大花柄は大きなバッグに仕立て広々と柄を演出すると素敵になる、小花柄との違いは途中で途切れることを事前に考えておくデザインの判断【955】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、「インテリア収納袋」と称しまして、インテリアで使う目的のバッグを連続製作中です。

目的の1つに過去の古い高級生地を中心とした在庫生地の一掃があります。

凝ったお出かけ用バッグでは5-6日かかる製作に対して、1日の内の3時間程あれば仕立てることができる簡単なポケット無しのトートバッグ中心でコマを進めます。

出来るだけ柄をめいっぱい活かし、大きいサイズから順番に作っていきます。

このたびは、まだ最初の製作になりますが、ビッグデイジーの無彩色なマルチカラーが素敵な「風通ジャガード」でトートバッグを製作しました。

過去に製作の面積の狭いバッグに仕立ててしまった品物との比較も交えながらトートバッグの完成をお届けしたいと思います。

柄のサイズが大きい生地は大きなバッグの方が迫力と価値が高いのではないかの実物の比較での証明

せっかく凝った作りのぷっくり膨らんだうっとりと眺めるほどの素敵なジャガードです。

柄も大きなお花で存在感があり、できるだけ広い面積に大花を敷き詰めたい。。

そうすると、バッグは途切れ目の少ない広い面積である方が良いと思うのが現在の考え方です。

ただ、過去には全く同じ生地で、小さめのコンパクトバッグを作ったお写真があるので比べてみてくださいませ↓。

2018年製作のドーム型のバッグ:デザインにこの柄を当てはめた形なので、途中で柄が途切れます。

ポケットの切り抜きで柄が途切れる部分があり、せっかくの柄が十分に登場せず、物足りなさを感じます。

2022年製のトートバッグ:<サイズ>縦37cmx横44/62cmxマチ20cm。柄が広々とした印象です。
<表地:オフ>風通ジャカード、ポリエステル/76%、ナイロン/24%、イタリア製。日本製には無い凹凸感。
<裏地:黒>透かしオパール、綿/46%、キュプラ/26%、ポリエステル/18%、ナイロン/10%、日本製。

裏地の柄はあまりはっきりしていない抽象的な柄なのですが、大花の表地に相性が良い大柄です。

無彩色の表地に黒を裏地に持ってくることも出来上がりの大人っぽさ、高級感へと方向性がはっきりとしてきました。

インテリア専用ということでそれほど追求しなくても良い強度、その代わりにたたみやすさや軽さが生まれている

たためます:底板も入れていないので折りたたみもでき、使わない時に引出しの中などに大切に収納できます。

一見写真だけ見ると、この同じようなデザインをお出かけ用にも使えるかもしれません。

しかし、お出かけ用を作るとなると強度と安全性を追求することになりますので、随分違った作りになるのです。

これまではその使い勝手や機能を持ち歩く外でのシーンであることを想定して製作してまいりましたが、シーンをずらすこの度の製作から得られることもありました。

何と言っても、1日の数時間で完成してしまうところが、次々に作って行けるメリットです。

それと引き換えに強度やセキュリティー性は下回るということです。

ただ、作りに手を抜いていることは決してありません。

取っ手についても、接着芯しか入れてはいないのですが、ステッチの4本線によって丈夫にしっかりとしています。

室内用としては十分ですし、これを持ち歩くことも不可能ではありません。その想定も入れてちゃんとしたお仕立てをしています。

こうしてたためることで、使わない時に日に焼けたり、ほこりがかぶったり、汚れたりなどの傷みを防ぐ引き出しやクローゼット下に収納ということも可能。

結果長持ちのお品になる可能性があります。

室内で入れ物として利用するのは、動きがない静止状態なので、強度をそれほど追求しても意味がありません。

持ち上げて全体の力がかかる場面というのは配置を変えたりするときのみ。

あとは、じーっと同じ場所に置いているだけの入れ物なのです。

しかし、目につくところであれば、時々視界に入り、綺麗な柄を愛でるということも日々の暮らしが潤いのあるものになるインテリアの1つとなると思います。

あとがき

今まで作ってきたお出かけ用のリュックなどを製作者本人のライフスタイルと比べると少しずれていました。

お出かけする時はブランドバッグなのです。

そして、インテリアである室内でたくさんこういったハンドメイドの花柄ぎっしりのバッグを楽しく使っているのです。

その点では、この度の製作は、ずれがありません。

まだ「インテリア収納袋」のシリーズがこのたびで1点目ですが、引き続きどんどん製作していきます。

大きい容積のバッグから順に製作していき、小さい面積のものは巾着袋になっていきます。

引き続き、今後の比較的ペースある製作を見守っていただければと思います(^-^)。

バニティーバッグのネックパーツの裏地の取り付けに手まつりを取り入れて実現、スクエアの歪みの解消と完全に隠されたミシンステッチ【422】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

連続製作をしてまいりましたバニティバッグ。

時間をかけながらネックパーツの取り付けについて研究しましたが、このたび、ひとまず「ある方法」で決着しました。

その記録をこの記事でご紹介したいと思います。

「ある方法」というのは、裏地の方側のネックパーツを「手まつり」することです。

これで随分融通が利くようになり、製作しやすくなったのが事実。

本当に困った際にはミシンよりも丈夫ではないイメージながらも「手まつり」を取り入れることで難を乗り切るという1つの手法として引き出しができました。

ネックパーツの裏地側を手まつりで取り付ける方法、「先にミシンで一回り小さい方の表地を先に縫い付け」が鉄則

この箇所というのは立体的な部分も混じってきていますのでまっすぐ取り付けるのがただでさえ困難。

そんな厳しい環境の中、今まで表からのミシンのステッチが裏パーツの周りを均一に取り囲むようになどと難しいやり方で進めていましたが、綺麗にできませんでした。

そして、いったんフラットに考え方を切り替えます。

そして、表地のパーツを先に縫い付けるという以前とは反対の方法で最終の手段として決めたのです。

まず表地側から先に縫い付け。位置はハギ合わせのど真ん中を見ながら。

これが何度やってもど真ん中に縫い付けられず、ずれるものですが、この度のやり方は、多少ずれても上手く出来上がる手法となります。

どうしてもぴたっと行かない場合にも対処したやり方となります。

裏地は、表地よりも1cm縦横サイズを大きくした型紙。ひと回り大きいと言ったようなイメージのサイズ感。

実寸は、表地パーツが10cm四方に対して、裏地パーツは11cm四方です。

1cm違うだけでも上下、左右で2cmの差なので結構差があるのです。

先程表地側からミシンで縫い付けた線が裏地側にボックス型に出ています。裏地パーツでこれを覆い隠します。

裏地が一回り大きいサイズの効果でこのステッチが綺麗に隠れることになります。

手まつり:最初にダミーのようにミシンステッチを入れているところが下準備です。
手まつりの完成:確かに少しずれましたが、今後はここから正確さを追求すればよい。土台はできました。

まだまだ素材や柄の素敵さに頼っている製作なのではないかと今後の課題をまとめました

「卵焼き」(バニティバッグ):<サイズ>縦15cmx横22cmxマチ13cm。
今後の課題:ゆがまずにいかにまっすぐにど真ん中に縫い付けることができるかをもっと深堀りしていきます。

イタリア製の風通ジャガード美しいです。

まだまだこの生地のレベルに見合った技術が追い付いておりません。

技術レベルも向上していない時期からいち早く高級な生地を取り入れてしまったものです。

ただ、その一歩が速かったことで得るものは大きかった。。

今後は、元の素材の美しさや高級感が「MAX」に高められるような「技術」を高めることが課題です。

あとがき

確かに、少しずれても融通が利く「手まつり」を取り入れたこのたびでしたが、それでも「ずれ」は製造者自身が知っている紛れもない事実なのです。

ここは今後は、胸を張って「ぴったりです」と誇れるよう解決していきたいところです。

100%の事をしたのだという自信と誇りは元の素材の価値も最大限に高まる瞬間なのです。

生地の高級さや素敵さだけに依存する製作への自身も含めた教訓です。

おしゃれな生地は品質表示に表れる、複雑な記載の品質表示から読み解く素材の織り込みのリアルな構造【197】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

自身が好むマルチカラージャガード。

洋服でも、ハンドメイドバッグ製作の材料である生地チョイスにもたくさん取り入れています。

じっと眺めてしまうようなうっとりする美しさは、その織り込まれた複雑な糸のミックスです。

今回は、このような美しく生地が出来上がるためのその「混率」に焦点を当てました。

混率というのは、「織り込まれたその生地に登場してくる糸の種類と材質の分量配分」ということになります。

このたびは、ジャガードについて、比較的単純な構造の生地例から順にご紹介してまいります。

最後の方になると高級で美しい素材であるがゆえに、複雑な構造に至ります。

じーっと生地をアップで見つめるような視点でお送りしたいと思います。

そして、複雑であっても品質表示と照らし合わせながらその表示の理解の仕方などを今後のお洋服の品質表示などを見る際にも是非お役立ていただければと思っております。

単純な混率

ジャカード織であっても一番シンプルなのは2色程の糸で折り込まれて柄を作っているもの。

単純な綿糸だけで折り込まれた市松ジャガード。おそらく同じ種類の2色の糸かと思われます。

たまたま均等配分の市松柄であることで、表示も単純。

2色に分かれた同じ綿/100%の糸を使って柄を出したこの生地を綿/100%とだけ表現したということになります。

法廷表示としてこの表示の仕方が通過するということになります。

表現はポリエステル/100%とだけシンプルなものですが、基布の糸と柄の糸の種類が全く違います。

2種がたまたま同じポリエステル/100%なのだと判断できます。

この表示は少し親切味に欠けるかなと私は思いました。

「基布:ポリエステル/100%、柄:ポリエステル/100%」と書いてあったら、「うん、うん」と納得できませんか。

ということで、次のような分かりやすい表示がされていることが生地購入者にとってはありがたいということがあります↓。

分かりやすい混率(分離表示)

「消費者庁」様のHPで説明がありますが、各部位別に混率を表す方法です。

このような表示の仕方は、見かけのイメージにぴったり合致して分かりやすいです。

「生地:ポリエステル/100%、柄:ナイロン/100%」の文字を見て、この柄の薄グレーの部分がポリエステル/100%の糸1色でできている、柄の薔薇の花の黒色のつるりとした素材は、ナイロン/100%の糸で柄織りされたものだと理解できます。

ただ、この生地は2種類しか糸が使われていないからこそぱっと見と等しい表現の仕方が可能であったとも言えるのかもしれません。

次からの表示の仕方は、織りこみ、編み込みがより複雑になり、小さな品質表示の枠に収まらなくなるようなミックスタイプの生地の場合になります↓。

複雑な混率(全体表示)

こちらも、「消費者庁」様のHPを参考にさせていただきましたが、「全体表示」は、品質表示に最も多く見かける表現の仕方であると思います。

「いくつかの複数の混率から成り立つ表現を、<質量>の割合で表す方法」とのことです。

全体表示の方法:やや見かけとイメージがつかみにくいです。どうしても面積で考えがちですから。。

ぱっと見、1種の糸だけでできているようにも見えますが、濃淡がありますので、「糸の種類の違いからそのもやもやな美しい感じが出来上がった構造である」という見方をしてみました。

引き続き、こちらも全体表示。

ポリエステルは今まで見てきた生地の特徴から、ツヤがあるかと思います。

テンセルは、色がくすんだようになっていて、さらさらした手触り。

こんなところから柄のどの部分の糸がテンセルやポリエステルなのかということが比較的分かりやすい濃淡ある大花柄です。

分かりにくい全体表示例:幾何柄のブルー系のジャカード織の生地です。

どの辺りがビスコース、どの辺りがポリエステルってなかなかわからないでしょう(^_^;)。

ビスコースとポリエステルのコンビは両方共ツヤのある糸なので、とてもゴージャスになるのですが、ビスコースとポリエステルの違いなど見た目でちっとも分かりません。

そして、これを「分離表示」しようとするとこのような幾何柄の複雑な柄の配置のどこの事を差しているのかさえ表現しにくいものです。

そうすると、おのずと、「全体表示」となるのだと解釈します。

ところで、こんな、全体表示の生地がありました↓。

あくまで予想なのですが、おそらく背景部分の白が綿/100%で、柄の黒の部分が絹/100%。

そうするとこの全体表示の仕方はイメージがわきにくいですね。

前述の薔薇のフロッキーと全く同じ構造の2種の糸が2パーツの柄になっているというもの。

お国柄とも言うのでしょうか、イタリア製と日本製とで表示の仕方が違うという点も興味深いですね。

「パッと見の分かりやすさに重点を置く」のか、「元の原材料である糸に重点を置く」のかで「全体表示」or「分離表示」が決まるのが1つ。

そして、表現し切れる範囲を超えた複雑すぎる多種の糸がミックスされた生地は「全体表示」にせざるを得ないと言えます。

結局はユーザーが分かりやすいかどうかであることを考えると、私としては、「分離表示」で示された日本製のフロッキーの生地に示されたような表示の仕方が結果的に「親切な表示の仕方」だと解釈します。

が、そう単純な生地ばかり出ないのも現実なのです。

イタリア製に多く見られる混率は、美しいがゆえに表現し切れない複雑さを秘めていると理解できます。

品質表示が複雑な生地=こったお品と言って良いでしょう。

これも品質表示の奥深さです。

あとがき

今回は、生地の混率にスポットを当ててみました。

生地の混率をじっくりと見るのは、事業をしている人が大半、もしくはアレルギーを気にする方だと思います。

品質表示をじっくり見るということは、その素材を選ぶかどうかの厳しいジャッジのためにはの重要です。

素材を大切にしている自身がこの後できることとして、いただいた生地の混率情報をきちんと記録し、必ず製造品が完成した暁には購入していただくお客様に伝えていくことです。

作り手の役割として、細かな知る限りの情報を先端のユーザーとなる人へお届けしつくしていくことです。

そうした中で、お客様が混率に興味を持ち、自分で調べたり素材に興味を持っていくきっかけになったりして行き渡る明るいその先が見込まれます。

時には、このような情報をクリアに伝達してくれる製造者に対しても「信用/信頼」が生まれるということも。。

この可愛らしいデイジーのフクレジャガードを活かす以外の選択肢無し、バッグのポケットを切り抜いてそのまま再利用したミニバッグの構造【85】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

もともとハンドメイドで作ったコンパクトなバッグなのですが、ファスナー取り付けのゆがみが気になり、ボツ商品として解体していました。

ただ、そのポケットの付き方が何とも名残惜しく、このままポケットを活かそう、そういうことになりました。

この生地がそれはそれは可愛いのです♪。

この柄を是非別の形で活かしたいとと思うような素敵な花柄の生地だったのです。

もとのバッグと、その後の解体の様子

解体前のバッグ:このデザインを初めて作ったときのものです。
とてもかわいい柄なのですが、ファスナーの取り付けがゆがんでいました。

ということでボツ。こちらを解体し、使える部分を保管しておいたはぎれが、こちら。

左-表地:フクレジャガード、ビスコース/60%、ポリエステル/30%、綿/10%、イタリア製。
右-裏地(今回は表地の裏面使い):アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。

ポケットをそのまま活かすやり方:まずそのまま壁ごと切り抜くということから。。。

ポケットの周りに縫い代を残しておくという下準備が必要です。

今回縫い代1.5cmを見込んで残してありましたが、結果思うのは、2cmあった方が厚みのことも考えると後々作業しやすかったなと思います。

なので、残す時は、2cmと言わずできる限り最大限に残しておけばどうにでもできるわけで、わずかであると作業がしづらいことになるかもしれないのでこの辺りはポイントですね。

今回は1.5cm分なので、1.5cmに縫い代を整えて、内側に折り込みます。待ち針よりもこういった細かいものは、ボンドがよろしいかと思います。

そして、裏面であるチャコールグレーのアムンゼン生地も同じように内側に1.5cmの縫い代で折り込んで貼り合わせ、ミシンでステッチします。

この時に、余っている生地で、ポケットを作って縫い付けておいたり、貼り合わせ作業の時に、取っ手を一緒に縫いこんだりして仕上げていきました。

真ん中辺りを見ていただくと、裏面の生地が1枚仕立てではなくて2枚はぎになっています。
足りない生地は、パッチワークのようにハギ合わせてデザインのように作ってしまうのも、はぎれ作業の極意。

当然はぎれなので十分に生地が余っているわけではありません。

いかにパッチワークをかっこよくデザイン的に仕上げるかの工夫も、よくある場面です。

そうしますと、薄っぺらなポーチのようですが、ポケットが2つという充実感が生まれました。

完成品ご披露

取っ手付きポーチ完成:元のバッグのポケット周辺の良さを抜き出したようなポーチになりました。

使い道としては、取っ手のおかげて、幅が広がります。旅行バッグ内にフックを設置して側面で使用などというイメージもわきました。

また、インテリアとしてお部屋の壁にかけてベッド周辺でスマホを入れたり、眼鏡を入れたりして小物入れにお使いいただけそうです。

ちょっとした小物ですが、インテリアが楽しくなりますね。

すべては、この生地の美しさあってのものです。

あとがき

今回のデイジー柄の生地は、なかなか高級な生地です。

お値段も結構高額でした。@¥5,980/mというようなお値段です。

ピンクとダークな背景のコントラストもとても美しいですし、デイジーの花が咲き誇ってたくさん咲いているのが華やかですね。

残念なことに、最初の製作は、その生地の素敵さに製作レベルが到達できませんでした。

自身の製作技術のレベルアップを待たずに、こうした高級生地のフクレジャガード系に早々と足を踏み入れてしまいました。

しかし、こういった生地もリピート生産がなかなか見られないので、この生地もこれっきりで、その後出会うことはありませんでした。

よって、早々といっても、踏み入れたことはこの生地に出会えたタイミングがあったわけで、良かったのです。

美しいお品には相応しい美しい作りでないと、ものすごくアンバランスであるということを思い知ることができました。

そんなことで、何とかして、その悔しかった思いを今回のポーチにどれだけ託すことができたのか。。廃棄しなくて粘って良かったというところです。

更にまた、このポーチからも得られたものはあります。

失敗しても、2度作る。。そんなことをしながら、失敗したことのリベンジがいつかできるようにたくさん学ぶと良いです。

自分が腑に落ちないハンドメイドバッグこそ失敗作認定のバロメーター、気持ちの正直な部分で感じた第一印象が正解であることが多い【16】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、考え方によっては貴重な経験を致しました。

製作のハンドメイドバッグのバニティーデザインが大きく失敗しました。

「失敗作」というのも人それぞれのジャッジのポイントがあるかと思いますが、私の場合、一番に「腑に落ちなかった」という心持ちがその指標となります。

何か気分が良くない、晴れないような気持ちです。

おそらく販売することを考えているので、「これではそのレベルに及ばない」と考えたことでそういった気持ちになるのだと思います。

その出来の良し悪しは、意外にも自分の心持ちが一番であるということです。

本来、こんな風に写真などをご披露するようなものではないのかもしれませんが、ある意味貴重だと思います。

隠しておくような失敗作をあえて、アウトプットすることで、何倍ものその先の飛躍に長い目で見てつながれば。。。と、失敗作を作った経験を大切にしています。

では、出来上がりと、なぜ失敗なのか、どこが失敗なのかをお伝えしていきます。

①裏地の選定がまずかった

今回作ったバッグは、バニティーショルダーというもので、以前にも同じ型紙でお作りしたことはあります。が、以前も実は失敗していたのですね。

それだけこのバニティー型は出来栄えを成功させるのが難しい形なのかもしれませんし、私が上手く作るコツや技術をまだつかめていないということでしょう。

出来上がりが良くなかったのはデザインの原因もある云々の前に、失敗の原因がそもそも素材の組み合わせにあったと思っています。

まずは、失敗して出来上がったバニティーショルダーを見ていただきます。

ショルダーは、取り付ける前に失敗作だと決めましたので、ショルダーが付いていない状態です。

ショルダーを作る手前での断念:バニティーショルダーバッグ

一見、問題ないようにも見えるかもしれません。

しかし、生地不足により、裏地に使う濃紺のジャガード生地を表地にもやむなく使うことで、このように紺の無地が表に出ていることが、コントラストを生みながらも主張が強くなっています。

紺色が暗く強過ぎていて、柄部分の高級イタリア製生地が引き立っていません。

しかも、この裏地である紺のジャガードが、裏地としては肉厚過ぎていて、重なるととても針が通らないくらいの硬い部分になってしまう事態も起こりました。

断念をせざるを得なかった直接の原因はこの無地の厚みが原因です↓。

非常に厚みがあり、ミルフィーユのようです。この重なりは全く縫えませんでした。

重なる部分がもともと肉厚な裏地であることも相まって、硬く分厚くなりすぎた状態。
16番の針でさえ通りませんでした。

これも、ミシンによってはうまく貫通できるのかもしれません。私が使っている職業用ミシンでは限界でしたし、たとえ針が通るにしても、ここまで分厚い状態はすっきりとしたものではありません。

ということで、裏地の選定がまずく、もっと薄手のものを選択せなばならなかったことと、同時に、そもそも裏地を表に使わなければならない事態になった表地不足は、生地調達ミスです。

よって、表面に関しては、すべてを表地で行うということで生地をもっとたくさん調達するか、裏地は今回のものは、素材・色共に、選ぶべきではなかったかという「タラレバ」になりました。

恋愛などでタラレバがあまり良く言われませんが、こうした質の向上のタラレバは初期段階の失敗ではとりあえずアウトプットする必要はあるでしょう。

②ポケットタブのカーブが綺麗でない

ポケットタブのカーブの部分がうまくカーブが描けず、変形した形になったところが、少々目立ちました。

ポケットフラップの右角が綺麗なカーブを描いていません。
イメージは、緩やかな丸みのある感じの良いカーブのはずでした。

これは、もともと生地が柔らかすぎて、薄芯は貼っているのだけれども、生地がふわふわしてしっかり固定されないのでこうなったとこともあります。

いわゆる、やりにくい事態です。

そもそもカーブの部分は、コンパスで作図した正確なカーブであること、そしてカーブを描きやすく縫うためには、ハード薄芯などの硬めの素材を加えて貼ると針がスムーズにカーブを描く動きがし易いかと。

生地によっては、必要な対策かもしれません。

縫い代の印付けも正確でなければ、せっかく元の型紙が美しいカーブでも意味がないです。

よって、カーブの縫い代は徹底して印を打つ工夫が必須ですね。

③組み立て時のサイズの不一致によるタック

今回2か所がパーツ同士の組み立て時にサイズに不一致が起きました。まず、1か所目は蓋と口布の合体時にサイズがうまく合っていなくて、しわが寄りました。

バニティーバッグのてっぺんのしわ:この中で、真ん中あたりが、口布の方が長くしわが寄っています。
バッグが可哀そう、生地が可哀そうって思います(*_*)。

そして、もう1か所は、もっと致命的で、バックのつなぎ目の部分の側面と底部分のパーツの合体時に、側面の方がサイズが大きくて、かなり目立つタックが寄りました。

ここまでのしわの寄り具合から、側面ラインと底面ラインで相当な寸法の違いがあると推測できます。
適当でもなく一応計って型紙を起こしていますが、縫い代など途中の段階を経ていくうちに、いつしかずれてこんなことに。。。

まず、1個目の蓋と口布の違いが起こった原因は蓋の縫い代が多く取りすぎた部分があって、少しだけ小さく出来上がってしまったので、周りの長さが少し小さくなり、反対に口布が余る形になったと検証しています。

蓋に、ハード厚芯を入れるので、縫い代を折り曲げる時に、印が見にくいのですが、この対策としては、今後、印をもっとしっかりと打つ必要があります。

また、ハード厚芯は必要な部分以外はカット。一周り/二周りりも小さいサイズでないと綺麗に出来上がらなのです。

縫い代までハード厚芯を貼るべきではないというのが正解だったのでう。今回貼っちゃいました(^_^;)。

特に印は、カーブの部分が大切なので、今後は点でなく、線で印を打つことも対策の1つになりそう。

そうすれば、折り曲げも正確にできるはずです。

最後の致命的ともいえるタックの寄りですが、この原因は、側面の重なり部分がよく見ると縦に線が走らず、斜めになっていたことです。

縫い代が一定でなく、下の方で広がって斜めになったから、1周の長さが大きくなってしまい、底の面の1周より余ったと検証しました。

こういった直線1本にしてもまっすぐに走らせる必要があると改めて痛感。

今後は、まっすぐの縫い代になるように、印をしっかりつけて、もちろん表からは印は見えないようにせねばなりませんが、印に忠実に、しっかりとした測定をしながらの作業を決意。

以上が、失敗箇所の原因と今後の対策のアウトプットでした。いわゆる失敗作レポートとなりました。

あとがき

表地は、幾何花柄のようなクールさもある素敵な柄であったのに、失敗してしまってとても心もとないです((+_+))。

でも、今後の対策をしましたので、この機会に少しずつ、技術がレベルアップすると良いです。

なんと、失敗作をYOUTUBE動画にも納めてしまいました(^_^;)、どうぞ、お時間ございましたらば。。

今回のバッグは失敗なので、当然販売するに値するようなものではありません。

この生地ももう在庫がないようなので、幻の製作となりました。

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