【460】の続き、ハンドメイドのヘルメットバッグの底クッションの工夫の考案【636】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

遡ること、数か月前の3月23日のブログ記事の続きが今回です。

とても間が空きました(^_^;)。

ヘルメットバッグを3点お作りするシリーズをしておりまして、昨年の2020年調達のデニム生地を使い切るということをしました。

正確には、あと、さらに1点この製作の次に、「餅巾着」デザインをデニム生地で作るというのを最後にこの今回のデニム生地が終了です。

よく調べたら、16.5ozだったヘルメットバッグのデニム生地

セルヴィッチデニムの生地の調達が不安定な中、上手いタイミングを見計らって生地を調達させていただいております。

よって、ozがいろいろあって、情報が無い中、自分でozを割り出しています。

ozの割り出し方は、はかりがあれば、計算式に当てはめるだけなので、できます。

またあらためて、オンスの割り出し方の記事専用としてアップしたいと思います。

ここで簡単には、1オンス=0.84m2=28.3gであるという定形の情報から、実際にパーツの面積を求めて、そのままはかりで重さをはかることで計算の材料がそろいます。

あとは、1オンスの面積に換算するとこのはかりたいデニム生地は何グラムなのであろうという途中のワンクッションを経て、最後、28.3gの何倍なのかという割り算がオンスの値という導き出し方です。

このご説明だけで分かれば、是非やってみてくださいませ(^-^)。

そんな感じで、今まで調べていなかった、14オンス程度だろうと思っていた今回のヘルメットバッグのオンスを調べました。

そしたら、なんと16.5ozの値が出ました。

確かにしっかりしていて硬いので、それもうなずけますが、生地は変な話14ozの物よりも厚みが無かったりするので、このオンスというものは奥が深いですね。

私が思うに、厚みとか糸の太さとか関係なしの「目の詰まり」がオンスの正体なのではないかと思っています。

特に、取っ手/支柱は、いくつか重なってステッチで固定するので、カチコチです。けれど、芯地は不要で、とても強固な丈夫な良い支柱になります。

今回、初めてやりたかったこと

実は、長い期間が空いて、1つ間違えてしまいました。

当初、3点中1点目で、裏地キルトを5cmのダイヤキルトにしたらしわが寄りそうになったので、もう少し粗く、7cmに変えたのが2点目でした。

なんとそのことを忘れて、今回、3点目にしてまた5cmのキルトにしてしまいました。

確かに片方の面は7cmに変えたときの悩みのようなしわが寄りそうな危うい感じになりましたが、もう片方は待ち針を真ん中にもいろいろ打つことで、上手くいきました。

裏地キルトのコツは、しわが寄らぬよう、真ん中あたりの空間にも待ち針をたくさん打って固定することですね。

はい、そして、この写真に今回のポイント部分があります。

この真ん中に映る底の部分です。

支柱の硬い縫い代がツンと中で立ってしまって、手で触るとその感触が分かるというのが前回の【460】の時のレビューでした。

今回、ここへクッション的に中綿を入れようというものです。

中綿キルトに入れたものと同じ中綿を2重にして、裏地のマチの縫い代に縫い付け。
マチ周辺に視点を移動。こういったふうに、底板などもよくここで固定します。動かなくて整った使い勝手にしていくには、この両サイドのマチの縫い代に縫い付けるという手法があります。マチの地縫いを邪魔ししないよう、あくまで影響のない縫い代のスペース間で行う作業です。

今回の中綿の場合は直線縫いでフルにステッチしましたが、底板などの場合は一部分を返し縫いで、3箇所程縫い留めるやり方もしています。

そして、このようにひっくり返す直前に、サンドイッチのハムのように中綿が、底部分に挟み込まれました。そして、表地を裏地の外に包み込むように表地の方をひっくり返していきます。
ひっくり返しました。これが前述の写真と同じ状態です。この底の部分にあの先ほどの2重の中綿が設置されているのです。

ということで、今回はここまで。

残りは、Dカンとナスカンコンビのタブを縫い付け、ネームを縫い付けて、口を縫い閉じて完成となります。

さて、この中綿二重の効果やいかに。。。次回のブログ記事でそのレビューも含めたいと思います。

あとがき

とても大きなヘルメットバッグです。

セルビッチデニムの染料のにおいかな、デニムは独特のにおいがします。

とても迫力ある素材ですので、バイク好きな方には是非ヘルメット収納にお勧めしたいと思っています。

けれども、別の使い方もあると思いますので、あとは、気に入っていただけた方のセンスとかアイデアで新しい使い方などもあったらとても嬉しかったりします(^-^)。

次回完成レビューをして、このヘルメットバッグ作りのシリーズを終了したいと思います。

もともと、この4月から、2021年度テイストの黒生地で作るということを本格的にスタートしようとしていましたが、結構ずれてきました。

この次に、同じセルビッチデニム16.5ozで用意してあった餅巾着デザインをお作りして、その後、遊び心たっぷりのリボン柄というマルチカラーの生地をご紹介しがてら同じ餅巾着のデザインをバラエティに富んだ感じでご紹介していきたいと思います。

そうして、カラー物をいったん終わっていきたいと思います。

その後、ブラックカラーだけの素材へ移行していきます。

本来、これが2021年のハンドメイドバッグでやりたかったことです。

真夏スタートの時期辺りには、黒生地製作に足を踏み入れていきたいと思っております。

また、ブログ記事でご紹介してまいりますので、お楽しみにどうぞ(^-^)。

セルヴィッチは生地の耳、いつも端にひっそりとたたずむ「赤の要員」様、どうぞ真ん中へ【94】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

この記事アップの2019年末辺り現在、ふとした情報を見ました。

ジーンズ熱がもはや減退の兆しというような傾向がみられるとのこと。

ここ10-20年程、ジーンズは、洋服の定番ともいうべき存在で、多少の裾の形とかウエストの位置を変化させながらずっとクローゼットに並ぶ定番アイテムとして君臨していたかと思います。

それが、ここにきてついに、減退とは。。

もしかするとライフスタイルや嗜好の細分化によって、ジーンズ一色の横並びなコーデからの思い切った変化ということも1つに流れがあるのかもしれません。

ブランドの証(あかし)のようにもてはやされるセルヴィッチは実はただの生地の耳である

セルヴィッチデニムく12-14オンスあたり>:リーバイス501が13.5ozとのことです。
こちらは、14oz程度であると重さからの算出により導き出しています。
インディゴデニム、綿/100%、日本製。生地幅は、75cm幅。
両端が白に赤いステッチが特徴のいわゆるセルヴィッチ、通称、赤耳(あかみみ)。

そもそも、私が生地屋さんで普通に購入できたところがそれほど特別なものではないと言えます。

以前私は、セルヴィッチが「リーバイス501xx」の特有の仕様だと勝手に勘違いしていました(^_^;)。

しかしながら、リーバイス501に+αのセルヴィッチだからこそその価値であるわけで、セルビッチというもの自体は、このようなジーンズ用のデニムでなくとも別の生地であっても存在します。

セルヴィッチというのは、そもそも旧式のはたおり機の名前であり、幅が狭く、通常のシングル巾と呼ばれる原反の110cm辺りの幅よりももっと極端に狭い幅。

そして、綿密な織り方の良い作りをしている機械で織った布地の耳のことで、出来上がるのに時間を要するということから、手間がかけられたデニムになるのです。

とはいえ、セルビッチは、端っこの耳でしかないのです。

パンの耳は切り落してサンドイッチにはならないです。

しかし、セルヴィッチは、立派にジーンズの一部に使われさらにもてはやされて、価値を持っています。

やはり、勲章とか、証(あかし)というブランド製を秘めたパーツだとデニムファンの間で認識されているのも、「リーバイス501」のブランド力の影響を見ます。

つまり、このセルビッチがちらりと見えることで、分かる人には分かる、今ではレアな旧式の狭い幅の機械で製造された生地を贅沢にたっぷり使わなければ出来上がらないジーンズだということがイメージできるからですね。

その手間をかけられた製造シーンの知識によって、「セルヴィッチデニム」に対して、「価値」を感じることになります。

普段わき役の位置のセルヴィッチを、真正面のお花のアップリケという主役に演出したバッグ

ここで、私のアイデアを投入する番がやってきました。

耳という存在で普通は隅っこに位置しているセルヴィッチ。

これを真ん中に持ってくる試みです。

デニムシリーズというバッグ製作のシリーズをしておりまして、この度の製作はインディゴデニムを使用しました。

そして、裁断していく過程で赤耳が余るという事態になるということが起きました。

洋服のアイテムである「ジーンズ」の裁断に関しては、「耳」はわざと計算されて端に来るように設定されているので、必ず使うという仕組みの製作のようです。

バッグでは、裏地も付けますので、実際は耳が隠れて耳というのは目には映らなくなるのです。

よって、ジーンズとは違った考え方をしていきます。

そこで、セルビッチを目につく場所にあらかじめ設置しようとしたのです。

セルヴィッチをはっきりとご披露するには、思い切って主役の真ん中にセッティングという大胆かつシンプルな考え方です。

お花の花びらと、葉っぱの大きい方の筋にセルヴィッチを利用したバッグ。
:花びらの中側に模様みたいにセルヴィッチの赤いラインを持ってくる位置に縫い付けました。
葉っぱの大きい方の筋はセルヴィッチの裏面を見せています。

このバッグ、いろいろなこだわりを込めました。

まずは、セルヴィッチチを真ん中に配置したこと、そして余計な色を使わず3色程度にしたことです。

デニムの表面、裏面、そして、キャメルベージュという色。

キャメルベージュは、ステッチ、革ひも、裏地、マジックテープすべてこれらに共通に使った色目。

色を余計に追加せずに、全体をすっきりとさせるのが1色揃えの効果です。

裏地はジャカードのシャープな柄になっていて、少してっぺんの部分で見えてもかっこよく見えるような感じにしています。

地味で仏頂面のインディゴデニムが長くバッグで使われて、まるでジーンズをはくみたいに色落ちを楽しむことができるようにお使いいただけるバッグにという思いを込めました。

末永くデニムバッグを使っていけるような機能面の工夫

さて、セルビッチ頼みのデザインはさておき、picturesque流な機能の面の工夫をお伝えしたいと思います。

今回のこのインディゴデニムは、やはり、今後使っていく中での楽しみがあります。

色落ちがしていって、遠い将来はブルージーンズのような薄いブルーになるかもしれません。

そういった段階までの長きにわたってこのバッグを使ってもらうには、いろいろな壁が。。

・途中でデザインに飽きる可能性

・バッグをいろいろなシーンで使いたくなる

このような欲が出てくることを想定しました。

自分自身がそうであったことの経験からも、きっとそのような気持ちが出てくるかもしれないとの考え方です。

ということで、そのような使用途中で出てくるであろう悩みや希望を事前に対処しておくということをいくつか行いました。

①まずは、とにかく、しっかりと作ること。
当たり前なのですが、花びらもできる限り立体感を残しながらしっかりミシンで縫い付けていきます。
使用途中でステッチがほつれたりする事故は悲しいです、ここで私がしっかり縫うことが活きます。
②形が2通りに変化できること。
通常このようにサイドのリボンでしぼるので、紙バッグのようにへこむ形をしています。
けれど、このリボンを使わなければ、横に広がり、トートバッグならではのバケツ型の広い形になります。
全く形が変化してしまうのがとても面白く、思い切ってバッグのデザイン的なテイストを変えられます。
この形で1泊旅行は十分可能です。
③アイレットカン仕様の本革取っ手は後に交換しやすいということ。
これが縫い付けの場合、作業が高額なリフォーム代がつき、大変。
けれど、この仕様なら、困難ではありません。
④両端にバイヤス位置に縫い付けたショルダーカン。
これは、今回はショルダー無しの状態の商品ではあるのですが、
いずれ使っていく中でショルダーを付けたくなった場合を考慮した機能です。
このショルダーカンは、キーホルダーにも利用できます。

以上のような辺りを使っていく場面を想定しながら強化した機能でした。

あとがき

もともと、セルヴィッチ自体にはこれまではそれほど価値を感じてはいなかった私です。

あくまで耳。ただ証とか勲章として、セルビッチは理論的に良い物であることを証明しますので、生地の質が良質であるという言葉の説得力が増します。

私も生地の選択をするときに、良質ということには注目してチョイスしていますが、良質ということがなかなか私以外の人には伝わりにくいものです。

実際に目で見たり、縫っていく作業をしていると良質であることが製作者自身は分かるものですが、その素材で出来上がったバッグを見てお客様が良質だとネット上の写真で思えるのかどうかということになると大変その点が難しいです。

その点、セルビッチ(赤耳)の存在というのは、良質であることがダイレクトに伝わる1つの良き証(あかし)なのです。