ファスナーの開閉がこの小さなパーツのおかげで指でつまみやすくスムーズになる、決して飾りなんかじゃないタブの存在意義【319】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当たり前の機能だと思っていて気づかないことがあり、自作してみて初めてその存在の意味をよく理解することがあります。

ハンドメイドバッグ製作においても、ボストンバッグ型のファスナーを設置するだけでは、その後の開閉のスムーズさが感じられないことがあります。

過去に感じていた、開閉のしにくさは、「タブ」という両サイドの小さな存在を見落としていたからです。

タブ無しでは、生地のどこかをつまみ、ファスナーを開閉させることでバッグの傷みや歪みに繋がってしまうのです。

この1点集中の「タブ」の存在は大きいということになります。

このたびは、実際にファスナーの先端のすぐ横の位置にタブを設置していきます。

そして、開閉にいかにこのタブが貢献しているのかをじっくりと知るという回にしたいと思います。

デザイン変更の目的は、より実用的な指でつまみやすい大きさにするため

今までは、ずっと、スクエアな表タブにしてまいりました。

こんな感じです↓。

以前の表タブ:「わ」にはなっていないです。小さいので綺麗な長方形な形になかなかなりにくく幅が不均一。

ということで、綺麗に作れるようにと、サイズを大きくしてみました。

上が大きくしてみたタブ:元の小さいタブよりも完璧に折りやすいので、幅は整いましたがやぼったいです。

ということで、大きいサイズにしただけではまだ改良が足りないと感じました。

よって、デザイン自体を変更しようと至ったのがこのたびの改良です。

その出来上がりはこちら↓。

楕円型のタブへの変更:丸いカーブを入れることで、スクエアな時のラインの粗さを解消。更にタブと離します。

ただこれもサイズが大きいのがやや気になりますが、ひっくり返しなので、あまり小さくするとかえってラインが汚くなってしまうのです。

とりあえずできる限りのコンパクトさでこのサイズになっています。

作り方:まず、返し口とする水平の箇所をあらかじめアイロンでしっかり折って印通りに縫います。
出来上がり:ひっくり返して、こんな風に返し口を縫い閉じて出来上がり。

ジャガードが上ラインに入ったことで、まっすぐな線がちょっとカーブしています。

この場所を無地部分にするという生地部分での裁断の工夫を入れることも今後考えたいです。

では、続きまして、もう1つのタブである、内部のファスナータブについてのタブ設置の場面をお届けします。

ファスナー取り付けの内側の構造:このようにいかにもファスナーをカチャッと装着したような作りです。

二度縫いのボックスステッチを2枠で固定。

そして、ファスナーの縁をこのようなラッピングタブで覆い、邪魔にならないタブの真ん中付近をステッチ二度がけで固定(ボックス内に出ている筋のことです)。

もう少し寄ってみましょう。

今まで、たくさんファスナーをこのように裏面に設置する中で、すっきりさを追求してきた結果がこれです。

いろいろ工夫はあります。

まず、ファスナー自体を固定するボックスステッチを2度がけ(2周)しています。

そして、次にさらに外枠を同じように2度がけで囲うのです。

この二度がけステッチの意味は、丈夫に取り付けることと、このファスナーの縁のぴらぴらを固定してすっきりとまとめるためでもあります。

もちろん、下糸をファスナーの色にぴったり合わせています。

糸を豊富に持っているからこその都度の色合わせの実現が可能です。

一瞬ステッチの糸が見えないくらいなじんでいるのが分かります。

そして、ボックスステッチで囲ったあと、ファスナータブのピンクの部分を2度がけのステッチで固定。

これをしないとタブ周辺が固定されませんので必須。

この場面というのは、バッグが出来上がった時に、内側に入るので視界には簡単に入らない箇所です。

しかしながら、完全に隠れた中側でもなく、半分は表部分に属するものと考えています。

こういう例は他にもあって、巾着袋のひも通しのトンネル内なども同じこと。一見隠れた場所ではあるけれど、紐が通っていくし、覗くことが可能です。

「覗くことが可能な場所というのは、すべて表なのだ」という認識で綺麗に作っていくということを考えています。

あとがき

今回は、ここまで。

あと3時間程あれば、1点は完成したかもしれないくらい出来上がりに近づいてきています。

年末中には完成出来なさそうですが、年始早々には出来上がると思います。

今回ファスナー取り付けは同じ「かまぼこ」型の3点を行いましたが、まだ「おにぎり」が1つ控えています。

2020年ならではのカラー物もこの辺りで、いったん一区切り。

2021年は黒ベースの素材で黒のジャカードとか、黒地に花柄といったものにシフトしていきます。

また、来年も是非お立ち寄りくださいませ(^-^)。

隙間がどうしてもある巾着リュックの蓋を開けた時に、きちんと口が閉まった内部のしっかりした巾着袋が見えた時の安心感【315】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在同時に5点のハンドメイドリュックを製作中です。

このたび最初の1点が完成しました。

途中までは肩を並べるように、同じ箇所、パーツを同時進行することが効率が良く、その後は、一気に完成まで1点だけを連続して作っていくのが良いようだと、効率の良い工夫を実感しながら進めております。

このたびはその、途中から一気に最後まで行く製作で、「餅巾着」という名前のデザインです。

餅巾着という名の通り、ふんわりと膨らんだ巾着型です。

今までも餅巾着型は製作してきたのですが、今までとは違った大きな改良点がありました。

追加機能まるっと取り付けたというほどの大改良であり、内側に完全に口が閉まる巾着袋を設置するという大がかりな変身です。

新構造の安全性の高まり、内部を見た瞬間にほっと一安心するその「気持ち」に焦点を当てた

以前の記事【307】で新機能の巾着袋パーツを設置する案を考え、巾着袋だけをまずは完成した場面をお伝えしています。

その時の裏地付きのちゃんとした巾着袋が内部にマチの両サイドで縫い付け固定された出来上がりの状態で新機能を見てみます。

このように通常の構造に+αとして加えた形で更なる巾着袋(二重仕立て)の内部への設置完了の状態。

中を見ると完全密閉された巾着袋がゆったりと座っているのです。

これは、一見しただけで劇的にセキュリティ性が高まったと感じられます。

内袋は二重仕立てになっていて、接着芯も貼っていますので、何も入れていなくてもツンと立っていてとても使いやすいです。

そして、さらにこの設置で新たなるお部屋が生まれたことが分かりました。

奥まで写した写真がないので、分かりにくいかもしれませんが、両サイドに隙間があり、前後にもすき間ができました。

袋設置により、本体の壁との間の空間が至る所に現れたことになります。

それは当然の事ではあるのですが、さらに底の部分が肝心です。

手を入れると、袋の底部分と本体の裏地の底の間にすき間が生まれたのです。

ここへも何かしのばせることができて、セキュリティ性のある空間になったと言えます。

なかなか底部分まで手を突っ込むのは、自分以外に簡単にはできるものではありませんので安全地帯の実現です。

このように袋パーツの周りにはお部屋ができています。もともと設置の壁のポケットは以前と同じ。
さらにその外側にサイドの巾着ひもがありますので、入り口がきゅっと内側に閉まります。
最終的にこのタブについたナスカンとDカンで入口がふさがれます。

コンパクトながら、結構中身が充実したお餅がつまったおいしい餅巾着になれたようです♪。

「餅巾着」:<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ11cm。
リュックのショルダーは取り外し可能。調節機能もあります。

このリュックは、ショルダーを取り外してしまって、完全にハンドバッグにもなります。

ナスカンが4個上下とも付いているので、リムーバブル。

上側のナスカン。
下側のナスカン。
こんな風に正方形のトートバッグにも変身します。顔に見えてどうしようもありません(^_^;)。

あとがき

どうしても隙間が解消されにくい巾着型のリュック。

多くがファスナーへシフトしてしまう中、それでも巾着型の魅力というものがあるのです。

それは、形がいろいろ変わる素敵さとクシュっと縮む可愛さです。

今回の生地なども通常はエレガントとみなされる抽象柄の生地であり、せっかくならエレガントなデザインに落とし込みたいと考えました。

そういった意味で、巾着型はそんな思いを実現できるデザインの1つ。

どうしてもファスナーではのっぺりとした扁平なデザインにならざるを得ないところに挑戦状をたたきつけるのです。

そうした巾着型が消滅しないような1つの新しいアイデアとしてこの内袋の設置は重要だったと思います。

大ぶりな宝石を「飾り」として浮いた付け方をしてきた過去の風習の見直し、日本人が高めるべき「自分表現」の入り混じるジュエリーの装い【313】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かつては「成金」「マダム」よろしく、キラキラのお洋服にギラギラと大ぶりなジュエリーを付けていた時代があり、それが日本のジュエリーの装い方の特徴でもあったようです。

確かにお品1点ずつはとても豪華で素晴らしいけれども、「なじむ」とか「溶け込む」というテイストとはかけ離れていたような、ある意味「浮いた」ものとして付けられていたイメージです。

一方、「ジュエリー大国」と呼ばれるイタリアでは、多くの人々が洋服になじむジュエリーの付けこなし方ができていて、おのおののテイストで自分にしかできない表現をされているとのことです。

このたび、「成熟へのジュエリー:光野桃 著/ジュエリースタイリスト:伊藤岬」という本を拝読。

まだまだジュエリーを「モノに出来ていない」であろう我々が、この先の伸び代として、ジュエリー含むお洋服との全体コーデに「自分らしさを」取り入れていくためには。。

そもそも「自分らしい」とはどういったことなのかということをまず考える必要があると思います。

装いの全体のコーデから他の人にイメージされる「自分らしさ」こそ最重要事項

1990年以前までは、ジュエリーは地金がゴールドのものが多く、18金というとK18YGの方のことを指すくらいの観念でした。

今では18金と聞くと、「イエローゴールドなの?ホワイトゴールドなの?どっち?」と聞かねばなりません。

著者様とスタイリスト様は、イタリアでお仕事をされた機会の中で、いろいろな人と出会ったり、街行く人達のおしゃれ(いわゆるストリートファッション)を見かけたりして、多くのジュエリーの身に付け方に触れる機会を得ることになったようなのです。

そして、今までイエローゴールド一辺倒だった日本のジュエリー界に、ホワイトジュエリーという銀色や白のイメージのストーンや地金のものを雑誌のコーナーで次々に紹介。

そして、ついには、セレモニー色の強かったダイヤモンドを身近に普段着に身に着けるということが多くの人々に浸透していきました。

この方達の貢献というものはあまり表立って注目されてはいなかったかもしれませんが、実はすごく大きな影響力だっのではないでしょうか。

皆が読む雑誌の全盛期のパワーも相まって、これまで偏った層の人々しか手にしなかったダイヤモンドジュエリーがいよいよ大衆へと広がった時代の最中(さなか)で活躍されていた人達なのです。

この方達の、表現やワード1つ1つにみんながキュンと来たり感銘を受け、大衆に向けたダイヤモンドやプラチナに変わる新しいシルバーカラーの地金のホワイトゴールド文化が根付いていったのです。

そんな良い環境が整った、いろんな装いの可能性が豊富な今こそ「選択」ができる有難さがあります。

よりそれぞれの「らしさ」が生まれるきっかけが転がっている環境になったのです。

「自分らしさ」を作る要素は何なのかを紐解く

「おしゃれ」というものは、さりげないものでもあり、冒頭のような成金の宝石ギラギラの付け方では、「おしゃれ」を飛び越えてしまってそれを見る人達が引いてしまうのです。

目立ってはいるけれど、果たしてそれが「自分らしさ」になっているのか。。

いかにも無理して背伸びしているかのよう、もしくは、高い所から見下ろしているかのような感じが一定の割合生まれます。

それは「自然な装い」ではないがゆえの「違和感」なるもの。

ジュエリーは「実用的であるべき」という考え方も「なじむ」ということに繋がっていくかと思いますと、大ぶりであることの見せびらかしは、本当の意味の「自分の主張」とはイコールではないということです。

ジュエリーを洋服に溶け込ませるというこの「溶け込む」という言葉も非常に重みがあります。

小さな華奢なネックレスをはじめとする控えめなジュエリーのセットを上品なワンピースと組み合わせて、しとやかな雰囲気が作られるというのもこれも「立派な自分表現」となるという意味です。

この本の中で著者様は、「自分らしさ=いくつかのテイストのミックス」と綴っておられます。

この「ミックス」の部分を解釈してみました。

黒コーデを好む傍ら、黒い色だけでなく、さらに素材はでこぼこした凹凸感のある素材に特化したアイテムを集めたり、ジュエリーをロングチェーンのネックレスにしてカジュアル感を出したりという特徴にこだわっています。

いくつかの自分ならではのこだわった部分を寄せ集めたテイストとしてコーデを作っていることに改めて気づきます。

これは、その通りいくつかのテイストが集まっていくので、他の人と全く同じということからより遠ざかりますので、「自分らしさ」がダントツということになります、

あとがき

ファッション分野には興味がないから、「自分らしさ」など表現できないのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、よく考えねばなりません。

人間が今この現代においてお洋服無しで過ごすことなどということはないわけで、おのずと「身にまとう」「身に付ける」という行為が「衣」の存在を否定できないものになっているのです。

気を付けなければならないのは、オシャレなど興味がないから何でもよいからといってTシャツの毎日を過ごす人は、その「Tシャツの毎日」という「自分らしさ」をすでに表現しているのです。

これは、「魔法のようなもの」でもあり、自然とどうしても現れてしまうものなのです。

それならば、「ちゃんと自分らしく表現していこう」と思うところに行き着きませんか。

そして、「誤解など受けないように表現したい」と思うものではないでしょうか。

「自分らしい」ということは、「自分の人生観」とイコールだと言っても大げさではないということになります(^-^)。

変8角形の取っ手付け根カバーは部品、裏にハード薄芯を貼り予め縫い固めることでシャープな多角形の角を美しく出した【312】

アイキャッチ画像312

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

5点同時進行のミニボストンリュックの製作中です。

デザインが全く同じで生地違いという条件の同時進行の効率性がどのようなものなのかを確認する目的もあります。

各パーツを同じタイミングで作っていく進行の様子はこのようです↓。

バッグ5点分の取っ手作り:糸の色を交換する小休止も含みながら、全体としては同時に進行していくスタイル。

このような進行の中で、この取っ手の続きの作業である「取っ手付け根カバー」の製作場面を写しました。

オクタゴン型の8角がシャープに美しく出るためにはどうすればよいかをしっかりと考えた回となります。

取っ手の付け根カバーはオクタゴン、硬めてしっかり折り込み事前の単独ステッチで部品のように整えた出来上がりのシャープさ

変8角形パーツの事前準備:接着芯貼り後型紙に当て正確に裁断。更にハード薄芯もボンド貼りしてあります。
過去の失敗例:出来上がりラインの不揃いの原因を解明。チャコペン使用を改め事前ステッチも取り入れます。
細い手芸用のペンを利用:消えるタイプですがボールペンでも全くかまいません。縫い代1cmを実線で印付け。
事前の縫い固め:本体に縫い付けと同時ではなく、事前に外枠を端から3mm程度でステッチして縫い硬めます。
完成した合格の変8角形パーツ:上下・左右がちゃんと平行なライン同士に出来上がりました。

このクリアなラインが、見た目の取っ手の美しさの一部となることが間違いないと思いました。

複数を引き続き製作した取っ手付け根カバーパーツ:この生地のみ3点分なので1点で4個x3点分=合計12個です。

このたびは8角形タイプですが、偶数の角の多角形はその他「四角」「六角」なども時々取り入れています。

奇数の「三角」「五角」は縫い代が隠せないので優れたパーツにはならないのです。

こうした必然が「なぜ8角形である必要があるのか」などの完成品に見る理由の部分になっていくのです。

あとがき

このたび改めて理解したことは「ハード薄芯」の役割。

ただ風合いをしっかり出すということのみならず、細かいパーツのはっきりしたラインも出してくれる「縁(ふち)の役割」のようなことです。

随分と重要なポジション、「不織布」の素晴らしさを見た回でした。

そして、縫い代1つの正確さは、先の細いペンを使用した実線というちょったしたことでも出来上りに効果を上げるということです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

際立つポケットフラップのカーブもフラップトップの真っすぐ線の徹底あってこそ、縫い代を先に折っておく順番を決意【309】

アイキャッチ画像309

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

定番のシンプルデザイン、「らしさ」を入れ込むことでポケット1つ見ても製造者の特徴が感じられるようなこと。。まるでメロディーの1フレーズで作曲者を想像できることに似ています。

当バッグ製作においてもポケットは分かり易い作りながらも特徴あるもにと改良してまいりました。

1つにカーブがはっきりとしたフラップの存在があります。

このたびは、このフラップに関するトップの横線を美しくするための追求場面をお届けしたいと思います。

先に返し口のてっぺんの縫い代を折っておくフラップ作りの「先折り」、「後折り」では曖昧だったラインを遥かに超えた磨きを得た

トップ縫い代「後折り」:トップのラインが左右共に下り坂ラインに出来上がってしまう点が課題でした。

このような真っすぐではないラインになる理由は、「中表」の2枚をひっくり返し後に、「わ」になった状態で縫い代を折るからなのでした。

アイロン折りは、「わ」では正確さに欠けるというどうしようもない事情があったのです。

そこで、このたびこの点を見直しまして、「わ」になっていない段階でしっかりと折る「先折り」のやり方で新しいフラップを作ってみました↓。

「先折り」をした作り方:フラップの返し口のトップ線の縫い代を折ったままUの字。縫い始めは入り口の先端。
1周の固定ステッチ:てっぺん含むUの字も一続きで端から3mmを1周固定ステッチ。

後の見直しでは、Uの字のみステッチ→バッグ本体への縫い付け時に二重縫いで初めてステッチが入るというやり方へ変更しています。

トップ縫い代「先折り」:こちらの方がはるかに横線がシャープでまっすぐです。

歪んだラインになどなりようがありません。。というのも、先にはっきりと分かる状態でまっすぐにアイロンで折っていることがそのまま出来上がりに直結するからです。

本体への縫い付け完了:横線のシャープな真っすぐさは、かえってカーブラインの美しさも高めます。
貼り付けポケットの入り口も同様:形は違いますが「わ」で作る時の返し口がフラップと同様です。

これ以降、貼り付けポケットの入り口の真っすぐ線も「先折り」によって徹底することを決意しました。

「先折り」のデメリット:ただ1つデメリットとしては、後折りの時よりも両サイドの縫い代内部が混み合うこと。

しかし、このデメリットよりも、トップ線の真っすぐさのメリットを優先する選択をしたということです。

あとがき

「後折り」と「先折り」の比較において、「先折り」が真っすぐラインであるということがなかなか出来上り写真では劇的には感じません。

しかし、実際に製作した手応えとしては、「先折り」の方が「作り易さ」をしっかりと感じました。

さて、このようなわずかな部分を写したこのたびでしたが、完成の巾着リュックは【315】でご覧いただけます。

シンプルなデザインこそ、細部まで徹底追求することになるものです。

複雑であれば優れているということとは違う世界、分かり易さと共に「正直」であらねば成り立たないのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

口が開きっ放しのゆるーいトートバッグでさえも安全性は必要、裏地付きの作りの良いバッグみたいなおしゃれな内蔵巾着袋【307】

アイキャッチ画像307

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまでバッグ作りにおいては、セキュリティー性を高める工夫に力を入れてまいりました。

バッグを開けた内部がすぐに見えないようなルーフ作り・入り口のDカンとナスカンコンビの留め具設置・共布サイドひもの設置などです。

このたびは、これまでの口を絞めるという動きとは切り口を変え、入り口の緩さの「抜け感」はいったん受け入れます。

その代わりに、内部を対極なクロージングな構造にしてみようというアイデアです。

当バッグ作りでは初めての考案、作りの良い巾着袋をそのまま内部に設置するというものです。

様々な抜け感あるトートバッグに引用できるアイデア、裏地付きで立派に作った巾着袋を左右のマチ底で挟み込み縫いの固定内蔵型

裏地付き巾着袋製作:巾着袋の表地・裏地は同じ「エステルポプリン」のくすみピンク。ひもホール製作場面。
巾着ひもホールの固定:上部をステッチで固定、内部の縫い代のヒラヒラが縫い閉じられます。

コの字ステッチは1枚仕立ての時にすでにかけてあります。

ホール底ステッチ:コの字ステッチの横線に等しい位置のトップから3.5cmの位置を1周ステッチ。
裏地付き巾着袋完成:これがバッグに内蔵されます。共布ひも先にはすずらんループエンドで素敵に♪。
単独の巾着袋との大きな違い:マチ底の縫い代をあえて外側に出している点が内蔵巾着袋の特徴です。

この後の作業では、裏地のマチにぴったりと合体して縫い代1.5cmで縫い付けます。

そして、挟み込む時に混み合う中で縫いこぼしが無いよう、この時点で端から5-7mm程度で2枚仕立てを重ねて縫っておくのです。

あとがき

出来上がった内蔵裏地付き巾着袋は単独でもそびえ立つ建物のようにしっかりとしたものです。

「ポプリン」は「ブロード」の織り糸よりも太い糸、出来上がりも立派になりました。

ほとんどのバッグ作りではこのような内蔵は計画されません。

しかし、こうして考案した以上、作って感触を得たいとコマを進めてまいりたいと思いました。

この続きは、リュックの内部に内蔵・Dカンとナスカンコンビのメイン留め具の設置・入り口すぐに左右の巾着ひも設置の3重のセキュリティーとなります。

完成の巾着リュックは、投稿の【315】でご覧いただけます。

ポケットの時でもあったような、セキュリティー性と使い勝手のスムーズさのバランスの見方からは、開閉がやや煩わしい3段階もの扉。

ただ、背中で目の行き届かないリュックにおいては、この口が完全に絞られる「内蔵巾着袋」は1つの大きな安心を得たことは間違いがないでしょう(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

鉱物名は二酸化ケイ素が結晶化の石英(クォーツ)で共通の2種のストーン、メノウ内の縞模様の中で並行部分がオニキス【303】

アイキャッチ画像303

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ジュエリーの基本ブック:宮坂敦子 著」を拝読。

ジュエリーの商業上の流通事情や、実際のお仕事をされている方のルポ、最後に基本的な有名ストーンの図鑑があるという充実の構造。

このたびは、実体験で目にした2点の有名ストーン、「メノウ」「オニキス」について、その違いの部分に迫ってみたいと思いました。

共通の鉱物名からさらに枝分かれしてストーンの名前が決まる実態、メノウとオニキスも同じ鉱物の「石英:クォーツ」である

上の写真の中では、「オニキスです」と謳われて入手したのは、右上の64面カットのネックレス珠のみです。

左上は、実家の庭で見つかったストーンで、「メノウっぽいな」と思って写したもの。

その他のリング状の指輪やバングルはすべて「メノウです」と謳われて購入したものになります。

メノウは「瑪瑙」という漢字で表記されることや、「アゲート/アゲード」と表記されることもあります。

この2種「メノウ」と「オニキス」は、曲線の縞模様を持つのが「メノウ」、その中で直線の縞模様を持つのが「オニキス」というように別物として扱われるのがジュエリーの実態。

しかし同じ鉱物であることも含めると、「オニキスはメノウの一部分のこと」という見方もできるのかなと。

実物を見る体験は、大きな置物のようなストーンの塊を見なければ分かりにくいことで、ネックレスなどになってしまうと見分けは難しいのが現実。

よって、これらの違いは購入時の「○○です」の商品説明を信じることになります。

世の「生物」というのは3つ、「植物」「動物」「鉱物」なのだそう。

この3つ目に石が入っているところに、いかにストーンが神秘的な地球上の存在感を持ったものなのかを思い知らされます。

あとがき

メノウやオニキスは最も入手しやすい普遍的な価値として、「パワーストーン」のような位置付け。

決まって高級ジュエリーが世界四大宝石中心に語られがちなのです。

しかし、実際に2010年前後の「パワーストーンブーム」の中で、写真のような多種のストーンを見たり触れてきたりしたことでどれもこれも非常に美しく神秘的な存在だと確かに感じたのが実際の肌感覚でした。

ジュエリーの素材の「価値」としてたった1本境界線を引くとしたら、やはり工業的なプラスチック製品である「模造品」「イミテーション」などと呼ばれるコスチュームジュエリーとの境になると考えます。

こうした天然石全般はジュエリーとしては工業品とは区別されるべきで、全く違った価値を持った地球活動の長年に渡る貴重な証であるという見方をしたいのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ミニボストンリュックを3展開の生地違いで製作開始、偏ったカラーのマルチジャガード柄に合う無地のコーデを楽しむ回【302】

アイキャッチ画像302

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびから、新しい製作に入っていきます。

「ミニボストンリュック」というデザインを「かまぼこ」と名付け、ボストンバッグなのにリュックになる点が攻めている点です。

タイトルの通り、同じデザインで生地違い3展開をほぼ同時進行していく効率性を検証する回です。

全く同じ量産製造とは違い、1点物でありながら効率化がはかれるのかどうかを確かめたいということで、まずは裁断からまとめて行いました。

このたびの進捗度は、接着芯貼りまでとなりますわずかなものでしたが、3点それぞれが違った生地の種類であることでなかなか濃厚な回となりました。

裏地の選定やファスナーの色選びの理由などをしっかりとお伝えできればと思います。

共通のミニボストンリュックを赤系・グリーン系・紺系の3種のマルチカラージャガードで展開、偏色に対する裏地とファスナーの選び方

ではまず、表地と裏地の組み合わせから始め、その後選んだファスナーも集まった全体のカラーバランスを見ていきます。

使用生地①:表地-ジャカード、ポリエステル/70%、レーション/30%、イタリア製。裏地-エルテルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。

表地のデイジー柄のジャガード生地は、モカ色ベースの落ち着いた朱色の濃淡です。

随分偏ったマルチカラー、表地の中からは特に濃い朱色を裏地に選びました。

使用生地②:表地-ジャカード、ポリエステル/100%、イタリア製。裏地-エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。

こちらは、表地の割合ではグリーンが勝ることのコントラストとして、弱めのペールピンクの部分を裏地に選択し、バッグ内部をピンク寄りに広げます。

グリーンに寄りがちな全体をピンクを増やしてバランスをとったということです。

使用生地③:表地-ジャカード、アセテート/53%、ポリエステル/27%、ナイロン/20%、イタリア製。裏地-モンキーブリッジスラブ、ポリエステル/100%、日本製。

こちらはシンプルながらも一応マルチカラーの定義の3色以上で成り立つ紺系のデイジー柄。

ここには、登場のゴールドカラーの花びらとリンクした黄土色のツヤがあるピンタックキルトもかけてある特殊な生地を選択。

生地においては、ベージュ・黄土色・ブロンズ茶などにツヤがあればゴールドになり得ます。

ファスナー選び:何とか既製品でここまで合わせられました。大変有難かったです。

過去からの経験なのですが、例えば一番上に対してモカ茶の部分に合わせて茶色のファスナーなどを選択すると汚く映ります。

ファスナーは馴染むカラーで可能な限り濃く際立たせない方が良いと思います。

裁断風景:あらかじめ粗裁ちした裏地に接着芯も粗裁ち貼り、最後に裁断するとカーブラインがクリアです。
裁断後の3点:どれも接着芯貼りまでの進捗度が共通でこのたびの製作を終了しました。

あとがき

当ハンドメイドバッグ製作活動においては、裏地もかなり重視しておりまして、時々表地よりも購入価格が高額になることもあります。

その理由は、生地すべてをフラットに見ているからです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

年末のトイレマット一式の総入れ替えをワクワクした作業に。。シンプルな無地のトイレットペーパーカバーに巻き薔薇を装飾【301】

アイキャッチ画像301

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

トイレという場所は、「邪気」というものがたまる場所と言われる風水の教えがあります。

「トイレの蓋の開けっ放し厳禁・トイレットペーパーのビニールパッケージはトイレには相性が良くない」など。。の情報をこれまで得てきました。

とりあえず実行、「トイレの蓋は閉める・トイレットペーパーのストックは別の場所に保管」を徹底しています。

さて、2020年も12月半ば近くになり、次の年の2021年用のトイレマット一式を準備しました。

お揃いの一式の購入の仕方は、確かに一度のお買い物作業で済みますが、随分高額となってしまいます。

もっとエコノミーな揃え方はないであろうかと考えたのが、1アイテムずつをバラバラに組み合わせるバラ購入の仕方でした。

大のコーデ好きは、こうした順番にそろえていく楽しみとやりがいを感じるものです。

そんな寄せ集めのトイレマット一式を完成していく中で、1点のアレンジ例をこのたびはご紹介したいと思います。

後付けアレンジが可能な「巻き薔薇」はインテリア映えの素敵な装飾品、無地と柄物のコンビに相性を高めるブーケ縫い

2020年のトイレマット一式:ミモザのお花の便座の蓋カバーを中心に、別アイテムを順にそろえていった作り。

1年間でさすがにトイレマット一式は使用感を感じてくるのは確かです。

1年のみでは交換はもったいない気もしますが。。ただ年末は区切り目としては気持ちのリフレッシュを兼ねた良きタイミングです。

トイレットペーパーカバーへの巻き薔薇アレンジ:2個をミシンで二重縫い。裏への貫通のステッチは見えません。

三角に3個配置をしても豪華で素敵になると思いますし、巻き薔薇の色を違う色にしてもマルチカラーが素敵なバランスを取ってくれると思います。

トイレマット一式の集まり(2021年用):前年の2020年のピンク系とは違った新しい世界観です。

あとがき

このたび集めた中では、唯一トイレの便座の蓋カバーがブランドロゴ入りでした。

全部を同じブランドで徹底しなくても、1つ象徴的なアイテムに重点を置いて、残りはコーデしてまとめていくといったような感覚です。

実は、ネイビー系はそれほど得意ではありません。

しかし、薔薇柄のマルチカラーの部分が、グリーンのスリッパとの相性のヒントをくれましたし、巻き薔薇のコントラスト効果あるクリームベージュのおかげで1色への傾倒が緩和されました。

マルチカラーがバランスを取ってくれる優れたカラーであるということ、花柄はお花と葉っぱの色が対照的である以上お花柄全体がバランスあるインテリアカラーとしてたくさん使われている理由を実感します(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

夜景柄のミニボストンリュック、ゴブランの一歩手前のジャガード生地の適度なハリコシがはっきりしたラインを作ってくれた【300】

アイキャッチ画像300

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ゴッホ」様の「夜のカフェテラス」という絵画。。その人気は、夜の暗闇を黒のみで表現しない青と黄色の補色効果の美しさあってのもの。

そんな絵画みたいな美しさの生地を入手、このたびは「ミニボストンリュック」に完成した記録です。

製作過程は、【297】【298】からの続きでございまして、このたびは最終段階の「組み立て縫い」の場面です。

しばらくこの完成モデルと同じものを複数の生地でこの後製作していきますので、今後しばらくは生地の違いによる比較や面白味をご覧いただけると思います。

比較的緊張感あるカーブラインがクリアな「外表構造」のボストンリュック、元の生地の厚み加減と程好いごわつきのおかげ

本体面プレートの完成:この後は「外表」の組み立て縫いが待つのみです。ショルダータブも設置済み。
ファスナーが裏地とは違う色:表地のベースカラーの青色に近い紺色を選択。ファスナーサイドの固定は2列。

この2列のステッチの糸の色は、ファスナーに馴染む同色の紺が綺麗です。

外側の2本目ステッチの存在も大切、ファスナーの不安定さに安定感をもたらす役割があります。

ファスナーつまみとショルダーの設置:飾りは本革レザーとすずらんループエンド、ショルダーは裏地の共布。

ショルダーのグリーンは裏地の生地を使用、既製品よりも共布製作の方が味わい深いです。

ポケット2種:前後面に各1個ずつをデザイン違いの「フラップ型」「片玉縁風」で設置。
ミニボストンリュック完成(夜景柄):<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ9cm。
少し斜めの角度:縁のカーブラインがクリアに仕上がりました。何といっても生地の良きバランスのおかげです。

あとがき

このデザインを、「かまぼこ」と名付けました。

その後は、生地違いで3点同時完成をもって、この「かまぼこ」モデルは廃止へ。

廃止理由は、底のカーブの困難さが成功率を下げるためです。

このたび良きラインが出たのも生地のおかげ以外にはない、他の生地だと失敗する可能性があるのです。

そして、カーブのコンパスの半径を大きくした緩やかなカーブの四角型と台形型を作っていく過程が後に続いていきます。

こうして作ってみなければ分からなかったこと、当製作も必要な過程だったと後で振り返ります。

実は、このたびの記事は最初の投稿の2020.12.11からおよそ5年後の2025.10.30にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年現在ではその後に半径を緩やかにしたタイプのも作っていません。

生地の良さを最大限に活かせない面積の狭さの課題は、ミニバッグだからということのみならずぶつ切り裁断のデメリットなのです。

そしてもう1点、こうした柄生地を表地に使うことを2025年では滅多にしないという方針、2025年ではこのたびの表地は裏地になる生地です。

ここまで5年の間に考え方が変わりました。

確かに美しい柄生地は表に見せたいものの、お洋服との組み合わせに余計な悩みが生まれてしまうのです。

しかし、2025年ではその辺りの多様な価値観に対応するべき、最初は表地を無地で製作しておきますが、その後に自由に解体しリメイクがしやすいデザインにしています。

2025年の定番モデル「餅巾着」というナップサックは、このたびの製作と同じリュック型、しかもたっぷりとした横幅95cmに及ぶ1枚生地から作られる構造です。

この構造ならば、仕立て直して表地に柄を出した逆転配置の2回目のバッグの使い方ができる、つまり「リメイク可能なバッグ」へと発展していくのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク