真っ白ワンピースに合わせる小物は第2のカラーとして方向性を位置づける役割、白に近い淡いカラーは優し気に、対極の黒は強めに映える【1127】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1つ前の【1126】の記事では、真っ黒コーデのお話をさせていただきました。

真っ黒コーデで陥りがちな、お葬式風になってしまわないようなコツなどをその小物使いや選ぶアイテムの素材自体で工夫していくというお話でした。

今度は、その真逆の色にも注目してみたいと思いました。

真っ白コーデです。

真っ白とは言え、少し色の入った、アイボリー・クリーム・オフ白・オフベージュといったような色全般をざっくりとここでは白の括りにさせていただき、真っ白コーデは上下とも組み合わせが白無地である場合で考えます。

真っ白コーデを優しく表現する白寄りの小物使いからグラデーションのようにコントラスト強めへ向かう差し色、モノトーンのままであることは変わりない

白といっても様々な白っぽさがありますが、「オフカラー」というような広い範囲の括りで考えます。
ベージュ色の小物を配置した:この優しい肌色カラーは多くの方に好まれている合わせ方ではないかと。
グレージュ色の小物を配置した:優しい無彩色を表現してくれる落ち着いた合わせ方ではないかと。
ねずみ色グレーの小物を配置した:こちらも濃淡が同じトーンであるところが親しみやすいのではないかと。
上の2例のミックス:3色目のカラーが登場、必ずしも小物をすべて同じカラーに統一する必要はないかと。
カーキ茶色の小物を配置した:チョコ茶との差別化ではクールでかっこよくまとまるのではないかと。
黒色の小物を配置した:一番コントラストが強いです。ここ近年ロックっぽいこの組み合わせに注目しています。

あとがき

「Q:なぜ赤やパープルが入っていないの?」に対しては、「A:かっこよさを追求したからです」と答えたい。。

白に綺麗な色を加えると全体がぼやけ優しくなります。

あえて、「かっこよさ・クール」さをこの度は追求しまして、結果モノトーン調ばかりをご提案致しました。

こうして考えていくと、黒と同じで、白が結構極限の色であることを実感します。

何1つ「正解」ということはないことがファッションの自由度です。

こんな風にお手持ちの難しいアイテムの活用方法をイメージして、是非活躍の機会の多い楽しめるお洋服に育て上げていって下さいませ(^-^)。

同じ「フクレジャガード」という名前のニットと織物、表地と裏地それぞれに配した異色コンビでもあり類似コンビでもある巾着袋【1094】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2022年は、過去の在庫生地の一掃を目指し、半分を製作、半分を生地売りということで消化しています。

生地売り活動も初めて体験したのですが、得られる情報やフィードバックがなかなか豊富であり興味深いです。

到底追いつかない製作をあきらめ、他の方へ委ねたとも言えます、ご購入して下さった方、ありがとうございます。

製作の方は、残布を残さぬよう、生地のサイズに合わせてめいっぱい使用していくスタンスで、巾着袋のサイズを「大・中・小・ミニ」と決めました。

現在は時が経過し、大きめサイズはほとんどなくなり、残るは小さめのサイズ用生地となっています。

コンパクトなサイズの「小」でもマチが15cmとボリュームある貫禄のあるサイズ感。

このたびは、共通のネーミングで表示されていた「フクレジャガード」を織物とニットで組み合わせて1つの巾着袋に作り上げました。

「丸みがある」ことを共通にした組み合わせが類似、ニットと織物で異になったコンビの巾着袋が1点物らしさを高める

<表地:黒xモカ>フクレジャカードニット、アクリル/69%、毛/12%、ナイロン/6%、ポリウレタン/1%、残り12%不明、日本製。
<裏地:黒>フクレジャガード、ポリエステル/100%、日本製。表地と同じ名前なのですが、織物です。

卵のようなジャガード柄はややクセがあり少し敬遠しがちではあるのですが、表地の可愛さたっぷりに対して大人っぽさみたいなバランスを取ってくれているのかも。。

「インテリア収納袋:小」:<サイズ>縦22cmx横19/34cmxマチ15cm。
表地と裏地を一緒に使う際には、ニット芯を両方に共通して貼る方が縫い糸の糸調子が安定するような。。

実は、両方に織芯を貼ってしまいましたこのたび。

横伸びの柔軟性に少し欠けることで、糸がピンと張ったように感じてしまいます。

糸は得にナイロン糸などを使わずしても、接着芯で融通が利くように本来はなると思うのです。

この点は反省でした。

ニット生地に対しては、にニット芯を貼るのが「マスト」という確固たる証明として、この感覚を忘れないでいたいと思います。

あとがき

「フクレジャガード」はまだまだニッチな素材。

このたびの表地も結構な高級品の部類です、@¥2,400/mくらいでしたから。。

もともと調達が少なかったために「小」でしたが、もし機会があればこうしたやわらかな癒されるような質感は、リュックなどの背負いながら肌に触れるようなバッグにも有効的だと思います。

ニット生地のふんわりした巾着型との相性は間違いなくこのたびの巾着袋で証明されたと思います(^-^)。

目に映る色がぼやけるグレンチェック、色物と合わせずにしっとりと黒で仕上げることこそが柄が主役として活きる秘訣である【234】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

先染め、後染め、という言葉があります。

先染めは、織布する前の糸の段階で、色が付けられていく染め方、後染めは生地の土台が出来上がってから染色をほどこす手法です。

柄物では、ジャカードとプリントの違いも似ています。

このたびは、先染めがほとんどで、千鳥柄を中心とした織柄が格子状にデザインされた「グレンチェック」という種類の先染めチェックについて、その起源と素敵に決まるコーデを考えていきたいと思います。

「グレンチェック」という柄の起源

グレンチェックは今や、有名で人気の柄です。

しかし、その複雑な織り交じりから、柄をじっくり見たことなどあまりないのでは。。

ぱっと見て、あ、グレンチェックだというようなマークのような感じの見方ですよね。

ですから、ここで一度より奥深くグレンチェックの柄というものを見ていきましょう。

時々参考に見ることがある、2冊の貴重な本があります。

まずは「洋服地の事典-サンプル生地つき-関西衣生活研究会-:田中道一著」。

実際に生地サンプルが現物として貼ってある昭和時代の貴重な教材用のテキストのような事典です。

もう1冊は、「服地の基本がわかるテキスタイル事典:閏間正雄 監修」です。

厚みのある本で、アパレル業界の人の多くがこれを持っているのではないかと想像します。

グレンチェックは、格子やストライプの組合せで混合して作られた1つの大柄なのだということです。

発祥の地としては、スコットランドということなので、高緯度の寒い地方であることから、主に冬にウール素材でグレンチェックは使われることが多かったのかな。

さて、グレンチェックの生地をバッグの裏地用に持っていたので広げてみました。

グレンチェックの柄の構造をここでじっくりご覧くださいませ↓。

紺白グレンチェック:レーヨン混。原産国不明。・・・薄手素材です。

紺色が濃紺過ぎて、黒とほとんど違いが分かりませんが、黒の色の洋服と比べると間違いなく紺です。

かつてのスコットランドで生まれたグレンチェックはこんな感じの紺ベースだったとのこと。

黒ベースではなかったことかが意外です。

黒白グレンチェック:先染めリネン、麻/100%、日本製。・・やや肉厚な素材です。

パートごとにじっくり眺めますと、千鳥や細かいストライプが集まっています。

グレンチェックの構造は、「千鳥とストライプの混合」なのだということです。

これらのような典型的なグレンチェックの柄がオリジナルっぽい織柄です。

しかし、グレンチェックは主に何十種類以上もあるとのこと。

むしろ上のような典型的なタイプはレアで、飾りっ気が入ったタイプのグレンチェックの方がよく見かけると思います。

間にもう1本の線が入ったり、カラーべースの場合にコントラストの効いた色のついた線が入ったりしているタイプが多いです。

下の2つのグレンチェックを見比べてみてくださいませ。

典型的なグレンチェックとペンシル格子入りとの見かけの違い

生地だけ見ると右側の方が目にはクリアに映るかもしれません。

加えられたペンシル格子の色が地と同じ黒であっても、はっきりと目に映るのですね。

洋服になった状態でよく見かけるのは断然このペンシル格子入りの方です。

典型的な柄の方はメンズのスーツ地で見られることが多いのかなと。。

グレンチェックの柄を見る機会があったらこんな風に構造を見てみてください。

とても楽しく見ることができると思います。

グレンチェック柄が素敵に映えるお勧めの洋服コーデ

好みは、メンズライクな典型的なグレンチェック柄の前者の方。

余分な色や柄を加えていない最小限な色合いがとても粋。

ただ、とても粋だとはいえどもコーデにおいては欠点があるのです。

どうしても、先ほども少し触れていますように全体がぼやけるのです。

その理由がにぎやかなストライプと千鳥が入り混じった複雑な柄にあると思います。

ここがコーデのキーになります。

合わせる色を、強いシャープな色でしめることでグレンチェックを引き立たせることです。

黒x白の典型的なグレンチェック柄に一番合う色は黒。

そして、その黒のアイテムも出来るだけ平凡なシンプルなものがよく、それによってグレンチェックという柄が主人公のごとく引き立ち輝くのです。

さて、コーデする時に、グレンチェックをボトムにもって着た時に合わせるトップスについてです。

フリルなどの装飾はない方がよく、またブラウスやシャツやTシャツなどの素材よりも、やわらかなセーター類の方がグレンチェックの相手には向いているよう。

しかも色は黒以外にベストな色が無いです。

そして、これも大切なことだと思うのですが、グレンチェック自体も、洋服になる時にできるだけ当たり前の平凡な形が良いです。

当たり前の形のスラックス、タイトスカートなど丸みのあるラインの少ないボックス型のイメージが強い方が、グレンチェックの格子型にうまくなじみ粋になると考えます。

丸みのあるラインを作ろうと、フリルなどで生地をぺたんこから立体的にすると、どうしてもグレンチェックの美しい柄がとぎれます。

やはり、グレンチェックという柄をのびのびと存分に見栄えさせ生かしてあげなければなりません。

では、今一度グレンチェックをおしゃれにシックに着こなすお勧めのコツをまとめます。

①相手を黒のシンプルなセーターのようなやわらかな素材のアイテムに合わせる。

②グレンチェックのアイテムは平凡な形で、しかも四角を意識した形がカッコいい。

グレンチェックがトップスやアウターに来る場合

グレンチェックのジャケット:「ジョルジオアルマーニ」。毛/100%。色はモカグレー。

こちらも、一瞬黒x白に見えますが、モカグレーのような色目で印象がソフトです。

よって、このモカグレーのグレンチェックには、ボトムにグレーのジーンズがトーンの相性が良いです。

全体に黒白を落としたようなイメージです。

こちらも色はモカグレーにマイルドになっていますがペンシル格子無しの典型的な方です。

グレンチェックと言ったら、こちらのタイプがどうしても好みなのです(^_^;)。

あとがき

グレンチェックという柄の魅力は、何と言っても上品なところ。

同じチェックのタータンチェックだと覚悟してそのお洋服を着るような緊張感がありますが、ぼんやりしている柄であるグレンチェックは親しみやすい柄です。

ちゃんと良きパートナーの「黒」がありますし今後も、おしゃれな定番柄として好まれ続けていくのではないかと思います。

ジェントルマンであるイメージのグレンチェック。

きちんとトラディショナルに着る方のがやはり一番だと思います。

この柄を着崩そうと丸いラインを入れたり、カジュアルに寄せるのは何かがそれをとどまらせるような反対のパワーを感じてしまいます。

「チェック柄でしかありえなかった姿」というこのグレンチェックの「縛られた条件」がその装い方の一番を決めていくような気がします。

やはり王道はセンターライン入りのスラックスだと思います。

グレンチェックの生地に出会った時には是非その織柄の構造をじっくりと眺めてみて下さいませ(^-^)。

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