ボストンバッグには内蔵しにくい底板、後付けでスタイリッシュな八角形は角の沿いが良い【329】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「かまぼこ」という小さなボストンバッグが完成しました。

このデザインは、当ハンドメイドバッグのデザインの中では、かなり初期のころから作ってきたデザイン。

縦や横の長さやバランスを改良し、本体の前後面と長い口布を合体して成り立つ分かりやすい形です。

比較的このデザインはスムーズに出来上がっていきます。

というのも、作りやすいからであり、作りやすいということは、結果綺麗に出来上がることに繋がります。

作りやすい工夫も技術の1つになります。

とは言え、長いこと作ってきたこのデザインでも初の学びがありました。

今まで四角で設置していたくるみ底板を8角形にするという変更です。

これによって、縁の四つ角に皺が入って結局は邪魔な部分であったところをそぎ落とし、うまく底に沿うように出来上がることができました。

八角形の縫い代を折る順番が綺麗にラインを出すカギである

8角形のパーツを2枚ひっくり返さずに貼り合わせて縫い付けるようなイメージの作り方です。

中に入れ込むベルポーレンの底板は角を緩やかに型紙に当ててカットしてあります。

底板は包み込み袋である裏地の生地よりも2まわりほど小さいので、底板専用の型紙をあらかじめ別で作っておいて、それに当てて裁断します。

8角形パーツのまず、一番短い辺である4箇所を縫い代の印1.5cmに忠実にアイロンで折ります。

この一番短い辺から順に折っていくというところが今回のポイントとなります。

2番目に短い辺2箇所を同じように縫い代に忠実に1.5cm分アイロンで折ります。
最後に一番長い辺を2箇所折ります。

この順番の理由は、短い辺の箇所を最後の方に残してしまうと、縫い代が見えなくなってしまい、ずれる原因になるからです。

「見やすい縫い代=正確に折る=良質に仕上がる」ということになるのです。

この後、もう1枚も同じことをして2枚を外表に重ねて外側からステッチしますので、ひっくり返して作ることをしないのです。

ぴたりと8角形の角がすべて合う必要があります。

その代わり、角のとがりが完璧に出せるのでそこがメリットです。

とても美しく仕上がります。

よって、折る順番のコツで角の位置をしっかり合わせるような下準備というのがあるわけです。

そして、完成したのがこちらです↓。

底板の完成(8角底板):ステッチをする前の前後重ね合わせた待ち針がとても留めやすいです。

その後ショルダーを作って、「かまぼこ」が完成。

結構整った形にどっしりと完成できました。

最後の場面の本体と口布を縫い合わせる時の下側の角の位置が、前後の面同士で並行になっているかがネックです。

「かまぼこ」:<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ10cm:イタリア製のジャカード生地に裏地が金茶キルトの組み合わせ。裏地は日本製のスラブ生地。

あとがき

紺色は、なかなか紺色1色ではカラーの強さがあってコーデが難しいものです。

どのようなお洋服に合わせたらよいかなど結構難易度が高いものになります。

しかし、このたびのようにブロンズゴールドのデイジーの柄、花の中心の黒色も合わせた3色のマルチカラー、そしてブロンズの裏地がお洋服を決めやすくしてくれます。

この中に登場している色の1つを意識するとベージュのセーターなども合うかと。。

「かまぼこ」は、あと2種の生地で2点が残っています。

生地違いではどんな風に違って見えるのかということにも是非後日の完成でご注目下さればと思います(^-^)。

後付けリムーバブルなくるみ底板の最もミニマムな姿、長方形4角をそぎ落とし現実的なフィット感の変8角形へ【140】

アイキャッチ画像140

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1つ前の番号の【139】の記事では、バッグの底板「ベルポーレン」を製作の途中でそのまま内蔵するタイミングと固定枠の「部分ステッチ」のご紹介をしました。

このたびの【140】では、ボストンバッグなどあらかじめ内蔵が不可能なデザインを含むタイプのバッグ用に、別で作る「くるみ底板」の最も望ましいデザインを検討していきます。

必ずしも長方形がミニマムとは限らない、バッグの底に見事にフィットする感触が正解の変八角形くるみ底板カバー

検証のために製作した3デザインのくるみ底板:断然真ん中の変八角形がすっきりとスタイリッシュでした。
共通に入れ込む底板の元素材:「ベルポーレン:2mm厚」です。割れない底板です。角はカーブにカットが共通。

それぞれのデザインのカバーに内蔵することで角のフォルムが中身とぴったりではないという実態。

長方形は明らかに、設置の際に四つ角が余りしわが寄っていて余分であることがはっきり分かりました。

右の楕円型は、製作に困難を伴い成功率が低いデザインであると感じました。

変八角形の底板カバーの作り方:縫い代はすべて1.5cm。ひっくり返しをせずに鋭利な角をはっきり出すやり方。
折る順番:感触としては、短い辺を先に折っておくと作業がしやすいと感じました。
ミシンステッチ:最後の辺のステッチの途中で底板を入れ込むというタイミングで良いです。
変八角形くるみ底板の完成:「外表」のまま続行しましたが、「中表」でも90度を超えた角は可能かもしれません。

あとがき

沈んでいかにも重そうに見えるバッグの底が心地良いなどとは決して思いません。

しかし、融通性も鑑みた畳めるサブバッグの場合は、底板がかえって邪魔になることがあります。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.07.03からおよそ5年後の2025.05.22にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年現在では、メインバッグの製作スタイルからは撤退しておりまして、サブバッグ的存在のバッグというポジショニングを決めました。

なぜなら、メインバッグは「ハイブランド」様が王者だからです(到底敵わない)。

ただ、先にメインバッグ製作をしてきてからのその後のサブバッグへの切り替えという変遷は、かえって良かったと思っております。

そして、そのノウハウも同時に共有して広める活動も並行しながら、本当の「サブバッグ」の存在感を考えていきたいと思います。

「ブランディング」だけでメインバッグになっていくものなのか。。それともサブバッグとしてご提案しても、実際はメインバッグに使ってもらえるのではないかなど。

ご提案に納得していただけるよう説得型のスタイルよりも、ユーザー様の「意志」こそ最も強力な動きを生み出すのかもしれないという可能性に賭けています。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク