「中表」ひっくり返し後の口の閉じ方、綿棒ボンド付け固定で返し口の場所がどこだか分からないよう馴染ませることを目標とした【344】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

投稿の【336】で取り掛かり始めました「巻き寿司」と名付けた角丸のスクエアリュック製作の一場面を、このたびはお届けしたいと思います。

完成は、後日の投稿の【346】でご覧いただけます。

全体の大まかな流れは、前半で「中表」ひっくり返しで予め縫い代を内部に収納したプレート同士を後半で「外表」で合体していくという視覚的に分かり易い手法のもの。

カーブの重なりがいかに正確にできるかのこれまでの追求から、半径を増やした円の一部をゆるやかに配した優しい4つの角も特徴になります。

では、「中表」ひっくり返し後の「返し口」の始末を実際に行ったやり方でお伝えしたいと思います。

前もって縫い代を解決の中表ひっくり返し作業で作るバッグの2つの面、返し口は直線部分で綿棒使いのボンドで繊細に口閉じた

返し口のボンド付け:15cmをとり、「中表」をひっくり返した状態。この返し口は綿棒で繊細にボンド付け。

ボンド+アイロンの良き固定効果から、アイロンでしっかり熱を加えたらOKです。

ここでステッチをすることはしません、最後の組み立ての時に初めて縁にステッチが入るよう準備するのみです。

2面分の本体パーツ:同じパーツx2面分です。場所は底のストレート部分を利用。サイドを利用する案もあり。
内側から貫通する表面に見えたステッチの隠し方:「ファスナーつまみタブ」の下に隠されるような位置に調整。
表側から貫通する裏面に見えたステッチ:裏面なので隠すことはせずステッチがボックス状にそのまま見えます。

こうしてステッチ糸がどうしても貫通せずには仕上がらないデメリットが伴う作り方なのです。

ステッチが出てしまう理由は、ファスナーを設置した後で、ファスナー位置を見ながらの調整位置だから仕方がないのです。

ステッチが出てしまうことを受け入れ、「美しくステッチを出す」という解決の仕方をして「外表」を貫きました。

あとがき

非常にわずかな部分にスポットを当てたこのたびですが、こうした少しずつの工夫が集まって出来の良さへの発展になると実感しています。

どこかを際立たせてそこに依存する例の1つが生地の素敵さへの依存。

生地が素敵でブランド生地であれば縫製は二の次というスタンスがありますが、製造者としての軸や付加価値の部分が抜け落ちると、後からの悪い「つけ」のようなものが起こります。

生地の素敵さは別で考え、製作の技術面を高めそれが付加価値となるような道の歩み方がお勧めしたいスタイルです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

「外表」製作のバッグでは隠しきれないファスナー周り、どこまでも外側である意識ですっきりと整えるファスナータブの役目【343】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

【319】の投稿では、ファスナータブの2つのタイプを同時に1点のバッグに引用する姿をご紹介致しました。

このたびは、表面にある「ファスナーつまみタブ」の方を「わ」にする改良をし、よりしっかりとした安定感ある設置になりました。

そして、もう1つの内部にある「ファスナーカバータブ」の方も引き続き安定的にすっきりと取り付ける設置をしました。

では、ビジネスバッグ製作の途中のファスナータブ2種を設置する場面を写しながら、「外表」で作ることの「丸見えになる部分ができてしまう」というデメリットをフォローしている様子をお伝えしたいと思います。

「中表」の製作では起こらないファスナー周り丸見え事情、丁寧に作られたタブの設置は「見せる」意識で装飾的に整えた

ファスナーの口布件マチ布:バッグの枠のような長いパーツです。真ん中をファスナーが飛び出すようにくり抜き。

すでに、表地と裏地を「中表」でひっくり返して作ったパーツであり、その後は「外表」で組み立てるという流れ。

表面の「ファスナーつまみタブ」:冒頭でお伝えしましたように、このたびから「わ」にします。
「ファスナーつまみタブ」の縫い付け完了:三つ折り観音開きで作った2つのタブを左右の両端に2列で縫い付け。
2列の縫い付けの裏面:裏面で玉止め。こうした貫通のステッチが見えてしまうのも「外表」のデメリット。
表面に美しく貫通する裏面の「ファスナーカバータブ」の固定:右側にある返し縫いは裏からの貫通。
裏面の「ファスナーカバータブ」上の固定ステッチ:返し縫の二重でファスナーの両端の不安定さを解消。

縫う時は、この裏面のタブを上糸側にして縫いまして、ここを固定することでファスナーがしっかりと隅っこまで面に馴染み安定する感触を得ています。

ただこの作業、最初から最後まで「中表」で仕上げればこのような過程はありません。

そして、「中表」の場合は、ファスナー周りが内部に隠れてくれます。

既製品ファスナーの黒は定番品で必ず見つかること、馴染む黒の布と黒糸で縫い付けることでより一層すっきりとしたという結果。

ファスナーに縫い付けた黒糸とのステッチも、馴染み切って目立ちません。

これは条件付きの成功であり、生地やカラーが変わるとそうもいかないということになります。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.22からおよそ5年後の2025.12.13にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

もともと、難しそうなこうしたファスナー付きのバッグを敷居を低く挑戦できるようにと、技術が低い頃にイメージしやすい「外表」構造で作ったのがきっかけ。

技術も高まった2025年では、「中表」でこうしたバッグを完全に縫い代を隠し込んだ伝統的な作り方の方が腑に落ちています。

「伝統」というのは、そういった深みがあり確かなものだと改めて納得したのです。

「外表」では生地によっては上手くできないことが、ミルフィーユ的な重なりに悩み、このたびのようなナイロンだったから何とか形になったという条件付きの部分もあったのです。

それでも、この「外表」構造も受け入れられ、ピクチャレスクの製作の中では一番の売れ筋デザインとなった「テリーヌ」と言う名のブリーフケース。

このロックテイストの黒x赤タータンチェックのバッグの完成は、【347】でご覧いただけます(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ロックテイストの黒と赤タータンチェックコーデ、ビジネスバッグの表地と裏地にも落とし込み自由な働き方を表現したい【342】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年頃からです、製作したバッグに名前を付けるということをし始めました。

より愛着がわくように、デザインが広まるようにという願いを込めて。。

決まって和風な食べ物に片寄せて名付けた中で、1点だけ和風では決めることが出来なかったデザインがありました。

それは、マチ付きの支柱が配されるクラシックなビジネスバッグで、「テリーヌ」と言う名のバッグです。

あのおしゃれなゼラチンを使った色彩豊かな「テリーヌ」というフレンチのコースで引用される「前菜」。

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.1.21からおよそ5年後の2025.12.12にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直しています。

2025年では「テリーヌ」は廃版、一番の理由は外回り用の実体験からのアイデアだったこのA4横の形は、働き方の変化やデジタル化への加速と共に自然な形で過去のものに思えてきたからでした。

とは言え、このデザインはこれまで製作したものはすべて完売、製作の手応えとしては十分なバッグであったことが、当ハンドメイドバッグ活動の中の歴史としては誇れるものとなったのでした。

では、このたびはまだ完成に至らない途中の段階までの進捗度ながら、ロックテイストを感じる黒無地と赤のタータンチェックを組み合わせてパーツを作った姿をお伝えしてまいります。

パンクロックのイメージの黒x赤タータン、ビジネスバッグの表地と裏地への引用は自由かつ心躍るお仕事シーンを展開してくれる

使用生地:表地(黒)-ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。裏地(赤タータンチェック)-ナイロンタフタはっ水加工アクリルコーティング、ナイロン/100%、日本製。
生地のズーム:ナイロンオックスはいかにも丈夫で緻密な織り目、ナイロンタフタの方は同じ撥水生地でも薄手。
裁断:表地と裏地の分量は、ほぼ均等に分配。黒と赤色タータンチェックのコントラスト効果が素敵。

お洋服でも、黒セーターや黒ジャケットに赤タータンチェックのパンツを合わせるロックの衣装を思い浮かべます。

その他イギリスのイメージもあり、古典的な「ド」が付くほどのクラシックさがあります。

この赤のタータンに黒以上に相性の良い色はまずないでしょう、たった1つの組み合わせを決めるとどうしてもこう組み合わせたくなるものです。

支柱ベルト:前後をしっかりと持ち上げる支柱ベルトには、接着芯・ソフト厚芯が内蔵されているのです。
前後面の完成:表側に実際の外回り仕事でありがちな場面を想定し、スマホ入れを縦長ポケットとして設置。
内ポケット:取り出し易さのバランスも重視の外ポケットに対して、ファスナーで確実に収納する大切な物入れ。

前半の進捗度はここまででおよそ3分の1程度、この後「中表」で表地パーツと裏地パーツを合体、その後「外表」で組み立てて完成していくのです。

バッグ自体の完成は、後の投稿の【347】でご覧いただけます。

あとがき

黒無地の内部に広がる華やかな柄、こんな風に表地が無地を軸にするこという考え方は2025年では徹底するようになっています。

懐かしい経理部としての外回り仕事の2-3時間。。あの時間にはたくさんのコミュニケーションがありました。

大切な書類入れという機能のバッグを持ちながら、一人の人間が関わる出来事のドラマチックなワンシーンになることを願います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

一期一会からリピートというご縁へ。。再訪問の可能性を種蒔くHPのQRコード掲載の下げ札は、読書のしおりにもなってくれた【341】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前の投稿【114】【119】でもお伝えしました内容ですが、そのような過去の内容を今一度振り返りながら、一度っきりになりがちなお客様とのその後の繋がりのための種蒔きの1つをまとめたいと思います。

こうして幾度かの投稿がある理由は、当初の投稿時それぞれにきっかけや変遷があるためです。

当ブログ記事だけでも、最初の投稿の2021.01.20からおよそ5年後の2025.12.11にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直しているのです。

2025年では変わらず行っていることとして定着していますで、【114】【119】に続くまとめの回として当【341】を綴りたいと思います。

読書好きが過去のブランド商品タグをしおりに使うことからの着想、日用品として使えるものにQRコードを掲載するアイデア

ハンドメイドバッグをご購入していただいた時の発送作業では、納品書を同封しています↓。

「creema」様にて出品のバッグご購入時の作業:納品書を印刷して商品梱包時に同封しています。

この納品書と一緒にある物を同封します。。それが下げ札です↓。

しおり下げ札:表面にはブランド名、裏面にはお品物の詳細を記載。同じ面の右上にはHPのQRコードを掲載。

2018年事業開始当時、「厚生労働省」様へのお問合せをし、品質表示の必要性をお聞きしました。

「アパレル品であるお洋服は必要だが、小物類のバッグは必要無し、されど情報は何らかの形で是非示してあげてください」とのことでした。

しっかりと情報を持っているので可能なこと、こうして下げ札の形で実行しています。

ただ、ここからが独自のアイデア、読書のしおりに姿をアレンジすることで、捨てにくくなるという工夫をしました。

捨てずに残ることが、その後再びご縁がある可能性をゼロからそれ以外のパーセンテージへとわずかでもアップしてくれます。

下げ札用材料:土台のタグは既製品、かわいくてエコノミーな規制品タグがあるならわざわざ費用はかけません。

ひもは、高級感ある明るい色のベルベット、しおりに触れた時の心地が優しく、バッグのテイストに重なる物を感じていただければと。

このアイデアの着想:まさか一から私が思い付くはずも無く、着想はここからでした。ブランドタグの素敵さです。

本複数冊を並行しながら読み進める際には、複数のいろいろなしおりを持つことに。。ブランドタグは作りが良く、素敵なのです。

この素敵さの裏面に情報を入れるというアイデアは「ピクチャレスク案」といったところです。

同じハンドメイド品を発送されている作り手様へ。。納品書のみを入れるも、情報入りの下げ札を入れるも厚みなど変わりません、是非やってみてくださいませ。

あとがき

ゼロなのか1なのかで言うと、こうした種を蒔くことは少なくとも1を作る可能性を起こします。

何もしなければゼロ確定、いかに無駄なただの発送をしているのかということをしっかり見直さねばなりません。

ネット購入のケースのみならず、マーケット出店の時も同じ考え方で良いです。

とにかく目指すべきは、いつまでも末永く覚えていてもらうことなのです。

もっと別のケースに落とし込むならば、お取引先との契約の際に、お買い得にご提供してあげる代わりに「QRコード入りのチラシ」を配ってもらう依頼をすることなどもアイデアとして浮かびます。

「繋がり」などと綺麗な言葉を口にしても、その先が不確かな一時だけの華やかなパーティーのみが繋がりの場所ではないのです。

こうした地道なところに目を付けたのも、地味なオタクらしいピクチャレスク的な発想です(^_^;)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

畳み跡が付きやすく取れにくい王道の生地がデニム、大きなバッグの面積の広い裁断パーツをふんわり三つ折りで重ねた収納【339】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

新しい製作に取りかかることになりまして、今度はビッグサイズのヘルメットバッグをセルヴィッチデニムで3点製作します。

裏地をそれぞれ替えながら、共通の表地のセルヴィッチデニムが揃った時のバッグの選び方が裏地が決め手になるという、裏地の存在感にも着目したい回となります。

ヘルメットバッグというのは、思いの他大きなバッグでなければヘルメットが入らないという現実があります。

実は、過去にもヘルメットバッグを作っていまして、投稿では【2】という古い番号が該当します。

その当時は、持ち上げる時の重みを助けるような機能までじっくりと見据えておらず、取っ手を途中に縫い付けていました。

その後バッグ製作活動の中で得たノウハウが高まり、大きなバッグには決まって「支柱ベルト」を付けるようになっています。

「支柱」による支えは、人間が入れ物を底から手で抱えるかのような状態に類似、部分的縫い付けの過去の製作と比較すると、生地自体に優しく力を加えるものなのです。

この先バイカー様も大きく増えていくことは無いのではないかと、ヘルメットバッグはますますニッチな存在になると予想しています。

だからこそ、ニーズがあった際にはかつてのバイカーであった私を含め、様々なバッグ製作者様が素早くお応えできるならば、当投稿の意味も深まります。

3点のデニム製ビッグヘルメットバッグの製作に関しては、製造側の方々にも是非ご覧いただければと思います。

さしあたってこのたびは、裁断後の収納にスポット当て。。畳み跡が付かないような工夫、完成品に至るまでの「仕掛品」の間にも丁寧に接する心得のようなものをお伝えできればと思います。

二つ折りよりも三つ折りの方が折り跡を避けふんわり畳んだ収納ができる、広い面積のデニムパーツの裁断後の優しい保管

折り跡・畳み跡が付きやすい生地:デニムはその代表格、背景に白い糸が織り込んであるからなおさらです。

その他、天然素材である綿/100%全般・麻/100%や、硬めの生地であるナイロン/100%も同じ考え方をします。

包み込み三つ折りの勧め:二つ折りのアシンメトリーは跡が付きやすいので角を2つに分散、三つ折りでふんわり。

バッグの正面のど真ん中を避ける点もポイントです。

跡が付きにくい他の生地の力を借りる:これらはポリエステル系で問題は無いですが、これらと重ねるのも一手。
風呂敷収納:重ねてまとめて三つ折りの方がそれぞれ単独よりも良いですが、写真に残せませんでした<m(__)m>。

こうして、超大判のスカーフ(縦と横が1m近くあるもの)が風呂敷としては望ましいサイズです。

あとがき

出来上がりが丁寧なお品物は、その途中の仕掛品の状態でも丁寧に保管されているものです。

こうした「姿勢」が良き製作品への発展の根底に眠るものだと思います。

個人活動の領域を越えぬハンドメイド、こうした丁寧さは比較的実現しやすいのが小規模の強味。

「小回り」「急な方向転換のしやすさ」なども小規模の強味ではあるのですが、地道なこうした「姿勢」も非常に大切なこと、不思議ながら完成品からそれを感じ取るのが人間というものです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

裏付きバッグの2種生地から表地・裏地・別布の3種構成へ、第3の生地選びが腑に落ちた時複雑なコーデは易しく紐解ける【338】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

黒コーデ好きで黒がずらりと並ぶワードローブ、しかし、カラーが入り混じるお洋服のコーデが得意でそのような部分をハンドメイドバッグ作りの生地の組み合わせにも活かしています。

このたびは、2点のバッグ作りを計画する段階で生地決めがありまして、表地・裏地に加え第3の別布が入り込んだケースをお伝えします。

裁断までの進捗度の製作のほんの入り口ではありますが、やや複雑な複数生地を利用した製作のヒントになればと綴らせていただきたいと思います。

面積不足のストック生地を寄せ集めた裏付きバッグ製作、表地・裏地に加わる第3の生地は「別布」として相性良くコーデされた

これまでは、表地と裏地のみで構成してきたバッグ作りですが、型通りに行かない現実もあります。

ストック生地の中に組み合わせの相性が見つかった場合は、少なめの面積でも使うことを選択したいのです。

その場合に、表地・裏地に加え第3の生地「別布」を求めることになるのです。

ボストンリュック用の3種:生地詳細は製作時の投稿で改めて記載しますので、今回は省略させていただきました。
3種の内訳:表地には赤いカーテン地、裏地も1度目は表地に使用した過去がある厚手。別布はレースカーテン地。

別布の使い道はポケットのパーツを予定、細かいパーツが集まったポケットは裏地とも別の存在になりコントラストが効いたバッグになれそうです。

では、もう1点のバッグ用の生地に移ります↓。

巾着リュック用の3種:表地を柄の風景画、裏地のピンクは可愛らしいカラー、別布は優し気なエメグリーンです。

別布のグリーンもそこそこなパーツ数である理由は、裏地と同じパーツを使った「内蔵巾着袋」を予定しているからです。

3生地のズーム:カーテン地はマルチカラーの素敵さが魅力、ピンクはブロード、グリーンはジョーゼット。

ピンクもグリーンもカラーがパステルに寄っていて、表地のマルチカラーの中に存在する色です。

このような3種の生地の組み合わせが実現できたことがまるで奇跡のように感じた次第です。

前半の生地のボストンリュックの完成は、後の投稿の【350】でご覧いただけます。

そして、後半の生地なのですが、大変申し訳ないことに、ここまで準備しておきながら製作しなかったのです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.17からおよそ5年後の2025.12.08にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

後半の巾着リュックを作らなかった理由は他の製作に着手してしまいタイミングを失ったまま製作スタイルがその後変化してしまったからでした、ごめんなさい<m(__)m>。

2025年では、表地を柄にすることは滅多にありませんので、後半の巾着リュックも作ってしまえば良かったなどと思うこともあります。

結局、この素敵なシティーポップみたいな風景画の生地は幻、今思えば口惜しい過去になってしまいました。

あとがき

時々お伝えしていることですが、主に2つの事業活動の「ハンドメイドバッグ」にしても「レンタルジュエリー」にしても根底にある「やりがい」の部分は、「コーデ」にあります。

自分で製造するバッグ、一方は購入して仕入れるだけのジュエリーという違いがありますが、そのような区別関係なく共通にあるもの。。それはたった1つ自ら高める付加価値の「コーデ」なのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

複数の老舗ジュエリーブランド様の独自性の表し方、自らの事業の強味を見つけ圧倒的に高める大切さはどの業種にも共通する【337】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「華麗なる宝石物語:桐生操 著」を拝読。

宝石にまつわるエピソード的な貴族の物語や老舗宝石ブランド様の創業秘話などを知りました。

この本から学べることは、商品が広く知れ渡るための努力のようなもの。

どのブランド様も何もせずにただの運でトップの座に至ったわけではないことが分かります。

現在の「成功」に至った軌跡の出発点が意外、最初から未来を予想して最も最短の方法で歩もうと念入りに計画されたものでは決してなかったということです。

長い長い歴史と歩みがあったことを知り、結局大切なことは何なのか。。をどの事業者も学ぶことができると思いました。

他の追従を物ともしない拘りや個性、ハイレベルな競争の中心の老舗宝石ブランド様がこれまで築き上げてこられたもの

前半部分の宝石にまつわる物語も非常に面白くて引き込まれて夢中になりました。

後半部分の宝石ブランド様の創業のきっかけや当時の様子なども非常に興味深いストーリー、こうした大まかな二部構成です。

特に後半では、現在でも固定ファンの多く付いた老舗宝石商様の成功の理由が解かれます。

「宝石」自体の美しさだけを頼みの綱としない、自社で展開する付加価値があるのです。

他の事業のヒントにも必ずなると思いましたのでその点に特に注目してみたいと思います。

まず、誰もが知っている「ティファニー」様。

創業は、骨董品や文房具を扱う小さな雑貨店からのスタート、非常に意外です。

「ティファニー」社はアイデアに個性があったよう。

アイデアというのはデザインのアイデアではなく、商品を売り出して広めるためのアイデア、アメリカ生まれのブランド様らしい特徴ではないでしょうか。

次は、「ヴァン・クリーフ&アーペル」様。

周囲が石を見せることに注視したアイテムを作っていたのに対し、デザインを主軸に据えたことが新しかったこと。

「モーブッサン」様。。新しい時代でも伝統の重みを入れ込むが、伝統といっても古さを感じさせるものではない現代にマッチしたものという拘りを入れ込んでいるとのこと。

「ハリーウィンストン」様。。石本来の美しさを活かすべく、石だけが見えるデザインを技術によって実現。

そして「ブルガリ」様。。いつでもどんな場所にでも付けていけるジュエリーを目指したということです。

それぞれのブランドには、特有の拘りや個性があるのです。

昔は、高貴な人のみが身に着けるものだったジュエリーが、こういったブランド様の多くが大衆に広まるように動かれました。

購入しやすくする工夫や日常的なジュエリーというものをコンセプトに考え直したからこそ、今では身近に感じられるアイテムになることができたのだと思います。

こうした動きは、商業形態を色濃くしたことの良き広まりの例と言えます。

ただ、ブランド様によっては、高貴なイメージを保ちたいということであえて安く入手できるようなお品は提案していないところもあると思います。

だんだんと多くのブランドが伝統的な高級品のラインも保ちつつ、一部のラインとして、購入する人の層を広げるために日常的なジュエリーを提案する全体的な動き。

この広く知れ渡るということについては、どの事業にとってもヒントになることです。

「どこの誰もが知っている」ということこそがそのブランドの成功の証の1つの姿です。

あとがき

時代も変化するものです。。「ブランドの威厳」という意味では、大衆に広まることが模倣品の出現なども相まってその価値を落とします。

2021.01.15が最初の投稿である当ブログ記事のおよそ5年後の「手直し」の2025.12.07現在では、庶民では手が届かなかった威厳に今一度回帰する各老舗ジュエリーブランド様の動きも見逃せません。

結局はそのスタンスに立ち戻られたのですね。。老舗ブランド様が最後まで手放したくないもの、それは「高い地位」なのだと思わざるを得ません。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

完成品ではベールに包まれた秘蔵の場所、バッグを迫力ある立派な姿に仕立て上げるハード薄芯を使用している複数の裏面【336】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

最初にお伝えしておきたいのは、当ブログ記事は最初の投稿の2021.01.15からおよそ5年後の2025.12.06にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直していることです。

当時の写真はそのままですが、文章を綴り直しする際に少し考え方が変わる部分もありまして、このたびもその部分が含まれます。

今だけのいずれ色褪せるような流行事とは意識的に離れていますので、あくまでも末永く読まれる内容を意識したものとして受け取っていただければと思います。

さて、このたびはバッグ製作の新たなフェーズに映った入り口の様子、裁断後接着芯貼りの次にある「ハード薄芯貼り」にスポットを当てました。

決して完成品で見ることが無い裏面の構造、「ハード薄芯」がバッグをいかに立派に作り上げてくれるのかをお伝えできればと思います。

表からは見えない裏面に貼る「ハード薄芯」の頼もしさ。。バッグの立派な出来上がりを作り上げる縁の下の力持ち的存在だった

使用生地:表地(ベージュ)マトラッセジャカード、ポリエステル/100%、日本製。裏地(暖色系小花柄)-ブッチャープリント、ポリエステル/100%、日本製。
生地のズーム:いずれも格子状の織柄で基本的な相性あり。ジャガードの融通は柄同士のコンビが可能なこと。

YouTubeでは①-⑧の8項目にまとめた形式でしたが、その中で重複する部分を更にまとめて全6項目①-⑥でお伝えしてまいります。

①ネーム裏当て芯:古着のお洋服でネームの傷みをよく見ることからの着想、ほつれ防止・歪み防止になります。
②口布:全面的に縁をボンド貼り。口布はバッグの輪郭、ハード薄芯がはっきりしたラインを出してくれます。
③ポケットの当て芯:袋が内部に隠れるタイプ(左上)・貼り付け型(右下)と両方に使用しています。
④本体:本体に対しても全面貼り。部分的に貼り縫い代を避ける考え方もあるようですがこちらの方が丈夫。
⑤取っ手:2021年当時の投稿ではここをショルダーとしていましたが、ショルダーは2025年では接着芯のみ。

取っ手に接着芯のみ内蔵する場合も多く、出来上がりが倒れる場合とちゃんとそびえ立つ場合とに分かれます。

生地の元のハリコシを見ながら貼るかどうかを判断しますが、振り返るとこのマトラッセ生地の場合は無しでも良かったかと思います。

⑥タブパーツ:左上はDカンタブ、右下は取っ手付け根カバータブです、折り曲げの外枠線がシャープに出ます。

ここが接着芯のみの場合、外枠ラインが歪んだり曖昧だったりするので右下の取っ手付け根カバータブには決まって貼っています。

あとがき

振り返ってみれば、ハンドメイドバッグ活動スタートの本当の最初は2007年。

一番最初は何も貼らない生地のみで一重仕立てでポーチとエコバッグを作るところから始めてまいりました。

その後、「接着芯」を全面貼り、部分的に「ハード薄芯」や「ハード厚芯」を使いながら、当時は「ソフト厚芯」という種類もありました。

2025年現在は、取っ手には有効的で優れた素材の「ソフト厚芯」が見つからず、「接着芯」「ハード薄芯」「ハード厚芯」の3種のみをミニマムに使い分けています。

「ハード厚芯」は「ハード薄芯二重使い」で対応できるので本当の最低限は2種のみで良いと思います。

「ハード薄芯」の良さは程良きしっかり具合を作ってくれること。

かつて「ハード厚芯」の方を全面貼りしていたこともありましたが、バッグが重くなり野暮った過ぎる。。いかにちょうど良い「塩梅:あんばい」が重要なのかを知りました。

芯地の使い分けの方法も作り手によって違いがあり、ここもバッグのフォルムの特徴を出せるポイントなのではないかと考えます(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

外表で作る全4箇所のカーブがどれも同じ緩やかさのボストンリュック試作品、台形寄りと四角型の2点の不思議な見た目の違い【335】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1つ前の投稿番号の【334】では、長い間憧れたドーム型(がま口とも呼ばれる)の製作を打ち切り。

2019年からおよそ1年間に渡り改良してみては納得するラインを追求しましたが、答えは出ませんでした。

その諦めの1つに、ファスナーに近寄り過ぎた本体面の縫い付けの難しさもありました。

このたびは、すっかり姿が変わってしまいますが、ファスナー周りに口布を伴ったボストンデザインへ移行します。

そして、また別のボストン型で製作してきた「かまぼこ」と呼んでいたデザインの底の急カーブの出来上がりの汚さ(不揃い)を見直し、苦労せずに綺麗にできるデザインへ変更したいと思います。

「ドーム型」から「おにぎり」へ、「かまぼこ型」から「巻き寿司」へという2種のデザイン変更を同時に致します。

さしあたっては、試作品を片面付けだけの半完成品型のポーチで作ってみました。

このたびは、その2タイプの試作品の出来上がりを見る回となります。

「おにぎり」「巻き寿司」の2点のボストン型リュックの新デザインの試作、緩やかなカーブラインが作り易さと成功率を劇的に高めた

左(表地・裏地共通):カスリネップツイード、綿/100%、日本製。右(表地・裏地共通):ジャカードテーブルクロス、綿/57%、ポリエステル/43%、日本製。
裁断:片面と口布のみの試作(半完成品)ですので、これだけのパーツ数です。2枚は表地1枚と裏地1枚の内訳。
「中表」縫い:まず2枚を「中表」でひっくり返してこうしたパーツを作っておきます。その後「外表」縫い。
本体面と口布の「外表」縫い:こうして組み立てるように縫っていくのです。
試作品の「巻き寿司」完成:こんな半完成品でも、シミュレーションとしては十分です。
試作品の「おにぎり」:同じカーブでも台形に寄せることで随分見た目が変わります。
底の重なり:ずっと後のことになりますが、ここは重ねずハギで両割りの方が安定し厚地にも対応できそうです。
「巻き寿司」の完成イメージ:真正面から見た感じです。緩やかなカーブが優し気です。
「おにぎり」の完成イメージ:その名に相応しいおにぎりライン。トップと底のカーブは同じ半径。

感想としては、非常に縫い易かったという点がまず1つ。

面白いのがそれほど違いが無い構造の2点は出来上がってみると全く別デザインのようにも感じる不思議さがありました。

あとがき

時々ストック生地をこんな風に試作品で消化することもあります。

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.14からおよそ5年後の2025.12.05にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

製作品の稚拙さと共にブログ記事の文章も過去のものは拙く、同じように発展させています。

ブログ記事は「手直し」によって後からでも上書きにより内容を高められますが、それでも当時の投稿日や写真はそのままの記録としてこの先も残します。

発展の姿と過去の拙さ両面あっての現在、未熟な過去こそ本当は大切な苦い記録なのではないでしょうか(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ブランドバッグに憧れても「企業秘密」の肝心なラインを作る型紙は世には決して出ない、自らすべてを生み出し創造する強味はここ【334】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、研究製作品が1点完成、1つ前の【333】投稿の続きです。

ドーム型バッグの型紙の裾の角度、2019年の初製作の出来上がりの「反り」を生んでしまっことの解決を1年間考えてまいりました。

地面に平行であるべきだからと緩やかなカーブを付けるも「尖り」が出たり、急カーブにし過ぎてとんでもない不一致で組み立てても「はみ出し」があったこと。。どれも解決には至りませんでした。

このたびは、研究を最後にしたいと思いまして、今一度最初の型紙に回帰し、山裾ラインの角度だけをストレートに近づけてみます↓。

新型紙:真ん中から下まではほぼストレートライン。底ラインにカーブを付けるこれまでを一度白紙にしました。

研究製作ですので、最低限の仕様として、取っ手やポケットは無し、大きめマチ付きポーチとして楕円底で作りました。

この回をもちまして長年の憧れだったドーム型バッグ製作から撤退です。

もし1点のデザインのラインを追求したい場合には、1stサンプルにこそヒントがあるかもしれない。。これがこのたび立ち戻ってみての感想です。

過去の本革レザー製ブランドバッグに憧れたドーム型の最後の研究、憧れだけでは追求し切れない薄っぺらさが身に染みた

使用生地(表地・裏地共通):ジャカード、綿/100%、日本製。マスタード色の迷彩柄の幾何柄アレンジが美しい。
裁断:本体パーツx4枚と底パーツx2枚です。その他サイドタブパーツも加わります。
入り口ファスナー付けのイメージ:予めファスナータブを眺めに付けてあります。
「中表」で作ったプレート:縫い代を予め隠し、その後「外表」で組み立てる作り方です。
実際のファスナー縫い:片面はそこそこスムーズです。
もう片方の面の縫いの違和感:まるでトンネルをくぐっているかのような体勢になりながら縫い終えていきます。
底面付け:きちんと重なるように寸法計算はしてありますので、ぴったりと重ねて縁から3mm程度を縫います。
底部分に開いた隙間を覆うタブパーツ:下まで縫っても綺麗ではないのであえてこのように切り替えています。
大きめドーム型ポーチの完成:寸法の記録が無くてすみません。かなり大きいポーチです。
ある程度の斜めから:これまでの「外反り」とは真逆の「内反り」。ある程度の裾広がりラインの正解を意味します。

もし、ここからまだ研究を続けるのだとしたら、斜め右下がりラインの角度の違いでの試作品作りです。

しかし、このたびで終了の意志は変わりません。

サイドからの見た目:決して見れないほどの不格好さでもないような。。

一番最後のサイドのショットは重要です。

このドーム型は、面の一部分がサイドにまわるという特徴があり、より物理的な予測がしにくかったのです。

かつて憧れたハイブランド様のドーム型も必ず底辺付近にこうしたタブのようなカバーのような役割のパーツが切り替えて設置してありました。

この中の構造が分かると、答えは見えてくるのかもしれません。

ピクチャレスクとしては、2019年初製作で「反り」が出来てしまって以来、十分に修正と解決を試みたつもりです。

元々自分から生み出したものではない「憧れ」は所謂「模倣」でした。

いかに「模倣」が芯の無い製作なのかということを、今後自信を持ってお伝えしていけるという点ではこの研究の意味があったと振り返ります。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.13からおよそ5年後の2025.12.04にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

製作と同時に、こうした発信のレベルも過去のものは稚拙なのです。

綺麗な出来上りだけを残すというのは、光の当たる部分だけを誇るようで非常にモヤモヤするのがピクチャレスクの性格。

発展・成長・開花は、その真逆の暗い部分があってこその状態なのだということを大切にしていきたいのです。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク