まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
日常的な素材のシートベルト、車通勤の方の場合、毎日触れている素材であることも。。
まさにこのシートベルトそのものを素材として、このたびバッグを3点同時製作しました。
当然ながら幅はせいぜい5cm程度、こちらをボーダー状にパッチワークに繋げてシートにするという作業が入ります。
この製作で、様々な金属パーツの材料にお世話になったり、自ら共布で作ったパーツもあり、3点それぞれの特有な「機能」が見どころとなりました。
黒1点と茶2点の製作の中で、既製品の生地以外の生地幅を逸脱した分野からの素材の引用の意外性及びポテンシャルをお届けできればと思います。
ごついイメージのシートベルト材、並べてパッチワークボーダーバッグ3点に仕立てたその姿はどれもエレガント
表地(左が黒右が茶):シートベルト、ナイロン/100%、日本製。「トーキョービニール」様にて購入。
3点のバッグの内訳:左(上)の黒は内1点をトートバッグで製作。右(下)の茶はリュックと書類バッグ。
シートベルトにも織り方の違いがあり、表情の違いがあることを知りました。
裏地(左から①トート②リュック③書類の順):①濃ピンク:ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。②オレンジ:①と同じ生地の色違い。③茶:レザーエンボス、ポリエステル/100%、日本製。
パッチワークシート作り(裁断):幅は違いますが、5cm巾の型紙を作りまして、長さ通り正確にカットします。
黒のパッチワークステッチ:通常の布よりもある意味簡単、接着芯も無し、片方の端のみを縫っていくだけ。
茶色のパッチワークステッチ:黒の方は印付けをしましたが、茶のこちらは織り線を引用し印無しでステッチ。
黒の方のパッチワークシートの完成:ツヤが集結することで非常にエレガントに。右下は裏面の姿。
こうして見てみますと、1ステッチのみでつながったベルト同士は、少し頼りないという印象を始終感じてしまいました。
マチのカット:①トートと②リュックは本体をくり抜いてマチを作るやり方なので左右をこのようにカット。
決して絡み合った織り目構造ではないことが窺え、凝縮している姿こそが強度、亀裂などが入ってしまうと脆いのではないかという奥に隠れた事情を感じることができました。
①のトートの取っ手の縫い付け:表地と裏地の間にベルトそのままを平たいまま挟み込みします。
③書類の立体型ポケット(マジックテープ式):初の試みでありまして、取り外し式の「ポーチポケット」です。
「ポーチポケット」の設置:底に接触するような位置にマジックテープで設置。重くなっても底に支えられ安定。
入口の留め具のデザイン:①②③すべて集めましたショットです(左上から右へ)。
取っ手の持ちやすさのための部分折り:よく既製品で見られるスタイルです。①②③すべて共通です。
金属パーツ(左から右上へ):③書類のDカンタブ②リュックのショルダーのベルト調節機能とアイレットリング。
アイレットリングの横の裏地のオレンジパーツは「共布ストッパー」です。
美しいフクレ織り:生地名には「フクレ」というワードは使われていませんが、この加工の仲間だと思います。
この美しい立体的なキルトのような加工は、ポケットによりハリコシを出して美しいものにしてくれました。
ということは。。ハンドメイドキルトをかければ、よりスタイリッシュに仕上がると考えることができます。
完成の3点(横にオープン):③書類のみ姿は変わりませんが残り①トート②リュックは形状が変わります。
完成の3点(クローズ):「どこんじょパッチワーク」と名付け、その緻密な手間の意気込みをネーミングに表現。
①トートバッグ(黒シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦29cmx横33cmxマチ18cm。
②リュック(茶シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦34cmx横33cmxマチ18cm。
③書類バッグ(茶シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦33cmx横41cmxマチ7cm。
あとがき
さて、この3点大変美しく完成することができたように感じますが。。
実はコスパは非常に悪いものでした。
もともとここまでシートベルトをたくさん使った企画というのが、「困った状態」であったことでした。
ですから、原価云々よりもせっかくの材料を惜しみなく使うという点だけに焦点を当てた選択をしたのでした。
今後のアパレル業では、こうした考え方も一部必要なのかもしれません。
本当に心からやりたい人だけが残っていくと考えます。
書き手:ピクチャレスク