生地製造業者様にお願いしたい3つの表示、判断が難しい「混率」「織り名」「原産国」を川下付近のハンドメイド製作者は待っている【1096】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまで、バッグを製作するにあたり、メイン材料である生地をいろいろな生地屋様にお世話になってきました。

多くの生地屋様があるとはいえ、同じ生地でもお得であったり、素敵な生地があったりするメリットなどで、贔屓の生地様ができるものです。

このたびは、生地屋様の「生地情報」が非常に大切であるということを綴りたいと思います。

実際のところ、元の製造業者様から遠ざかるにつれて生地名が曖昧になっている様子をネットでよく拝見しています。

それぞれの生地は必ず他の生地との差別化が本来あるはずなのです。

最もベーシックに情報として求める3つをお伝えし、この思いが届くことを願っております。

末端まで届いてほしい!「混率」「織り名」「原産国」は製造業者様しか分からないことが多いからこそ最も重要な生地情報である

論外なのは、生地情報が何もない生地です。

商業利用が可能であるかさえ分からない、原産国も何も表示がない、ただ生地だけを販売してみえる生地屋様は、たとえどれだけ人気があろうとも購入しないと決めています。

もしかして、すべてをフラットな目線で見てほしいからこその意図的な表明なのかもしれませんが、その考え方はかなり偏っていると思います。

「知る情報を購入者に生地と共に並行して伝える」ということが行われていないと見るからです。

一番にお客様のことを思ったやり方こそ、実直にすべてをそのまま伝達することだと、何度考えてもそう思うのです。

生地の情報の中では、専門的には、「生地幅」「密度」「打ち込み本数」「ニットゲージ」などもデータとしてはあると思います。

しかし、これらは、視覚的に判断が可能な範囲なのでハンドメイド製作にはそこまで重視するところではありません。

生地幅は、確かに事前に裁断のイメージが浮かぶ点ではマストですが、ものさしや巻き尺を持ち歩いて実際の店舗で計らせていただけるのであれば究極視覚的に分かる範囲に入っていきます。

現実的には、必ず示されていることが多い生地幅は非常に有難いので続行で申し分のない現状だと思います、ありがとうございます<m(__)m>。

そして、「混率」「織り名」「原産国」の3項目こそ情報としては非常に大切なことになります。

生地を使ったハンドメイド製作者がより良き製作品に仕上げられることに伴うこれらの情報がより品物を高めてくれるのだと理解していただきたいのです。

あとがき

情報が親切な生地を購入したことで、情報が親切な商品を販売できるということに連鎖していくことをイメージしてみてくださいませ。

そうしますと、信頼できる生地屋様で継続して購入したいと思うわけで、情報表示のない生地屋様は、有名であってもどうしても難しいのです。

こういったことから、一人の力ではなくたくさんのお力添えのもと製作品が出来ているという現実を、まずはバッグ製造者として有難く受け止めることを忘れてはいけないと思っております。

そして、「お互い様」という言葉のように、製作品になっていくことで提供していただいた材料についても、惜しみないアウトプットを是非お願いできればと思うのです<m(__)m>。

どんな糸の種類やどんな配分がおしゃれな生地を構成するのか、生地1枚の立体感や美しさの正体を品質表示から読み解く【197】

アイキャッチ画像197

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを事業スタイルで開始しました当初、バッグには品質表示を付ける決まりなのかどうかを「消費者庁」様に問合せしたことがありました。

結果は、「法律としては衣服には必要だが、バッグには必要が無い」とのこと。

「ただ、消費者に対して情報をお伝えしてあげる意識を持ってほしい、下げ札なのでお知らせしてあげてください」とのことでした。

それ以来、完成したバッグの説明欄とご購入いただいた際に「しおり風下げ札」としてお伝えしています。

このたびは、この「混率」に目を向けてみます。

美しい生地をたくさんバッグにも取り扱いをさせていただきましたこれまで。

その生地の美しさは、どんな糸の種類がどんな構造で、そしてどんな配分で作られたのかを読み解く回とさせていただきます。

今後バッグ製造の生地調達の際に、パッと見だけにとどまらず、生地情報の中の「混率」にも目を向ける意識していただくことをお勧めしたいと思います。

製作のためにお世話になった生地に対しての敬意や理解のためです。

生地の混率表示で分かる、シンプルな混率でも凹凸感がある生地・複雑な糸が絡み合って絵画のように彩られている生地

混率が複数に渡りミックスされた美しい生地:モノトーンなのにこのバラエティー豊かなカラーの濃淡がお見事。
優し気なぼかしが作るオフカラーの濃淡:ベージュやグレーの糸が混じって穴空きの柄と共に味わい深い生地。

以上は、混率が複数に渡ることがその見かけの濃淡に表れている生地でした。

一方、1種のみの混率なのに凹凸感がある美しい生地もありました↓。

糸の濃淡2種が組み合わされた市松柄ジャガード:セルヴィッチデニムの濃紺と白の糸の組み合わせと同じ考え方。

この生地の場合は、グレー色でしたが同じような市松柄はセルヴィッチデニムでも可能なのか。。と想像するところです。

柄入りのセルヴィッチデニムが生まれると非常に新しい展開だと想像しワクワクします。

混率が1つの読み解き:2種の素材のコンビだと映りますが、1種のみの生地であるということでしょうか。

毛足も一体化した元生地を柄デザインに刈り取った姿というような加工なのかもしれないと想像しました。

想像なので本当のことは分かりませんが、もしかしてパイルも基布も一体化した元は1種の同じ糸ということなのでしょうか。

下に貼りますYouTube動画内の時点では、基布がポリエステル/100%で柄の部分もたまたまポリエステル/100%だったと解説していますが上述の1種のみが正解なのではないかと考え直しました。

2種の生地が別物であることを表現:生地と柄が全く別の素材であることでこのように記載されます「分離表示」。
糸の種類別の質量の割合:上のフロッキー生地と見た目の構造が似ていますが、混率表現の仕方は「全体表示」。

オフの部分はカツラギにそっくりな硬いごわついた素材、オフが綿/100%、黒が絹/100%なのではないかと想像します。

ツヤのあるエレガントさの正体の1つはレーヨン:イタリア製のジャガードではよく登場するのが「ビスコース」。

日本では、「レーヨン」で表現されることがほとんど。

「ビスコース」=「レーヨン」と考えて良いみたいです。

ナイロンの役割を感じる:脆く崩れそうな風通ジャガードの場合にもよくナイロンが登場している様子。

ナイロンはかなり重要な役割を果たしているかと。。綿/100%のみよりもツヤがあり、ハリコシが高まっていると感じます。

マルチフラワーの複雑な混率:わずか10%の綿はいったいどこに使われているのか。。こんな風に照らし合わせ。

ビスコースは、再生繊維(ビスコース)という表現ではなくても良いのでしょうか。。生地屋様そのままの表示をそのまま引用させていただいております。

あとがき

2018年から徹底してまいりましたのが「生地情報」の記録メモ。

生地屋様に許可をいただき、生地購入時にタグと本体の一部を同時に「パシャリ」と写メでひかえさせていただいているのです。

過去のバッグ製作の使用生地の混率はすべて、ブログ投稿内に記録として残っています。

そもそも、バッグ作りは二次創作です。

必ず元は材料である生地や附属品があってこそ作り上げられる製造物、このことを決して忘れずに、常に敬意を持って今後も利用させていただきたいと思います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク