フクレニット生地のペンシルポーチの「中表型」の失敗から「外表型」の成功へ、中表で事前製作したプレートを組み立てて作り上げることの自由度【1305】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

多くの裏地付きトートバッグで採用されている「中表」の作り。

表地と裏地を別々の袋として作っておきながら、最終的に合体して重ねて1つになります。

同じ構造で先日ペンシルポーチを作ったのですが、ニットであることが原因か、ラインが上手く出ずにいびつな形になっていました↓。

おせじにも美しいラインとは言えません。内側に裏地も設置の良い作りは目指したつもりだったのですが。。

この納得できなかった作りのペンシルポーチを今一度別の作り方でトライ。

元の型紙は全く同じ型紙を使い、2点の出来上がりを比べる実験を興味深くご覧いただければと思います。

信じられない、この2つが元は同じ型紙であったことが。。「外表」の出来上がりのラインの美しさは「中表」だけで作ることの可能性の不足を証明した

<型紙>縦8.5cmx横22.5cm。左右の下のカーブは半径5cmの円の一部をコンパスで利用。

前回のように同じ型紙を使用します。

表地x2枚、裏地x2枚にすべて接着芯を貼り、このたびは、表地が丹後ちりめんのニット、裏地も黒無地のパワーネットでニット芯を接着。

そして、更に、伸び防止に伸び止めテープですべての辺の縁を固定。

カーブはバイヤス、横線はストレートなのですが、後からの反省としては、ファスナーのうねり防止のために、ストレートの部分は伸び止めテープを3枚重ね貼りをするべきでした。

ここまでしないと、ファスナーのうねりの解消が目に見えて現れないのです。

あらかじめ表地と裏地を中表で縫い、ひっくり返してプレートパーツを製作。

そして、ファスナーへ「外表」で縫い付け、残りのカーブ部分を「外表」で縫い合わせて完成です。

プレート組み立て型のペンシルポーチ:<サイズ>縦7cmx横20.5cmxマチ無し。

裏面も見てみます↓。

課題としては、縫った位置の端からの距離が不統一、徹底することででもっと綺麗になると思います。
以前に製作の「中表型」:ラインが曖昧で、同じ型紙で作ったとは信じられないほどです。
「中表型」の後ろ面:左右のバランスも合っていないです。

では、ここからは比較していきます↓。

厚みの比較:前者の納得いかない方はひっくり返しの物理的な影響で膨らみます。その点は利点になります。
バッグの中をミニマムにすっきりとさせたい場合、ペタンコの方が場所を取らないとも言えます。これも利点。

結局は作り方の違いで一長一短あるわけですが、「外表型」では、カーブラインがはっきりと綺麗に出たことで、このデザインの場合はこちらが向いているとジャッジ。

「外表型」は、ラインが曖昧になりがちなニットでも、ちゃんとカーブがクリアに出るのです。

一方で、「中表型」の良い点は、「反る」物理的フォルムが影響して自然にふんわり感が出せることです。

よって、製作するお品物によって都度判断しながら「中表型」なのか「外表型」なのかを選び分けると良いです。

後者の「外表」は実際には、「中表+外表のコンビ」が実際の作りです。

そして、このたびの「外表型」の成功で、更なる無限性を感じました。

「中表」で縫い代を隠したプレートさえ作っておけばあとは組み立てていくだけなのですから、思い描いたデザインが実現しやすいのです。

ひっくり返し型では布では形がクリアに出にくいバニティなども、過去にはこの「外表」のやり方で実現でしてまいりました。

複雑な構造にトライする際に出来るだけシンプルにイメージできるのがこの考え方、「本当に作りたい形」を我儘に現実化してみてくださいませ。

あとがき

確かに、このたびのような「中表+外表混合型」の作りはデザインの広がりは見込みます。

しかし、この作り方も限界があり、厚みが増すことで、ミシンの押さえが脱線して縫いにくさが生まれます。

そこをどう解決していくかは、ピクチャレスクもまだ解けていない課題なのです。

製作の道を歩む途中の段階としては主に2019-2020年辺りにたくさん採用してきたやり方です。

しかし、その後製作の技術も「腕が上がった」と自分で言えるほどに成長したのです。

いよいよこの段階に来ますと、綺麗に完成できないと分かっているものをわざわざ作らなくなります。

所謂「完璧主義」「プロ意識」に近くなったということです。

しかし、実際にはこうして自分の身の回りのものは不完全でも作っているわけですので、「商品」なのか「自分使い」なのかで引用が分かれている現在です。

一度、この「外表」についてご意見を持ってみてくださいませ(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク