生地のごわつきがはっきりしたカーブラインを作ってくれた、ラメ糸交じりのガサついた生地はボストンバッグには向いていた【329】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

同生地で3デザイン・別生地3種で同じデザインという分け方で内1点が共通の合計5点のバッグを連続製作しています。

すべてリュック型であり、コンパクトなサイズ。

過去の投稿ではお伝えしましたが、製作過程の前半では生地違いでもパーツが共通であることが多く、糸を交換する休止があれど同時進行の良き進捗具合の感触がありました。

また、デザイン違いでも共通のパーツの部分の製作では同生地は糸交換も無いわけで、連続作業ができ非常にスムーズでした。

このような検証結果と手応えを得た前半に対して、後半部分はそれぞれの1点集中で仕上げていく方がスピーディーであると反対に感じました。

このたびは5点の内の3点目が完成しまして、後者の別生地で共通の3デザインの1つのボストン型です。

底板の作りを少し解説することを含めながら完成品をどうぞ楽しんでご覧いただければと思います。

ゴールドデイジー柄が眩し気なミニボストンリュック、内蔵しにくい底板は裏地の共生地で包まれた八角型でフィット

まず最初に使用生地2種をご紹介しておきます↓。

使用生地:表地-ジャカード、アセテート/53%、ポリエステル/27%、ナイロン/20%、イタリア製。裏地-モンキーブリッジスラブ、ポリエステル/100%、日本製。

大部分にゴールドラメが入ったイタリア製の生地、このごわつきがカーブラインが重要なボストンバッグとの相性があったと思います。

8角形くるみ底板の作り方:「外表」のまま折り込み式で作りました。角が出やすいからです。

ただ、このやり方は、ずれやすい点がデメリット、「中表」ひっくり返しをまずは基本に考えるのが本来で、所謂「邪道」。

ベルポーレン底板:コンパクトサイズのバッグなら1.5mm厚で十分、大きなボストンは2mm厚が安定的です。
くるみ底板の完成(8角形):底板を入れるタイミングは後半で十分です。
ミニボストンリュック完成’(紺xゴールドデイジー柄):<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ10cm。
背負う面:ショルダーはコントラストある裏地生地で取り付け。紺・ゴールド以外に色を加えませんでした。
別の角度:取っ手の付け根カバーの8角形に視線が行きますので、ここを綺麗に作ることは重要ポイントです。
お洋服とのコーデ例:お洋服もあえて新規の色を加えない金茶色のカットソーと濃紺デニムスラックス。

あとがき

非常に厳しい見方ではあるのですが、生地のおかげでなんとか出来上がったこのかまぼこ型も、後に廃止。

当ブログ記事は最初の投稿の2021.01.08からおよそ5年後の2025.11.28にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

2025年の製作においては、「すべての生地に落とし込めるデザインのみ作る」というコンセプトを持っています。

そうすると生地のおかげで作れたこのたびのようなデザインは他の生地では失敗することもあり、オールマイティーではないということになります。

そして、このたびのような「外表式」の作り方は2025年ではすべて廃版。

「中表」でひたすら作っていき、最後に裏地を「外表」に返して完成という伝統的な作りに納得しています。

とはいえ、レザーでは「外表」は引用されているバッグも多く、イメージを形にしていくことがスムーズな点では新型への早期の一歩の踏みだしはし易かったと言えます(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

後付けリムーバブルなくるみ底板の最もミニマムな姿、長方形4角をそぎ落とし現実的なフィット感の変8角形へ【140】

アイキャッチ画像140

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1つ前の番号の【139】の記事では、バッグの底板「ベルポーレン」を製作の途中でそのまま内蔵するタイミングと固定枠の「部分ステッチ」のご紹介をしました。

このたびの【140】では、ボストンバッグなどあらかじめ内蔵が不可能なデザインを含むタイプのバッグ用に、別で作る「くるみ底板」の最も望ましいデザインを検討していきます。

必ずしも長方形がミニマムとは限らない、バッグの底に見事にフィットする感触が正解の変八角形くるみ底板カバー

検証のために製作した3デザインのくるみ底板:断然真ん中の変八角形がすっきりとスタイリッシュでした。
共通に入れ込む底板の元素材:「ベルポーレン:2mm厚」です。割れない底板です。角はカーブにカットが共通。

それぞれのデザインのカバーに内蔵することで角のフォルムが中身とぴったりではないという実態。

長方形は明らかに、設置の際に四つ角が余りしわが寄っていて余分であることがはっきり分かりました。

右の楕円型は、製作に困難を伴い成功率が低いデザインであると感じました。

変八角形の底板カバーの作り方:縫い代はすべて1.5cm。ひっくり返しをせずに鋭利な角をはっきり出すやり方。
折る順番:感触としては、短い辺を先に折っておくと作業がしやすいと感じました。
ミシンステッチ:最後の辺のステッチの途中で底板を入れ込むというタイミングで良いです。
変八角形くるみ底板の完成:「外表」のまま続行しましたが、「中表」でも90度を超えた角は可能かもしれません。

あとがき

沈んでいかにも重そうに見えるバッグの底が心地良いなどとは決して思いません。

しかし、融通性も鑑みた畳めるサブバッグの場合は、底板がかえって邪魔になることがあります。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.07.03からおよそ5年後の2025.05.22にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年現在では、メインバッグの製作スタイルからは撤退しておりまして、サブバッグ的存在のバッグというポジショニングを決めました。

なぜなら、メインバッグは「ハイブランド」様が王者だからです(到底敵わない)。

ただ、先にメインバッグ製作をしてきてからのその後のサブバッグへの切り替えという変遷は、かえって良かったと思っております。

そして、そのノウハウも同時に共有して広める活動も並行しながら、本当の「サブバッグ」の存在感を考えていきたいと思います。

「ブランディング」だけでメインバッグになっていくものなのか。。それともサブバッグとしてご提案しても、実際はメインバッグに使ってもらえるのではないかなど。

ご提案に納得していただけるよう説得型のスタイルよりも、ユーザー様の「意志」こそ最も強力な動きを生み出すのかもしれないという可能性に賭けています。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク