貴重!バッグの製作途中だから見れる隠しポケットの裏側の構造【68】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在ハンドメイドバッグ製作におきまして、「同素材5型製作シリーズ」という企画を続行中です。

同素材で5デザインを作って行くというバッグ製作の3デザイン目です。

デザインは、巾着タイプのバッグなのですが、そこに隠しポケットを設置することになっています。

今回は、この隠しポケットが出来上がっていく際に、完成品では絶対に見ることができない貴重なショットが見られますので、是非ご一読いただければと思います(^-^)。

内側にひっそりと隠れるファスナー付きの隠しポケットの構造

出来上がりで表側からは決して見ることのない隠しポケットの裏側の作りがご覧いただけます。

やや地味なな場所ではありますが、あれこれ製作してきて、自分なりのやり方がある程度固まってきた作りになります。

隠しポケットは段階が非常に多いので、今回は後半部分の、ファスナーを取り付けた後の場面からのスタートでご覧いただきます。

違う機会に、前半部分や、最初から通してなどの長いスパンの製作の様子などもお伝えしたいと思います。

今回は、裏側の構造が最もわかるところにスポットライトを当てました。

このように隠しポケットのファスナーを取り付けてあります。
まだこの時点で裏側を縫いとじていない状態です。
その裏側がどうなっているのか、それが次です↓。
裏側は何も縫っていなくてピロピロです。
縦に長いポケットの袋と袋の延長布の端を合わせて縫い代1.5cmに印を付けて、
待ち針でこれぐらい細かく留めます。

ここで、私のお話すれば長―くなってしまう考え方が入っています。この縫い留めた待ち針の箇所というのは、袋の底に当たらないのです。

途中で「延長布」を縫い付けてずれた位置にその延長布の縫い付けのハギ目が来ます。

そこは、「わ」になっている状態で出来上がるということにゴールを持っていく作り方です。

そして、2度縫いで往復して、ミシンで縫います。
前述の「ハギ目」は反対側に隠れていて映っていません。
底に当たる部分は「わ」になっていますね。
アイロンで縫い代を割ります。
今は、ポケットの袋が上下の向きでいうと上側に付きだしています。
ポケットの袋の「わ」の上面のみを持ち上げて、するりと下へ移動します。
移動するとポケットの袋の位置が本来の定位置におさまるように配置されます。
あとは、両サイドを縫えば、完全にポケットの袋がとじられます。紫色の真ん中あたりにハギ目が見えますね。
あの位置は、ポケットを正面から除いた時に、手前に位置するように作っています。
視界にハギ目が入りにくいのが手前であるという理論からです。
両サイドの縫い(都度の返し縫で進む縫い方):この左に映っているのが表側で視界に入る場所です。
とても貴重ですね。裏側は今しか見れない場所です。
左側は綺麗に縫い易い向きがポケットの袋の底の部分からのスタートの位置となります。
そうすると、ファスナー部分が最後にあたりますから、
ストンと前述のように輪を下に落とした端っこを把握しやすいのは、
ファスナーがスタート地点にある右側なので、
下から縫い始める左側は順番が後の方が正確に縫えると考えます。

こうして、表から見ると、ファスナーしか見えないポケットが、裏側ではこんな立体的な構造になっているのでした。

あとがき

今回は、スポット場面がやや地味な、隠れた部分でした。出来上がりの表からは、見ることのない場面。この時でないとその機会はありません。

ということで、ある意味貴重な場面だと言えるかもしれません。

例えば、二重縫いをしているということも、こうしてお伝えしなければ何ら完成品では分からないことです。

しかし、末永く丈夫に使っていけるポケットになっているかということが、何年も持ち続けることで分かっていただけるのです。

この、「末永く」という言葉をとても大切にしています。

目に見えない部分であるからこそ、こうして製造者の私がお見せしていくべきであり、知ってもらうべきだと思いました。

ごまかしとか、手抜きなどは、ハンドメイドでは悲しいことだと思っています。

価値というのは、見た目だけでは到底計れない、いろいろな奥に隠された構造や作りにも実は存在しているのだということです(^-^)。

現金中心に考えられている現在のバッグからキャッシュレスな次世代型のバッグへのサイズの改良【67】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回の記事は、<はぎれシリーズ>のカテに属します。

はぎれシリーズも今後投稿をたくさん増やしていきたいと思っております。

私の場合、YOUTUB及びとこのブログでご紹介してまいります出来上がりの作品は、商品として販売させていただく商業利用製作がほとんどです。

楽をしながらゆったりと簡単に製作するということもありだと思いますが、どちらかというと、事業として通用するようなお品を目指すにあたり、妥協部分を無くし、本気のお品をご紹介するというスタンスです。

そこに実際に販売するのだからこうするのであるという、答えみたいなものがはっきりとしていて作りやすかったりするのです。

例えば「作り方」ということでも、商品にするものを作っていく過程であると、白地の上の赤い糸でお見せするというような場面はあまり出てきません。

実際の布地になじんだ糸の色だったりする点をご紹介したりすることが現実的なので、見た目はやや見にくこともあるかもしれませんが、それが「実際の場面」であるということで、リアルにお届けするというものです。

さて、今回は、ストラップ付のバッグのうように持ち歩けるポーチです。

いつもの組み立て式で作るポーチです。

今まで、ファスナー付きは、ひっくり返しの方法がうまくいった試しがありません。

ファスナーを逆さにするということが、無理な圧力なので、美しい形にないにくいものだということです。

そして、無理な圧力でファスナーが開いてくることもあることは何より避けたいことです。

なので、ファスナーを基準にしたひっくり返しをしていくというやり方を現在しておりません。

パープル系マルチカラーのコントラストで組み合わせた生地チョイス

右(パープル系小花柄):表地-ナイロンオックスプリント(はっ水加工)、ナイロン/100%、日本製。
左(パープル):裏地-ジャガード、ポリエステル/100%、日本製。

パープル系の組み合わせです。

ナイロンオックスの生地は非常に整った織りがなされた作りなので、作業しやすく何度もリピートしています。

綺麗にびっしりと出来上がるところがとても有難い生地です。

そして、コンビの、まだら柄のジャガードが美しい生地も、リピートです。

色の展開が豊富で、元は衣装コーナーの生地。

色違いで何度も使用する中で、この程好い厚みや良質さ、そして華やかさに太鼓判を押しています(^-^)。

中表でひっくり返さずして、どうやってポーチに組み立てているのかの様子

まずご紹介したい場面は、芯地を一度にまとめて貼った場面。

いつも小さめパーツも1枚1枚貼っていますが、かなり細かいパーツサイズの集まりであることで、まとめて貼ってみました。

その結果、作業はとてもスムーズでした。

反からの接着芯の裁断が一度っきりでで良い点がすっきりとした製作になります。

粗裁ちという裁断方法です。

左:芯地の裁断はまとめて粗裁ちします。
右:パーツをうつ伏せに置いて上から芯地を載せてアイロンを当てます。

はがすときは、ゆっくり生地を傷めないように行います。

今回は、一番下にはアイロン台のカバーが来ていますが、クッキングシートをアイロン台にフルに長くカットして、その上に置いて行うとはがす時に生地が引っ張られず神経を使うことがありません。

後にこのやり方を取り入れています。

左:貼った芯地の隙間をカットします。
 右:余分なはみ出た芯地をカットして綺麗に整えます。

まとめて、貼った後でハサミでカットの作業が入りますので、カットとしては2度になります。

細かい今回のようなパーツの場合には、こんな感じの接着芯の粗裁ちが向いているのかと思います。

パーツのサイズの違いで裁断方法は使い分けると良いということになります。

そして、もう1点のポイントの箇所は、最後の段階の地縫い場面です。

この作り方は一般にはされません。

左:表地と裏地を中表にしてひっくり返して作った板状の半月パーツ2個をファスナーのサイドに縫い付けました。
右:さらにその板状パーツの縫い線に沿って(端から3mmほど)地縫いをして、組み立て作業をします。
この時に、写真のように、一番上8mm程度を空けてのスタートです。
最後も同じように8mm程度空けて終了しました。
ファスナータブの形を崩さぬように、縫わない部分を作るというやり方をしたのです。

持ち歩けるミニポーチが完成して思うこと

では完成したストラップ付ポーチをご覧くださいませ。

完成したストラップポーチ:<サイズ>縦9cmx横15/17cmxマチ無し。
バッグのようにこのストラップを手で持って持ち歩けます。
ただサイズは10cm足らずの横の長さしかありません。

今回、ストラップの取り付け方が、あまり納得いっていませんのでこの後、もっと良い感じにリフォームする予定です。

一応千円札が入りましたが、折りたたまずに入れるにはやや小さいといった具合のサイズです。

キャッシュレスな世の中に今後なっていくとは言え、まだまだ現在の2019年では現金を持ち歩く文化が継続のようです。

現金の持ち歩きが中心になった文化がまだまだ根付いていることがバッグのサイズ感に見て取れます。

また、バッグの中の物が多い方がいらっしゃいますが、現金の影響ではなく、その他の小物やポーチがいろいろ入っているのだと思いますので、こんな風に小さなポーチ1つに必要なものがまとまる人というのはかなりミニマムな人です。

ただ、何も製造しないよりも、こうして作ってみるとカードだけを持ち歩くミニミニバッグとしては何か1つのご提案になるかもしれません。

あとがき

ひっくり返しをしない組み立て式の構造であるこのたびのような作り方は、私がひっくり返しに限界を感じたことから考案した作り方です。

ひっくり返すやり方のその後を想像しにくく、頭の中に出来上がり構造の展開図が浮かびにくいことと、そういった想像が苦手であった私ならではの悩みでした。

少し革を使った製作に作りが似るかもしれませんが、縫い代を気にせずに組み立てるという単純明快な構造。

しかも縫い代が隠れているようにするには、先に縫い代を隠した表地と裏地の合体のプレートを作っておくことだと考えたのです。

その結果、ファスナー仕様において心配されるファスナーへの負担などは解消されたかと思いますが、プレート自体が、裏地の色によっては、表地の隙間からカラーがのぞくという事態になっています。

果たしてこの構造が、邪道なのか、カラーが見えることで、線が1つ出来上がりデザインになっていくのか、みっともないから隠した方が良いのかなどは、まだ反応が得られていません。

このことについてのどうこうのお話はまだ聞けておりませんが、ただ、「新しい」ということだけは感じていただけるのかもしれません。

高級生地はむしろ共布ひもで、既製品の江戸打ち紐よりも原価が下がるミニ巾着袋【66】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

はぎれシリーズという企画を現在しています。

高級生地のはぎれを有効活用しようと、小さなサイズの袋物やポーチを連続製作中です。

このたび、フランス製の形状記憶のぼかしプリント素材が結構多めに余っていましたので、これを材料にミニ巾着袋を作って行きます。

はぎれの余り具合としては、なかなかの分量でしたこともあり、エコノミーに共布巾着ひもで行きたいと思います。

一重仕立てで、1面パーツは、サイズが縦30cmx横25cm程です。

決して大きいわけではないですが、はぎれにしては余った方です。それを使い切りたいと思います。

最初に地縫い後2枚をまとめて三つ折りする始末の仕方

詳しくは後で貼りますYOUTUBE動画でご視聴いただこうかと思いますが、今回の作り方の特徴は、最初に地縫いをしてからその後で三つ折りして縫い代を隠す作業をする点です。

まず、上から10cmの地点からのスタートで、両サイドを縫い代2.25cmで一番下までストレートに縫います。
この2.25cmというのは、この後の、三つ折り7.5mmx2回分です。
次に、アイロンで7.5mmずつおり一番上から一番下までまとめて三つ折りし、
今度は上から10cm分のみを端から1-2mmあたりを縫います。
そして10cm地点に来たらミシンをLの字にサイド側へ向きを変え返し縫いで終わります。
右はL字、左は逆L字です。これを前後とも全部で合計4箇所同じことをします。
そして、次に、先程一番最初に地縫いを2.25cmのところにした両サイドの三つ折りを前後とも
1-2mmあたりをずっと一番下の底の先端までストレートにミシンをかけます。
その後、底部分をまとめて三つ折り7.5mmずつして縫い代を隠します。
そうすると先程の、上から10cmの分がサイドよりも余分に飛び出しますので、
再び内側へ7.5mm分折り込み、折ってひも通しのホールを作ります。
そうすることでサイド部分がこの写真のように、縫い目が1つも出ないという出来上がりになります。

少し、説明不足かもしれません。

内側からその作りが見れますのでどうぞ↓。

巾着紐ホールの作り:三つ折りを生地だけで全体にやって置いてから、
巾着ひもホールを上から10cmの分量をとって作りました。

今回は、一重仕立てなので、巾着紐ホールx2倍くらいの10cmをとりましたが、裏地付きの二重仕立ての場合は、ひっくり返し関係で、1cm縫い代をとっても、上から5cmだけ見れば良い点が変わってきます。

そういった意味で、意外なのですが、裏地付きの方が縦の長さを要しないということですね。

これは一見気づきにくいことです。

なので、残布が結構ある場合は、他の生地とのコンビで裏地付きを作った方が価値が出ると思います。

一重仕立てより裏つ付きの二重仕立ての方が綺麗で高級感があることは間違いないです。

完成:ころんとした巾着袋の完成です。
<サイズ>縦14cmx横14/25cmxマチ10cm。

あとがき

コロンとした様相の巾着袋が出来上がりました。マチが10cmもありますが、こんな巾着袋もあっても良いかと思います。

立体的なものや、小さいものにはなりますが箱そのものが入りそうです。

形状記憶生地であることも相まって巾着ひもが丈夫く出来上がりました。

共布紐もいろんな仕立て方があると思いますが、四つ折り観音開きにして、ボックス状に端っこすべてにステッチを入れました。

発展バージョンとしましては、更に真ん中に、もう1本ステッチを入れたりすることでもっと強固な紐になっていきます。

はぎれで作るミニサイズなので接着芯をこの度は貼っておらず、生地も一重仕立てですが、裏地付きで作る場合は、接着芯を貼って作業すると、さらに価値が高まるお品になると思います。

巾着袋は今後も作って行きたいですし、バッグの内側に機能パーツとして設置することもできます。

このたびの製作は、付加価値がどんな点で付いていくのかなどを確かめるなど、学びある製作でした(^-^)。

労力無く美しく仕上がる材料選び、バニティーバッグ製作には両開きファスナー使用の勧め【65】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ただいま、シリーズとして、同素材で5デザインのコンパクトショルダーバッグを作っていく企画をしています。

今回は、その2点目のバニティー型ショルダーバッグの後半です。

ポイント場面は、両開きファスナーを使った作り勝手の良さとか、出来具合を見てみるということをします。

両開きファスナーを使用したことが過去にはあまりなくて、2本のファスナーを使ってきましたが、ここで両開きファスナーとの出会いがあり、その違いを製作しやすさなどの点からお伝えできればと思います。

数の少ないダブルファスナーVS数の豊富な2本使いのファスナー

ダブルファスナーはどちらかというとバッグ専用ですので、一気に製造数が減るようです。

あまり豊富にカラーが無いという固定観念もありましたし、いろいろな色の生地に合わせていくには、豊富な色展開のシングルファスナーの方が選びやすいと思っていました。

ただ、シングルファスナーの2本使いは、例えばバニティーの場合は、2本をいかに延長上に1直線に配置するかという技術が必要で成功率があまり高くありませんでした。

そして、ど真ん中を意識するポイントも生まれます。

頑張って神経を使ってきちんと配置して縫い付けても、出来上がりは少し引っ掛かりのあるものでした。

ファスナーの端の始末がバニティーでザインでは上手く隠しきれないところがありました。

どっしりとそびえたつように筒形が立つということ、これはバニティの出来上がりの美しさの1つかと考えます。

なので、2本使いはその点について左右のバランスの縫いの難しさが出来てしまうのです。

一方今回導入の両開きファスナーは最初から1直線なので余計なことを考える必要がありません。

さらに、今回の場合取り付ける口布や側面パーツが同じ40cm周辺の長さであったため、特にカットもせず、ファスナーの留め具もちょうどミシンで縫わない部分である後ろの重なり部分に隠れて、邪魔にならず、ファスナーのカットの必要もなくすみました。

今後両開きファスナー、色さえ合えば積極的に使いたいですね(^-^)。

さて、このたびは、後半の場面であり、YOUTUBE動画でも完成の様子がご覧いただけます↓。

あとがき

バニティはまっすぐな形に立つということが見栄え的に大切だと思っています。

よじれがちな理由として、立体的な物を平面2次元ミシンで縫うからこその難しさがあります。

2本使いにするにしても、ダブルファスナーを使用するにしても、ファスナーの付け方が出来上がりのフォルムに影響すると思います。

ただでさえ難しいデザインですので、できるだけダブルファスナーにして作りやすい方を選んでおいた方がお勧めです。

カラーが豊富でないことは大変デメリットですが、ファスナーの色の展開を見ながら、材料の生地調達に条件を付けて探していくなどということも良い結果を考えたら「有り」だと思うのです(^-^)。

お出かけ用バッグの実現、バニティバッグの蓋パーツに内蔵するハードな芯地の使い方【64】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、同素材シリーズというハンドメイド製作の2つ目のデザインの一場面をお送りしたいと思います。

パープルジャガード花柄生地でバニティーショルダーバッグを製作中です。

前回のドーム型のショルダーバッグと同じく、バニティー型も同じように、取っ手をアイレットカン仕様に変更する点は今回初の試みとなります。

こうして、製作に新しい試みを取り入れながら研究もしていくスタイルです。

目的は持ち上げた時の力のかかり具合の緩和、蓋にハード厚芯を使用

今回は、他の製作中のデザイン4型では使わない、このバニティならではの芯地を使います。

ハード厚芯というものです。

その他の別芯であるハード薄芯に比べて、ハード厚芯の方はかなり厚く硬めです。

こちらをバニティの蓋パーツに使用するのです。

ボンドで貼ってある状態の蓋パーツ
:ハード厚芯は厚み約1mm。待ち針が差しにくいくらいの固めです。この固さの効果はかなりのものです。

では、なぜここにハード厚芯を入れるのかということです。

その理由は、まずは、この部分に取り付ける取っ手1本に全体の重さがかかるので強固にしておきたいということです。

取っ手1本で全体の重さを支えるということが特徴なのがバニティー型なのです。

ハード厚芯が入っていないと、柔らかくて、蓋が持った時にかなり変形します。

バニティとしては、蓋は比重のかかる場所であり、しかも視線のいく場所。

よって、取っ手と共に共同でこの部分を支える役割がとても重要であるわけです。

そうすることで楕円型フォルムもすっきりと見せてくれます。

ハード厚芯は、それ自体結構重みがありますので、よほど必要な部分にしか使わないようにしています。

大きなバッグの本体に前面にハード厚芯を入れて作っていたことがありますが、生地も含めた完成の状態で800gあたりまで重さがいってしまいました。

せっかくの布製バッグの軽さが活きません。

それなので、基本的には、本体に入れる芯地はハード薄芯で対応しているのが通常です。

あとがき

バニティーバッグは、多くがインテリア使いやメイクボックスとして保管用に室内で使うイメージが今まではありました。

このアイテムにショルダーを付けたり、リュックにすること、縦や横のサイズを伸ばしたりすることで、バニティーのイメージから離れたところにも行けそうです。

バニティーの特徴として、置いた時の安定感も際立ちます。まるで箱のようなのですね♪。

トラディショナルなバニティーバッグのイメージは、ちょこんと手で持つというハンドバッグのイメージでした。

そんな今までのイメージを打ち破り、サイズを変え、持ち方も、肩掛けしたり、背中で背負うリュック型が過去にはあまりなかった新しい持ち方のようです。

捨てずに使い方を変えてみる、過去の製作品のビッグバッグを解体した新たな花柄ランチバッグ製作【63】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回ははぎれシリーズの一環としてお作りしましたお弁当バッグです。

お弁当もスリムな感じのマチ7.5cm程度のものにはなりますが、花柄がエレガントでお昼時に心躍る気分になれば♪と作ってみました。

ビッグな洋服収納バッグとしての役割を終えた花柄バッグの別の活かし方

今回の生地はUSEDとなります。

一度大きな買い物バッグにして使ってきましたので、過去に作ったものをリメイクして作り直すようなスタイルです。

USEDといってもどこかが傷んでいる様子もなく、綺麗なものです。

5年以上前の作品を解体したので、当時に生地情報をひかえておらず予想となります<m(__)m>。

情報がなくて、予想になってしまうのですが、オックスフォード織かと思います。
キャンパス地ほどは分厚くないです。おそらく綿/100%、日本製だと思われます。
型紙は、レジ袋風な大きなパーツとタブのみです。2枚ずつ一重仕立てで仕上げます。
タブは2枚重ねして、ひっくり返して作ります。
カーブの部分のみにバイヤスの伸び止めテープを貼ります。
取っ手の一番上以外の縫い代すべてを7.5mm巾で三つ折りします。
印付けは、1.5cmの箇所に付けると、最初の折り目が分かりやすいです。
その次に折るのは1回目に折った分量と同じ分折るという目安ができるので、
7.5mmx3=2.25cmの箇所に印するよりも1.5cmの箇所に印した方が
折る分量が分かりやすいかと考えました。
タブの1枚のみにマジックテープのオスを縫い付けておきます。
一番難関と思われる箇所のあるUの字がある内側部分の三つ折りステッチからスタートしました。
カーブの三つ折りは難関といえますが、コツもあると思います。
このように右手でカーブを作った体勢でミシンをかけていくと割とスムーズです。
右手で布をひねるということです。
カーブはほんの少しの部分だけですので、あとはプレーンなまっすぐ縫いにすぐ戻ります。
サイドと底も2枚ともそれぞれ縫っていきます。
まだこの時点では縫い代のみの処理となりますので、パーツは分かれたままです。
ここで、いったんタブに戻ります。
先ほど取り付けたマジックテープのオスを片面に縫い付けてある状態のタブを2枚縫い合わせます。
縫い代1.5cmで、待ち針をしっかり細かく留めて、カーブを綺麗に出します。
後になってこの1.5cmという縫い代は1cmへ変えています(ひっくり返しのパーツは1cmの方が綺麗)。
そして、カーブをハサミで細かくカットすることもひっくり返し後のラインが綺麗に出る工夫です。
ひっくり返して、空き口を綴じるのも兼ねてぐるり1周端から2mmほどをステッチします。
タブに縫い付けたミシン目と本体を三つ折りしたミシン目がつながるような位置を縫います。
次に、反対側が7mm程度ぴらぴらしているので、内側面のに端2mm程度を縫います。
これでタブが2重に固定されて取り付けられました。
この後に反対側の本体のUの字の真ん中の上の方にマジックテープのメスも縫い付けました。
ここでネームを縫い付け。
ネームは色が違うのでネーム用の薄ブルーの糸に交換します。
少し見にくいですが、縫い代がまだ見えたままの取っ手のトップを2.5cmほどの縫い代で中表で縫います。
そして割って端を内側に半分折り込んで隠し、端2mm程度を両サイドともステッチします。
これで縫い代が隠れました。表からは、ステッチの線が平行して2本見えることになります。
そしていよいよ、本体を縫うのですが、縫う位置は、中表に重ね合わせた2枚の三つ折り線の溝。
そうすると、そのステッチ自体も表から見えませんし、三つ折りのステッチも隠れて表からは見えません。
サイドからそのまま引き続いて底に行って別のサイドに一気にいくコい字の流れで一気にステッチ。
このあと、アイロンでサイドと底を割ります。
アイロンでサイドと底を割ってある状態でマチを作ります。
7.5cm幅のマチがこのサイズにはバランスが良いようでした。
マチが両サイド縫えたら、マチの縫い線で底側に倒します。
そして、底部分のわずかな縫い代の先端の方と、マチの先端の方とを数度返し縫いをして固定。
これは綴じる作業をしていることになりまして、反対側も同じように行います。
縫い代は2サイドありますけれど、どちらか片方だけ綴じれば十分。
くれぐれも本体を縫ってしまわぬよう、あくまでも、縫い代同士の一部のみを縫い付けるという作業です。
このように両方ともとじることができたら完成です。
底板は無しなので、底側にマチを倒して分厚くしたのですが、
サイド側にマチを倒しても表側からの見かけは変わりません。

完成したバッグに見る一繋ぎの素敵さ

では、完成した状態をご覧くださいませ。

出来上がりです。取っ手は、二つ折りにせず、あいまいにしてあります。

今回は、小さいですが、この取っ手が本体に繋がったデザインの素敵さを感じます。

花柄が途切れないという点で、柄物にこの一繋ぎが相性が良いとも言えます。

もっと大きな容量のバッグに活かすことも出来そうですね。

今回、お弁当と言っても、あまりボリュームあるものは入らず、おにぎりとか小さめのボックスである必要があるなど限定的ですが、こういった様相のご参考にはなったかと(^_^;)。

あとがき

今回のような取っ手も一繋ぎのデザインは、力のかかり方が割と良いと思います。

取っ手を別で取り付ける場合、その取り付けの部分が重点的に引っ張られて傷んだり破れたりもあり得ます。

なので、取っ手取り付けにはそのデザインなりの工夫が必要であるわけです。

今回のような一繋ぎの場合は、取っ手が底部分をグーっと持ち上げていますので、レジ袋のようなサイズでもシンプルにかつ丈夫く出来上がるかなあと思うのです。

ただ、本格的な旅行バッグなどは、取っ手の中にも更に上部で強固にする芯地を入れ込みますので、一繋ぎタイプのデザインは適していないということでしょうね。

いろんなタイプのバッグを使い分けるという意味では、今回のようなデザインが複数の中の1つとして使い道があるという発見でした(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

バッグの取っ手の付け根のワンポイント効果の片面ハトメ【62】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ただ今、ハンドメイドバッグにおきまして、「同素材シリーズ」という企画を続行中です。

【61】の記事からスタートしておりまして、デザインは5つ。

①ドーム②バニティ③巾着④ボストン⑤リュックです。

どれもミニサイズではありますが、生地を150cm巾で1.5m程準備しまして順番に製作していきます。

現在は、①ドーム型の後半部分の製作となりまして、この記事【62】で①ドーム型が完成です。

ここ最近頻繁に登場しています片面ハトメ/アイレットリングを取っ手に使用するのが特徴です。

その後の②-④も同じ片面ハトメ/アイレットリングの取っ手仕様で製作しますので、共通仕様の部分ということで、このたび、その打ち込み場面をご紹介致します。

ワンポイントパーツが入ることでスタイリッシュに映る効果の片面ハトメ

片面ハトメ/アイレットリングは金属であることで、ワンポイントになりやすいです。

バッグと金属はコンビとしては切り離せない組み合わせで多くが作られていることが分かります。

今回は、「プライヤー」と呼ばれる打ち込み道具があるシルバー色のアルミ素材のバージョンなので穴を開ける時だけ金づちで打ち込む作業が入ります。

ポンチであらかじめ印をしておいた部分にポンチと金づちで穴を開けます。
・・・後になって反省しておりますが、新聞紙とコンクリ―都は正解ですが、段ボールは使ってはいけません。
クッションのせいでずれますし上手く打ち込めません<m(__)m>。
そうして、プライヤーという圧力をかけてパーツをプレスする道具で
ぎゅっとかしめてリング取り付け完了です。

この「プライヤー」というプレス道具はこのシルバーのアルミ製のパーツのみ限定の組み合わせだそうです。

メーカーさんに問い合わせてみましたところ、8mmのバージョンは、シルバーのみしかパーツも製造しておられず、プライヤーも他のゴールドなどのパーツには基本合うものではないとのことですので、「8mmのアルミ素材(シルバーカラーのみ)専用」となります。

ゴールドの場合は、メーカーさんがセットして売られているゴールドの打ち込み用のコマを金づちでたたいて取り付ける方法となります。

ゴールドの場合とか、このプライヤーとのコンビでないパーツは、1)穴を開ける時 2)取り付ける時の2度金づちでたたく作業が伴うわけですね。

今回の場合は、2)がプライヤーでぎゅっとすることで出来上がる点が作業しやすいです。

お部屋の中でも静かに作業ができます。

幅5cmの型紙通りで、四つ折りして、細めの取っ手を縫います。

この取っ手には接着芯のみ貼ってあります。

この時のポイントとしては、端っこのスタートと終わりの縫い代は折り込まず、そのままゲジゲジのままで薄い状態にしておかねばなりません。

この後に、アイレットに通す時に縫い代を折り込んであると通らないことがあり、無理矢理ペンチなどで通そうとすると生地も傷みます。

アイレットリングもせっかく固定したのに引っ張りすぎるとゆらぎます。

取っ手は3本線でステッチしました。両端ステッチと、ど真ん中にもう1本ステッチを入れての3本です。
そして、このようにリングの穴に先を2つに折るような感じではめ込むと、すっと入っていきます。
三つ折りしてミシンで返し縫いを2回ほどしてステッチをかけて固定します。

この時に、一時的に取っ手を引っ張り出して、ミシンをかけやすい体勢で行うのがよいです。

返し縫いは、スタート地点と終了時点を同じにすると最後の玉止めが1か所だけですみます。

取っ手を再び表側へ引き出します。
向きに関してですが、意外にも三つ折り部分が見える方を内側に突き出した方がしまりがよいです。

また、同時に、取っ手自体の向きは、取っ手を作る時に折り合わせた「わ」でない方の部分が外側に出る配置が持つ時の手に分厚い方が当たるのでベストだと考えています。

よって、三つ折りする時にある程度最終的な配置を見込んで三つ折りする方がよいですね。

まとめますと、先に取っ手の折り合わせの向きをセットして三つ折りに移るといった手順がうまくいくかと思います。

完成バッグで取っ手のワンポイントを眺める

完成しました。やはり、アイレットカンが2個付く取っ手の付け根がアクセントになり、
見栄えがスタイリッシュになりました(^-^)。

今回アルミの素材ですが、間違えて反対側にプライヤーを使うなどしたハプニングの時に、ひびが入って、外して新しいパーツでやり直しました場面もありました。

そのようなやり直し場面にはアルミはやわらかいので、ペンチでクチャっとつぶして、外しやすくしての直し作業が簡単です。

しかしその分、予期せぬハプニングにより変形したことで外れてしまう可能性が否めません。

なので、アルミは融通が利き過ぎるかもしれません。もっと固い素材の方が良いのかなとも考えます。

まだ研究中であるので私もアルミ素材を使用しましたが、ある時期で真鍮製に変えていくことをお勧めします。

外しやすいということは逆に危険です。使用中に変形して外れやすい物であることの裏付けです。

真鍮製の場合、上述の通り、アルミ以外の素材になりますので、このプライヤーという道具は使えなくなります。

あとがき

今回いったん完成してしまいましたが、そのフォルムに関しては良い出来ではありません。

サイドがエクボみたいにへこんでいますね。そもそも型紙が間違っているのです。

生地なので作ってしまうことはできたものの、もっとその辺りも考えていかねばなりません。

今回は、①ドーム型が完成しましたので、「同素材シリーズ」は、次回が②バニティ型になります。

バニティ型は立体的で作りにくい為か、ハンドメイドバッグの製作の中ではレアです。

だからこそ研究して作りやすい工夫などを探してみたいと思います。

苦労の成果ここに、隠しポケットを少し覗いた時の内側の美景【61】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、ハンドメイドバッグにおきまして、シリーズものを企画しました。

全くの同素材でデザインのく違う5つのバッグを作ってみます。

名付けて「同素材シリーズ」です。

目的は、デザインによってどれぐらい雰囲気が変わるのかを見てみることです。

そして、素材を同じにすることでデザインの特徴を分かりやすく研究するためです。

美しいイタリア製の生地と高級感ある衣装生地がメイン材料

パープルや、ブルー、ピンクを黒地に乗せた冬色と呼ばれるテイストの生地です。

とても美しい生地で、イタリア製ならではの風通ジャガードです。

ここまで美しいと複数連続製作しても飽きないかもしれません(^_^;)。

左(黒地xパープル系花柄):表地-風通ジャカード、綿/54%、絹/26%、ナイロン/20%。イタリア製。
右(パープル):裏地-ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%。日本製。

製作の順番などの予定

まずは、もしかして一番難しいのではないかと思われるデザインのカーブの入ったドーム型からスタート。

難しいものを先に製作するのだという考え方で行ってみます。

順番に下記の通りに5デザインを作っていきます。

①ドーム②バニティ③巾着④ボストン⑤リュックです。

隠しポケットは隠れているだけでなく、手間をかけた奥深い苦労も隠れている

さて、今回は、①のドーム型です。

他のデザインにも共通して出てくることですが、前々から気になっていたことがあります。

隠しポケットの入口を覗いた時の縫い目をファスナー上に綺麗に出したいということです。

ちょっと分かりにくいですね(^_^;)。脱線した縫い目が目立つようなことがないようにという意味です。

ここで、このことを写真と共に解説させていただきますね↓。

表で、ボックス型にファスナーを縫い付ける際に下糸をファスナーの色と合わせていいます。
よって、ファスナー上にミシン目落とさねばなりません。
というのも、裏地の部分にずれこんだた場合に縫い目が変な色で混じり、汚く見えるからです。
そうすると、この写真から見るように、わずかな数ミリの隙間に針目を落とす必要があるわけです。

ファスナーに合わせた糸の色は裏地の糸の色と微妙に違うから、ファスナーの範囲内の狭い箇所にステッチを徹底したいという意味です。

それならば、いっそ裏地の上に乗るようにすれば。。というのも位置が違ってきてしまいます。

表のボックス縫いを大きな枠にせねばならなくなります。

それは、ファスナー付けの丈夫さなどを考慮すると望ましくないことなのです。

せっかく綺麗に出ている裏地の縫い付けの2本線を邪魔してしまうことにもなります。

YOUTUBE動画の中でもお話していますが、結局、対策としては、2つ。

1)裏地をファスナーに取り付ける時に、務歯から適度な距離をとる

2)裏地付きのファスナーを表地本体にボックス型に縫い付ける時に、逆に務歯に適度に近づける

この2つに私は結論付けました。2つともやりすぎは禁物です。「適度に」という加減が非常に大切です。

あとがき

そうして、完成した隠しポケットがこちらです。

隠しポケットの完成:裏側の苦労など表から見ると一切分からないですね。
しかし、ポケットを覗いた時には目に入る場所なのです。

この、ポケットを開けた時に視界にはいるような位置というのが、いろいろな場面で違うケースで登場することがあります。

じゃあその位置は裏なのか表なのか。。。私は、目に映る位置はたとえ内側であっても「表である」と結論付けています。

とにかく目に映る範囲内の箇所は表面にあることと同じように考えて、美しく見えるよう工夫をしていくという決意を新たにしたこのたびでした。

新たな付加価値生まれるか!?高級はぎれで作る美しいポーチ【59】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、最近集まってきましたはぎれの行方です。

はぎれも余り方によってはとてももったいなく、そのままにしておくのは惜しいはぎれも多々あります。

そこで、今後の企画が思いつきました。

年末あたりをきっかけに、ポーチ市をWEB上で開催したいです。

特殊な形のポーチばかりを集めて、ピンポイントな使い道をあえてタイトルに謳う...そんなことをやってみたいと思います。それには、少しずつ作り始めねばなりません。

その第一弾として、1つポーチができました。

もったいない面積で余ったはぎれの有効活用例

今回は、黒地にブロンズの薔薇柄のジャガード生地で、単行本が入るポーチを作ってみました。

生地自体が比較的厚手なので、とりあえず手短かに一重仕立てだけで作ってみました。

一重仕立てなので、とにかく三つ折りで隅っこの縫い代を隠します。
まずは縫い代をすべて隠したうえで組み立てて、端っこを重ねてステッチして出来上がりました。
マジックテープを付けて使いやすくしました。これも1つの立派な付加価値です。
フラップを外側に縫い付けました。
外側に取り付ける方が包み込むような構造に出来上がりますのでお勧めです。

後から思うのは、はぎれでも、裏地を用意してきちんとしたものを作ることです。

はぎれだから。。。という固定観念がお品のレベルをコントロールしてしまいます。

せっかくの高級生地。製作には変わりがありません。

こうした小物作りでは、小さいアイテムなのに、よくできた作りを目指していきます。

あとがき

今回の生地はイタリア製の高級な生地です。

高級と言うとどの価格の範囲内?と思われるかもしれません。

1m当たりの単価が¥3,000-¥7,000周辺で立派な高級生地だと思います。

今回の生地がこのレベルに当たります。

あまりにも高級過ぎる¥10,000/mなどのお品は、確かに素敵ですが、じゃあそれほど違いがあるかというと、レア度や産地品であるとかそんな要素もお値段に組み込まれていると感じています。

そうしますと、製作者としては、材料自体のレベルも見ていくことで、そこまでのコストをかけずしても十分であったりもします。

その後のデザインなどの工夫で材料以上の効果が価値になっていくのかを考えることが、それこそがハンドメイド製作だと思うのです。

今回の高級生地は、最高級品も交えた中では中級だと思われます。

では¥1,000/m以下の生地が悪いお品なのでしょうか。

いえいえ、そんなことはないです。たとえ¥100/mの格安生地でも、その良さが一定レベルあれば良いお品は作れると思っています。

また、この安い生地でいかに良いお品を作って行くかということのお話を別の機会にとことんさせていただきたいと思っています。

「生地頼みの製作」というクセはアイデアがあまり詰まっていなくて、よくないと思っています。

生地の良さを判断して、更に、製作者としての力量を加えて付加価値を出していくものでありたいと思っています。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

生地プレート組み立て式で作ったふわ心地ニットリュック【60】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、【58】の記事で前半を製作したパッチワークのミニリュックが完成致しました。

無彩色のマルチカラー3色の黒、グレー、白を組み合わせてパッチワークボーダーシートを作ところまでが前回の記事です。

その後は、表地と裏地をあらかじめ中表にして、ひっくり返したプレートを作り、前面、後面の間にマチ布を挟み、立体的に組み立てていきます。

今回は、そんな流れをざっくりと解説してまいります。

その構造が分かりやすい組み立て式のリュックの作り方

裏地にフラップポケットを取り付けます。
本体と裏地を合体した1枚のプレートをひっくり返し仕様で作ります。
プレートの状態のまま縁を固定ステッチします。・・・このステッチは後に見直していまして、
最後の組み立ての時のステッチのみにするということに変えていますが、今回はかけて行いました。
長い口布/マチ布にファスナーを縫い付けます。
玉縁方式で枠をボックス状に開けたところへファスナーを当てはめて縫い付けます。
ファスナーの両サイドは中へ隠すことはできないです。
しつけ糸で口布/マチ布と本体面を縫い合わせ。・・・これがいわゆる組み立てになります。上述で後になってプレート上でのステッチをやめた理由は、ここでステッチが上手く重ならないので、
ステッチはここでピッタリ重ねた二度が毛をすることの方が綺麗だとの結論に至ったからです。
リュックのショルダーを取り付けます。
それぞれのボーダーのパーツの糸の色をなじませたことと同じ考え方。
本体と口布/マチ布の合体も糸の色をそれぞれ変えて
なじませて綺麗に見えるように手間をかけました。
完成です。
小さくても最低限の容量があるリュックです。
内側に付けたポケットの位置はこんな感じです。
鍵などを入れたいですね。
意外と機能を発揮するのがこの取っ手です。
背負っていない時にはここを持つと便利です。

ニットリュックは、背中で柔らかさを感じますので、織物生地にはない良さも追加されますね。

ニットをリュックにするということが少し邪道のようですが、思い切って作りました。

しかもパッチワークで。。。

確かに綺麗に作りにくいというのが率直な感想です。

あまり急がずに少しずつ丁寧に作っていくことですね。

あとがき

今回、実は、型紙を変更しています。

カーブに円の一部を利用すると、自然なラインであることで縫い易かったり、そのフォルムが美しいです。

とても大きな円の一部を利用するカーブなどの場合は、コンパスの限界を超えるので、文鎮でひもを押さえその先に鉛筆を巻き付けて作図したりもできます。

そう考えるとカーブも無限です。古典的なやり方ですが、適当よりもはるかに美しいです。

今回のニットは背中でふんわり感じるその心地が付加価値にもつながるというポイントがありました。

同じような考え方で、真冬の背中の寒さをリュックでしのぐべく、ボアなどの素材で季節感あるリュックというアイデアもお勧めしたいです。

冬の防寒は、マフラーだけじゃない、リュックでもできるのだと(^-^)。