まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
このたび、「紬(つむぎ)シルクプリント」という小花柄の生地でバニティーショルダーバッグが完成しました。
前半部分を記録した1つ前の【40】の記事では、表地と裏地を「中表」にして縫い代をすべて隠しプレート状にしてありました。
後半はそのプレートを「外表」に組み立てて完成という流れになります。
素材の素敵さのみに目を奪われてしまい、この素材を利用させていただいたのですがきっかけ。
しかし、そもそも「バニティー」という建築物のようなそびえ立つデザインにはこのとろみ生地は相応しくなかったということが出来上がりに出ていました。
素材とデザインの関係の研究にこの結果をお役立ていただければと思い、記録に残したいと思ったのです。
高級生地絹100%無彩色系マルチ小花柄のバニティーバッグ、しなやかな特性はむしろ巾着バッグに落とし込むべき
バニティーの組み立てにおいて、やはり、ファスナーの取り付けは大きな作業でした。
それほどやりにくいこともないですが、両開きのファスナーを1本で使用することをお勧めします。
このたびは、在庫のファスナーの色がマッチしたので2本使いをあえてしたのです。
真ん中で止まるのが良いのか悪いのか、真ん中を合わせる意識に手間がかかります。
あとは、ファスナーの重なりの部分の裏面の始末の跡がどうしても汚いというデメリットがあります。
このことから、ファスナーは「務歯:むし」の部分のみを見せるものだと伝統的な仕様にここでやっと共感したのです↓。



この部分も、後にとことん研究していまして、重なる部分をぴったりということが難しいので、裏地と表地のネックパーツの大きさに差を付けて対処。
その後、最終的に行き着いたやり方は、今度は逆に先に表地を縫い付け、裏地はダミーのステッチをパーツ単独で施し、手まつりで表地の四角ステッチを隠すように覆いながら縫い付けるというやり方。

間からのぞく、裏地のブルーグレー、あまり目立つものではないのですが、これをデザインとして理解してもらえるのか、それとも邪道なのか。。製作者の中ではずっと引っ掛かりがある姿でした。
なぜなら、こうしたことを隠すための「中表」だとも解釈しているからです。
ただ、「外表」だからこそ、このようなデザインにもチャレンジできたのです。

とろみ生地の特性が前面のたるみに出てしまいました。
全体にキルトをかけるべきであったかも。。→そうすると重なりが厚すぎて針が通らないという新しい課題が生まれたかもしれません。


あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.09.02からおよそ5年半後の2025.02.10にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。
ものすごぐマクロに見て、2025年の考え方としてはそもそもこのような生地はたとえ高級生地でも裏地に選びます。
そして、更に裏地であってもたるみの原因になるとろみ生地は必ずキルトをかけて固定することで2019年に表面で起こった「たるみ」などは起こらないようにしています。
そして、こうした好みが分かれる「柄物」を滅多に表地に配置しないで無地をメインに、柄はすべて裏地に持っていくという考え方に至っている現在です。
とはいえ、こうしてシルク100%の奥深い性質を知ることができたのも、バニティーを作ったからであり、作りやすい巾着型などを作っていたらこの特性には気付かずに2025年を迎えていたかもしれないのです。
そう考えると、愚かなまでのこうした失敗というのは決して蓋をしたり目を背けたり隠したりしながら見逃すものではないと思うのです。
しっかりとキャッチし教訓として残すことを決断、随分貴重な体験をさせていただいたのだと考えております(^-^)。
