最も単純だと言われているロックミシンでも注意しなければならない「針交換」の際に気を付けたいことのまとめ【706】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ロックミシンを時々使うことがありまして、このたび、その途中で針が折れました。

ロックミシンにはそれほど慣れていなく、入手も2020年が初でした。

中古品を「メルカリ」様で大特価でお譲りいただきまして、それ以来お世話になっているのは、「JUKI社」製の「MO522」という機種です。

針の交換に結構時間がかかってしまい、そのことからの針交換がスムーズにできるポイントを早速アウトプットします。

困ったケースのヒントや、どんぴしゃ同じケースにお役に立てれば幸いでございます。

何分不慣れでして、戸惑いながらの作業でした。

ポイント3点は①緩めるネジ②針の向き③試し縫いのチェック

今回針交換をしたロックミシン:「JUKI」社製「MO522」機種。2020年に中古品で購入致しました。

複雑なロックミシンの中では、極めて単純で分かりやすいとされているモデルのようです。

メカにはとても弱いので有難いのですが、ロックミシンは基本的には複雑なものなのです。

では、針交換の部分にスポットライトを当てた写真に移りますね。

この指の位置に針が設置。針を外す時に、指のすぐ上のマイナスネジと、左サイドのプラスネジを緩めます。

折れても、残りの部分が本体にまだ設置した状態なので、それを外します。

針を外すのは、手前のマイナスドライバーのネジ、同じ場所に設置されている糸通し(指で触っているパーツ)を外すのは左サイドのプラスドライバーのネジです。

これらは完全に外さずとも、緩めるだけで交換できます。

手前のマイナスネジは緩め足りないと針が奥まで行かないのでそこは注意です。

次に針の向きです。

専用の針を必ず選ばないと故障の原因。この場合は「HAx1」という針(家庭用)の14番針です。

間違えて、工業用の「DBx1」をはめようとされないようご注意を。

針の裏側はペタンコ。このペタンコが設置する時に奥向き(前後の後ろ側の方)が正しい位置です。

針を見ると裏側がペタンコなので、比較的分かりやすいです。

このペタンコを奥側へ向けて設置するのです。

ストレート縫い専用の職業用ミシン「シュプール:TL25」モデルなどは、溝が右側という向きだったりするので、その違いはご承知いただかねばなりません。

針を設置する前にプラスネジをゆるめた糸通しが少し邪魔なので、ぶらぶらしているのを奥の方へ移動して追いやることができます。

そして、針を先ほどの向きで設置して、マイナスネジを絞めます。

きちんと針を奥まで埋め込みます。

。。とここが取説にも書かれているポイント。

そして、マイナスネジを絞め、プラスネジを絞めます。

ここで手こずったのが、針が折れた時などに、はずみで糸が本来の穴に正しく通っていなかったりしていたのに気づかず、試し縫いをしてみたらループがちっとも出来上がりませんでした。

具体的には、機種が書いてあるカバーの中の糸通しが変な位置に通っていたということでした。

糸がループを作らなければロックになっていきません。

些細なことですが、多大な影響を及ぼしてしまいますので、ロックミシンは繊細なのです。

そして、直して再び試し縫い。綺麗な糸ループができましたので正常です。

こんな感じで、ロックミシンは少しのはずみで糸が外れやすかったり変なところに引っかかったりするもののようです。

ロックミシンはストレートミシンと違って、布を当てずとも空縫いで試し縫いができます。

よって、こんな感じで「試し縫いの前に糸の通りを目で確認」の必要性という学びが得られました。

ぱっと見だけで進めてしまうと、意外にも糸が変な通り方に物理的に変わってしまっているなどということもあるものなのです。

あとがき

以前に「家庭用ミシン」に付いている拡充機能の中のバラエティー豊かなステッチの中にロック始末が含まれていました。

それに比べると、ロック始末専用のミシンはとても縫い目が整って美しいものです。

布をフルに糸が覆う感じになります。

続きます次回の記事【707】では、ロックミシンを実際に使ったハンドメイド製作の記録のご紹介をした記事を投稿致します。

「セルヴィッチデニム」という厚みのあるデニムを使用していますので、一重仕立てで風合い重視で製作するようなケースにロックミシンが有効なのです。

合わせてそちらの記事もよろしければどうぞ。

ロックミシンの役割を感じ取り、効果的な使い方ができるようアウトプットしてまいります(^-^)。

6mm仕上げの丸底ラッピング成功のための材料はナイロン100%のバイヤス25mm幅にあり【204】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

楕円の形をしたデニムバッグの底のロック始末を更にラッピングで覆うというアイデアをこのたびアウトプット致します。

随分自身が試行錯誤してきた結果お伝えできるメソッドとなっております。

カジュアルなバッグ1つでも実はその作りはエレガントであるという、「エレガンス」がミックスされたお品物作りを目指しています。

このたびは、デニムというカジュアルな素材をドレスライクに寄せていくというゴールを目指すために美しいラッピングの出来上がりを目指していきます。

いくつかの幅の違いでラッピングのあれこれを過去10年にもわたり試行錯誤してまいりました自身が行き着いた1つの完成型のゴールである最も美しい「6mm仕上げ」のバージョンをここでお伝えしたいと思います。

厚みのある生地へのラッピングが難しいと感じるその理由

一重仕立てのデニムバッグ:パーツ全部にロックをかけてあります。ロック糸の色も馴染む色でさっぱりと。。

ラッピングもストレート部分なら比較的やりやすいです。

しかし、このようにカーブのあるデザインに加え、生地に厚みがある部分にラッピングをするとなると少々レベルが上がると感じます。

しかし、心配ご無用。

作業自体がやりやすいような幅、前準備があれば成功できる作業だと思います。

今回は厚手の14オンス相当のデニム生地が2枚重なった場合のラッピングです。

14ozは、一般的にはかれているジーンズ程度、この度のラッピング布の幅の25mmはこの厚みを1mm見込んだものです。

完成のイメージは、4mm巾程度でかけられたロック部分を更に隠してワンポイント的な装飾を込めたデニムとは異素材のナイロンラッピングにするというものです。

ラッピングは基本的には、出来上がり幅の4倍程度の幅のテープを用意する必要があります。

しかし、それはぺたんこの生地の場合の最も単純な考え方です。

ラッピングをしたい場合というのは、そもそも厚みがある状態になっていることが現実多いものです。

よって、見込んだ25mmというのは、出来上がりの6mmx4=24mmに厚みの1mmを加えた25mmだということになります。

よって、水平に見たときの1-2mmの生地の厚みを考慮せねば、最後のとじの部分で生地の分量が不足することになります。

生地によって厚みは様々。

ラッピングというものは、1mm違っただけでも裏面にずれが生じ、下の写真のようにテープの上にステッチが載らず、脱線しまくりの的外れな状態になってきます。

私はクセとして、このようになりがち、このようになりがちな人は結構多いかもしれません↓。

出来上がりの裏面の縫い目がまるでテープにのっていません。

すべて、テープ外の的外れな位置にステッチが出ていて、ラッピングの意味があるのかというほどの出来具合です。

ここから改善を試みていきました。

では、作業しながらラッピングが美しく仕上がるコツを研究した成果として次のようにポイントをまとめたいと思います。

6mm強仕上げのカーブのあるラッピングを上手く仕上げる「7つ」のポイント

では、ポイント箇所を中心にして出来上がりまでの流れをお伝えしたいと思います。

ポイント1)生地は45度のバイヤスで裁断

ポイント1)とにかくバイアス裁ちで行うことが基本。ナイロン/100%は伸びと縮みの両方融通性あり。

そもそも、テープの幅は25mm巾のバイアス裁ちです。

これがストレートでは柔軟性がなく、しわが寄ってしまうので、カーブ箇所を含む部分であれば、バイアスが必須。

ポイント2)縫い線の印の線をフルに直線で描く

これは、確実に1針1針を的確な寸法の位置に落としていくために、フルの直線である必要があります。

ポイント2)縫い線の印の線をフルに直線で描く。

ポイント3)アイロンで折り線を付けておく

折り線は必須、正しい位置を折り線が案内役として教えてくれます。

この折り線をアイロンであらかじめしっかり付けておくと、とても後半がやさしいものになります。

ポイント3)アイロンで折り線をしっかり付けておく。

最後の縫いとじの折り込みも5mmです。そして、ど真ん中に折り線をアイロンで入れます。

縫い始めの先端の横ラインをを1cm程内側へ折り曲げて、縫い代を隠しておきます。

この作業を下準備としてあらかじめやっておくわけです。

ポイント4)本体生地の縫い代とテープの右端をピタリと合わせる

写真では、右端がうまく映しておりませんで申し訳ございませんが、あそこがぴたりと合っている必要があります。

テープがはみ出したりまたその逆で中側に控えたりしていると、これが原因でラッピングが崩れますのでご注意下さいませ。

ポイント4)本体生地の縫い代とテープの右端をピタリと合わせる。

ポイント5)アイロンをかける時に伸ばし過ぎない

ぐるり1周地縫い後、アイロンをかけてくるりとテープを反対側に向けます。

この時に最初の折り線が目安になることも多いです。

アイロンをかける際には、目安を地縫いの線がぎりぎり隠れている状態で折るのがのぞましいというのが自身の実体験からの結論です。

ポイント5)アイロンをかける時に伸ばし過ぎない。
地縫いステッチが隠れているぎりぎりでアイロンをかけ、ターンします。

ポイント6)縫いとじのステッチは、先端ぎりぎりでなく少し内側を縫う

ポイント6)縫いとじのステッチは、先端ぎりぎりでなく少し内側を縫う。

ラッピング布の際ではなく、1mm程右部分を縫うと下糸側のステッチがラッピング布から脱線しない結果になるようです。

ものすごくこの場面は繊細で「加減」とか「感覚」の世界。

裏面のテープにステッチが載ることを意識しながら行うのが良いです。

これでもうまくステッチが生地に乗らないようであれば、最初の5mmの箇所へのステッチ時にあえて、その線の1mm縫い代側(右)を縫うということをすると生地の配分が調整されるということがあります。

このことは、よくご紹介されていることと同じ内容になりますので、1つのヒントとしては有りだと思います。

ポイント7)最後の綴じの位置にもきちんとステッチをのせる

一度やり直しをした後の場面ですので、そのやり直しの原因が実はカーブのところでした。

カーブ部分は、自然にバイアステープが内側に引っ張られる傾向があります。

そうすると、裏側(最初に地縫いをした側)が地縫いの糸が見えるぐらい引っ張られて圧力がかかり、テープ幅が偏ります。

つまり細くなってしまってうことがあるのです。

そうすると結果、最後の縫いとじのステッチ糸が、テープ上に乗らないのです。

なので、テープの幅を均等にするよう、地縫いステッチが見えないぎりぎりの位置に待ち針を裏側から打ち、表側にも打つというダブルで行いました。

そして、目打ちを使ってゆっくりとステッチしていきます。

ポイント7)最後の綴じの位置にもきちんとステッチをのせる。

以上、7点が私が研究した成果から出てきたポイント箇所でした。

結構ポイントの数が多いです。

これらをすべて満たした時に完成すると言えますので、ラッピングは高度な技術の1つだと思います。

ただ、すべてを満たすことを考えると難しいようですが、美しく仕上げるための必須の当たり前の事項だと考えることもできます。

成功したラッピングの完成の表と裏の見栄え

底面側のラッピングの仕上がり:巾着袋の中を覗いた時に、この面が一番多く視界に入る部分です。

この面からラッピングの縫いとじをしました。

この面は、最後に縫い閉じた時の表側にあたり、どちらかというとより綺麗に見える方側です。

ということは、ターンする前の最初に地縫いする面というのは、底面でない反対側の側面パーツの部分を上糸側にして縫うという向きが良いということを導けます。

側面側のラッピングの出来上がり:視界には入らない部分ですが、見る人は見る隠れた部分。

ここも、今回のコツでテープにステッチがちゃんと乗っかりました。

表からは一見綺麗でも裏を返せば残念なことになっているのはどうなのでしょう。

お恥ずかしながらそんなやり方が自身の今までのやり方だったのです。

しかし、今回は生まれ変わりたいと思いました。

視界に入りにくい箇所も、丁寧に美しく仕上げていくことの意味を感じています。

おさらい:図解でこのたびのラッピングの数値的なものを見てみる

少し画像が不足していますので、図解をしてみました↓。

出来上がり6mmのラッピング用型紙の解説:バイヤス裁ち、ナイロン/100%地使用の14ozデニム用の場合。

最初の型紙では25mm巾で裁断。四つ折り観音開きをまともにせずに、左右を5mmずつだけ縫い代でとります。

例えば、薄手の生地をラッピングするのであれば、ただの均等の四つ折りでアイロンだけで良いですが、デニムは明らかに厚みがあることが目に見えています。

よって、その分の生地が奪われるとあらかじめ考えなければラッピングは成功しません。

最初の左右の5mmずつは、本来25÷4=6.25mmという仕上げの6mmに近い数字を均等配分するイメージから片寄せたものです。

多くが真ん中の内陸部分で生地が奪われるわけですね。

こうした微妙なミリ単位が効果を出すということならば、当然使う素材も融通の利く、伸び縮みの弾力性あるナイロン/100%を使うことが成功しやすいことに導けます。

あとがき

「長年の勘や職人的感覚」を養うにあたっても、まずは理論として得たことは、ラッピングの仕上げの幅は6mm程度がすべてにおいて、すっきりと美しいと思えるということです。

幅がたくさんあれば丈夫そうに見えますが、野暮った過ぎてスタイリッシュではありません。

今回は、デニムのブルーに相性の良いサンドベージュの色のラッピング布であったことも実はバッグの中をのぞいた時のコントラスト効果を考えた工夫です。

苦労するラッピングのその作業だけに心を奪われるのではなく、さらにそこを乗り越え、その苦労などまるで無かったかのうように何食わぬ顔をしておしゃれ度も見せていくこと。

その作り手の強靭な姿勢こそ本物の「粋:いき」を作っていくのではないかと思うのです(^-^)。