ゴールドジュエリーに相性が良い黄緑の何十年か前のレザーバッグ、色褪せの補色をカラークリームを混ぜて作った色で仕上げた【1251】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびの投稿は、1つ前の【1250】の続きになります。

古物市場で購入の綺麗なグリーン色の本革レザー型押しのミニバッグが経年により裏地の汚れ・表面の色褪せが起きていました。

そうは言っても今後も使えそうな素敵なバッグです。

流行を感じないいつの時代でも思い切って持てそうな点がブランド様のデザインの素晴らしさだと思います。

こういった流行のあるアパレル品のお洋服と共に、ブランド様が製造されるバッグというのも流行が色濃く入ることが多いです。

それでもおそらく30年程度は経過しているであろうと思われる古いお品物が今もこうして使いたいと思えるそのデザインに脱帽です。

【1250】では、裏地のお洗濯をする場面をご紹介しました。

運が良く裏地が飛び出す作りであったことも何かのご縁、そうして、前半の作業が無事終了しました。

後半のこのたびの【1251】では、色褪せのレザー部分にカラークリームを塗るという作業です。

おそらく、こちらの方が難易度は上がります。

そして、既存の色のクリームのカラーがなかったというところからのスタートだったのでした。

「色が無いなら2色を混ぜて色を作れば良い」との売り場の店員様からのアドバイス、青と黄色を混ぜて元の色に近い黄緑色を作って補色した

色を混ぜて塗るという行為は何も絵画だけではなかったのです。

こうした補修の作業の特殊な色でも混合ということが成り立つようなのです。

ややメロン色に寄った微妙な黄緑に出来るだけ近づくようにと、紺と黄色をこんな割合で混ぜます。
こうした色は、パワーの強い暗い色は控え目に加えるところがポイントですので、黄色を多くしました。

発展的な考え方としては、「紺+赤=紫」「黄+赤=オレンジ」などに同じやり方が落とし込めます。

ただ、白が存在していないというのも製造メーカー様の意向、濃淡は難易度が高い作業だと想像します。

こちらは、「サフィール レノベイティングカラー補修 チューブ」という名前のクリーム。

「東急ハンズ」様で購入しました。

実際に塗布すると分かることですが、せっかく補色できても、ツヤが足りません。

こういった柔らかい半液体のようなクリームでもツヤというのは別になります。

素人ながらの解釈ですが、ツヤ出しそのもの自体がコーティングのような役割であるから、色の補修の段階では混ざらないのかなと。

よって、この作業が終わり乾いた後にツヤ出しを塗りました。

かなり邪道ですがそこはused品、靴用のツヤ出しの透明タイプを利用してしまいました(^_^;)。

写真撮影の時間帯が違い色が違うこと申し訳ないです。施工後がなんとなくツヤが出て落ち着いて見えます。

そうして仕上がったツヤも出た補色の完成がこちら↓。

これまた色が上の写真と違って申し訳ないのですが、現物には近いです。色褪せとしては解消され多方向です。
サイドから見た様子です。隙間のふき取りが甘かったですが。。

あとがき

細かいカラーの再現としては、元のメロングリーンよりは、黄緑寄りになってしまいました。

元がどうだったかというのは 色が褪せてはいたもののこのブランド様がチョイスされたカラーというのは、メロン寄りの方であっただろうと思われます。

これを外注でお願すると忠実なカラーで、しかももっと正当な方法でやってくれるでしょう。

ただ、中古品で購入のせっかくのコスパの良さを活かすために、このたびは自主リフォームをしてみたのです。

こうして自主的にDIYをする方も増えていると思います。

そういった材料が豊富であることも、ニーズの高さに比例しているからです。

それに伴い、経験談や、店員様の良きアドバイスも有効であり、品物を販売する時の情報提示ということの大切さを親切な店員様から学んだのでした(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

年代物の私物ジュエリーボックスのキズ補修の見事な効果、木彫り装飾の琵琶の木が実物みたいに生き生きと蘇った【1249】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「本物志向のレンタルジュエリー」の事業者です。

ジュエリーに携わる事業者本人が持つジュエリーボックスは、意外にも古物の木製ミニチェストを利用させていただいたもの。

ジュエリーボックスもある意味インテリアの一部。

古い木製家具に関する好事家とでも。。込み入った作りが無いシンプルさとまるで家具が小さくなったようなその姿が大変好みなのです。

元はお薬入れのように使われてきた匂いがしていましたので、脱臭も必要、そしてよく使われていたのでしょう、キズも多数ありこれらを補色で塗りつぶしていきます。

生き生きとした引き出しをまたいだ琵琶の木の実と葉が素敵、落ち着いたカーキ色が魅力のミニチェストのキズの補修の華麗なる成果

塗装前のミニチェスト:<サイズ>縦20cmx横19cmxマチ18cm。カーキ色が素敵。彫りは全面です。

当初はこの写真の通り、かなりキズが見られました。

このキズを細かい部分にも及びながら綺麗に補修し、使用感を失くしていきたいと思います。

そこで、塗装の液を選んだのですが、これが結構イメージが難しく、リスク少なめにと、「東急ハンズ」様の店員様との話し合いの結果、100均の「セリア」様で塗装液(ニスも兼ねているツヤ無しの色付き)・ハケの2アイテムのみを購入しました。

ちゃんとしたお品物である所にコスパを感じます。カップはプリンの容器を利用。
塗装前後のカラーにご注目。残念なのですが、色がぴったりではなく、せっかくのカーキは焦げ茶に寄りました。

ただ、元のお品の趣は活かしたいので、琵琶の実のオレンジや葉っぱのオレンジが部分的に色づいた瞬間を表現したような部分はその色のまま残したのです。

細かなキズが多いせいで、今までは柄がぼやけていたと思います。

キズを隠す補色塗装1本のみでここまで柄がクリアに蘇り、高級感も加わるという効果があることには非常に驚きました↓。

補色兼ニス仕上げの完成:まるで新品みたいに新鮮な気持ちになりました。素晴らしい柄が最大限に現れました。
背と底以外はすべて琵琶の柄が彫られ躍動感に溢れます。ここへジュエリーを入れられる喜びを感じます。

あとがき

たった1本のみの補色液がここまでの仕上げをしてくれるなんて、素晴らしいことです。

底の面だけは、キズも付いておらず見えない部分なので、デフォルトのカーキグリーンの塗装の姿をそのまま記録として残しておきました。

この「残し」は、他でもない最初の製作者様への「敬意」です(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

そもそも流行の無いデザインの選択をした古物の本革レザーバッグ、角や縁の「擦れ」はピカピカに蘇ると想定できる【241】

アイキャッチ画像241

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着ライフも20年来、同時にバッグや靴やベルトの小物も古物という徹底ぶり。

「古」という字のイメージとは裏腹に、これまで随分な美品を手にしてまいりました。

このことは日本という国のこれまでの豊かさを象徴するような部分なのではと思う程。

外国の古物に比べて新品同様に良い状態の古物が溢れているという特色が日本の古着市場に見られるらしいのです(外国人目線)。

このたび、古物で入手できたことが本当に幸運と言える、定番の黒の本革レザーバッグをご紹介。

入手時の「擦れ」がキラキラと美しく輝くまでの過程を、自主リフォームの形でお届けしたいと思います。

高級ハイブランドバッグもゆくゆくはお手入れが必要、古物の中から見つけたリザード型押しの黒のハンドバッグの擦れの劇的な蘇り

本革レザーバッグ(黒):リザード型押し。ブランド名不明、サイズは縦20cmx横31cm。

ロゴが無かったことからオーダーメイド品かもしれません、それならなおのこと逸品を見つけたことになります。

もともと型崩れも少なく、ハンドバッグの割にはサイズ感がゆったりとしていました。

そして無駄が削ぎ落されたミニマムなデザインは、古物によく見られる1クセの「流行の足跡」が感じられず、いつの時代にも使えるものだと感じた直観が購入に繋がりました。

「ヤフオク」様で¥2,700程度だったと記憶しています。

元は、おそらく昔でも¥20,000-¥30,000くらいの価格が付いていたと予想します。

部分的な擦れ:古物の本革レザーでは、必ず角周辺の「擦れ」が見られることが多いです。

ただ、この「擦れ」は、定番の黒の本革レザーという価値には及びません。

過去に、擦れた本革レザーの茶色の角を見事にピカピカにした自主リフォームの経験があったからです。

同じように、ピカピカに蘇ることに期待を寄せ、¥2,700以上の価値感をイメージしたのでした。

本革レザー小物に共通利用できる補色クリーム:「サフィール:レノベーティングカラークリーム」。

このクリームは業界では有名なアイテムのよう、色同士を混ぜても利用でき、元のカラー展開は最低限です。

柔らかい布で補色の作業:手袋は「ダイソー」様のもの。薔薇柄がかわいいです。布は保存袋をカットしたもの。
擦れの角部分の補色前後比較:塗布後の方の白い部分はテカリ、完全に黒で覆われたことを実物で確認しています。

ただ、ここでツヤの不足が気になります。

更に仕上げとしてツヤを加えるという作業をしたいと思いまして、邪道ながら、使ってはいけないという靴クリームの補色兼ツヤ出しの両方が1本になったこちらを利用↓。

靴用の艶出しリキッド(保革や白の補色目的のもの):「コロンブス」様の有名なアイテム。「ムショク」という色。

断り書きにも、「靴専用であり他の物品には利用不可」とありますので、本当は邪道の行為。

だからこそ、存在している黒バージョンをあえて使いませんでした。

あくまでツヤのみを目的とし、黒ではなく無色透明を選択したのです。

もし、黒を塗布していたら幕が張ったかのように違和感が出てしまっていたかもしれません。

これは自己責任においての私の判断。

ただ、こうした思い切った邪道も含む判断は、古物だからこそできたこと。

高級ハイブランドバッグでは躊躇することであり、古物である気さくさから手を付けることができたということ、結果購入当初のコスパを維持できました。

<バッグが擦れる場面>

・外出・帰宅時の玄関のドアや壁。

・満員電車やバスなどの人や物との接触。

・床にバッグを置いた時。

・自転車のかごの出し入れの接触。

そもそも、バッグを日々大切に丁寧に取り扱うことも心掛けると、傷み防止になると思います。

あとがき

このたびのリフォームは、本革レザーだからこそのノウハウであり、古物で本革レザー小物をご検討される際にちょっとしたその後のイメージになれば幸いです。

共通のバッグを製作する者として非常に参考になる点がありました。

それは、「直してでも使い続けたい、もったいない」と思ってもらえるほどの価値があったという点。

その後、ハンドメイド製作する布製バッグは、20年間持ち続けられるイメージで作ることを常に考えています(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク


色相環図の考え方をコーデに引用、ドラマチックなコントラストコーデは「補色」馴染む穏やかコーデは「類似色」【229】

アイキャッチ画像229

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「類似色」と「補色」というカラー同士の組み合わせは、絵画などで引用されその作品に溶け込んでいると思っています。

美術的な部分にも接触するファッションコーデにおいてもおそらくどこかで引用され、コーデに混じってるのではないかと、マルチカラーの配分や配色ものなどを眺めてみると良いかもしれません。

こうした決め事があると「タブー」が語られることもあり、本来自由な表現のはずのお洋服のコーデを躊躇する変なブレーキになるのは望ましくないということ。

そのためには、結局は決め事の基本をシンプルに理解するところからやっておくのは必要なことであろうと、ここを通過したいと思うのです。

ファッション分野に携わってきた者ではありますが、カラーコーデの資格など持たない、スタイリストという職種でもない私らしい伝達が出来ればと思います。

お洋服コーデを高めるために色の決め事を知るところから始めてみる、単純な基本6色のみで理解する「類似色」と「補色」

本格的な「色彩の相関図」は、すべての理論を十分に盛り込む作りであり複雑。

この「相関:そうかん」という言葉が、「色相環:しきそうかん」と「色の相関図」で「そうかん」の漢字が違うところに思わず注目。

もともと「色相環:しきそうかん」という言葉が専門用語ですが、「色の相関図」という言い方もあるのです。

では、ものすごくシンプルに、一度知ったらずっと覚えていられる基本的なカラーの仕組みを超基本の3原色から解説します。

まず、色というものは、下のクリップのように多種にわたっていますが、実は元は3色のみオリジナルの色、つまり、「原色」と呼ばれる色3色だけ。

多種にわたるグラデーションのような色の展開のイメージ図:「マイクロソフト」様からの引用です<m(__)m>。
基本の「3原色」:「原」という言葉の理解として、どんな他の色からもこの色が作り出せない元の色という解釈。

つまり、「何を混ぜても、この色を作ることができない元の色」という基本的なカラーの事を指すのです。

幼少の頃の絵の具を使った授業を思い出してみてくださいませ。

混ぜて色を作る時に、この3色はゴールではなく、ツールであったはず。

このベースのカラー同士をもれなく1つずつ組み合わせながら混ぜて、

・赤 + 黄 = オレンジ

・赤 + 青 = 紫

・黄 + 青 = 緑

と、更なる新しい色が3色生まれました↓。

基本カラーの6色:これだけ集まれば十分、隣同士の配置が「類似色」反対側が「補色」で配置されました。

いつか拝読した発信で、「補色」の関係は「お洋服コーデではタブーと思うと良い」というようなことがありました。

お洋服のコーデを落ち着いた上品な装いに寄せるためにあえて「タブー」と表現されていたのだと解釈しました。

ただ、1990年代後半頃には、そんな「タブー」を打ち破るかのように黄色と紫の組み合わせの配色のブラウスが登場したりしていました。

ファッションコーデにおいては、あえて「タブー」を打ち破る破壊的な発想もあり、「類似色」「補色」それぞれに正しさなど無くても良いと思えてきます。

ただ、実際の印象としては影響があり、「類似色」同士のコーデは穏やかで優しい雰囲気、「補色」同士のコーデは奇抜で劇的であると感じるのは見る側の共通するところではないでしょうか。

あとがき

「類似色」「補色」など無視しても構わないとさえ思うのですが、メッセージとしては伝わりやすいので知っていることは非常に良きアドバンテージ。

コーデによって自己表現ができ、カラーによる意志表示さえできるということなのです。

冒頭の絵画に戻りますが、絵を見る時にも、その画家がなぜこのカラーを多用したのかなどはメッセージの1つとして受け取れます。

絵画によって方針・主義・主張を伝えることと似ていて、お洋服のコーデによる伝達も、お洋服というもの自体が機能のみを越えた存在であり、本当は美術品のような存在なのかもしれない思うことがあります(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク