少しの改良であっても良質なバッグへの小さな一歩、タブを2cm長くした改良の手ごたえ【359】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、最後に底板を残してとりあえずバッグ本体が完成。

「テリーヌ」というビジネスバッグです。

このデザインは、かつて2時間ほどの外回り仕事のあった経理部時代の書類の提出と受け取りの貿易のお仕事の時に持っていたバッグからの着想です。

実際にお仕事で使った者が実際に作るというこの説得力は有難いご縁であったとしっかりとお伝えしていくべき役割を感じております。

このたびは、より良質なバッグへと改良するほんの少しの寸法の変更でどれだけの効果があるのかの手ごたえをお伝えしたいと思いまして、同時におおわくの完成の姿をご覧いただけます。

タブの型紙を2cmだけ長くしたことによる効果をどう感じたのか

今までは縦の長さが7.5cmでしたが10cmにしました。

理由はバランスと使い勝手の追求からです。

縦10cm横7.5cmのパーツでファスナーつまみタブを作ります。

上下は縫い代を隠すための1cm強のアイロンの折り目。そして、観音開きにアイロンで事前に折り目を付けます。
このようにサイドを折った縁2mm程度の箇所にステッチを返し縫い無しですーっと入れます。
次に、仕上げのステッチ。先ほど仮縫いした縫い線の上をたどるように2列ステッチします。
ミシンをかけた側から見た様子。結び目を内側に引っ込めているのに、外へツンと飛び出してしまいます。

この飛び出しの解消は今後の課題であり、内側へ玉止めを隠す良き方法を考えていきます。

2つに折って、あらかじめ重なりの仮縫いのようなステッチをこちらも返し縫い無しで入れます。

ナイロンは目が詰まっていて、下糸がモソモソと引っかかることがとても多いです。

そして、口布に2度縫いx2列で縫い付けます。2列の意味は、1点への力の集中を分散するためです。

実は、タブを長くした理由にこの2列にする案が関係していました。

つまむところが前のままでありながら2列にするには、寸法を増やすということに至ったのでした。

中を広げた時に思わず気持ちがほころぶ美しい内装の黒ナイロンバッグの完成

黒の内部にこんなマルチカラーの小花柄が広がっているというギャップがあります。

このアイデアは、いくつかの展開が見込め、裏地の柄を変えてそれぞれの1点物志向が実現。

その他、黒の「ナイロンオックス」の表地も「ナイロンタッサー」などの織柄の違うタイプでチャレンジしてみてその違いを知るという体験ができます。

あとがき

この後、底板を設置して完成となりますが、完成の記事の投稿はこの度のお写真で終わりたいと思います。

このたび、裏地に利用させていただきました生地は、購入の生地屋様のサイトでは、「レジ袋」としてそのサンプルのお写真がご紹介されていました。

バッグの中にたたんで収納しておいて実際に素敵に使えそうで、とても素敵でした。

こうして、製造者によって同じ生地でも発想が変わるものです。

ということは、数少ない撥水のプリント柄生地を何とか豊富な展開にしていくためには。。

ということの1つとして、表地が同じでも裏地が違うのだという差別化も1つのアイデアになります。

巷では溢れかえっている黒のナイロンバッグ。

大きな流れの「流行」としてはだいぶ黒のナイロンバッグも広く知れ渡った昨今、この後の差別化をどうしていくのかというところが課題です。

とはいえ、黒のナイロンはやはり使いやすく永久不滅の素材だと思っています。

上手く活かすも、ただの流行だけのものとなって飽きられてしまうのも製造者の活かし方次第です(^-^)。

バッグの支柱をまっすぐに縫い付けるためには印を生地に書いてしまう方が良い、その上に端っこをかぶせ印を覆うやり方【356】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、「テリーヌ」という名前のお仕事バッグを製作中です。

メンズのブリーフケースからの着想で、メンズライクな形、これをナイロンの撥水加工生地で作っています。

このたびは、支柱を縫い付ける時にまっすぐになることがポイントであるということから、印付けの大切さをお伝えしてまいりたいと思います。

待ち針が大切、そして時には書いてしまうほどのはっきりした印付けも重要

出来上がった支柱をこのチャコの白色ではっきりと書いた印にうまくかぶせていきます。

この印が幅のある支柱の左端です。

ここでお詫びなのですが、以前は、支柱の真ん中に印が来るようにしていたのですが、非常に見にくく、正確にできないので、左端ぎりぎりに変えました。

よって、後で貼りますYouTubeも真ん中の時のもので食い違いますが、その後の見直しで「外側の端っこが印と合致」が最も確実だということになりました<m(__)m>。

最初にサイドから9cmの位置に印をします。上の方は取っ手が縫われている部分だけです。
左右とも印を付けたら、待ち針をこんな風に横向きにして、底の部分を一番最初に留めます。

ここをまず固定してすべてが始まります。

一番下の次は一番上がよいでしょう。
そして、本体の上辺から6.5cmの位置に横向きに印的な待ち針を打ちます。まっすぐ横向きというのがポイント。

これを中心として上下1cmずつの位置に返し縫いのステッチで固定するのでこの待ち針自体が印の役割です。

そして、中間地点のぶらぶらした不安定さをこのど真ん中の待ち針で1か所固定。

そして、ミシンで縫い付けていきます。

今回は、ミシンの縫い付け場面は省略です。またの機会に縫う順番などのご紹介を致しますね。

隠しポケットの設置は支柱縫い付け後の方が良いと後で気づく

ポケットが付く方の面は、先に隠しポケットを設置していましたが、これは後の方が良いです。
裏面の様子:ポケットの袋の縫い代をを中途半端に縫い付けることがなく袋が独立しています。

バッグになってしまうとなかなか見れない場面ですので、こういった裏側の様子は貴重です。

待ち針を横向きにした上下1cmずつの箇所の返し縫いのステッチの出来上がりの様子。綺麗に出来ました。
下の方の様子:ここでバッグの中身を「よいしょ」と持ち上げるので支柱はとても重要。

あとがき

実際のお仕事の場面では、このたびの支柱の間の細長いポケットはスマホ入れに適していると考えています。

スマホにキズが付かないようあえてファスナーなどは付けず、その代わりこぼれ落ちにくいように比翼仕立てでひさしが守ってくれるのです。

ただの黒いバッグだからこそ、特徴や差別化で勝負するという良き勉強になっているところです(^-^)。

数ある黒のナイロンバッグの中からひときわ魅力的な光を放つバッグにするためには。。を追求した黒のビジネスバッグ【347】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび1点のハンドメイドバッグが完成致しました。

名前は「テリーヌ」。

内側に柄が鮮やかに広がるビジネスシーンをイメージしたバッグです。

数ある溢れんばかりの黒のナイロンバッグの中で、どのような存在になっていくのか、どういった点が差別化なのかなどのお話を中心に綴りたいと思います。

黒と赤色タータンチェックのコンビが王道で美しい、ビジネスシーンを硬いものから笑顔が広がる楽しい瞬間へ

「テリーヌ」:<サイズ>縦29cmx横36cmxマチ10cm。こちらが実は正面。
リュック用のDカン:リュックを背負う場面が出てきた場合に備えたオプション的な設置の仕方、
内側の様子:出来上がりだと写真が写しにくいので途中段階の写真を掲載してみました。チェック柄が華やか。

もし、多くの黒のナイロンバッグにこの「テリーヌ」が埋もれていたら。。を想定してみました。

見てもらった時に目につくパッと見の特徴あるヶ所をまずはご説明したいと思います。

・リュックになるDカンの設置

リュックのショルダーまでは取り付けていなくても、リュックとして使いたい場合、例えば、自転車での外回りとか電車に乗って遠方まで出向く場合などは、背負う方が安全です。

このDカンの存在で、その後のアレンジでショルダーを付けることを想定でき、使い方の広がりを実現しやすい準備をさせていただいております。

Dカンの設置:もしこれがなければ、リュック仕様にしたいと思った時に大幅なリフォームになってしまいます。

・内側に広がる赤のタータンチェック

無表情で硬めなビジネスシーン、バッグをオープンした時に広がる鮮やかで楽しい柄。

内側にひっそりと笑顔になるきっかけを仕込みました。

・頑丈でセキュリティー性の高い内ポケットと出し入れにストレスの少ない柔軟性のある外ポケット

ポケットも時に、出し入れにストレスを感じることがあります。

頑丈に保護することだけが良いわけではないのだと思ったことがあります。

というわけで、外側に付けるポケットは、仕事中に携帯電話が取り出しやすいように外ポケットに細長い隠しポケットを設置。

携帯電話を入れる入り口にファスナーでは、かえって電話に傷を付けてしまう原因に。。

外ポケット:スマホが入るよう、ポケットが縦長の袋になっています。

スムーズに携帯電話が出し入れできるバランスはこれだと思いました。

その代わり、比翼的な型玉縁風の入り口の作りになって丸見えではない構造にしたことと、携帯電話がこぼれにくい状態を作っています。

内側の隠しポケットは、内側にあることもあり一番重要な物を入れますので、ファスナーをきちんと閉め、完全密封を徹底しています。

内側のポケット:ファスナーでシャットアウトし、中身を護衛。ファスナー周りやポケットの内袋も2重縫い。

・支柱の縫い付けが二重

支柱は、途中でそのまま取っ手になりまた支柱になる1本の長い生地を逆Uの字に縫い付けています。

途中でつぎはぎしていることはありません。

この支柱が重いものを外側からよいしょっと持ち上げる役割があるので、書類がたくさん入っていたり、少々重いパソコンが入っていても安心。

30番の太く頑丈な糸で二度縫いを徹底しています。

・リムーバルの底板の設置

底板がないと底が沈んで不格好であるとともに不安です。

底板が付くとびっくりするくらい底が水平。

本来、内側に内蔵してしまいたいのですが、それが可能なのはトート型のみです。

こういったデザインでは底部分で布の端が重なり合っていますので、1枚の板を入れ込むことが不可能。

そうするとリムーバブルな底板を最後に置くような形で設置することになります。

底板ベルポーレン(割れない強靭なプラスチック製のもの)に裏地でなじむように包み込んだ8角形の底板です。

8角形の底板カバー:四角デザインから変更。角を削り余分をそぎ落とした結果です。底に沿いやすくなりました。

・ふんわり心地よい持ち心地の取っ手

取っ手は支柱からずっと続いていますので、支柱全体ということになりますが、この全体にソフト厚芯を入れ込んでいます。

ソフト厚芯を入れる/入れないの実験でかなりの持ち心地の違いが確認できています。

ステッチの間にぷっくり膨らんだふんわり感を見ていただけるかと思いますが、持った時大変気持ちがよく持てるのです。

心地良さは2つで成り立つ:ソフト厚芯+ステッチ。

以上が、数多い黒のナイロンバッグの中での「テリーヌ」の存在感になる部分でした。

山のように積み上げられた同じ黒のナイロンバッグの中からこのバッグが選ばれる確率を高めた改良とたゆまぬ努力の結果です。

あとがき

その後の展開としましては、この黒の「ナイロンオックスはっ水加工」という生地が共通でも裏地を変えることで1点ずつの違いが表現できます。

ナイロンのはっ水生地はそれほど無限に種類があるわけでもなく、限られています。

そうすると変えていくと効果的なところは裏地だと思ったのです。

ところが、裏地に相応しいようなナイロンの柄物がとても少ないのも現状なのです。

ここを生地屋様にお願いしたいのが増やしてほしいという希望です。

そんな中でなんとか見つけた他の柄物の素敵な裏地もございまして、今後作った場合にはブログ記事にてお伝えしてまいりますね(^-^)。