古着だから許される、クリーニングによる表地の縮みが原因ではみ出した裏地のシンプル裾上げ方法、折り曲げ線の分量更に折り曲げた【1247】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

少し前の投稿【1249】でクリーニングも手洗いも不可の本革レザーの簡単お手入れ方法をご紹介しました。

その時に、現在ハンガーラックに隙間があるのはその他のお洋服がクリーニング屋様に出ていっているためで、この期間のみの隙間を利用して乾かすというタイミングがありました。

その後数日が経過。

いよいよクリーニングが仕上がってきました。

そうして、ラックに配置していったところ、あることを発見↓。

クリーニングによって表地が縮み裏地がはみ出した状態。クリーニング後によくある事件です。

こちらのお品物は手づくり品であり品質表示がありません。

見たところ生地はちりめんで、ちりめんは収縮性があるので、洗濯などで縮むことがあり得ます。

そして、もう1つ、ヴィンテージ古着のワンピースやスカートの裏地というのは、表地からわずかに控えた9割くらいの丈で作られてきたようなのです。

現在は、ひざ下くらいのペチコート風であることも多く、特に量産品はコストの削減に材料である裏地をミニマムに使用する意向が裏地の短さからうかがえます。

ヴィンテージ服の裏地のように、材料をきちんと使った製作には大変好感が持てます。

裾がまとわりつかないようにスムーズな動きができるたっぷりの裏地の配置は、作りの丁寧さを感じるからです。

ただ、そういう作りだからこそこういった縮みのデメリットも付きもの。

裏地はあまり縮むことはないために、表地との縮み率のギャップでお洗濯後突出してしまうことがあるのだと解釈しています。

品質表示が付いていないものは、クリーング屋様の保証もないようで、こうして仕上がってくることがあるのです。

そこで、このたび、この飛び出した裏地を自分で裾上げしていこうということに決めます。

古着だからこそ気さくに行えるカットせずそのまま曲げるだけの裾上げ方法、フレアーラインであることの難しさのはなかなか解決できなかった

もとは、3.5cmほど手まつりで仕上げてある裾上げ。この分量をそのままもう一度折り、ステッチをします。
ループはカット。後で貼ります動画内でカットせずにやってみたところ失敗してしまいましたのでマストです。
チャコペンなどは不要。アイロンをちゃんと元の折り曲げと同じ分量でかけます。

この後、端から2mm程度をステッチしていき完了という見込み。

いとも簡単にできそうなものですが、実はフレアースカートの裾上げは難しいのです。

曲げた先端にゆとりが残り、それをうまく配分しなければなりません。

よって、融通の利く手まつりが多くされているのかもしれませんが、ここは古着、ミシンで強硬にやってしまいました。

待ち針はある程度こまめに打ち、許容範囲内の皺にとどめる意識をしたつもりです。

良い部分とタックが寄りがちな部分とに分かれました。下手ですが悪しからず。。
完璧にはできません。フレアーの裾上げの難しさを痛感しました。やはり手祭りがマストなのかもしれません。
両脇周辺がタックが寄りがち。やはり、ミシンではやるべきではなかったと反省。
目打ちなどを使いながらなんとか許容範囲に仕上げたつもりですが、かなり粗い仕上げとなってしまいました。

仕付け糸をしても上手くいくかどうかは分からないですが、せめてそうするべきでした。

三つ折りステッチの全体像:こちらは、表地と接する方(隠れる方)。
こちらは、スカート内でいうところの表側です(見える方)。とりあえず気持ちよくはける範囲内だと納得。
裏地が中に引っ込みましたので、長さは成功です。
中の裏地の様子:よく見るとラインが素敵。このラインだから真ん中が最初飛び出していたのです。

美しい裏地の設置の仕方で作られていたのだとこの時に知りました。

最初の状態と比べてみます↓。

あとがき

やはり、ワンピース1つとっても、手作りやオーダーメイドのヴィンテージ品は作りが魅力的。

この度の大花柄のちりめんワンピースなども、このオートクチュール品の道を歩みながらどなたかが作ったのだということを感じ、味わいが全体的に見られました。

リフォームをして、その作りの良さを実感することもあるのです。

ヴィンテージワンピースの作り手のこだわりや気持ちが分かる一面が感じられて、非常に有意義でした(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

古着ならではの気さくさ、三つ折りステッチをしても大丈夫な裏無しスラックスの支障のない裾上げ【824】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着ライフを送りまして、もう15年以上が経過。

1点物に慣れ過ぎて、ずらりと同じ商品がサイズ別に並んだお店に入ることにためらいを感じるほどに。。

1点しかないものを受け入れることが当たり前になっているために、サイズを自由に選ぶ時の同じ品物が配列した様子が何となく違った世界に感じます。

これは価値観ですので、反対に1点物しかない古着市場は合うものが無いと考えてしまう新品主義の嗜好ももちろんあると思います。

ただ、そこそこハイブランドの「アルマーニ」に特化した古着でワードローブを肥やしている拘りも楽しいところがあり、新品で購入しなくても十分古着でも高級であり綺麗なのです。

このたびは、古着で購入の際に付きまとうことがある、「リフォーム」に注目。

せっかくコスパ良く入手の古着は、自分でお直しできれば嬉しいものです。

よくやっています、特に裏無しのパンツの三つ折りステッチ始末のミシンがけのご紹介です。

スラックスなのにタブーだと思われがちですが、モデルをよく見ながら判断をし、かなりスラックス寄りなタイプでも三つ折りステッチをして何ら問題がありません。

ご参考になれば幸いでございます。

どれも「アルマーニ」の古着、もともとスラックス調のモデルの多いブランドならではのエレガントさは裾の始末など何のその

スラックスと聞くと、こんな始末が基本だと思います↓。

ロックミシンも使いながら、1つ折りして、手まつりです。

これはやや時間がかかり、丈夫であるとは言えませんが、高級感が確かにキープされますので、品物のテイストによってはこの方法で行うこともあります。

可能ならミシンをかけていく方法が迅速であり、素材やデザインによって、三つ折りミシンステッチもやっています。

手まつりよりも気軽で丈夫です。

左右いずれもスラックスですが、いずれも三つ折りステッチ。左は裾を長くしたケース、右は裾上げのケース。

左(シルバーグレー無地:「ジョルジオアルマーニ」製)は丈が短かったので、めいっぱい裾の縫い代を使い、最低限の1cmくらいの幅で三つ折りステッチをしました。

右(ベージュ千鳥:「アルマーニコレツィオーニ」製)は、丈が長かったので少しカットして短くしたバージョン。

この場合はもっと三つ折りの幅がたっぷりしていても良いと2cmくらいで。

下に貼りますYouTube動画の内容は、この度の記事と違う品物のお話ですこと、どうぞご了承下さいませ<m(__)m>。

当時の2021年から約3年後の2024年現在のブログの「手直し」の順番でして、この記事を今一度綴り直しております。

その後の2024年最近の裾上げの例としてこの度の記事に2点のパンツを例に掲載させていただいたのでした<m(__)m>。

あとがき

「アルマーニ」様のすごさは、カジュアルなのにエレガントに作られているところです。

かつては、「医師」であった「ジョルジオ・アルマーニ」様。

体を美しく見せるデザインが、他の型紙の作り方と随分違っているように感じます。

例えば、中綿のジャケットには、袖に2か所の立体的になるダーツステッチが入るのです↓。

ファッションの歴史に間違いなく名を残していくデザイナー様だと思います。

多くのブランドの中でこの「アルマーニ」様の古着に特化するまでの絞り込みの理由は、「ラインの美しさ」です。

レディース物のヴィンテージで特に優れていると感じる1980年代辺りの「ジョルジオアルマーニ」製は、今でも特に注目しています(^-^)。