花柄だけが美しいとは限らない、抽象柄のパープル系マルチカラーのシルク紬の神秘的な美しさを巾着袋でお伝えしたい【1083】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ただいま、過去のストック生地の一掃企画ということで、インテリア収納袋を短い時間で製作しています。

短い時間とは言え、裏地付きの巾着袋であり、しっかりと丁寧なお仕立てをした上でのスピードということになります。

多くを花柄で占めているのですが、このたびは、「抽象柄」の素敵さをお伝えできればと思います。

巾着袋には向いているしなやかながら強靭さも持ち備えた「シルク紬」です。

生地は高級であり、素敵ですので、柄違いや色違いでその他2種ほど別でも製作しています。

「シルク紬」のようなとろんとしながらも強靭さを持つ生地は巾着袋のようなふんわりしたデザインに落とし込むのが正解

インテリア収納袋(小):<サイズ>縦22cmx横19/34cmxマチ15cm。

モヤモヤした柄で、黒ベースでパープルの濃淡が非常に美しいです。

なかなかの高級品であり、たやすく巾着袋にしてしまっていることに多少ためらいもありますが、かえってよくある巾着袋との差別化になるかもしれません。

<表地:黒xパープル系マルチカラー抽象柄>シルク紬(つむぎ)プリント、絹/100%、日本製。

花柄の時は迷わず「すずらん型」のループエンドを選びましたが、抽象柄では少し変化をつけまして、コイル型のプレーンタイプにしてみました。

コイル型の彫りと「シルク紬」の節の相性が非常に良いと新たな発見も、こうして「いつものやつ」をそのまま使わず、気持ちを一新したことの良き結果です。

<裏地:シルバーグレー>ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。

1つ学びがあったのでお伝えしまして、最後に他の「シルク紬」の製作品もお写真をアップしたいと思います。

こうして、本来表になる面を今一度ひっくり返して、内側にしながら柄の方へステッチするやり方をしました。

こうして、器のようにかけることが見やすくて綺麗にステッチができる向きだと分かります。

そのままの状態だと裏地側が上糸側になりますので、表面を上糸側にしたかったからひっくり返してこの体勢で縫ったのです。

この時に、縦に待ち針を均等に打ち固定してステッチをかけていく方が皺やタックが寄りにくいです。

さらに、巾着ホール周辺のコの字の下の線に重ねてスタートすると出来上がりが綺麗。

では、同じ「シルク紬」の他の製作品です↓。

柄違いの2点:2点同士は同じ花柄の色違いになります。バニティーバッグはとろんとし過ぎ型の選択ミスの過去。

あとがき

抽象柄のかっこ良さを教えてくれた生地でした。

マルチカラーだからこそ華やかになっているとも言えます。

結構早い時期に最初のバニティー型を作ってしまい、とろんとして失敗していたのでしばらくこの生地に手をつけなかったこれまで。

やっとここで、ふんわりとしたデザインが「シルク紬」にはお似合いだと確信。

生地とデザインとの相性の重要さも出来上がりの100%の素敵さには非常に重要な事なのです(^-^)。

大きく口が開くがま口タイプバッグ、サイドからの物こぼれ防止パーツの設置のスタイリッシュさの追求【327】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

昨年末から製作を持ち越しました4点を今年2021年の頭で完成させていきます。

その4点中1点の「おにぎり」というデザインの製作です。

これは過去に作った、初期の頃の「おにぎり」。サイドのファスナーが下の方まで来ています。

こんな形をもっとサイズを変えて改良したものになるのですが、がま口タイプと呼ばれるデザインです。

口がぱっかりとよく開いて、物が取り出しやすいメリットがあるものの、物がこぼれやすい対策もしてあげねばなりません。

この辺りはつくづくバランスの大切さを学ぶところ。

このたびは、ファスナーが途中で止まるような細長いタブを取り付けるというアイデアを持ってファスナーにタブを取り付けるところまでの場面です。

完成は後の記事にアップとなりますが、とても重要な箇所だと思います。

大きく口が開くタイプのバッグのデメリットの解消策

とても中身が見やすいので、物を探すストレスが少ない一方で、ファスナーをフルに開け過ぎる場合物がこぼれる心配が出てきます。

そこで、両開きのファスナーで下の方まで開けすぎないように挑むのですが、それにしても、開け過ぎないようにとの注意をする必要がユーザーに委ねられます。

そういったところが余計な気を使わせてしまい、製造側が事前にストッパー的な役割を機能として設置してあげた方が断然良いという考えに至りました。

要するに、ファスナーが下の方まで開きすぎるから物がこぼれるわけなので、もっと上の方で止まるように強制的にせき止めてしまったらどうかという案です。

かといってせっかく中が見やすいという大口型なので、メリットは損ねぬようその塩梅はしっかり調整せねばなりません。

ロングファスナータブの製作、綺麗に本体に馴染むようなデザインの考案

ファスナーの先にちょんと小さいタブを付けていただけの今まででしたが、それを10cm程度のロングタブに変えました。

さらに、開閉時に、バッグの本体の一部分を引っ張ってバッグが変形せぬよう、引っ張る時のタブも同時にセットで取り付けるという機能を考えてみました。

今まで短かったファスナータブをロングにしたタブを取り付けます。

こんな風に包みこんで、ボックス型に縁を縫い付けるといった作り方です。

ファスナーの両端をこのように完成。プチタブを内側に挟み込む箇所は、丈夫に3度がけのステッチを施します。

このたびは、ここまでです。

これを本体パーツにいかに馴染ませるかなのですが、それは次回の組み立ての際の課題になると思います。

あとがき

完成まで一歩近づきました。

初のおにぎりの完成型が出来上がります。

このがま口タイプは、ハンドメイドバッグではほとんど作られているのを見たことがありません。

ハイブランドのレザー製のバッグで見かけるデザインです。

そもそもフォルムが縫いやすくスタイリッシュに出来上がるという2つを徹底的に研究しつくされているのがハイブランド様。

型紙が分からなかったため、明らかに間違ったラインで型紙を作ってしまった過去があります。

その後は、試行錯誤で型紙を直し、物理的にはやや複雑なこのモデルを完成させようとしているのです。

ここで思うのは、ハイブランド様のバッグのデザインにあこがれたところに問題があったと思います。

そのブランド様しか知らない型紙の詳細をぱっと見で到底同じように真似ることの難しさです。

この完成を機に、本当の自分の中からあふれた形の型紙を考案することが望ましいと思いました。

いわゆる「真似」の限界を見た気がします。

一番最初に発案したハイブランド様は、その後の追従をはねのけるほどのダントツな「デザイン」を生み出している、これが誰も追いつくことができない「すごさ」だと思います。

次の【328】の記事が完成です。

お楽しみにどうぞ(^-^)。

夜景のようなシーンのジャガード生地で作ったボストンリュックのフォルムがまるで「かまぼこ」のようだった【300】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2020年は年間を通して、マルチカラーを含む色使いが豊富な素材に挑んでまいりました。

色使いが豊富ということは同時に糸が豊富でることが織り糸で紡がれるジャガードの事情、当然高級なものになっています。

この度の生地もイタリア製の華やかな色合いのもので高級生地の部類に入ると思います。

もっと腕が上がってから高級生地に行こうとぼんやり思っていたのですが、早めに一歩を踏み出してしまったためにもう予定よりかなり前倒しで技術アップとの同時進行を始めてしまいました。

良かったのか悪かったのか、それでも思い描いたことがあるなら早く着手するに越したことはないかと。

良い悪い関係なく手ごたえや結果は早く分かった方が、その後のスピーディーな前進や発展につながると思っております。

生地のおかげもあり合格ラインで完成できたミニボストンリュック

<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ9cm・・・表地:ジャカード、ポリエステル/100%、イタリア製。

このフォルム通り、「かまぼこ」という名前を付けています。

カーブのラインも結構満足なものにできました。

心配した底の重なる部分もOK、無事縫えました。

本格的なゴブラン織は非常に厳しく、以前縫えなかったという結果があったのですが、今回の場合ゴブラン程の厚みではない厚み具合が程良く、丈夫さも感じられるようなジャカード生地だったのがとてもラッキーだったのです。

裏地:ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。
ショルダーにもハード薄芯が入りハリコシのあるものになりました。このショルダーは裏地を使いました。

色の偏ったマルチカラーについて

今回の生地もそうなのですが、一応マルチカラーとなっています。

主に4色の色が入っていて、ロイヤルブルー、レモン色、薄ピンク、グリーン。

裏地やショルダーのグリーンは実は表地の中にわずかな面積で入っている部分。

こういった色というのはマルチカラーでも色が偏っているので、「青色系」ととらえられます。

なかなか色とりどりのマルチカラーというものを見つけることは困難で、〇〇系という色の偏りがあるものです。

マルチカラーの定義は3色以上ですので。。

あとがき

おそらく、この度の生地は、巾着などの形だと絞り切れない悩みもあると思います。

ボストンバッグのような硬めが向くデザインと巾着のような絞って融通の利く柔らかめが向くデザインとは対極にあり、それに伴いマッチする生地も対極にあるような生地同士ということになりそうです。

とはいえ、そんな条件など付かなくてもどんな素材でも当てはまるように作れるデザインこそが工夫のしどころなので、目指すゴールは、「生地を選ばない万能なデザインの考案」です。

製造もしやすく、完成品も満足のいくもの、この両方を考えながら工夫していく意味というのは、製造しやすいことが綺麗にできることにつながるからという理由以外ありません(^-^)。

見よ、これが日本製のフクレジャガードだ!、柄を引き立てるハンドメイドバッグデザインとは【14】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は新型の角々しいボックス型ショルダーが完成しました。

ボックス型は特に凝ったデザインではありませんが、その角をピンタックでつまみ、シャープな雰囲気を出したデザインです。

なぜ、このような凝っているわけではないデザインを採用したのか、このデザイン考案の意味をお伝えできればと思います。

ミニボックス型ショルダーバッグのイメージ

2019年から、新しい形の素材チョイスと共に、デザインも新しく考案しています。

布製なので、材料である生地というのは無限と言っても大げさではないくらいの豊富さです。よって、その分テイストは絞り込むのがよかろうとある特化した生地の種類の分野に絞っています。

それが、「フクレジャガード」生地です。

フクレジャガードの中で更に素敵な素材をチョイスできるといったことでより渾身の生地選定ができるということになります。

今回は、こんな感じの幾何柄をチョイスしました。

この幾何柄は、ピンタックとかボックス型との相性が良いかなと。

幾何柄のフクレジャガードの裁断場面:黒xピンクのツートンカラー

フクレジャガードの生地を中心に集めている中では、圧倒的に花柄系が多いのですが、たまにはこんな遊び心ある幾何柄も美しいと。

綺麗な上にかっこよさも感じました。

出来上がり風景

まず、写真10枚をご覧くださいませ。

表地/裏地共通:フクレジャカード、ポリエステル100%。日本製。・・・日本製のフクレジャガードはこういった控え目なふくらみのタイプが多いです。それも日本製らしさのかな。ダイナミックなのだけど、やや織りが粗いと感じるイタリア製生地のフクレジャガードに対して、日本製は控え目な柄だけれどきめ細やかな構造であると感じます。
<サイズ>縦18cmx横30cmxマチ6cm

それほど大きサイズではありませんので、長財布や携帯電話などの必須アイテムがとりあえずゆったりと入るようなサイズ感です。

四角いイメージからメンズライクな雰囲気も感じられます。

上述の「特に凝ったデザインではありません」ということを今一度振り返ります。

よくあるような平凡なデザインなのです。

この柄が生き生きするには、面を平たくとり、柄が引き立つような引き立て役的な役割をするデザインが良いだろうということです。

クシュクシュとたくさんのタックが寄って柄が隠れてしまうよりも、全面に柄を出すという方の見え方を選択したわけです。

あとがき

親しみやすい形ですね。

長財布がすっぽりと余裕で入れられ、ポケットにはスマホがゆとりを確保して入れられるところが意識した点の1つ。

YOUTUBE動画内では、最後の方で洋服コーデもしています(^-^)。

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