まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
多くの裏地付きトートバッグで採用されている「中表」の作り。
表地と裏地を別々の袋として作っておきながら、最終的に合体して重ねて1つになります。
同じ構造で先日ペンシルポーチを作ったのですが、ニットであることが原因か、ラインが上手く出ずにいびつな形になっていました↓。
この納得できなかった作りのペンシルポーチを今一度別の作り方でトライ。
元の型紙は全く同じ型紙を使い、2点の出来上がりを比べる実験を興味深くご覧いただければと思います。
信じられない、この2つが元は同じ型紙であったことが。。「外表」の出来上がりのラインの美しさは「中表」だけで作ることの可能性の不足を証明した
前回のように同じ型紙を使用します。
表地x2枚、裏地x2枚にすべて接着芯を貼り、このたびは、表地が丹後ちりめんのニット、裏地も黒無地のパワーネットでニット芯を接着。
そして、更に、伸び防止に伸び止めテープですべての辺の縁を固定。
カーブはバイヤス、横線はストレートなのですが、後からの反省としては、ファスナーのうねり防止のために、ストレートの部分は伸び止めテープを3枚重ね貼りをするべきでした。
ここまでしないと、ファスナーのうねりの解消が目に見えて現れないのです。
あらかじめ表地と裏地を中表で縫い、ひっくり返してプレートパーツを製作。
そして、ファスナーへ縫い付け、残りのカーブ部分を縫い合わせて完成です。
裏面も見てみます↓。
では、ここからは比較していきます↓。
結局は作り方の違いで一長一短あるわけですが、「外表型」では、カーブラインがはっきりと綺麗に出たことで、このデザインの場合はこちらが向いているとジャッジ。
「外表」は、最もラインが曖昧になりがちなニットでも、ちゃんとカーブがクリアに出るのです。
一方で、「中表型」の良い点というのは、「反る」物理的フォルムが影響して自然にふんわり感が出せることです。
よって、製作するお品物によって都度判断しながら「中表」なのか「外表」なのかを選択すると良いです。
後者の「外表」は実際には、「中表+外表のコンビ」が実際の作りです。
そして、このたびの後者の成功で、更なる無限性を感じました。
「中表」で縫い代を隠したプレートさえ作っておけばあとは組み立てていくだけなのですから、デザインのアイデアが実現しやすいのです。
ひっくり返し型では布では形がクリアに出にくいバニティなども、過去にはこの「外表」のやり方で実現でしてまいりました。
複雑な構造にトライする際に出来るだけシンプルに敷居の低いイメージにしてくれるのがこの考え方ですので、「本当に作りたい形」があれば一度ご検討下さいますとよい作り方です。
あとがき
確かに、このたびのような「中表+外表混合型」の作りはデザインの広がりは見込みます。
しかし、この作り方も限界があり、厚みが増すことで、ミシンの押さえが脱線して縫いにくさが生まれます。
そこをどう解決していくかは、ピクチャレスクもまだ解けていない課題なのです。
製作の道を歩む途中の段階としては主に2019-2020年辺りにたくさん採用してきたやり方です。
しかし、その後製作の技術も「腕が上がった」と自分で言えるほどに成長したのです。
いよいよこの段階に来ますと、綺麗に完成できないと分かっているものをわざわざ作らなくなります。
所謂「完璧主義」「プロ意識」に近くなったということです。
しかし、実際にはこうして自分の身の回りのものは不完全でも作っているわけですので、「商品」なのか「自分使い」なのかで引用が分かれている現在です。
一度、この「外表」についてご意見を持ってみてくださいませ(^-^)。