<仕立て直し>5年前の製作の未熟な技術からの成長、5年後に仕立て直した薔薇柄のスツール低反発クッションカバーの楕円型がスタイリッシュになった【1379】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

大みそかにこの記事を書いています。

年末に特に大きなことも成し遂げられず、今年2023年の残りわずかに相応しい作業を探っていましたところ、「これだ」という作業が見つかりました。

常に目にするたびに気になっていた過去の製作品です。

大きく3種ありまして、当記事では2018年製作のクッションカバーを2023年バージョンとして仕立て直しをします。

そして、後日の投稿では、1年前くらいのトートバッグなのですが、更にひと手間加えてスタイリッシュな使いやすいバッグへ変えていきます。

そして、更に後日の投稿で、10年くらい前の大きな入れ物として使用の今でも毎日目にするビッグトートバッグの仕立て直しです。

このことを通して、ミシン製作を続けてきたこの5年間で変化していた技術とアイデアを実感することがまず1つです。

そして、仕立て直しによって腑に落ちたその気持ちでリフレッシュして今後もその実用品にお世話になるという見通しを確認することです。

年末に3つ目までは行けませんが、2つ目までは現時点で完成しています。

この体験を通して、1つの物を長く使う姿勢と長く使えるような物を追求するきっかけをお届けできればと思います。

木製座面のスツールの低反発クッションカバーの仕立て直し、粗い簡易な四角い作りからスタイリッシュな楕円形へと5年後に発展した

2018年製のスツール用クッションカバー:単純な四角ですが、実は座面は楕円形なのです。
クッションカバーをリッパーで解体し、中身のウレタンに座面を当てます。

このウレタンは、厚みが無いので2重で重ねて入れ込んでいました。

今後も引き続き二重で使います。

ウレタンに丸い角の部分を作図します。
型紙を作ります。とりあえず縫い代1cm込み、角を半径5cmの円をコンパスで描きました。

やや角が布が余り過ぎますので、角を半径7.5cmの円へ変更します。

余分をカット。「半径が大きくなるとカーブのとがりが削られる」これを知っていると他の製作にも役立ちます。
こんなところです。縫い代込みで無駄のないスペースが確保できました。
実際に解体した生地に当ててみます。ウレタンよりも1cm以上ゆとりがありますのでOK。
型紙通りに2面とも裁断。
裁断完了しました。
一応薔薇の向きがあるようで、向きを両面正位置に統一。
「リボンひも」も解体して、今度は以前の2cm幅から1cm程の出来上がりへとスタイリッシュに。

細くするのと同時に、以前は十文字結びだった野暮ったさを解消。

縫い代込み40cmの長さで横は3.5cm幅のパーツから仕立ててゆきます。

全部で8本作るところが少し時間を要しましたが、かなりの変化です。

両面縫い合わせの前にひも8本を各角に2本ずつ仮縫い設置。
中表で2枚を縫い合わせ。空き口は左端。(ごめんなさい。このアイロンの線は意味がありませんでした。)
ウレタンを入れるので結構広めに左端を空けました。
ひっくり返す時、実際に座る時に引っ張られるので、パンクしないよう二重縫い。
ミシン後、カーブ部分などを切り込みを入れてラインを綺麗に出す融通を利かせます。
ウレタン2枚を入れ込みふっくらとなりました。この後空き口を「はしごまつり」で手まつりして縫い閉じ。
はしごまつりの口の様子、だいたい良いのですが、右の方に玉止めが見えてしまいました(^_^;)。
完成です。椅子のフォルムになじむクッションのデザインです。登りやすく座りやすいと思います。

思うようにカーブラインのクッションが出来上がりました。

1つ思うことは、ウレタンのカットもラインに影響するので、「いい加減なカットはまずい」ということになります。

ウレタンへのカーブの作図こそ慎重にされることをお勧めします。

あとがき

このたびの仕立て直しは、ほぼ全解体でしたので、一から作り直しに等しいものでした。

それでもあえてこの生地を使った理由が、この生地を気に入っていて特に不満が無いから捨てない決意をしたことにあります。

こうして仕立て直しをわざわざする気になるのも、そもそも最初の段階の生地選びをしっかりした気持ちでやったかどうかさえ影響してくるということなのです。

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<母のクローゼット①>着物リメイクによる洋服作りが趣味のクローゼット内、着物の面影を感じないデザインのシャツやプルオーバー【1378】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

新しいシリーズを設置致しました。

数回になると思いますが、母のクローゼットのお洋服のご紹介です。

特徴がございまして、多くが古い着物のリメイク服であることです。

自分使いの範囲内の良さが発見されましたのでそんなところを軸にご紹介したいと思います。

著作権に関しては、名もなきメーカー不明の着物ばかりなのでとりあえず責任を持って判断をした結果動画や記事でのアップはさせていただきました。

有名どころのパッと見て製造者の分かるような品物は、たとえ着物であってももしかして権利を行使される製造業者様がおられるかもしれないことは、頭の片隅に置いております<m(__)m>。

着物から大きく姿を変える点が特徴、あまりまだ作られてはいない「カジュアル」なフード付き・ファスナー付きのコートを古着物から作る母

時々ネットで素敵な着物素材のワンピースが無いかと拝見させていただいているのですが、そのお品もゆとりが大きすぎて身体にフィットしないものがほとんど。

それには理由があると思いました。

例えば、せっかくの良質な素材を有効的に使うために残す部分を極限におさえるデザインというところ。

結果、ゆとりのあるたっぷりとしたドレスのようなデザインへの落とし込みがあるかと。。

そうはいっても、「衣服の着用の本来の目的は身体の美しさを見せることにある」と思っています。

ただ身体を覆うよりも必要のない部分はスリムに、動きのある部分はゆったりと作る凸凹が混在した作りが洋服らしいと感じます。

その点「着物」という衣服はズドンとI字型であり、これはこれで最低限の美しさもあるわけです。

母が作っている着物リメイクの洋服はブラウス/プルオーバー系が多数で時々ジャケットも登場のトップスが大半。

拝見するところ、着物からはかなり別物に出来上がっているという1つの特徴があるリメイクだと思いました。

表地も裏地も共に「道行(みちゆき)コート」を利用したコート。

表地も裏地も古着物を利用しています。

最初柄キルトを表地にかけたものの上手くなじまず、キルト芯を内側に入れて、ステッチでたたいたという半キルト風な仕様に変えたとのこと。

ボタンをホーンタイプにしていてコートらしい。

マルチカラーが爽やかなオーバーブラウス:裏地付きであり、裏地には「長襦袢:ながじゅばん」を利用。
オーバーブラウス:これは「白大島:しろおおしま」の葡萄柄。コーデしやすいオフカラーです。

丈が結構長く、母は、黒のスリムパンツを合わせていました。

イメージとしては、グレーのボトムも相性が良いかと。

ハイネックプルオーバー:総絞り。赤い柄部分を隅っこに目立たなくし、モノトーンに仕立てたロールアップ袖。

こちらも比較的合わせやすく、無地のボトムの黒などが浮かびやすいです。

重ね着:ボレロは黒に横筋の柄が入った「絵羽織(えばおり)」からの起用。
ブラウスは「紅型小紋:びんがたこもん」。こういった際立つマルチカラーの小紋柄の種類だそう。

ブラウスの背にはこんな風にタックが入って動きに柔軟に対応の作りとデザイン。

相性の良い重ね着:上のボレロと内側のノースリーブインナーの後ろ見頃が同素材。
元は家にあった弔事用の着物から。背の「家紋:かもん」をそのまま活かします。
ハーフコート:こちらは叔母の古着物を利用したもの。「タイダイ柄」みたいでとても綺麗です。

このたびは、ここまでです。

まだまだあるのですが、いったん区切らせていただきました。

またこのシリーズで別の品物を後日ご紹介してまいります。

あとがき

スカート(好みではないみたい)やパンツは作っていないみたいなので、洋服に取り入れる形で装うというスタイル。

ボトムが洋服だとそのバランスも必要で、和テイストを取り入れたお洋服コーデを楽しむ形。

まるごとワンピースなどを着物だけで作るという作り方とは違いがあります。

それぞれの価値観、趣味嗜好が細かい所で分かれてくる「着物リメイク」の一例でした。

こうあるべきだという決まりは決してないところの自由が本来あるべきです。

実は成人式用に祖母に買ってもらった着物(紅色で樹木や鳥がいる洋風な柄のもの)、昭和当時で90万円の振袖が眠っています。

あれどうなるんだろう?。

久しぶりに一度改めて見てみたいと思っています。

そのお着物に関しての何か動きがあればまた、ブログ記事でご紹介してまいります(^-^)。

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もう同じものが見つからない場合は当てぬ布をスタイリッシュに縫い付け、洗濯により裂けた40年来のピアノカバーの継続【1377】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

擦れたり持ち運びがあまりないような動きがないお品物、所謂「置物」のような劣化が無い布製の小物は、比較的持ちが良く長く残っていくことが多いです。

実家へ帰ると懐かしい昭和時代の物がたくさん見つかります。

それぐらい変化がないままなのです。

かつては当たり前にあったインテリア品を今まじまじと見てみると、随分価値が増したように感じるのが経年後の面白さ。

このたびは、アップライトピアノカバーのお洗濯をすることでリフォームの必要性が出てきてしまいました。

原因は布地が経年で弱ったところへ追い打ちをかけたのか、洗濯機の脱水により一部破れてしまいました。

この時、脱水をかけたことを非常に後悔、手洗いまでは良かったのですが、脱水もせず自然乾燥をするべきだったのでした。

40年前購入(祖母より贈呈)のアップライトピアノと共にこのカバーも足並みをそろえてきたのです。

この写真は実際のピアノに設置前のお洗濯後にハンガーラックに干している場面です。

色使いが独特の、「金華山織」という生地で作られたカバーで、黒がベージュやレンガ茶の中に溶け込んだ渋いテイストです。

どす黒く汚れた状態を手洗いで綺麗に洗い、脱水をした後にアイロンをかけて房や毛並みをそろえていきました。

そんな中であることに気づきます、一部裂けていたのでした。

それがこの度のリフォームのきっかけです。

金華山織りのピアノカバーの一部の破れをサテンの同色で馴染む色の当て布でパッチ縫い、何事もないかのように目立たない姿になるリフォーム方法

こんなレトロな素材や柄を是非今後も継続して持っていきたいと思いました。

そこで破れ部分をリフォームします。

正面から見ると奥の方の端っこがこんな風に破れていました。
まず、裂けた箇所の縦に走る糸をそのままに、横向きに馴染む同色糸を走らせ、縫い閉じをしました。
裏からと表からと両方横ステッチを入れます。あくまでもひっぱらず元のままに織り目を継ぎ足すイメージ。

針を上下に元の糸と絡ませながら編み込むように糸を渡らせていきました。

引っ張って口を閉じようとすると変なタックが寄ってしまい美しくありません。

あくまでも元の面積はそのまま活かしますので、織り糸を追加して埋めてあげるイメージです。

「かけつぎ」という上級な手法があるようですが、ああいった考え方と基本的には同じです。

あの技術は全く持ち合わせてございませんので独自のやり方になりますが(^_^;)。。

次に、白でも良いのですが、黒の12mmの伸び止めテープで傷み部分全体を覆いました。

2つを重ねてすべての傷み部分が最低限カバーできるくらいのサイズ感です。

できるだけ目立たない方が良いですので余分には必要ありません。

表面にも同じように伸び止めテープを貼り、傷み部分全部をカバー。

最初接着芯でやってみましたが、糊の付きが伸び止めテープの方が断然上ですので、伸び止めテープがお勧め。

四角よりもこうした多角形の方がスタイリッシュ。型紙を作り馴染む色や素材の別布を裁断。
カットした別布に接着芯を貼ります。
多角形に固定しておくために、アイロンで縫い代1.5cmくらいを折ったら、外回りステッチを入れます。
元のステッチの上をなぞるように更に2周(2重)ステッチで固定。この時に裏にハード薄芯2重を当てています。
裏面のハード薄芯2重にもステッチ2重が貫通。固定の待ち針を端っこに止めてやりました。
裏面の仕上がり:余分をハサミでカットしてスタイリッシュに仕上げます。
実際こんな位置なので、ピアノのてっぺんに位置する場所です。目に映る機会はあまりないです。
before/afterの比較:お直し前の破れのまま使っていくことを考えたら、心がうんと安らぎます(^-^)。

あとがき

当て布は、メンズジャケットの肘(ひじ)のアタリ防止を彷彿とさせます。

リフォームしながら思ったことは、結局、最終的な見栄えがスタイリッシュなのかというところも大事なのですが、それでもこうして手間をかけてやったリフォームの行き着いたところというのが、「安心感と心地良さ」でした。

「気持ち」は目には見えませんが、その代わりひしひしと感じることであり、この「心地」こそが本当の目指すところだということをお伝えしたいと思います(^-^)。

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燃えるような「赤色」を自ら選択したショールは人生における強い決心の瞬間の象徴、不登校・離婚・事業継続の課題と対峙する1家族が織りなした絆【1376】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

よく新聞やネットでご紹介された本を読んでみることがあります。

豊富にご紹介されているのですが、「図書館派」は、図書館にその紹介の本が存在している場合というところに絞り、借りる本を決めております。

できるだけ多分野から、多角的に様々なことを考えるために、事業のファッション関係に絞り過ぎず、関係のない分野の本も見つけることも。。

このたびは小説です。

きっかけは、「ホームスパン」というキーワード、繊維分野の事業が背景ということで手にすることにした本ですので、あながち関連付かないわけでもありません。

「雲を紡ぐ:伊吹有喜 著」を拝読。

主人公の祖父が営む、羊(ひつじ)の毛を有難くいただいて、ウールのショールに織りなす製造の「小規模事業」が背景です。

主人公から見た目線・両親一人一人から見た目線・祖父から見た目線など、小説の語り手が時々変わるところも本の構造としてはユニークでした。

現代社会が抱える問題「不登校」「離婚」「事業継続」が、まるで紡がれた糸からなる羊毛製品のように織り重なった姿で、その一家独自のショールに完成された

「親の跡を継ぐ」ということが昔ながらにして自営業では必ず直面すること。

ミュージシャン様の子供が、反発して長い間音楽には手を付けなかったのに、最終的には親と同じ音楽の道を行くことにした例。

お寺さんが跡を継ぐことに反発して若い頃家出をし、長いこと経った後帰ってきて、新しいお寺さんの形を作り継承していった例。

そういったことを後から振り返ると不思議であり、何か別の力が働いていたかのようです。

「輪廻:りんね」という仏教用語があると思うのですが、なぜかこの言葉が浮かびました。

この小説の中では跡を継がなかった主人公の父と反対に、主人公は自ら惹かれるように東京から東北まで出ていったのです。

出ていった娘を心配し、父や母も後を追います。

そうして、離れ離れの一族が集まる機会が出来ました。

その惹かれた何か見えないパワーのようなことがきっかけでこのストーリーが展開。

母がミシンを使い洋服を作っていた、刺繍の機械でワンポイント刺繍のロット生産の受注をしていたファッションに関わる分野の仕事をしているのを見ていました。

また、小学生の頃に自宅に鉄の足踏みミシン(「Singer」製の鉄素材)があり、学校のぞうきんを縫う機会、運動会のハチマキを作る機会、家庭科の作業などをきっかけに縫製に触れる瞬間がありました。

それ以外でもふと思い立って勝手にロックミシンを触ったり、変な使い方でしたが、ロックの縫いの固定でそれとなく生地をつなげてポーチを作ったりなどしました。

特に、引き継ぐようにとかそんなことは全く無かったのですが、振り返ってみれば同じ業種で仕事をする今があることも事実。

10代というのは、すごく影響を受けやすい年齢。

まだ何も方向性が決まらずとも、1つの事に対する印象や感動が思いの他根強いもの。

大きくなってからもそのきっかけを覚えているくらいの衝撃的な場面であることも多いと思うのです。

自宅にあった足踏みの鉄のミシンは、リズムに乗らなければ糸が切れてしまう感覚的な難しさがありました。

現在のコンピューターミシンとは違うのです。

そのコツを何となく、ぞうきんを作る中で得ていったという記憶です。

その時、横には祖母がいました。

あとがき

バラバラだった家族が、自然に引き寄せられるように集まって、そして新しい形の再出発をしていく姿。

複数の糸が織りなされて1つのストールが出来上がっていく動きと1家族を含む人間の集結が重なります(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

<カーテン作り⑧>この秋に連続自作の複数のカーテンと低反発クッションカバーがインテリアに上手く溶け込んでいる様子を見て締めくくる【1375】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

この2023年の秋、数か月間にわたりましてシリーズとして投稿してまいりました、カーテン作り。

まるっきりほどいてやり直しするという苦労もしながら、2023年の12月で複数のカーテンが完成し無事設置まで完了。

このたびは、これらのカーテンやクッションカバーをインテリア内で俯瞰した眺め方をする回。

それぞれのお部屋の雰囲気にちゃんと馴染んでいるのか、生地のカラーの選択がどう活かされているのかなどをお伝えできればと思います。

キッチンは葉っぱモチーフに統一、リビングはカラー配置を重視しの自作品、インテリアの中に溶け込むカーテン・クッションの存在を眺めた

では、全製作品のクッションカバーとカーテンをご紹介してまいります↓。

ピアノの椅子カバー:こちらはリビングテイストなので薔薇柄にしています。優し気なイエローベースの大花柄。
キッチンのダイニングチェアーカバー①:カーブを描いた椅子になじむカーブラインで製作。色違いの茶色の方。
キッチンのダイニングチェアーカバー②:上と色違いのライトグレー。上と濃淡のコントラストが立体感を演出。
キッチンのダイニングチェアーカバー③:柄が変わります。ひもを結ぶ位置が奥にぴったりとすることが可能。
キッチンのダイニングチェアーカバー④:上との色違い。素敵なオリーブグリーンの中間色です。

上の2色は、別のカラーだとはっきり分かる違いがあるにもかかわらず、トーンが同じにそろえてあるような生地屋様の製造に脱帽。

キッチンのダイニングチェアーカバー⑤:キッチンでは4脚が基本設置、こちらは予備の椅子で種類も違います。

背の方から椅子を見る方を正位置としています。

柄の向きに天地がありますことがよく分かります。

キッチンのデスクチェアーカバー:四角い椅子には、四角い型紙の方で。背付きはリボンひもは必要ありません。

キッチンにパソコンがあるので、デスクチェアーであってもこの場所に合わせた「草木柄」を選択しているところがポイント。

あくまで、お部屋全体の整頓としては、キッチン内に置いてある椅子やカーテンはすべて「草木柄」という統一の仕方をしたのです。

最初のピアノ椅子カバーの写真を今一度。。ピアノはリビングにあるので、柄のテイストが違う選択でした。

それぞれのお部屋のテイストに合わせて、お部屋ごとの雰囲気を作っていくことへのインスパイヤ―になればと。

以上が、低反発クッションカバーのすべてで、全7点でした。

続きまして、カーテンを見ていきたいと思います↓。

縁側用カーテン:片方左側だけで横幅180cmの大きな窓です。これで片側半分なのです。

このモカベージュのような色、細かくは、ペイズリー柄がマルチカラーです。

もし、生地選びに困った場合は、融通が利くのは茶系、壁の白やベージュや木製の色などに失敗せずに馴染みます。

メインカーテンとレースカーテンが両方柄の時のコツ:粋(いき)に映るのは、柄が同じであるということ。
柄が全く同じというミラクル:こういう全く同じ柄という偶然が楽しいです。フラワー+ペイズリーのコンビの柄。

実際に、生地屋様も驚いておられました、偶然にも柄がほぼ同じなのです。

そうであれば、柄と柄が重なり合っても混沌とせず、すっきり感が出ます。

1つ1つの「ヒダ」を片方で15個程度、両方で30個丁寧に作ることの成果がここに現れます。

ほどいてやり直す前はこのヒダとつなぎ目が重なり不格好でした。

その後、つなぎ目を耳を使った両割りでできるだけ薄く工夫し、「袋縫い」を取りやめたことが出来上がりのすっきり感につながりました。

その後の作業のヒダの事を考えますと、特に厚みのあるこのような生地では「袋縫い」は決してお勧めしないです。

つなぎ目で「耳」を利用するのですから、このように裏側で両割りされてペタンコになっていれば十分です。
そのかわり、端っこラインは、「耳」であっても三つ折りしてすっきりとさせます。よく触る場所は丈夫に。

実際の既製品では、ここが耳のままのものは、特にレースカーテンで経年のほつれが見られます。

それを三つ折りしておく経年後の効果は必ずあると見ています。

レースカーテンの柄の向き:はっきり柄が映る真ん中辺りにお花みたいなモチーフに天地の向きがあるタイプ。

レースカーテン地も柄の向きがあるタイプの生地を利用したことになりますが、カーテンであれば、上下だけ意識すればそれでよいですので、是非ご調達の際には柄をじっくり眺めてから作業をお勧めします。

この縁側用のレースカーテンの素材はニットみたいに伸びるタイプの素材でした。優しい風合いの素材です。
裾の床との距離:これが遠方の物を製作の場合難しいですが、メインカーテンよりも少し上がっていると良い。

レースカーテンは、やや短めに裾上げを意識し、メインカーテンはレースカーテンを覆うイメージです。

メインカーテンはひきずるぎりぎりが見た目が良い:5cm以上上がってしまっているのは見映えが悪いです。

引きずらないけど、隙間もあまりないという難しさがあります。

可能なら、裾上げの前にシミュレーションし、計って伸び率なども含む寸法を決めると失敗が無いと思います。

個人の部屋のカーテン:横幅は片方90cmの窓です。サーモンピンク無地が壁クロスと調和。

お部屋が変わりました。

壁に柄があることは個性的なお部屋ですが、そういう総柄の壁のお部屋ならば、カーテンは無地がお勧め、インテリアがバランスよくすっきりとまとまります。

やや長めの仕上がり:最初短すぎてやり直したら今度は少し長すぎ。もう少し上がっても良かったです。
完全に無地ではない無地ライクの勧め:とはいえ柄がないわけでもなく、控え目な皺加工のようなジャガード。
こちらも「耳」が来ていながら三つ折り始末をした端っこ。
メッシュ芯の上下のステッチの効果:既製品では上下ともステッチが入っていないことがほとんどです。

ステッチが入ることで表から見るとステッチラインが目立ちます。

だからこそ、糸の色をできるだけ生地カラーに馴染むようなピッタリの色で選ぶことがコツ。

実際、全く同じサーモンピンクではないのですが、パステル系のピンクカラーのテトロン糸30番を使いました。

糸目はどのカーテンも共通で3mmです。

こうでもして、安定感あるしっかりと固定されたカーテンを作りたかったのです。

ハーフ丈の窓用のカーテン:ライムグリーン色です。ハーフ丈の110cm用。

ハーフ窓用のカーテンは、むしろ、窓枠から下へはみ出した方が窓全体を確実に覆いますので、あまり丈の長さを神経質に気にする必要がありません。

作業としては、このカーテンが一番早く完成できました。

丈や幅が短いだけで、ここまでカーテン製作の時間が変わることを実感した体験でした。

このグリーンカラーの生地は、もともとカーテンであったものをリサイクル。

なんとか壁の薔薇の葉っぱにリンクできるのではないかと選択したのでした。

すべての端3cmを空けた効果:真ん中の重なりでカーテンの隙間を埋めてくれます。

「大塚屋」様のレシピ通りに製作。

この3cm空けた場所からヒダが始まることの意味が隙間が空きにくいことに効果を発揮。

実際に現在の賃貸のお部屋で使用の既製品のカーテンは、真ん中がここまでの3cmという分量をとっていないので、隙間が時々空き、手で調整するストレスがあります。

そう考えると、この3cm空ける仕様というのが大正解であると考えます。

真ん中だけでなく、左右の端も3cm空けていますので、すべての端がこのような仕様になっているのです。

このように途中部分の重なりにも影響しています。
カーテンの閉め方や利き手の兼ね合いでどちらが上ということは決まっていませんが必ず重なります。

このお部屋のカーテン2つにもレースカーテンを設置しましたが、写真に写っていませんでして、申し訳なかったです。

レースカーテンは薔薇のジャガードの白です。

レースだけはあえて壁と同じような薔薇柄にそろえた柄物にしたのでした。

これも拘りで、メインカーテンとレースカーテンの重なりを同時に見た場合、片方が無地ならもう片方にはジャガードが入っていた方が華やかさのバランスが良いという考え方。

さて、次はお部屋が変わりまして、再びダイニングキッチンへ。。

その後のお直しで上部の隙間を解消したミニカーテンの作り:特に必要のないヒダを装飾として入れています。
カフェカーテンでもその他のカーテンと同様にベルトも作り、フックもあります。
カフェカーテンの両端も三つ折り始末しています。

この柄、最初の方でキッチン内にあるダイニングチェア用のクッションの柄とよくマッチする「草木柄」です。

以上です。

たくさんのカーテンをいろんなお部屋用に作り、全部で3部屋分の合計9点のカーテンを作りました。

あとがき

低反発クッションもカーテンと同じく、最初から作り直す場面がありましたので、訓練期間のようなものだったと振り返ります。

一度失敗しないとメソッドがなかなか見つからなかった、苦労を体験したその先の出来上がりは確かな姿です(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

「瀟洒:しょうしゃ」「洒脱:しゃだつ」「粋:いき」の3つにある共通点「すっきり」していることこそ、「かっこいい」の要素を作る重要なエキス【1374】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

高校生の頃、ファッション雑誌を見てお洋服のランナップをそろえていく夢を描いていました。

1980年代後半に読んだ「nonno」は、夢がいっぱい詰まっていたワクワクの読み物だったのです。

目を凝らしむさぼるように写真を見ていく中で、時々街角の一般の人のコーデも紹介されているコーナーがありました。

もしかして現在の読者モデル様に近いかもしれませんし、たまたまその時に通りかかった「おしゃれさん」であったかもしれません。

当時の私は、写真も見ていたのですが、細かい解説の文字も拝読していました。

その写真に対する「雑誌編集者」様のコメントだと思われます。

その中で印象的でありたくさん登場していたキーワードに、「すっきりとまとめられている」という言い回しがあったことを記憶しています。

この言葉こそが、「瀟洒:しょうしゃ」「洒脱:しゃだつ」「粋:いき」にイコールのフレーズであったと懐かしく思い出します。

余計な飾りは付いていない、その代わり、ところどころの小物使いが差し色になっていて、互いに小物同士のカラーもリンクしていたようなコーデでした。

このたびは、ファッション史や新聞や雑誌の書物によく登場の「洒脱:しゃだつ」と、同じ「洒」という字が入る「瀟洒:しょうしゃ」、そして江戸時代に生まれたと言われる言葉「粋:いき」を勢揃いさせ、どんなテイストをそう呼ぶのかというところまで迫ってまいります。

ファッションを含む「文化」の分野の読み物で多く使われる「瀟洒:しょうしゃ」「洒脱:しゃだつ」「粋:いき」の3つの違いは曖昧だが共通点は「垢抜け」

「洒脱自在:遠山周平 著」を一読。

メンズ分野にはよく見られるテイスト「洒脱」がキーワード。

目次が、アイテム1つずつで配置された本の構造、この中でスラックスのタックについて書かれている部分がありました。

前タックの意味は「デザイン」ではなく「機能」なのだということです。

タックのみの美しさだけでも多くのスラックス好きが認めるところであり、機能を越えた「デザイン」とも解釈されているのが現実ではないかと思います。

こうした人を魅了するような優れたパーツは、「機能美」と呼ばれていくのでしょう。

必要な最低限の機能そのままを表したデザインのミニマムさがかえって素敵なのであり、その素敵さは「かっこよさ」を作る要素の1つではないかと思うのです。

この記事を書くにあたって、ネットでそれぞれの意味を調べるも、3つの言葉共通するのは、「垢抜けてすっきりとしたさま」という点。

ピクチャレスクとしては、「瀟洒:しょうしゃ」「洒脱:しゃだつ」「粋:いき」の細かい部分の「ここだ」という「違い」の部分は曖昧で全く分かっておりません。

過去に拝読の本では、「瀟洒=elegant」であると綴られていたことがありました。

ただ、それもその本の著者様の解釈です。

一方で、「共通」の部分はあると思いました、「すっきりとまとまった姿」だと思います。

しかも、その共通の部分が大半を占めるテイストであるとの解釈から、下のような図解が思い浮かびました↓。

ピクチャレスクによる図解:ほとんど同じような意味ながら言葉が分かれていることも重要。共通部分は赤色。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2023.12.15からおよそ1年後の2024.12.26にタイトルから見直し、ブログ記事の「手直し」の順番でここまで綴り直しをしてまいりました。

後で貼ります、YouTube動画は当時のままであり、「洒脱」と「瀟洒」だけを比べましたが、いやはや、「粋」も登場させねばならないであろうとブログでは3つを並べたのでした。

言葉が分かれていることも日本語の大切さ、いずれ違いが見つかればお伝えしたいと思います(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

古着ワンピースのみのワードローブでクローゼット内を埋め尽くす、極端に特化した拘りを演出する方が「おしゃれ度」は高まる【1373】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

無彩色カラーを深堀りした色の展開・身体にかっこよくフィットするライン・そして凹凸感あるフクレ素材多用の「アルマーニ」ブランド。

ここ近年、このブランドの古着に特化した着方をしています。

「アルマーニ」様の素晴らしいお洋服をワードローブにラインナップする特化型の着用を考えてまいりました。

同時に、その中にどうしても足りないアイテムを埋めるように古着のオーダーメードワンピースを取り入れるという「2本立て特化のお洋服の集め方」になっていったのが現実的な事情からです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2023.12.07からおよそ1年後の2024.12.26に、ブログ記事の「手直し」の順番でタイトルから見直し綴り直しをしています。

後で貼りますYouTube動画では「アルマーニ」服と「オーダーメイド」服を同時にラインナップした内容ですが、当ブログでは、ワンピース特化型オンリーで綴ってまいります。

きちんとしているようで「抜けた感じ」も表現できる可能性を持った古着ワンピース、「ロング丈」「モノトーン」に特化して集める

長袖の季節用の3ラインナップの古着ワンピース:きちんとしていますが抜け感を出して着用するところが醍醐味。

その他の小物で、じっくりと雰囲気を出していけるポテンシャルを持ったワンピースだと感じています。

オーダーメイド品の核には、「一人の為のサイズ」ということがあるのだとこうして様々な古着を手にしながら実感。

ベルトがありますので、ワンピースは大きめを選んでおけば、大は小を兼ねる融通があるので古着としては集めやすいのです。

あとがき

このたびは意外なのお洋服の集め方の特徴をお伝えしました。

いよいよ2023年12月5日にヨーロッパ「EU地域」にて売れ残った洋服や靴の廃棄を禁じる法案が出来たもよう(2023.12.06日経新聞夕刊トップページより)。

このことに対して「はっ」とした私。

今後は遠いよその国の出来事では済まされないかもしれないと。

製造業者だけではなく、ユーザーの方もそれを捨てるべきなのかどうかをデータによってジャッジされるというのです。

製造する者、購入する者双方が直面する大きな動きになっていくのです。

今一度お洋服の持ち方を見直す時が来たことを感じています。

本当に着る見込みのあるもの、着たいものだけをミニマムに持っておかないと、簡単には手放しにくくなってしまう時代が来るのではないでしょうか。

そうしますと、本当に自分が求めるものをしっかりと知り、クローゼット内をすっきりさせておくためのこうした取り組みは大切。

決してお洋服を軽視せず、遊び半分なことではなく、罰金を払うことになりかねないことだと真剣に取り組むべきです。

お洋服を持たない人は人間である以上誰一人いません、一人一人が今後自らが着る衣類を真剣に考えていく事柄です。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

最低限や普遍性こそが意外にも「かっこよさ」の根源なのではないか、着飾るコーデを見直したすっきりとまとめるコーデ【1372】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、「江戸な日用品:森有貴子 著/喜多剛士 写真」を読ませていただきました。

このタイトルの「な」が「の」ではないところに著者様の思いが入った深みを感じます。

江戸後期に大衆に広がった文化、これを継承した当時開業の老舗が現在でも江戸の中心の町東京の「日本橋」で営業中。

ただ、この本も2013年に発行の本なので、そこから約10年、やはりその中で「2011震災」や「2020コロナ」を無事乗り越えることができたのかどうかというところが気にかかります。

大小規模かかわらず、2020年以降はかなりの老舗も苦戦。

そこで今、ネットで拝見しますと、この本の中の老舗の1つが元気に継続中であることを拝見。

ネットでググるとすぐに登場し発見できるということ自体、現在のネット販売の流れの波に乗っているということがまずうかがえます。

このように時代の流れにもちゃんと乗っていくということこそ、江戸の日用品文化発祥からは150年以上経過した今もなお継承できるその理由の1つ。

もう1つには、そのお店でしか買えないお品物という完全特化型になっていること。

見込み客としてはネットと何ら変わらぬ全国展開、ネットと反対のような部分を持つ実店舗ならではの存在感もよく考えた形態が非常に上手いと言えます。

ただ、その貴重な存在になったことには、品物がどんなものであったのかということこそ最も大きなこと。

このたびは、長年受け入れられるお品物の理由を考えながら「機能美」の圧倒的な価値について綴りたいと思います。

装飾はどこまでも無限、むしろその逆を行くミニマムに装飾を落とした最低限の「機能美」の魅力、これがむしろ「粋」を作っている

この「機能美」というのは重要なキーワード。

この本の中で箒(ほうき)を販売しているお店が紹介されています。

例えば、なぜ箒(ほうき)はあのような形なのか、ということは、そうなるべくしてあのフォルムになった素直な姿だからです。

もっと違う形になってしまっていたらどうだったのであろうかということを考えると、その姿は「極限」のフォルムなのです。

もうそれ以上は表現しようがない必要最低限の姿、そして、掃除をする時の「掃く:はく」という機能を十分に果たしてくれる価値があるのです。

「モノ」である以上、ファッション分野のお洋服も同じこと。

最低限の最もミニマムな姿である「貫頭衣:かんとうい」という原始的な作りのワンピースは、「粋」だと感じるのも頷けるのです。

あとがき

こうして無駄な装飾や機能をそぎ落とした最低限なシンプルさこそがかっこよく素敵であると考えられます。

現在も何百年前と変わらないその姿で存在する伝統的な日用品が、完全にそれ以上変わりようがない行き着いた極地の姿であり、同時にそのことを理解されたお品物であるということになります。

当たり前に使っているもの1つ1つを改めてよく眺めてみることも「百聞は一見にしかず」。

そして、これまで飾り過ぎて結局は混沌としてしまっていたファッション・インテリアを見直すきっかけになればと。

お洋服のコーデに悩む方は、「かっこよさ」ということがどんなことなのかを深みをもって考えてみることです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

細かい「技:ワザ」を発見、次の玉止めの場所へ糸を移動するための針に糸が一発貫通、縫い終わりのテトロン糸の裂けないカットの仕方【1371】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作において、好む糸の種類はテトロン糸。

割合としては全135コーン程の内、テトロン糸とスパン糸の割合は3:1。

少々変わり者なのでしょうか、好む生地にツヤのある生地が多く、テトロン糸との相性を考えるからです。

いずれも30番を使用しております。

さて、このたびはここ最近たくさん作ってきたクッションカバーやカーテンの製作の中でテトロン糸の性質というものを実感する機会がございました。

それは、最後の縫い終わりの場面です。

縫い終わりに糸始末をきちんとしたいために、玉止めを裏側に隠すことを毎回しています。

その時に、針に残った糸を通して裏側へ通す作業があるのですが、テトロン糸は最後に引っ張ったことで必ず糸の先が裂けているのです。

この「裂け」が起こらない方が、その後針に通す作業が断然スムーズ。

ということで、糸の先が裂けにくいカットの仕方というのをご紹介したいと思います。

糸切りばさみも大いに関係することですので、今後の小ばさみの選定にもヒントになればと考えます。

テンション(糸が張った状態)がかかったまま糸をカットした時テトロン糸は間違いなく裂ける、糸の性質を知った引っ張らない状態でのカットは裂けない

上:スパン糸30番/下:テトロン糸30番・・・同じように引っ張りながらカットするとテトロン糸は裂けます。

実際の縫い終わりでは、ボリュームのある重い物を塗った時には、テンションが強くかかるので、スパン糸であっても多少裂けることがあります。

それでも、テトロン糸は少しのテンションでもこうして避けるのが通常なのです。

というのも、糸のそもそもの性質が影響していると思うのです。

ざっくりと表現してしまえば、拠りきった状態をキープできない硬さをテトロン糸は持っているというような。。

ただ、縫い終わりは引っ張らずに完了することができません。

よって2段階を踏んでいます。

一回目は裂けた状態で仕方がないのですが、2回目にもう一度糸だけを今度はテンションをかけずにゆったりとした状態でカットするのです。

こんな風に糸を張らずにカット。鋏(はさみ)の刃をちゃんと使いますので鋏の良質さも重要。
上:糸を張らずににテトロン糸をカット/下:糸を張ってテトロン糸をカット・・・違いが明らかです。

なぜ、糸が裂けないような上のようなカットを目指したいのかという理由は、次に玉止めの作業があるからです。

縫い終わりの後には、バッグ製作であっても、クッションであっても、カーテンであってもすべての箇所を玉止めします。

そして、その際に縫い終わりの糸を反対側、もしくは、見えない溝へ隠し込むということを針に糸を通してやっているからです。

この作業の為には糸が針に通しやすい裂けていない状態が大変望ましいのです。

針の穴にも一発通しが出来れば作業もスムーズです。

1つの品物を製作する際に、何度も縫い終わりの場面が登場します。

よってその縫い終わりのある回数分玉止めの作業もありますので、このたびのようなテトロン糸が裂ける場面も並行するのです。

これはテトロン糸の性質における「デメリット」であると思いますが、それでもテトロン糸の良さも多くあり、こういった対策で乗り越えています。

あとがき

こうして見てみるとスパン糸よりもテトロン糸は手間が増えます。

ただ、その出来上がりのステッチの美しさはうっとりするほどのツヤ感で品物が華やぎます。

途中でも少し触れましたが、小ばさみに関しても良質な切れ味の良い状態で持つということも大切。

糸切り専用でついでに他のものを切るなどというような使い方は刃が速く傷んでしまうと思われます。

糸切りばさみも陰ながら毎回役に立っていてくれることを忘れてはならないと思います(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

非売品作りにも心をこめるべき理由、「無料贈呈」も「有料購入」もユーザー様がお品物を受け取って下さったことには何ら変わりはないから【1370】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグの技術を高めていく途中段階ではいくつものバッグがボツになったり不完全な未熟な製品として出来上がったことも多かったです。

不完全な物を作らないようにしようと思っても、その時の未熟な腕前ではその姿にしかならなかったから仕方がないのです。

また、その時は完成型だと思い込んでいても、結局は数年後には「価値が足りない」とその後ボツになるものもあるのです。

よって、「完成型」というゴールのテープはたやすく切れるものではないと実感しています。

このたびは、「有料」「無料」に対して、むしろ「無料」こそが長い目で見て後の「回収」に繋がると重視したいという内容を綴りたいと思います。

出来の悪い品物を受け取って今後使っていかねばならないユーザーの身になれ、「有料」「無料」の区別なく両方に対して労力を注ぐべき

かつて雑誌が随分膨らんで、その中にはトートバッグ・財布が入っていたというブーム。。無料なのだからと最初は喜んでいただけるのかもしれません。

しかし、人の手に渡ったあとは、その保持者が何かしら「所有」という責任のようなものを負わされることになるのです。

無料贈呈なのだからと手間を省いたファスト品に仕上げればそれで良いのでしょうか。

あまりにも粗悪であれば「無料のお品物は、それ相応でしかない。。」そう思われるのです。

上述の雑誌の豪華な付録は、こぞって有名どころのブランド様が行っていたことで、ほかならぬ「宣伝・広告」の代わりだそう。

それでも「ブランディング」の力でそれほど拒否されるお品ではないところがご立派で素晴らしいです。

無料のものに費用を投じた「大きな目的」があったのです。

映画の試写会も類似の部分があり、こちらは「内容が全く同じである商品」という点が付録と少し違います。

出来上がった映画をいち早く見てくれる人達というのは、映画通でありライターであることも多く、良いフィードバックを最初から狙って良い「宣伝」をしてもらうことにつながるのです。

過去のお品は価値薄なもの、今のレベルがあるのに過去のレベルの方を贈呈してしまうと、受け手はそれが今のレベルだと思ってしまうのです。

もったいないからということで安易に考えがちな無料贈呈はそこまで深く考えなければいけないこと。

材料代や手間賃みたいなことを一番に計算に入れがちなのですが、もっと長い目で見なければいけないのです。

今は無料で贈呈したが、良きフィードバックをもらって貴重な意見がもらえたから今後に活かせるということ。

生の声というのは非常に大切で、作り手側の勝手な想像をはるかに超えていくことがあります。

そうした当方だけの範囲だけでは気付けないことを、ユーザーが教えてくれるのです。

そう考えるとおのずと、フィードバックを得るために渡す品物は、今の時点では「最高の出来のもの」であるべきだというのが正解。

そうして、将来を長い目でみた「得」をじっくりとゲットしてゆくのです。

その場しのぎの「金銭的な得」よりもはるか遠くの「大きな得」を考えた地道な活動なのではないかと。

その「大きな得」というのは、何か。。それは、「事業の実り」だと考えます。

本来、無料贈呈は「一番最新のお品物」であるべきだったのです。

それなのに、過去の古い在庫などを配ったピクチャレスクは、自分の都合を優先していた愚かな行動をしていたものです。

あとがき

「今は損だけど後に得を取る」という考え方。

それまでは修行とか学びだと思い、それでもその時の最高の品物を作り、精いっぱいの姿勢でのぞんだその行く先に何か結果が待っていると考えます。

今日や明日に結果を期待するような考え方では難しいことです。

今最高のものだと思っている製作品でも数年後は分かりません。

とはいえ、現在の製作に100%を尽くすということをしなければ、可能性さえ無いのです。

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書き手:ピクチャレスク