宝石のストーリーを紐解く、ピンクサファイアの6色もの展開をたった1点のペンダントトップに表した人がいた【588】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

サファイアは元は、コランダムという鉱物です。

同じコランダムが鉱物だったもう1つのストーン、それがルビー。

サファイアとルビーは元は同じ鉱物だったのでした。

そこへ、他の物質の混じりにより、赤いルビーへ、そして青いサファイア、およびその他のカラーストーンへ。。

そのルビー以外の総称がサファイアだったのです。

そのサファイアの中でもとりわけピンクサファイアが気になる存在。

ルビーみたいな紅色にはなり切らなかったピンクにとどまったことでその運命が変わったという見方もできます。

このたびは、そんなピンクサファイアが素敵に表現されているペンダントトップをご紹介したいと思います。

6色すべてがピンクサファイア、この6色が伝えてくるものを紐解く

最初見た時は、宝石の知識が薄く、どんなお洋服にも合いそうだと万能さが魅力で注目したペンダントトップでした。

3点セット:台がPT900のペンダントにはチェーンをPT850,ブレスもPT850、リングはPT900台。
〇ネックレス: 台がPT900のピンクサファイアの濃淡や色のトーンの違いのある6粒ペンダント。69cm。

右下の紫もアメジストではなく、6粒すべてがピンクサファイアの範囲内の色の展開という点が貴重。

トップのサイズは、バチカン含め縦25mmx横12mm。

デザインが揺れたように表現されているものの、実際の作りは固定。

上述のサファイアがコランダムから変化してルビーになり切らなかった姿をいろんなケースで一度に表現したものではないだろうかとロマンでいっぱいになります。

本当のところは、このペンダントトップの製造者様のみが知るところ。

ただ、この表現の仕方は、ストーンのサイズやカラットなどを遥かに超えた、「メッセージ」が入っているように思えてなりませんでした。

個人的には、とても素敵なペンダントトップなのだと思っています。

〇ブレスレット: フィガロチェーンの線径がなかなかのもの。PT850製。
〇リング:PT900台にダイヤモンドとピンクサファイアのコンビの楕円系粒のダブルリング 。12.5号。

同じピンクサファイアのリングがあるおかげでうまくまとまりました。

あとがき

ピンクサファイアが青味のピンクだというイメージでしたが、この度のペンダントの色展開を見ると、オレンジに寄ったようなサーモンピンクもあり、アメジストと見間違うようなパープルカラーもありました。

宝石は、物言わぬ物体ですが、その姿こそがメッセージそのものだということです。

大ぶりで華やかな粒のストーンに注目はしますが、意味深いことを感じとったストーンはこの度のペンダントトップが一番でした(^-^)。

複数の老舗ジュエリーブランド様の独自性の表し方、自らの事業の強味を見つけ圧倒的に高める大切さはどの業種にも共通する【337】

アイキャッチ画像337

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「華麗なる宝石物語:桐生操 著」を拝読。

宝石にまつわるエピソード的な貴族の物語や老舗宝石ブランド様の創業秘話などを知りました。

この本から学べることは、商品が広く知れ渡るための努力のようなもの。

どのブランド様も何もせずにただの運でトップの座に至ったわけではないことが分かります。

現在の「成功」に至った軌跡の出発点が意外、最初から未来を予想して最も最短の方法で歩もうと念入りに計画されたものでは決してなかったということです。

長い長い歴史と歩みがあったことを知り、結局大切なことは何なのか。。をどの事業者も学ぶことができると思いました。

他の追従を物ともしない拘りや個性、ハイレベルな競争の中心の老舗宝石ブランド様がこれまで築き上げてこられたもの

前半部分の宝石にまつわる物語も非常に面白くて引き込まれて夢中になりました。

後半部分の宝石ブランド様の創業のきっかけや当時の様子なども非常に興味深いストーリー、こうした大まかな二部構成です。

特に後半では、現在でも固定ファンの多く付いた老舗宝石商様の成功の理由が解かれます。

「宝石」自体の美しさだけを頼みの綱としない、自社で展開する付加価値があるのです。

他の事業のヒントにも必ずなると思いましたのでその点に特に注目してみたいと思います。

まず、誰もが知っている「ティファニー」様。

創業は、骨董品や文房具を扱う小さな雑貨店からのスタート、非常に意外です。

「ティファニー」社はアイデアに個性があったよう。

アイデアというのはデザインのアイデアではなく、商品を売り出して広めるためのアイデア、アメリカ生まれのブランド様らしい特徴ではないでしょうか。

次は、「ヴァン・クリーフ&アーペル」様。

周囲が石を見せることに注視したアイテムを作っていたのに対し、デザインを主軸に据えたことが新しかったこと。

「モーブッサン」様。。新しい時代でも伝統の重みを入れ込むが、伝統といっても古さを感じさせるものではない現代にマッチしたものという拘りを入れ込んでいるとのこと。

「ハリーウィンストン」様。。石本来の美しさを活かすべく、石だけが見えるデザインを技術によって実現。

そして「ブルガリ」様。。いつでもどんな場所にでも付けていけるジュエリーを目指したということです。

それぞれのブランドには、特有の拘りや個性があるのです。

昔は、高貴な人のみが身に着けるものだったジュエリーが、こういったブランド様の多くが大衆に広まるように動かれました。

購入しやすくする工夫や日常的なジュエリーというものをコンセプトに考え直したからこそ、今では身近に感じられるアイテムになることができたのだと思います。

こうした動きは、商業形態を色濃くしたことの良き広まりの例と言えます。

ただ、ブランド様によっては、高貴なイメージを保ちたいということであえて安く入手できるようなお品は提案していないところもあると思います。

だんだんと多くのブランドが伝統的な高級品のラインも保ちつつ、一部のラインとして、購入する人の層を広げるために日常的なジュエリーを提案する全体的な動き。

この広く知れ渡るということについては、どの事業にとってもヒントになることです。

「どこの誰もが知っている」ということこそがそのブランドの成功の証の1つの姿です。

あとがき

時代も変化するものです。。「ブランドの威厳」という意味では、大衆に広まることが模倣品の出現なども相まってその価値を落とします。

2021.01.15が最初の投稿である当ブログ記事のおよそ5年後の「手直し」の2025.12.07現在では、庶民では手が届かなかった威厳に今一度回帰する各老舗ジュエリーブランド様の動きも見逃せません。

結局はそのスタンスに立ち戻られたのですね。。老舗ブランド様が最後まで手放したくないもの、それは「高い地位」なのだと思わざるを得ません。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

燃えるような赤が混じる黒曜石「十勝石:とかちいし」は北海道生まれ、名前を見つけるまでの物語を綴りました【458】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2010年頃、質屋様やディスカウントショップ様をめぐりながら、昭和時代のお土産品と思われるの天然石のネックレスを見つけることを時々していました。

その中で名前が分からず見たこともなかったストーンも登場。

当時の「パワーストーンブーム」も相まって天然石専門店様でも聞いてみたほど全く見当が付かなかったストーンがありました。

それは「十勝石:とかちいし」。

なんとこのストーン、日本の北海道の名産品だったのでした。

色々検索しては探していく中で、天然石のお店の店員様が予想された「ジャスパー」がやけに納得の予想でした。

ただ、「ジャスパー」の中で類似品はあったものの少し実物とは違うようで、スッキリしない日々が続くことに。。

そうして、ある時、全く同じネックレスを「メルカリ」様だったと思うのですが発見。

そして、そこには「十勝石」のご説明がありました。

そして、あまりの嬉しさに、元々持っていたショートネックレス40cm程度と、発見と同時に「メルカリ」様で購入した十勝石をつなげ、K18YGの留め具を留めてロングネックレスへ自主へアレンジ。

そんな自作をしましたのが2015年くらいのことでしょうか。

そして、その他のジュエリーと組み合わせてセットにしていった2020年の「本物志向のレンタルジュエリー」スタートという時の流れと共に「十勝石」は縁が出来たストーンとなりました。

「ジャスパー」に確かに類似する模様があり、カジュアルです。

いかにこれをエレガントに寄せていくのかなどを懸命に考えていきました。

難しいのがこの赤みのカラー。

茶色でもなければ深紅でもない中間色なのでした。

どうぞ、出来上がった組み合わせのセットをご覧くださいませ。

「十勝石:とかちいし」の赤とリンクするカラーを探す困難の末たどりついた3点セット

〇ネックレス:長さ78cm。「十勝石」6-8mmの32面カット。留め具は、K18YG製。 

朱色ともいえるような和風の「椀:わん」の漆塗りをイメージするカラーです。

燃えるような溶岩がそのまま固まったみたいな柄。

すごくロマンとかっこよさを感じました。

〇ブレスレット:「エルメス」内周19cm。エンジ系。ストーンの色に合わせた精いっぱいの結果でした。
〇リング:本鼈甲。15号程度。比較的カジュアルな作りのリングですが、この暗さが十勝石に相性が良いです。
3点セット:当時の精いっぱいの組み合わせでした。遠目ではネックレスが柄のように映ります。

お洋服は「和風」が1つの案、絣(かすり)のような素材をエレガントに意外性を入れるイメージ

カジュアルにイメージしがちなところを、意外性を入れましてエレガントにしたいということを冒頭でもお話させていただきました。

かといって、つるりとしたエレガントな素材ではなく、ここでまたギャップを入れていくのです。

がさっとした絣(かすり)のような素材や、ウールです。

まずは黒が良いのではないかと思います。

ただ、その分デザインをエレガントにワンピースやしっとりとしたパンツなどが良いのではないでしょうか。

あとがき

最終的には名前が分かったこのたびの「十勝石:とかちいし」でしたが、発見できたのも、ちょうどネットの画像が増えてきた頃だったと思います。

現在は同じ物を画像検索で自らピンポイントで探すことが当たり前ですが、当時は随分苦労したものです。

そして、過去には探しても見つからなかったものも、期間をおいて再び調べると見つかることもよくあります。

その他の分野でも、曲名とかストーリーのたいとるなども同じこと、結局は諦めないことですね。

心に引っかかりがあることは必ず実現して、知りたいことなどをちゃんと達成していくことでこんな風に良きストーリーが後で語れるということになります(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

透明な天然石ダイヤモンド・ホワイトトパーズ・水晶の遠目視点、その美しさは同等であり固定観念上のレベルの優劣を疑う【295】

アイキャッチ画像295

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「エレガンスの経済学 ジュエリーへのいざない :芹澤信子著」を拝読。

ここから学んだことは、商業における「情報発信」がいかに大切かということ、 同時にその発信は「誠実」であるべきでだということも。。

「煽り」「背伸び」「盛り」の道には乗らない、先に「受け入れられる」というゴールを見据えた発信ではなく今目の前の役割はしっかりと受け手にお伝えすることであるという学びです。

このたびは、この学びを自分にインプット後のアウトプットのような形で、同じジュエリー分野についてあまり巷では語られない切り口でお伝えしたいことがあります。

ダイヤモンド・ホワイトトパーズ・水晶をニュートラルな目線で組み合わせ、混じり気の無い透明感そのものの美しさは同等のレベル

上のクリップは、当事業「本物志向のレンタルジュエリー」のスタイルでもあります。

ラインアップには現在は無いものばかりですが、考え方は今でも引き継いでいます。

左から右への配列で、上下共に同じダイヤモンド・ホワイトトパーズ・水晶と並びます。

遠目で見た時と同じようなショット、巷では希少価値が高く女王様的存在のダイヤモンドもフラットにおしゃれ目線第一に考えています。

真ん中のホワイトトパーズの美しさも、右の水晶の美しさも決してダイヤモンドに劣ることは無いという考え方です。

特にイメージとのギャップは、左上のブレス、まさかミルキーな珠がダイヤモンドの屑とは。。

また、真ん中は上下共ぱっと見の遠目ではパヴェ状のダイヤモンドと見分けなど付きません。

こうして「透明カラー」という括りを一番重視したコーデ型のジュエリーの表現をそのままラインナップにしているスタイルです。

「ダイヤモンドである」というその事実1つのみを重視したコーデは、かえって浅い解釈になってしまうかもしれません。

貴石・半貴石・パワーストーンという括りがかえって人の固定観念を作ってしまいます。

天然石は地球活動の証、どれも同等にロマンチックであり神秘的な産物だという考え方をしています。

あとがき

今でこそ、ユーザー様のニーズをくみ取り随分ダイヤモンドにも目を向けるようになりましたが、過去においてはあの透明感があまりにも無彩色過ぎて地味だと感じたものです。

では、ダイヤモンド含む世界四大宝石のルビー・サファイア・エメラルドはカラーが付いているではないか。。ということについてです。

音楽でも混じり気のある曖昧なコードが美しい響きを奏でるように、ジュエリーに対しても四大宝石の原色カラー以外の中間色の素敵さにも目を向けています(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク