ニットと織物コンビという意外、グリーンとオレンジ柄の美しいコントラストが内部に広がる外表構造のミニリュック【47】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびの【47】投稿は、1つ前の【46】の後半部分でありまして、カーキグリーンのパイル地で製作のミニリュックが完成していきます。

リュックのショルダー、Dカンタブ、取っ手など、折ってステッチで固定するベルトパーツが頻出、それぞれを定位置に設置します。

ミニリュックなので、パーツ同士の位置が隣り合うような混沌とした配置。

とはいえ、リュック自体のサイズは関係なく左右対称のパーツのバランス良き付け位置は存在すると思います。

混沌とはしているもののそれぞれの望ましい位置に配置された各パーツ。

その様子を含め完成までの様子をご紹介してまいりたいと思います。

取っ手付きミニリュック、ニットと織物コンビで完成のカーキグリーンとオレンジ柄の素材の美しさをうまく引き継げたのか

ファスナー付きの口布パーツ:四角さをしっかり出すために「中表」をせず「外表」で表地と裏地を合体。

次に、ショルダー、取っ手、タブの順に挟み込んでいく順番で、ミニリュックにベルトパーツを取り付けていきました。

この取り付けは、「中表」に表地と裏地を縫い閉じる前に表地単独に縫い付けて仮止め。

複数のベルトパーツの取り付け:左上から右に、ショルダー→取っ手の順で表地のみに縫い付け

続きは、表地と裏地を中表に縫い合わせ(左下)、ひっくり返してショルダーを間に挟んだ取っ手という位置付けで完成(右下)。

まだこの地点で返し口が開いたままです。

最後に返し口(リュックでいうと底の部分)にDカンタブを挟み込んで縫い付けて返し口を縫い閉じました↓。

リュックの底部分の始末:Dカンタブを挟み込み、返し口である真っすぐラインを縫い閉じました。
「外表」の組み立て縫い:最後は、本体パーツとファスナー付きの口布パーツを「外表」で組み立てていきます。

課題としては、パーツ自体に縫い閉じのステッチがかけてあるにもかかわらず、更なる組み立てのステッチが出てしまう汚さです。

まだこの時点では縫いとじ箇所もボンドのみにとどめておくということに仕様変更を決めました。

ミニリュック:<サイズ>縦30cmx横25cmxマチ7cm程。
この肉厚パイル地に「線コキ」はかなりのチャレンジ。飾りのみならば必要ないとも言えます。

線コキの幅の広いものにこの後替えたのでしたが、あまりに横にすき間が空いても不安定でガタつくのです。

こうしたショルダーは、ほとんどが既製品のベルトを使う製作者様が多いと思います。

ファスナーをオープンした時に広がる内部:裏地の魅力がここで現れます。まずこの組み合わせは唯一無二かと。

あとがき

詳しくは触れていませんでしたが、表地の伸びるパイルニット地にはニット接着芯はマスト。

裏地にも同じニット接着芯を共通に使えば問題はありません。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.09.07からおよそ5年半後の2025.02.16にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

実は、うっかり織芯を貼ってしまった表地、私がニット接着芯のマストをやっていなかったのでした。

その結果として、完成の左端のようなアタリみたいなことが起こったかと。。

接着芯は、地の目の向きも忠実にちゃんと沿うように、ニット地とナイロン/100%(織物でも特別な素材です)にはニット接着芯を貼るようにという心得です。

ニットと織物を組み合わせることは、お洋服でも「破壊」の表現の1つなのかそのようなブランド様もあります。

「タブー」と言われていることを守り続けてしまうと、素材同士の相性を逃したり、またとない素敵な組み合わせの機会を失うといけないと思い、そういったことに囚われない製作をしております(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ミニリュックにポケット2個の充実感、安全性高めのファスナーポケットと物の出し入れスムーズなフラップポケット【46】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグにも必須機能としてポケットが付きます。

どんなデザインにするのか、設置する数などはそれぞれの企画次第。

ただ、一番にはユーザー様の使い勝手の良さに寄り添ったものであるべきではないかと考えます。

2007年からのハンドメイドバッグ道、一番最初に作ったポケットはこちら↓。

吊り下げ式ポケット:一重仕立てで出来上がります。一重仕立ての製作では、このポケットを1個付けていました。

どこかで作り方をご教授いただいた仕様、その後は自らのアイデアでポケットを数種類考案していくことに。。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.09.07からおよそ5年半後の2025.02.15にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

2025年ではこうしたポケット1仕様のみに行き着きました↓。

コンビネーション型のフラップポケット:フラップを開けると中は片玉縁風隠しポケットがあるという構造。

このモデル1択に行き着くまの段階として、この2019年考案の2種類のポケットを2個設置するという期間がありました。

これはこれで、それぞれ1個ずつのポケットの良さや特性がありますので、このたびは、2019年当時を振り返りながらポケットを使う立場に立った見方でその完成部分をご紹介したいと思います。

ミニリュック自体の完成は、次の投稿の【47】になります。

ミニリュックの1面にそれぞれ最大限のサイズで設置したポケット2種、安全性と使い易さの両方を2個で実現

2025年というのは、このたび製作の2019年2個のポケットの特性をミックスしたものと考えていただくと分かりやすいかもしれません。

ミニサイズのリュックに、1面に最大限のサイズの2種のそれぞれのポケットを設置。

ファスナーポケット:こちらは表地の前面に設置。外面にあることでむき出しに対する安全性の実現。
フラップポケットは、先に袋の方を設置。マジックテープを設置して安全性をカバーしました。
フラップポケットの完成:背景と同じ生地ですが、気にせずに同じ柄で馴染むように設置してしまいました。
完成したそれぞれのポケットの俯瞰した眺め:左はファスナーポケット、右はフラップポケット。

ポケットの見かけは全く違いますが、ファスナーポケットは安全性が高い反面、ファスナーの開閉のわずらわしさが付きまといます。

右は、フラップの中はすぐに入り口なので、セキュリティー性がやや弱いことをマジックテープでカバー。

2個設置することで、互いのデメリットを解消しつつ全体の価値を高めるという工夫をしていたのでした。

使用生地:右が表地、左は裏地です。パイル地と服地などリュックには使われないような生地である点が差別化。
表地(カーキグリーンミックス):パイルニット、綿/100%、日本製。右は裏面。裁断すると端が丸くなる特徴。
裏地(グリーン系マルチ草木柄):ジャガードプリント、ポリエステル/100%、日本製。

右は、プリントの一部にまるで自然界の「露:つゆ」のようなぼやけた水玉が表現してあります。

このコンビで成り立つ柄の素敵さにうっとりと魅せられます。

あとがき

小さいバッグの場合は、容量のフォローとしてポケットが2個も付くことで価値が高まると考えました。

ただ、2025年ではファスナーポケットを採用していない理由として、①開け閉めのストレス②ファスナーの色の少なさがあり、最も快適に使える具合をユーザー様の立場に立った中間的な仕様に行き着いたのです。

また、別の切り口からは、表生地に設置すると柄が途切れることなどから、外側にポケットを付けることはしておりませんのが現在の判断です。

そうしますと生地を広々と愛でることができるということになります(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

「外表」で組み立てたサッカー生地の薔薇柄ミニボストンショルダーバッグ、型破りな秋口への夏素材使用の横顔【45】

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あとがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、1つ前の【44】の投稿の後半の作業を含めたミニボストンショルダーバッグの完成をお届けします。

元々敷居を低くチャレンジしやすいようにと、ファスナーを含む複雑な構造を単純に解釈、あらかじめ「中表」ですべて縫い代をしまい込み解決した状態のプレートを組み立てるのみでよいという作り方。

そのメリットは形がはっきりと表れてくれることであり、反対に課題もありました。

素材の扱いやすさとしてはサッカーは◎、アイロンでの折り曲げがスムーズなことに助けられて無事完成に至ることができたのです。

ファスナーが取り付けられたボストン型の様々な角度から見たフォルムにもご注目いただければと思います。

ボストンバッグのシンプルな解釈、ファスナー含む口布パーツと本体パーツのみで出来ている完全密閉の優れたモデル

ボストン型やバニティなどの立体感あるバッグは2019年で主に挑戦しました。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.09.04からおよそ5年半後の2025.02.14にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

技術がまだ未熟な段階の2019年では、難しそうなデザインにチャレンジしやすいようにと、自分なりの手法を考えました。

それが、あらかじめ「中表」で縫い代を隠したパーツを次に「外表」で合体するのみという作り方です。

こうした作り方をもってこのたびのミニボストンショルダーバッグが完成されたのだと見ていただければと思います。

後半の主な作業:ファスナー付きの口布パーツの縫い代始末後「わ」に縫った口布パーツを本体と合体して完成。
ミニボストンショルダーバッグ:<サイズ>:縦14cmx横25cmxマチ7cm。長財布横向き収納可能。
ファスナー周辺の角度違いの見応え:なかなかすっきりとしたフォルムに映りますのも生地のおかげ。
共布ショルダー:生地が薄手なので線コキに通りやすく共布で可能です。あえて別布で無地にするのもアイデア。

あとがき

その後のボストン型の変遷としては、底のラインを直角からカーブに改良し、ラインをクリアにしたのが2022年頃、その後ボストン型自体を廃止しました。

廃止とは言え、この時のミニボストン製作が現在への経路としては重要な1過程であることは確か。

2025年でもしボストン型をまた作るとしたら。。で想像してみます↓。

まず、取っ手はこのように取り付けるのは美しくないので底から伸びる「支柱」に、ミニサイズは作らずに大きめに作ると思います。

また底のカーブラインはやはり2022年の改良通りカーブが入っていることは正解。

そして、底の重なりは、重ねずに表地と裏地それぞれを別に内側に折り込んでの縫い代始末という新しいアイデアでガタつくこのたびのような重なりを解消。

末永いハンドメイドバッグ道、過去の製作体験はどう活かされるのかは分かりませんので、難関にも足を踏み入れておくことは無駄ではないと信じています(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

バッグの裏面も「表」、当てはめ式設置ファスナーの丸見えデメリットを溶け込むように馴染ませ解消の定番の黒【44】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

この記事アップの季節はそろそろ秋の入口。

このたび「サッカー」という凹凸感のある生地に決定しました。

夏特有の素材と言われている素材ではあるものの、黒色ベースで、秋口の雰囲気あるセピアカラーの薔薇柄が入っているのです。

この生地を利用させていただき、ミニボストンショルダーバッグを作っていきまして、当【44】はその前半部分、完成は【45】でご覧いただけます。

ボストンバッグには極めて重要なパーツの「ファスナー」の取り付け。

かなり独自の取り付け方をしておりまして、その理由と共にご紹介したいと思います。

構造が分かりやすいという明快さがトライすることに後押ししてくれました。

色の展開の少ないロングファスナー、必ず見つかる定番色の黒は生地に溶け込みボストンバッグ製作の悩みを解決

表地(黒xモカ薔薇柄):サッカープリント。綿/100%。日本製。セピア色の表現が落ち着いた秋のイメージ。

こちらは元は服地、ボコボコした凹凸感が、お洋服となって着用する時に、肌に触れる部分と触れない部分が約半分ずつの面積に分かれる織り方なのです。

およそ面積の半分しか肌に触れる部分がないことで、通気性を伴う涼しい肌触りに感じるという理論です。

裏地(黒):フクレジャガード、綿/97%、ポリウレタン/3%。日本製。表地の凹凸感には良い足並み。

ざっくりと、こうした凹凸感を「シボ」「畝:うね」などと呼んでいます。

ファスナーの当てはめ枠の始末:ボックス型にくり抜き縫い代も同時に隠すという「玉縁:たまぶち」の手法。

左上から右に見ていきますと、①まずはボックス枠を1周作図通りにステッチ。

②Y字にカット③「中表」に①と共に縫い付けてあったラッピング布を裏面へひっくり返しアイロンや待ち針で整えます。

④ボックス枠を固定ステッチ1周。

この後、ファスナーを生地の馴染む黒色で設置。

ファスナーの先端は薔薇柄でタブを作りカバーして装飾性を高めます。

上は表から見たファスナーの設置、下は裏面。裏面といっても表のようなもの。黒同士が溶け合い馴染みます。

長さは60cm、これぐらいの長さになると色展開が少ないのです。

本体の横に置いてイメージ:既製品の色展開が少ないファスナー、元々黒ベースで裏地も黒を選んだことが正解。

あとがき

このたびは、必ず定番カラーとして入手できる黒ベースであったことでスムーズでしたが、同じようにすべてがスムーズとは限りません。

例えば、ファスナーは黒でも、裏地には黒が来ない場合は全く違った状況になるのです。

そういった場合に工夫することは、ファスナーの色に合わせた糸のカラーを使い分けるということで、上糸と下糸が別の色であることはしょっちゅうです。

それならなぜファスナーの両サイド布を内部に隠し込む一般的なやり方をしないのか。。

それは、「穴問題」、そのやり方をした後にファスナー先端の隙間を隠すような新たな作業は必要であり、作業の際にカバーして隠すために生地が重なり、ファスナーの凹凸感が邪魔になるのです。

そういった経緯から、あらかじめファスナーの先端のみをタブで覆い、丸見えでも大丈夫なスタイリッシュな映りに工夫したこのたびの丸見えのやり方に行き着きました。

どのやり方にしても、結局はそれぞれの悩みが生まれるわけで、どこを重視していくかを選択することで探ると良いと思います。

「あらかじめ縫い代を隠してその後組み立てるだけ」という作り方は、縫いにくい苦労を解消するために考えていった理由のあるやり方なのです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

凸型パーツは裏地側へ突き出す向きで。。片面ハトメをひもホールに設置したゴブラン織花柄ショルダーバッグ【43】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびの投稿は、ゴブラン織花柄ショルダーバッグの完成場面、1つ前の投稿【42】の続きとなります。

後半部分で際立つ作業は、「片面ハトメ/アイレットカン」の打ち込みです。

アルミ製パーツに、同じパーツメーカー様製造の「プライヤー」という道具を使わせていただき、打ち台を必要としないタイプの取り付け方のケースです。

打ち台の上に置いて金づちで打ち込んでカシメるタイプよりも少しだけ簡単ですが、パーツの向きを間違えるハプニングを経験。

特にこの、パーツの向きにスポットを当てながら完成までの様子を綴ってまいりたいと思います。

カシメる道具を利用した「片面ハトメ」の打ち込み、ゴブラン巾着バッグのひもホールに共布ひもが通るまで

裏地付きトートバッグの取っ手が付いていない状態の完成のような状態からが後半のスタートです↓。

バッグを大きく開けている状態。見えているのは裏地のミラーレースカーテン地です。

両サイドのハギ目同士の間の寸法は42cm。

アイレットカンを打ち込む位置を均等配分で前後6セットずつの全12セット設置します。

42cm÷6セット=7cm、サイドからスタートして、7cm間隔に待ち針を打ち目印に。。

待ち針の間は7cmですが、打つ場所は待ち針同士の間をとります。

この時に分かりやすく色の付いたペンで印を付けます。

上からの位置は2.5cmで行いましたが、「プライヤー」を挟み込む長さの制限がありますので、幅が足りなくならぬよう深過ぎは禁物。

次に外へ出て、ポンチと金づちを使って直径8mmの丸い穴を開けます。

平らなコンクリートの上や厚みある台の上が良いです。後で分かったのですが、下に敷いた段ボールはNG行為。

ダンボールはふんわりしているので、決して敷くべきでは決してないこともポイント、失敗やずれの原因になるのです。

汚れ防止に新聞紙1-2枚程度であれば大丈夫だと思います。

上は「プライヤー」というパーツ打ち込み道具で、下は「片面ハトメ」で2パーツ1組。開けた穴に設置します。
作業の順番:左上から右へ①凸を裏地側へ突き出す②ワッシャーを裏地に置く③④プライヤーでカシメる⑤完了。

片面ハトメ#23は、内径8mmの「カワグチ」社製、打ち具一式はこのパーツに合わせ、「サンコッコ―」社製、どうもありがとうございました<m(__)m>。

12個設置完了:表に見えるリングが元のパーツの「凸パーツ」であることさえ覚えておけば向きを間違えません。
その後共布ひもを通した様子:直径10mmというパーツに8.75mm出来上がりの共布ひも(型紙は3.5cm幅)。
その他の箇所:上から時計回りに、「マジックテープルーフ」、底板内蔵、背のポケットにスマホを出し入れ。
ゴブラン花柄巾着ショルダーバッグ完成:<サイズ>23cmx横27cmxマチ20cmほど。バランスやや悪し。
持ったイメージ:縦が短いので型紙修正をしたいと思いました。マチはこのバランスには大き過ぎではないかと。

あとがき

手応えとしましては、ゴブランだからこそこうしたパーツにも対応できるものの、ポンチで穴を開けたり打ち込み作業などが完璧なものであるとは到底思えませんでした。

これは生地の種類関係なく、生地に対してこうしたパーツを使用すること全般に関してです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.09.02からおよそ5年半後の2025.02.12にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年では、こうした打ち込み式パーツは全面廃止、バッグ製作に決して使用することはありません。

打ち込みによるパワーの不確かさが心の引っ掛かりとなって最後まで離れなかったからでした。

この製作後もしばらくの期間、プライヤーを使わない打ち込んでカシメていくタイプにも挑戦していますが、それでも100%の安心感を得られなかったのでした。

金属パーツと言えは、Dカンのみを現在では残しています。

「一切使わない」という極端な選択をするまでに至ったのも、1つずつの種類をこうして体験してきて手応えを正直に確認したからなのです。

20年後にもまだ存在するようなバッグ作りを目標にしている製作スタイルには、金属パーツの外れのせいでその寿命を縮めることが何とも納得できなかったのです。

ではなぜDカンだけは良いのかという点ですが、このパーツは見方によっては完全に別物なのです。

ミシンでの「縫い」の強度に依る点が最も信じることができる点であったからなのです。

その後も巾着バッグはいくつか製作していきましたので、引き続き過去の投稿を「手直し」した定番内容と共にお立ち寄りいただければと思います。

過去の苦い記録も実直に残しながら、必ず「今」の見方も交えてブログ記事をまとめていきますので内容がリフレッシュされた現在の考え方になってお伝えしています。

随分このゴブラン織りの素敵さに助けてもらった「生地頼み」の製作の2019年だったと思います。

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書き手:ピクチャレスク

アイロンで折りやすく意外と頑強、「ミラーレースカーテン地」で作ったファスナーポケットとマジックテープルーフ【42】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、初挑戦となりますゴブラン織り生地でのバッグ製作にとりかかりました。

前半部分の製作過程の中で、ファスナーポケットと一体化したマジックテープルーフの構造をお伝えできればと思います。

どうしても入り口にセキュリティー性が不足する「巾着ショルダーバッグ」への安全性対策機能の研究記録です。

「ゴブラン織」の丸い花柄に合わせた丸い花柄の「ミラーレースカーテン地」、入り口付近の安全性を高めた屋根機能

ゴブラン織りは、伝統的な生地で人気が高いです。

その割にはあまり豊富であるとは思いませんし、日本製のゴブラン織は久しく見かけません。

生地を製造する産業の空洞化の事情だと思いますが、その分中国製の台頭があります。

ただ、中国製の生地は昔の日本製のお品で見かけたフローラルなデザインを引き継がれたように感じ、決して目新しくはありませんでした。

そこで出会ったのが、新しいタイプの花柄、デフォルメタイプのカジュアルな柄でした↓。

表地(マルチカラー):インテリアジャカード、綿/100%。スペイン製。
右-裏地(ベージュ):ミラーレースカーテン地、ポリエステル/100%。日本製。お花の形同士の相性を感じます。
ファスナーポケット:裏地の裏面にはボックス型のくり抜きを作図したハード薄芯を設置してあります。

この写真の左上のように、裏地の表面に中表で「ラッピング布」を裏面のくり抜きの作図の真ん中に当たる位置に設置。

右上のように待ち針で固定した裏地の裏面のハード薄芯上のボックス枠を1周ステッチ。

そして、左下の通り、真ん中と両端をY字にカット。

その後裏地の表面に位置していたラッピング布をくるりと内側に返し、アイロンを使いピタリとボックス枠に合わせ固定。

右下のように、ポケット袋パーツをファスナーと共に縫い付けて、「ファスナーポケット」が完成。

ファスナーポケットを隠すように取り付けた「マジックテープルーフ」。未使用時はこの状態で壁にフィット。
右下のマジックテープ(メス)の意味:未使用時はむき出しでもサラサラなのでOK。使用時にタブと合体。

あとがき

次回の【43】の投稿で、完成した巾着ショルダーバッグをご覧いただけます。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.09.02からおよそ5年半後の2025.02.11にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年では、こうしたコンパクトなサイズのお出かけショルダーバッグを製作することはしておりません。

しかし、定番製作の「ナップサック」が巾着型であることから、ここからのヒントが必ずあったかと思います。

口が絞り切れないことは、後の巾着ひもホルダータブで解決していったのです。

後半の【43】で行う打ち込み式パーツも、2025年ではすべて廃止しておりまして、損傷なく確実に20年持ち続けることが可能な「縫い」による固定を信じることにしたのです。

更に、こうした柄生地を表地に選ぶことも滅多にしなくなりまして、表地は無地で裏地に柄を配置するということに。

そうしますと、この柄が全面のゴブラン生地は2025年では選択することは無いと思うのです。

しかし、この分厚さがある意味極限であり、これを絞るタイプの巾着型に仕立てた2019年の思い切った挑戦は大変貴重だったのでした。

確かに「ゴブラン」というキーワードは人気でありたくさんの方が注目していると実感しています。

しかし、生地の丈夫さだけに頼む製作では、長い目で見た価値には決してならないということを、その後しっかり考えていくことになりました(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

とろみ生地のシルクやちりめんは不向き、そびえ立つバニティー型の成功にはごわつき感やバサバサ感が必要【41】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、「紬(つむぎ)シルクプリント」という小花柄の生地でバニティーショルダーバッグが完成しました。

前半部分を記録した1つ前の【40】の記事では、表地と裏地を「中表」にして縫い代をすべて隠しプレート状にしてありました。

後半はそのプレートを「外表」に組み立てて完成という流れになります。

素材の素敵さのみに目を奪われてしまい、この素材を利用させていただいたのですがきっかけ。

しかし、そもそも「バニティー」という建築物のようなそびえ立つデザインにはこのとろみ生地は相応しくなかったということが出来上がりに出ていました。

素材とデザインの関係の研究にこの結果をお役立ていただければと思い、記録に残したいと思ったのです。

高級生地絹100%無彩色系マルチ小花柄のバニティーバッグ、しなやかな特性はむしろ巾着バッグに落とし込むべき

バニティーの組み立てにおいて、やはり、ファスナーの取り付けは大きな作業でした。

それほどやりにくいこともないですが、両開きのファスナーを1本で使用することをお勧めします。

このたびは、在庫のファスナーの色がマッチしたので2本使いをあえてしたのです。

真ん中で止まるのが良いのか悪いのか、真ん中を合わせる意識に手間がかかります。

あとは、ファスナーの重なりの部分の裏面の始末の跡がどうしても汚いというデメリットがあります。

このことから、ファスナーは「務歯:むし」の部分のみを見せるものだと伝統的な仕様にここでやっと共感したのです↓。

ファスナー先端:4箇所を裏へ折り込みステッチして固定。裏面には丸見え、裏面でも隠れる必要があるのです。
背面の「わ」の端の重なり部分:横幅3cm程度で重ねますが、ここが厚みが最もMAXになる部分です。
出来上がり7cm四方の正方形ネックパーツ:裏地も表地も両方取り付けるネックパーツ。先に裏を設置しました。

この部分も、後にとことん研究していまして、重なる部分をぴったりということが難しいので、裏地と表地のネックパーツの大きさに差を付けて対処。

その後、最終的に行き着いたやり方は、今度は逆に先に表地を縫い付け、裏地はダミーのステッチをパーツ単独で施し、手まつりで表地の四角ステッチを隠すように覆いながら縫い付けるというやり方。

蓋のてっぺんの縫い付け:ファスナーの口布とぴったり重なるように「外表」で組み立て。

間からのぞく、裏地のブルーグレー、あまり目立つものではないのですが、これをデザインとして理解してもらえるのか、それとも邪道なのか。。製作者の中ではずっと引っ掛かりがある姿でした。

なぜなら、こうしたことを隠すための「中表」だとも解釈しているからです。

ただ、「外表」だからこそ、このようなデザインにもチャレンジできたのです。

バニティーショルダーバッグ完成:<サイズ>縦17cmx横22cmxマチ12cm。

とろみ生地の特性が前面のたるみに出てしまいました。

全体にキルトをかけるべきであったかも。。→そうすると重なりが厚すぎて針が通らないという新しい課題が生まれたかもしれません。

持ち上げた時:たるみは幾分か解消。とはいえ、置いているだけでも美しいフォルムであるべきなのです。
持った様子x2方向:横向きの様子も右側で映しました。非常に難易度の高いデザインです。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.09.02からおよそ5年半後の2025.02.10にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

ものすごぐマクロに見て、2025年の考え方としてはそもそもこのような生地はたとえ高級生地でも裏地に選びます。

そして、更に裏地であってもたるみの原因になるとろみ生地は必ずキルトをかけて固定することで2019年に表面で起こった「たるみ」などは起こらないようにしています。

そして、こうした好みが分かれる「柄物」を滅多に表地に配置しないで無地をメインに、柄はすべて裏地に持っていくという考え方に至っている現在です。

とはいえ、こうしてシルク100%の奥深い性質を知ることができたのも、バニティーを作ったからであり、作りやすい巾着型などを作っていたらこの特性には気付かずに2025年を迎えていたかもしれないのです。

そう考えると、愚かなまでのこうした失敗というのは決して蓋をしたり目を背けたり隠したりしながら見逃すものではないと思うのです。

しっかりとキャッチし教訓として残すことを決断、随分貴重な体験をさせていただいたのだと考えております(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ポケット設置に希望通りにゆったりとした容量がとれないバニティーバッグ、2重構造にすることで2個分のポケットを実現【40】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年で挑戦しております立体的なバッグ、ボストン型・ドーム型などと並び難易度が高いというイメージのバニティー型のショルダーバッグの製作風景。

製作の前半が当記事の【40】、次回の記事【41】が完成を含む後半部分になります。

このたびは、前半部分で作業時間を占めますポケットの製作にスポットを当て、面積を広々ととれないバニティの内部で同じ場所に二重構造に考案したというアイデアをお伝えしたいと思います。

美しいブルーグレーのジャガードの裏地、バニティー内部の狭い面積のデメリットをポケット二重構造でカバーした

表地は、「紬(つむぎ)シルクプリント」という名前の生地。

これまでのバッグ製作の経験からは、バニティー型は、あまり厚みがあると作れない為、やや薄手の方が成功率が上がると思っております。

背の部分が重なるので、重なってもミシンがしっかり通ることを見込みます。

表地:紬(つむぎ)シルクプリント、絹/100%、日本製。左は遠目、右はズーム。3色以上の定義のマルチカラー。
裏地:ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。色はブルーグレー。実際もっとブルー気味です。

つむぎというと着物の紬(つむぎ)が有名ですが、節が全体に横向きに入り、その織り模様が凹凸感があって大変美しいです。

控え目なマルチカラーもしとやか、一時流行のパターンによるたくさんの小花プリント柄とは何となく違う個性は、小花柄1つずつにも入り込むこの「節」のせいでは。

表地のみの状態のうちに早い段階で取っ手を付けます。理由は、ステッチの裏側を内部に隠したいからです。
内側のポケット作り:ファスナー使用で内部にポケット袋が隠れた構造がセキュリティー性をより高めます。
外側のポケット:先に設置したファスナーポケットの次の段階で覆うように貼り付けポケットを縫い付け。
二重ポケットの完成:一瞬1つのポケットしか目に映らないところがセキュリティー性の高さです。

この部分は、生地が重なるので表地にアタリが出ないよう、裏地には薄手を選ぶということもポイント。

以前に表地のジャガード生地の裏面を裏地に使用した製作では、裏地にしては生地に厚みがあり過ぎ、表に響いていたという苦い経験があります。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.29からおよそ5年半後の2025.02.09にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

バニティーバッグの成功率は高いものではありません。

どうしても近くにパーツが込み入り、ミシンの限界を感じながら生地に対する条件付きの製作になってしまうことも、なかなか作り手がいない原因でしょうか。

だからこそ挑戦して独自のメソッドが生まれると貴重な「武器」になるとも言えるのです。

そうしますとこうした裏事情こそが大切、上手くできた時であったとしても、デメリットも同時にお伝えすることが苦労した者からの貴重なメッセージです。

当記事のシルク紬は、結果的にはバニティにはあまり向かない生地だったと2025年では振り返っています。

もっとこの生地の素敵さが最大限に生きるようなバッグがあると後から思い、巾着袋を製作してみたのが2022年↓。

色違い生地の巾着袋:柄を広々と見せるような切替えのない丸いラインのデザインの方が向いていたかと。

2025年にもしこの生地を採用するとすれば、おそらく裏地にキルトをかけて使用させていただくと思います。

高級生地であっても、その価格やブランディングに左右されず、フラットな見方をしていきます。

こうして年月が経過するにあたってどんどん考え方を含む製作スタイルも変わっていったのです。

そう考えますと、この2019年にしかない記録としてはこうした高級生地でバニティバッグを作ったことはかえって貴重。

次の【41】でその完成をご覧いただけます(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

まるごと作り直しをしてもなお残る課題、表面的には綺麗に見えても未解決なドーム型ショルダーバッグの裏面【39】

アイキャッチ画像39

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、前半である【37】から番号が1つ飛びました【39】の投稿で後半と完成をお届けします。

大変美しい高級生地のイタリア製の風通ジャカードの大花柄で1点ドーム型ショルダーバッグが完成。

前編では、表地にポケットや取っ手を付けるところまで行いましが、その後いろいろ波乱が起きまして、まるごと作り直しもしています。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.29からおよそ5年半後の、2025.02.08にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

その後完全に解決することができなかった複数の課題は、どれも「美しく作ることができない」という点が共通しています。

なかなかこうして投稿でアップしたくないような場面ですが、これこそが大切であり今後もしかして同類のバッグの形を成功することができる方への良きヒントになればと記録に残します。

後に貼りますYouTube動画は当時2019年のままであり、随分当時では納得したようなことをお話していますが、2025年から振り返るととんでもなく課題だらけの未熟な製作だと見ます。

確かに生地は優れていますが、存分に活かせなかったことが一番もどかしく申し訳なさが残りました。

では、苦い記録とはなりますが、2019年当時では精一杯のやり直しをしての完成品となります。

①横の反り②ステッチの歪み③余分なステッチ、複数の課題があっても美しく映る風通ジャガード生地の素晴らしさ

ミニドーム型ショルダーバッグ完成:<サイズ>23cmx横27cmxマチ12cmくらい。
内部は、ゴールドラメ生地です。このガサガサを作るのは、【37】の前半で素材をご紹介した時のメタル/40%。
課題x3点:左から順に、①余計なステッチ②ファスナーステッチのゆがみ③側面の反りの未解消です。

①は底面なのですが、組み立てる前に周囲にステッチをしてしまうことを後で見直しています。

こちらの解決は可能であり、ここでは「中表」をひっくり返し後の返し口にボンドのみで仮止めしておくだけという解決方法。

その後の組み立てで新規のステッチのみが出ますので綺麗です。

あらかじめステッチをしてしまうと必ず重なるとは限らず、かえって汚くなるのです。

②については、これはなかな解決が難しく、カーブを平面ミシンで縫うことの限界ではないかと。

③は結局最後まで解決できず、正しいラインに導くことができませんでした。

とはいえ、それなりに良く映ってしまう瞬間があるのも、この生地の素晴らしさのおかげなのです↓。

生地にステッチをすることでハリコシが高まり、ベルトのようなパーツでもそびえ立つということになりました。
持ったイメージ:ファスナーは下まで行き過ぎで、せめて横ラインの1/3にとどめねば物がこぼれます。

とにかく、突っ込みどころはとどまることを知らないほどの量、後にこのデザインは諦めました。

もともと、自らの1からの考案ではなく、老舗ハイブランド様の類似のデザインにあこがれてのスタート。

自分が閃いたアイデアではないのです。

あとがき

2019年の高級生地を使用させていただいたバッグ作りは、「生地頼み」がキーワードであったかと。。

生地の素晴らしさに頼りながら、未熟な技術のフォローをしていただいたかと思うのです。

未熟な技術では安価な材料でリスクを落とすべきだと普通は考えるのですが、なぜかこの時期に無性に高級生地にも同時に踏み出したく、フライングであったことをしっかり覚えております。

この度のお品を含め、高級生地のほとんどがボツになった試作品だらけという結果で、非常にもったいないことでした。

ただ、こうも言えます↓。

そういったタイミングであったからこそ、「生地頼みは良くない、自らが生み出す価値も持っていなければいけない」という考え方へたどり着くとができたのでした。

もう二度と会うことが無かったこのイタリア製の風通ジャガード生地のこの柄でしたが、だからこそ、こうして未熟な技術と並んで記録に残すことが望ましいのではないかと考えました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

崩れ易く頼りない生地の状態の「風通ジャガード」、ミシンステッチによりどんどん逞しく固められていく性質の発見【37】

アイキャッチ画像37

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年は、「バニティ」「ボストン」「リュック」「巾着」「ドーム」という主に5種の立体的なデザインのバッグを研究しながら高級生地で製作していくことに挑戦した時期でした。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.22からおよそ5年半後の2025.02.06にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

よって、YouTubeでは2019年当時のままの内容でも、当ブログ記事はリフレッシュされ内容が高められていますことをブログ記事をご一読いただけるメリットとしてお伝えしたいと思います。

このたびは、「ドーム型」のミニショルダーバッグをイタリア製の美しい「風通ジャガード」生地で製作する前半の部分をお送りします。

完成は後日の記事の【39】でご覧いただけます。

裁断後の崩れ易さから一変、製作を進めていく中でどんどん強固になっていったイタリア製風通ジャガードの真の性質

そもそも、このドーム型は、某ハイブランドバッグにあこがれて好んできたデザイン。

特に流行が色濃くないという点に最も魅力を感じていました、1990年代からのこのデザインのファンなのです。

ただ、見様見真似ではどうしても同じフォルムにならず、型紙の底周辺のラインが一番の「秘密」の部分なのだとお見受けしました。

この時に製作を進めてはいましたが、そもそも本体のラインを作る型紙自体が間違っていると思うのです↓。

ドーム型バッグに初トライする時に誰もが一度は左のようなラインで考案してしまうのでは。これだと反ります。

そして、数年後に考案したのが、右のような型紙。

先端のとがりをそぎ落としカーブ上になると、バッグを下に置いた時に地面にぴったりと着するフォルムになるような型紙ラインは。。というシミュレーションもしてみましたが。。

結局は最後まで最もベストなフォルムに一致した型紙は作ることができませんでした。

右の型紙はそのシミュレーション研究時のものですが、尖りがあってそれがラインにもろに出て出来上がってしまったのです。

あのとがりの部分をまっすぐにすれば良いのか?というのもそうではありません、結局答えは出ずじまいで、このデザインをその後諦めていきました。

あこがれは憧れに過ぎず、自ら生み出した「願望」からスタートするラインであるべきなのです。

たやすくぱっと見で既存のデザインを型紙で表現などととんでもない図々しい考えでした。

表地(柄):風通ジャガード、ポリエステル/75%、絹/22%、ナイロン/11%(全体で100にならないため、生地屋様の記載間違いだと思われます)、イタリア製。右側は裏面で、表面として使えるレベル。
裏地-右(ゴールドラメ):クリスティーヌ、ポリエステル/60%、メタル/40%、日本製。
柄以外の背景の部分は糸が今にもほつれそう、早めに接着芯を貼り、作業を進めるのが良いと思います。
接着芯貼り後の表地と裏地:この時点であまりにも不安定な風通ジャガードに対して頼りなさを感じていました。
ところがです、ファスナーを縫い付けステッチをしていくにつれてどんどん強固になっていくのを感じたのです。
取っ手取り付け後:観音開き折りで4本のステッチが走ることでどんどん素材が固まって逞しくなっていきました。

これらのことに非常に驚き、これこそが正に「風通ジャガード」の真の性質なのではないかと思ったのです。

なぜに空気(風)が通るような空洞を作るのか、立体感の表現だけでは決してないのだとこうしてミシンステッチを走らせ、作ることで分かったのでした。

空気は「頑丈さ」をも作る無料の資材なのではないかとさえ思えたのです。

あとがき

番号が少し飛びますが、【39】の番号で一応形だけの完成となります。

途中でもお伝えしましたように、そもそも型紙が間違っており、このまま完成しましたがサイドの底周辺が反ってしまいました。

とりあえず記録には残しておりまして、同じように作ってしまわないための予防線としてはお役に立つのではないでしょうか。

失敗が立て続けでありますが、この研究期間は貴重であり、「風通ジャガード」の深みに触れることができたと思っております(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク