の数々の経年劣化の裏地のひどさは、そういった意味ではとてもバランスが悪い素材の組み合わせをされているかと思います。

また、バランスのことで言いますと、逆もあります。

メイン素材がナイロンで破れてきているのに、取っ手だけ本革で丈夫であるというのもこれも逆にバランスが悪いです。

そうすると、バッグ全体がいかに同じ程度で経年を迎えていくかということも作る時点でよく考えるべきでしょうね。

そこまで考えられることが、使い手のことを思いやった製作ということになります。

お品を見るとそんな目に見えない「気持ち」の部分が現れてしまっているということも驚きです。

やはり、製作する姿勢1つとっても、「実直」であるべきなのです。

パッチワークシートが余ったからと作ったものの、小さなポーチに付加価値を付けることの難しさを知った製作【96】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、ずっと継続中で、バッグ製作の<〇〇シリーズ>の間に入れ込む、<はぎれシリーズ>を行いました。

こちら、いろいろな高級はぎれで作ったミニサイズの小さいポーチがご覧いただけます。

今回は、失敗配置をしてしまった3色ボーダー切替のパッチワークシートの活用で作るミニサイズの縦長ポーチです。

用途が曖昧で作ったものの末路

何かしらの容積のあるポーチに作っておけば、使い道はお客様が考えてくれるであろうという製作をしたのが今回です。

イメージとしては スマホを縦向きに入れるなどが浮かんでいました。

ただ、結果は、散々たるものだったのです。「何を入れたらよいのか分からない」という声をいただいてしまいました。

「レンタルボックス」を利用させていただいたその先のお客様からのお声でした。

結論が早すぎますが、製造者が使用シーンをイメージせずして実際に使えるお品は作れないということが分かりました。

とても厳しいのが現実です。

なんとなく作ってみたものは、もはやその「なんとなく」という部分がぼやけているので、望ましいユーザーには届かないという辛辣な経験でした。

とても甘かったと思います。

とりあえず。せっかく作ったので、その製作の様子をお伝えしていきますね。

デザインや手法のヒントにはなると思います(^-^)。

パッチワークシートのボツ作を利用したポーチの製作

右:<表地>スポーツメッシュ、ナイロン94%、ポリウレタン/6%、日本製
・・・3種の色オフ、グレー、黒をパッチワークボーダーにしてミニリュックを製作時の失敗作。
左:フクレジャカード、綿/97%、ポリウレタン/3%、日本製。
・・・こちらはバッグに一度作ったボツ品の裏地を解体したものです。黒色です。

パッチワークボーダーシートは完成しているので、その製作過程が省略でき、かなりスムーズに仕上がります。

型紙を作らない裁断:①ものさしで計り、ボーダーのマス目を利用しながらまずはボーダー2枚を裁断。
②それに合わせて裏地の黒無地を裁断。不足分はハギ目を作ります。
③ボーダーシートの細いパーツx2枚を取っ手として裁断します。
1)ブランドネームを右上に縫い付けました。
2)裏地をハギにします。両割れして、表面から両端1mm程度の位置をステッチして固定します。
前後パーツとも同じ位置にはぎが来るようにうまく調整して裁断することでハギがデザインになります。
3)取っ手パーツを四つ折り観音開きに折り、ぐるり1周をステッチ。
色ごとに糸の色を同色に交換。結局この場面が一番時間がかかっています(^_^;)。
4)マジックテープのオスとメスをそれぞれ裏地に縫い付けます。マジックテープの色は黒です。
5)表地も裏地のそれぞれの地縫い:本体の前後を地縫いして、それぞれのマチ無しの袋を作ります。
裏地は良いですが、表地は待ち針を打つときにボーダーの柄を合わせるべく、注意を払いながら、
細部まで正しい位置で待ち針を留めると、ボーダーのサイドの段のそろい方が格段にきっちりとなります。
待ち針がボーダーの柄合わせのカギを握っているのです。
6)表地と裏地を縫い合わせ:ここで少し前の段階にさかのぼりますけれど、
ひっくり返す時に、裏地と表地の底部分の縫い代の影響のない部分同士をミシンで返し縫いしてとじます。
片方3箇所、もう片方も3箇所という具合に縫い留めて合体させておくのです。
そうしますと、ひっくり返した後のずれがちな底部分が安定します。

そして、口を1周縫いとじて完成します。

お客様が使い道を考える、「アタシポーチ」というネーミングにしてみました。
<サイズ>縦20cmx横14cmxマチ無し。

小さなものでも、普段のバッグ作りの製作手法と全く同じで、手が込められています。

これが受け入れられなかったことがとても重要です。

丁寧にしっかりと作ればそれでよいわけではなく、そもそも欠けている部分があったということになります。

パッと見た時に使うイメージが浮かばなければ、受け入れられないという厳しさ(しかしそれが当たり前の基本である)を今更ながら知ったのです。

あとがき

はぎれも、はぎれのまま捨てられたり、そのままの状態よりも意味があった製作でないといけないわけで、結局しっかり価値を付けていくには難易度が高い作業だと言えます。

それは、縛りがあり、限られた条件で価値を高めていく工夫になるから難しいのです。

はぎれも舐めてはいけないのです。

しかし、良き技術の上達にはなっていく訓練になります。

限られた条件の中では、答えがシンプルですので、かえってすっきりした最低限の理解しやすいお品が生まれる可能性も高いと見ています。

デニムより軽めの「デニムライク」生地で柔軟性を活かしたバラ柄アップリケ付きのトートバッグ【95】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ただいま<デニムシリーズ>という企画をしておりまして、デニムの部類の生地を連続してバッグの製作を行っています。

今回は②です。

前回の①は、王道なセルビッチデニムといういかにもデニムのイメージそのものの素材でした。

今回は、素材に少し変化を付けていきたいと思います。

〇〇ライクという言い方は、アパレル用語でよく使われています。

〇〇みたいな、〇〇風、といった中間的要素を表現した便利な呼び名です。

一見中途半端のような気もしますが、今回はこの言葉をお借りして「デニムライク」な素材をチョイスしました。

ジーンズに使われるセルヴィッチデニムよりも「エレガントテイスト」に寄る「デニムライク」な生地

表地(グレー):綿無地、綿/100%、日本製。ややグリーンがかかった感じのグレー色です。
デニムでいうところのブラックカラーです。縦に入った筋が特徴。とても美しいです。
綿タイプは基本的にはカジュアルな印象なのですけれど、エレガントに見えます。
上品な織り目や筋の雰囲気がそう思わせてくれるのかもしれません。
裏地(赤紫色):ジャカードクロス、ポリエステル/100%、日本製。
前回のデニムシリーズ①の時のキャメルベージュの裏地との色違いがこちら。ベリー色です。
この赤紫のような濃ピンクの色と、ジャカード柄の美しさ、糸のツヤなどからもエレガントな雰囲気があります。表地のデニムライクなブラックカラーとの色の相性も良し。バッグの中をのぞくのが楽しみです(^-^)。

薔薇のアップリケの考案と作り方

試行錯誤の結果ですけれど、薔薇の花びらも、薔薇の葉っぱも1枚の台形のパーツだけで行いました。

違う形とか大きさを取り入れてはみたのですが、出来栄えが統一感がなくちぐはぐで、今回のようなシンプルな1パーツのみの結果となりました。

向きを変えたり、重ねたりすることだけでお花と葉っぱを表現していきました。

共布で控え目に出来上がった薔薇アップリケ:縁をすべてミシンで縫い付けています。
後述しますが、薔薇アップリケの面は生地の裏面の無地ライクな濃い色の方をあえて使用。
ぱっと見の凹凸感が高まり薔薇が浮き出て映ります。

台形型の1枚を交互に順番に縫い代を隠しながら折っていきます。

そして、完全に縫い代を中に隠しこんだところでミシンで渦を巻くような同一方向に配置して1パーツずつ縫い付けていきます。

1パーツずつきちんと玉止めをして区切りながらのまめな作業となります。

花びらの中心は、一番最初に5cmx5cmの正方形を折り込んで縫い付けています。

重なりながら花びらをどんどん縫い付けていきますと、こんな薔薇の花らしい形になっていきます。

大まかな流れは、まず中心をとりまくように4枚、その次に正方形になるみたいにその外側に4枚、そうすると隙間が左右に2か所大きく空くので左右に残りの2枚を配置するという順番でこうなりました。

葉っぱに関しましては、端が細くなる方を外側に互いに配置して、2パーツで1枚の葉っぱを表現します。

ちなみに、この時の生地の面は、本来の筋が多く入った表面ではなく、裏面の方を使います。

裏面は、色が濃くて筋が無いことから表面との違いがくっきりしますので、その違いによって凹凸感を出します。

同じ面だとなじみすぎて、薔薇柄がはっきり出ずにぼやけるので、共布でありながらはっきりとアップリケの薔薇モチーフをお披露目するには裏面を使ったことが効果的であったようです。

楕円底を縫う縫い代は7mm-10mmの少な目がしわ防止となる学び

バッグの楕円底の取り付け場面:本来、本体側からが望ましいとされています。
ところが、縫い代を1.5cmも取ってしまったために、こちらの底面からやり直し入っていた皺を取り除きました。

縫い代は1.5cmもとったことが良くなかったです。

そこ縫いの縫い代は、せめて1cm、本来7mm程度がしわが寄りにくく綺麗にできるという学びを得ました。

そうすると、本来推奨されている本体側からの縫いがやはり正解です。

完成品ご披露

完成品:<サイズ>縦32cmx横35cmxマチ15cm。

裏地で作った巾着ひもが効いてサイドが中に折り込まれてこういった形になっています。

広げるとバケツ型の1泊できそうな容量です。

そして、拡張機能として、ショルダーカンを付けてあるので、後々ショルダー使いをしたくなった時に対応しやすいようにしてあります。

あまりショルダーをトートバッグで使うことは少ないかと思いますが、長く持つ中ではそれは分かりません。

よって、そういう時があったときにショルダーを取り付けやすい状況をお作りしておくというものになります。

あとがき

デニムライクな生地は、これだけ見ると、カジュアルな素材のように思えますが、デニムの仲間と一緒に並ぶと、断然シックでエレガントです。

いかに、こういった〇〇ライクな生地というのが親しみやすいかを知ることができます。

もしこれが、セルヴィッチデニムの本格派であると、確かに素材自体は魅力的ですが、ここまでの薔薇のアップリケは不可能であったと思われます。

薄手の柔らかめだからこそ柔軟性がありデザインがあれこれ広げられるという融通性がメリットになります。

ただ、「綿無地」という生地名が目立たないものになっていますので、目で見てお店に足を運んでこそ発見しやすいタイプの生地ですね。

セルヴィッチは生地の耳、いつも端にひっそりとたたずむ「赤の要員」様、どうぞ真ん中へ【94】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

この記事アップの2019年末辺り現在、ふとした情報を見ました。

ジーンズ熱がもはや減退の兆しというような傾向がみられるとのこと。

ここ10-20年程、ジーンズは、洋服の定番ともいうべき存在で、多少の裾の形とかウエストの位置を変化させながらずっとクローゼットに並ぶ定番アイテムとして君臨していたかと思います。

それが、ここにきてついに、減退とは。。

もしかするとライフスタイルや嗜好の細分化によって、ジーンズ一色の横並びなコーデからの思い切った変化ということも1つに流れがあるのかもしれません。

ブランドの証(あかし)のようにもてはやされるセルヴィッチは実はただの生地の耳である

セルヴィッチデニムく12-14オンスあたり>:リーバイス501が13.5ozとのことです。
こちらは、14oz程度であると重さからの算出により導き出しています。
インディゴデニム、綿/100%、日本製。生地幅は、75cm幅。
両端が白に赤いステッチが特徴のいわゆるセルヴィッチ、通称、赤耳(あかみみ)。

そもそも、私が生地屋さんで普通に購入できたところがそれほど特別なものではないと言えます。

以前私は、セルヴィッチが「リーバイス501xx」の特有の仕様だと勝手に勘違いしていました(^_^;)。

しかしながら、リーバイス501に+αのセルヴィッチだからこそその価値であるわけで、セルビッチというもの自体は、このようなジーンズ用のデニムでなくとも別の生地であっても存在します。

セルヴィッチというのは、そもそも旧式のはたおり機の名前であり、幅が狭く、通常のシングル巾と呼ばれる原反の110cm辺りの幅よりももっと極端に狭い幅。

そして、綿密な織り方の良い作りをしている機械で織った布地の耳のことで、出来上がるのに時間を要するということから、手間がかけられたデニムになるのです。

とはいえ、セルビッチは、端っこの耳でしかないのです。

パンの耳は切り落してサンドイッチにはならないです。

しかし、セルヴィッチは、立派にジーンズの一部に使われさらにもてはやされて、価値を持っています。

やはり、勲章とか、証(あかし)というブランド製を秘めたパーツだとデニムファンの間で認識されているのも、「リーバイス501」のブランド力の影響を見ます。

つまり、このセルビッチがちらりと見えることで、分かる人には分かる、今ではレアな旧式の狭い幅の機械で製造された生地を贅沢にたっぷり使わなければ出来上がらないジーンズだということがイメージできるからですね。

その手間をかけられた製造シーンの知識によって、「セルヴィッチデニム」に対して、「価値」を感じることになります。

普段わき役の位置のセルヴィッチを、真正面のお花のアップリケという主役に演出したバッグ

ここで、私のアイデアを投入する番がやってきました。

耳という存在で普通は隅っこに位置しているセルヴィッチ。

これを真ん中に持ってくる試みです。

デニムシリーズというバッグ製作のシリーズをしておりまして、この度の製作はインディゴデニムを使用しました。

そして、裁断していく過程で赤耳が余るという事態になるということが起きました。

洋服のアイテムである「ジーンズ」の裁断に関しては、「耳」はわざと計算されて端に来るように設定されているので、必ず使うという仕組みの製作のようです。

バッグでは、裏地も付けますので、実際は耳が隠れて耳というのは目には映らなくなるのです。

よって、ジーンズとは違った考え方をしていきます。

そこで、セルビッチを目につく場所にあらかじめ設置しようとしたのです。

セルヴィッチをはっきりとご披露するには、思い切って主役の真ん中にセッティングという大胆かつシンプルな考え方です。

お花の花びらと、葉っぱの大きい方の筋にセルヴィッチを利用したバッグ。
:花びらの中側に模様みたいにセルヴィッチの赤いラインを持ってくる位置に縫い付けました。
葉っぱの大きい方の筋はセルヴィッチの裏面を見せています。

このバッグ、いろいろなこだわりを込めました。

まずは、セルヴィッチチを真ん中に配置したこと、そして余計な色を使わず3色程度にしたことです。

デニムの表面、裏面、そして、キャメルベージュという色。

キャメルベージュは、ステッチ、革ひも、裏地、マジックテープすべてこれらに共通に使った色目。

色を余計に追加せずに、全体をすっきりとさせるのが1色揃えの効果です。

裏地はジャカードのシャープな柄になっていて、少してっぺんの部分で見えてもかっこよく見えるような感じにしています。

地味で仏頂面のインディゴデニムが長くバッグで使われて、まるでジーンズをはくみたいに色落ちを楽しむことができるようにお使いいただけるバッグにという思いを込めました。

末永くデニムバッグを使っていけるような機能面の工夫

さて、セルビッチ頼みのデザインはさておき、picturesque流な機能の面の工夫をお伝えしたいと思います。

今回のこのインディゴデニムは、やはり、今後使っていく中での楽しみがあります。

色落ちがしていって、遠い将来はブルージーンズのような薄いブルーになるかもしれません。

そういった段階までの長きにわたってこのバッグを使ってもらうには、いろいろな壁が。。

・途中でデザインに飽きる可能性

・バッグをいろいろなシーンで使いたくなる

このような欲が出てくることを想定しました。

自分がそうであったことの経験からも、きっとそのような気持ちが出てくるかもしれないとの考え方です。

ということで、そのような使用途中で出てくるであろう悩みや希望を事前に対処しておくということをいくつか行いました。

①まずは、とにかく、しっかりと作ること。
当たり前なのですが、花びらもできる限り立体感を残しながらしっかりミシンで縫い付けていきます。
使用途中でステッチがほつれたりする事故は悲しいです、ここで私がしっかり縫うことが活きます。
②形が2通りに変化できること。
通常このようにサイドのリボンでしぼるので、紙バッグのようにへこむ形をしています。
けれど、このリボンを使わなければ、横に広がり、トートバッグならではのバケツ型の広い形になります。
全く形が変化してしまうのがとても面白く、思い切ってバッグのデザイン的なテイストを変えられます。
この形で1泊旅行は十分可能です。
③アイレットカン仕様の本革取っ手は後に交換しやすいということ。
これが縫い付けの場合、作業が高額なリフォーム代がつき、大変。
けれど、この仕様なら、困難ではありません。
④両端にバイヤス位置に縫い付けたショルダーカン。
これは、今回はショルダー無しの状態の商品ではあるのですが、
いずれ使っていく中でショルダーを付けたくなった場合を考慮した機能です。
このショルダーカンは、キーホルダーにも利用できます。

以上のような辺りを使っていく場面を想定しながら強化した機能でした。

あとがき

もともと、セルヴィッチ自体にはこれまではそれほど価値を感じてはいなかった私です。

あくまで耳。ただ証とか勲章として、セルビッチは理論的に良い物であることを証明しますので、生地の質が良質であるという言葉の説得力が増します。

私も生地の選択をするときに、良質ということには注目してチョイスしていますが、良質ということがなかなか私以外の人には伝わりにくいものです。

実際に目で見たり、縫っていく作業をしていると良質であることが製作者は分かるものですが、その素材で出来上がったバッグを見てお客様が良質だとネット上の写真で思えるのかどうかということになると大変その点が難しいです。

その点、セルビッチ(赤耳)の存在というのは、良質であることがダイレクトに伝わる1つの良き証(あかし)なのです。

かしこまりがちなブリーフケースと対極にあるテイストをデザインに落とし込んだエキゾチックなバラ柄の書類リュックでビジネスシーンを柔らかく彩る【93】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いよいよ<簡易リュックシリーズ>の製作がラストの1デザインとなります。

今回製作のリュックは、A4のクリアファイルが入るペタンコの四角型。

もしかして、ビジネスシーンでも活躍できるかもしれないと思っております。

そうなれば、これまでの堅苦しいイメージなビジネスシーンに彩(いろどり)を添えられそうです(^-^)。

スエードライクな毛羽立ちがやわらかな生地をビジネスアイテム入れに落とし込む

<表地・裏地共通>スエードプリント、ポリエステル/100%、日本製。

名前が、スエードプリント。しかしながら。。。実際は、あの本革スエードではないです。

ただのネーミングです。

スエードと呼ぶには「皮革」であることがベースであるという一応の定義のようですので、スエード調と呼ぶのが正解かな。

しかしながら、近年はいろんな布地をスエードと呼んでいるようで、今後個のスエードという言葉の定義も変わっていくのかもしれません。

生地の毛羽立ち、さらさら感、ポリエステル/100%であるということ、生地の斜めにラインが入った綾のような織り目、「ピーチ」という素材にも類似しているなあと思いました。

いつもの生地屋様ですから、ピーチという名前を表示されるでしょうから、正式には、違うのでしょうね。

とにかく薔薇の花柄の色がとても華やかな紫がかったピンクで、その周りの、黄緑色とか、オレンジと一緒になって、エキゾチックな景色です。

ファスナー使いにおいてのpicturesque流なこだわり

メインの開閉には、ファスナーを取り付けていきます。

私は、過去にファスナー使いを何度もポーチやバッグで製作してきましたが、その中で、ファスナーには、物理的な負担はかけない方が長持ちだな、と思う部分があります。

というのは、あるエピソードがあるのです。

基本的なポーチは、ファスナーをてっぺんに取り付ける方法が王道ですね。

ただ、あの方法は、基本的でありながら、ファスナーを取り付けた後に、縫い代を隠すためにひっくり返すので、とてもファスナーに負担がかかります。

上述はこのタイプの事をお話しています。
これこそがファスナーポーチの王道みたいになっていますが。。。

つまり、無理なことをしているといった感じです。

あれが、すごく不安になるんです。ファスナーさんも可哀そうだと思ってしまうのです。

いずれ、ファスナーの務歯が開いてきて、ファスナーの機能が壊れる気がします。

実際、過去に、ハンドメイドを始めたばかりの頃に何百個と作ったポーチやバッグに取り付けたファスナーがサイズによっては、留め具の部分でちょうど終わらない場合、カットすることがあります。

この時に、カットした部分を一応、開いてこないように留めることをミシン+手縫い(刺繍みたいに行ったり来たりのコイルみたいに始末する)をしていましたが、それでもなんとなく不安でした。

実際にファスナーの務歯が割れて、開いてきたこともあり、「えーっ、新品のファスナーなのに」と、思いながら、無理矢理とじるみたいな作業をしたことが思い出されます。

自由にファスナーの長さをカットするとこんな風に端を工夫せねばなりませんでした。

当然です。本来の定位置から真反対にくねらせてうなぎのような体制でそのまま出来上がるのですから。

ファスナーに圧力がかかって開こうとする力が働いてしまうのです。

こんな体験から、だんだんあの基本的なタイプのファスナーの取り付けをひかえていくようになりました。

ゆるやかに取り付けたら気持ちがいい♪、そして、ゆったりと無理なく取り付けられたファスナーはいかにも安定していて見ていても心地よいのです。

ということで、今回こんな感じで、まっすぐにファスナーを無理のない体勢で取り付け、その代わり、ひっくり返せなかった縫い代を外にそのまま飛び出すことにしました。

このようにファスナーに無理な体勢を強いずに、まっすぐに取り付けました。

ファスナーが飛び出した縫い代を美しくラッピングする方法

では、外に飛び出したこの縫い代はどうするかということが、今回のポイントとなります。

共布ラッピングという方法です。

バッグの底ラインは、裏地と表地とを向かい合わせて互いに中側に1.5cm折り込んでのステッチを施したので(ひっくり返しをしていません)、縫い代は隠れました。

残るはサイドの縫い代のみ。

硬いファスナーの務歯があるサイドは底部分のように内側に縫い代を折り曲げる方法は無理です。

そういった時は、そのままの安定した状態に共布ラッピングをかぶせることが効果的な方法の1つです。

縫い代1cm程ででスタートとゴール部分を縫い代を隠すように折り込みます。
ラップ巾は2cm。地縫いで1度、最後の縫いとじで1度の合計2度のステッチの2段階作業。
ラッピングの縫いとじの場面:待ち針を留めながら正確にくるみます。
このショットの場面こそ、ラッピングで一番大切な場面。幅をいかに正確に一定にするかです。
そうして、ミシンの縫い目が裏面にも同じような位置に出るのです。

これが、カーブの部分だと難易度が極端にアップしますし、そもそもバイヤス裁断が必須ですが、今回はまっすぐの線なので、トレート裁断のテープで大丈夫。

幅が2cmもあると比較的難易度は下がります。

両サイドのラッピング始末出来上がり:もう1点ポイントがあるとすれば、どちらの面から行うかということ。
表面を最後の縫い付けに持ってくるのが裏側よりも綺麗です。
よって、ラッピングは、どんな時も裏側からスタートして、表で縫い閉じるというのが綺麗かなと。

完成品をご披露

A4書類スクエアリュック完成:縦35cmx横29cmxマチ無し。

この1つ前の記事の【92】と同じように、共布ショルダーにジグザグキルトをかけました。

そして、同じく、調節機能は付けていません。直接挟み込みの縫い付けをています。

マチが無いタイプの書類中心のリュックですが、スタイリッシュですね。

まさに、「簡易リュックシリーズ」の「簡易」が感じられるものです。

この「簡易」ということは、上手くポイント箇所をしっかりしていくと、「粋:いき」や、「瀟洒:しょうしゃ」という雰囲気が実現できます。

この柄が、まさかビジネスシーンに使用するということは想像しませんね。

「世の中に多すぎるほどのビジネスバッグがあふれている、その中で目立つのはその対極のテイストをその型に落とし込むこと」、こんな風に考えてみたのです。

ビジネスなのだから、引き締まったイメージもあり、緊張し過ぎないようなリラックスした柄というバランスを取ったコンビなのです。

このバランスは私ならではです。

あまり堅苦しくはない分野の会社に勤務した過去があったことで着想できたことだと思います。

業界は、「ファッション業界」でした。

あとがき

今回で簡易リュックシリーズ終わります。

3点の違うデザインの製作でしたが、どれも、とてもやさしい作りをしています。

「作るのが簡単な易しさ」と、「無理な材料の使い方をしない優しさ」の2つのやさしさが込められたものです。

リュックは、ああいう形のことを言うのだというような固定観念はとうに打ち破っています。

しっかりと作って、機能があれば、素敵になります。

今回のような弓矢のような弾力性のあるショルダーのように、単純でも、しっかりした作りこそがまずは大切なのです。

あるジャズピアニストのインタビューでの言葉を思い出します。「ビル・エヴァンス」様です。

「華やかにただ弾くのが素敵な音色なのではない、シンプルでもポイントの音を押さえれば、素晴らしい音色になる」と。

シンプルながらショルダーにジグザグステッチが際立つペールカラーの心和むピンクの花柄リュック【92】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、<簡易リュックシリーズ②>です。

前回の【91】と全く同じ生地ですが、色が変わります。

デザインはもちろん1点物志向なので、新しいデザインです。

今回も複雑な仕様はなく、単純な作り。

作るのには、敷居は低いものとなっていますが、共布ショルダーにジグザグキルトをかけるということで、際立つものにしてみたいと思います。

同じ生地で色が違うことによる見比べ

使用の生地(表地と裏地共通-ピンク):paper printed、ポリエステル/100%、日本製。

前回と全くの色違い。こちらもかなりかわいいです。

地のサーモンピンクがとてもフェミニンなんです。

今回も同様に、生地の名前が不明で、耳にpaper printed,suedeとの記載。

紙のプリント?、スエード?このあたり、もう少し情報がほしいのですが、

分かりませんでした<m(__)m>。

もしかすると、paper printedは、「ペーパー捺染法」という転写的なプリント手法のことを指しているのかもしれません。

特徴が、プリント液が裏面に浸透しない表面だけのものとなっていることから、裏面が真っ白の状態であるという状態と一致していることから、そう考えます。

多分これですね。また、研究しておこうと思います。

【91】の時のグリーン色。

共布ショルダーにジグザグキルトをかける方法

過去の製作の中で、メンズのボディーバッグが初めてブレイクした時辺りににボディーバッグのショルダー部分と大きなタブというか翼のような共布を取り付けていました。

その時に、そこにおおざっぱではありますが、ジグザグキルトをしていました。

今回は、その時の経験を思い出し、リュックの左右のショルダーにそのようなジグザグキルトを施したいと思います。

写真の手順①-⑩でグワンと弓のように形がしっかり整ったショルダーに仕立てます。

①まず、ソフト厚芯という種類のフェルトみたいなふんわりしている芯地を用意。厚みが1mm程度。
表地のショルダーパーツと同じ型紙で裁断してあるものを用意。
そして、ソフト厚芯の厚みの幅のゆとり分を削ります。このゆとりが綺麗に出来上がるコツです。
縦に四つ折りして、重ねて、左右5mmずつ程度をカットしておきます。
②カットしたソフト厚芯を表地のショルダーパーツに当てます。
左右5mm程度ずつひかえた幅の細めのサイズになりますね。これがソフト厚芯の巾のベストです。
③ポイントとなる点なのですが、表地とソフト厚芯を別々にアイロンで折り線をつけます。
別々で行うことが正確な折り位置で折り曲げることができるのです。
真ん中で一度折り、その線に向かって包み込むように、左右を扉を閉めるように折ります。
短い方の線の上下は、挟み込むので、縫い代を隠さなくてそのままでよいです。
④ソフト厚芯も同じように個別で折り線を付けます。
そして、重ね合わせて、真ん中の線をしっかり重なった位置に意識しながら一緒にくるみ込みます。
そうしますと、厚芯の厚みの分が調整されて、表地とソフト厚芯が面白いくらいにぴったりと重なります。
そして、口を洗濯ばさみでいったん細かめに留めておきます。
⑤そうして、気づくとこういう状態になっているといった感じです。
これだけ見ると、わーっ(;'∀')と思ってしまいますが、小さいことの積み重ねが結果こうなるだけです(^-^)。
⑥そして、端から2mm程度をぐるり1周ボックス状にステッチ。
洗濯ばさみを少しずつ外しながらです。
⑦端がすべてミシンで固定されました。挟み込むので、先端の上下は縫い代なしですがその部分もステッチ。
⑧そして、いよいよジグザグキルトステッチに入ります。
⑦の状態のステッチの角部分からスタート。
ジグザグにミシンの押さえを都度上げながらステッチの向きを変えます。
向きを変えるポイント地点では、一続きで途切れることなくステッチしていきます。
⑨ものさしでもわかるように、だいたい二等辺三角形の底辺が3cmほどというサイズに今回はしています。
それほど神経質にならずとも、大体の目分量で同じ幅を意識していけばよいです。
多少二等辺三角形でなくとも出来栄えは大変綺麗なものですから、それほど正確な寸法は気にしません。
二等辺三角形にすることのメリットは、反対向きでも同じ柄が出るので裏表を気にしなくても良い点です。
⑩出来上がり。実際取り付ける時は、私は、外側にハギ合わせの部分が来る向きにして左右を対象にします。
つまり、このこのような向きが左右のショルダーになるイメージをしてみてください。

完成品ご披露

グザグキルトショルダーリュック完成:<サイズ>縦27cmx横22cmxマチ10cm。

ショルダーは調節機能なしのミドルレングスです。

挟み込んで縫い付けるのみ。

上部はハの字に斜め縫い付け、下部は、底を縫う時に一緒にできるだけ端の方に縫い付けました。

ところで、リュックのショルダーのハリコシにご注目を。

しっかりとした質感で、グオンと弓のようにきれいな弧を描いています。

中に入れたソフト厚芯とジグザグキルトのコンビのたまものです。

入口のメインタブに関しては、今回やや長すぎたように思います。

あと5cm短くしてもいいかも。

物をたくさん入れるとマジックテープが引っ張られますからこれで良いのかな。。

フラップの程好い長さは、後の研究にしていきたいと思います。

あとがき

シンプルだけれど、凝る部分は凝るということで、素敵なリュックになります。

今回のジグザグキルトは難しいものではないと思います。

なぜなら、初めての時も失敗しなかったし、ジグザグステッチに関しては、出来が悪かったと思ったことが一度もなかったからです。

ということは、「気軽にできる優しいデザインであるようだ」ということです。

ご参考にどうぞ。

巾着バッグの入り口にタブを取り付けるたった1つの手間で高まる価値及び量産の工業製品との差別化【91】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回から、<簡易リュックシリーズ>というものに入りました。

「リュックというのはこのようなものである」、という固定観念を打ち破るような、簡単な構造なのに親しみやすく使いやすい、そんなリュックを作って行くということを目標に据えました。

表地も裏地も共通の1種のみで作るナップサック風リュック

<表地・裏地共通>生地名は不明(耳にpaper printedという表記)、ポリエステル/100%、日本製。

生地は薄手で、女性のワンピースなどに作られたデッドストック的な生地だと思えました。

これがワンピースだったとしたら、少しレトロっぽいですね。

これをバッグにしてしまうのが、picturesque流。

柄がとても素敵なボタニカル花柄で、こんな柄がナップサックになるとは、とても面白いのではないでしょうか。

そして、古き良き味わいとしての1つとして、生地製造に取り入れられているカラーの中間色の美しさを見ます。

赤に行ってしまわない手前のエンジ色、茶色に行ってしまわない手前のモカなど、いくつかの素敵な中間色が惜しみなく使われ、手間がかけられている様子です。

この手間が見られるところに「価値」のイメージが付きますね。

タブをワンポイントにする超シンプルリュックのデザイン

今回のデザインは大変シンプルです。

巾着袋の紐をそのままショルダーにして、入り口にちょんと、小さなフラップのようなタブを付けるだけです。

入口のタブ:カーブは簡単な、直線の六角形タイプ。マジックテープは1枚分のみに縫い付け。
そして、しっかりとした形のキープのために、ハード薄芯も貼っています。

巾着紐がぎゅっと絞られながらも、タブは変形してほしくないのです。

同じ場所でこの巾着の圧力に勝る硬さ当店が少し難しい点です。

ショルダーを兼ねた巾着ひもは1mなんてものではない、たっぷりとした1.5mの長さで。。

今回のA4相当のサイズのリュックに対して、ひもは、合計3m、片方1.5mずつという分量でちょうどよかったです。

目安は、口をオープンした状態で、取り付けタブを引っ張っていない状態で数センチのゆとりがあれば、背中にもいい具合な長さであり、開閉もすっきりとしたものになります。

とても、1m程度の長さなどではないということです。

巾着ひもの分量は、絞らない状態でちょうど本体を引っ張っていない分量が最低限で無駄がないです。

完成品で気になったひもの色の改善

巾着型リュック完成:<サイズ>縦32cmx横25cmxマチ10cm。

ひもは、モカ茶なんですが、少し汚いですね。

これを後日、紐を交換しました↓。

薄グレーのコードに変更したナップサック。

こちらの方が優し気に馴染みました。

とてもかわいい花柄♪、思わずじっと眺めてしまいます。

入口のタブがデザインに非常に良い表情を出してくれました。

シンプルなデザインは、1つ1つのパーツにインパクトが込められます。

あとがき

今回のような、巾着の入り口にタブを1つ設置するだけで、バッグに、「顔や表情」が現れます。

そうしたことが、「らしさ」になっていきますので、「よく見かけるお品」との差別化になっていきます。

「ハンドメイドバッグ」と呼ばれるアイテムは、個人が作ることが多く、量産品であると、「工業製品」というイメージになります。

工業製品をハンドメイド作家が参考にし過ぎると、ちょっとした矛盾が起きると思っています。

量産で行われる「手間の削減」です。ここを真似してしまうべきではないと。

この対極にある「手間をおしみなくかけていく」ことこそが個人で規模が小さいながら良きお品を作って行けるポイントだと思っています。

もちろん、その手間のかけどころは、上手く判断せねばなりませんが。。