プラチナネックレスやブレスのチェーンタイプの刻印が決まってPT850である理由は強度を意識した強靭さの追求である【558】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

プラチナが宝飾品によく使われ出したのは金や銀よりも比較的後。

その理由として、「金や銀よりも融点が高く、溶けにくいので敬遠されていた」というような一説があります。

しかし、ダイヤモンドとの組み合わせに、とてもマッチした地金として選定され始め、ダイヤモンドには決まってプラチナを組み合わせるというような地位を確立。

ダイヤモンドの指輪、ペンダントなどの台には、確かにプラチナ台であることが多いと思いますが、そのような経緯があったのです。

さてこのたびは、そのプラチナと一口に言っても、ジュエリーアイテムの別によって、PT900とPT850の刻印に分かれている理由を自主研究致しました。

特に、学ばせていただくことの多かった、本、「彫金-手づくりジュエリー-の技法と知識:秋山勝義・飯野一朗 著」は、ずばりその理由が書かれています。

有難く知識をしっかりと受け、さらに私の中でよく咀嚼し、体験やエピソードの事実を盛り込みながらアウトプットしてまいります。

チェーンタイプのネックレスとブレスにはPT850の刻印、リングやペンダントトップなどの動きが無い造形タイプにはPT900という分かれ方の理由

プラチナチェーンネックレスの刻印:ダルマ板にPT850の刻印が見つけられました。

まプラチナに関しては、生粋のプラチナだけでできている場合、プラチナ100%を「1000」という数字で刻印表示されています。

この生粋の材料でできたものが実際どのような状態かというと、柔らかすぎて、とても宝飾品として使うにはふさわしくないようです。

確かに、過去に、プラチナの指輪が変形しやすかったり、透かしの部分がすぐに折れたりしたのを見せてもらったりしたことがあります。

もともとプラチナ、金、銀というのは、どれも柔らかい素材なのです(ハサミで簡単に切れたりします)。

だからこそ、綺麗な装飾を形作ったりなどの融通が利くとも言えますが、その反面丈夫な素材とは言えないのです。

そんなことから、75%の純金を使って、残りの25%は、強度のある割金を加えた合金である18金(K18)とかシルバー925とか、PT900,PT850などというように、割金の力を借りて、全体を丈夫な硬いアイテムに作り上げるものだということです。

ただ、プラチナだけの100%ものジュエリーが全く存在しないわけでもありません。た

たまに、PT1000なという刻印もレアものとしてあります。

マニアにとってはとても貴重なお品としてそれも希少価値がある存在にはなるようです。

1点ペンダントトップでPT950という刻印のものがありました。

これもある意味レアです。

このペンダントトップがPT950でした。

ところで、PT900、PT850というこの差は、あまりイメージわきにくいかもしれませんが強度の上では随分大きな差のようです。

ということで、ますます、PT900、PT850の使い分けが気になっていたところでした。

そして、この使い分けの違いの理由を学びました。

PT850はPT900よりも当然硬いということになります。

純プラチナのPT1000とか、PT999などがとても柔らかいので、数字が低くなると硬くなっていきます。

PT850未満は、割金が入りすぎて、もはや天然の域を超えるということでしょうか、このPT850のラインがハイジュエリーの中では良質さの評価の基準だと見て良いでしょう。

ダルマ板がありますが、そこに刻印がPT850が打たれていることがほとんどです。

ダルマ板を使うアイテムというのがチェーン類。

ネックレス、ペンダントチェーン、ブレスです。

つまり、本にもそのことが書かれていまして、「チェーンというものは、引っ張ったりなどの圧力がとてもかかる場所であるので、柔らかいと破損に繋がるリスクが高く、硬さが求められるので、PT850がチェーンに選ばれる」ということでした。

なるほどですね。

実際にジュエリー類のアイテムを1つ1つ見たところ、ペンダントトップや、リングのような造形タイプに関しては、PT900というのがほとんどでした。

チェーンがいかに圧力がかかるようなアイテムなのだということが間接的に分かります。

また、「PT900」である理由として製造には装飾しやすいからなのではないか、かといってPT1000ではへこみや傷みが付きやすいからある一定の割金をバランスよく入れたPT900になっているのではないかと。

↑これは本には載っていなかったので私の予想でしかありません。

あとがき

プラチナはホワイトゴールドと近づけて比べるととても白いことが分かります。

K18をイエローゴールドだけでなくてホワイトゴールドにも展開していった理由というのも、「プラチナが少なくしか入手できない時代にその代用として作られたのがきっかけ」だとリフォーム屋さんが教えてくれました。

ゴールド色だけでなくシルバー色も愛用したいニーズの高まりだったのでしょうか。

今では大変人気の地金がK18WGです。

しかし、厳密にはプラチナとはやはり違います。

プラチナはとても白い、もっと暗いグレーがかった方がK18WGです。

その白さをより出していくためにK18WGには、決まってロジウムメッキという仕上げがされているものなのです。

ということで、この色の微妙な違いも、ペンダントとチェーンという近い位置にあるアイテム同士はせめて揃えたいと思ったきっかけになりました。