茶系同士のバイカラーコンビは田舎っぽくなりがち、そんな表地に都会的に配した裏地選びの工夫【1329】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグの生地選びが最初の段階ではあるのですが特にワクワク心躍る分野です。

ただ、生地に依存した製作も良しとしない考え方はよく記事に投稿しておりまして、プリント柄などはその柄のかわいさや素敵さだけが売りでは、自身の製作のあれこれの工夫の出番が影を潜めます。

プリント柄はほとんどが、そのデザインしたデザイナー様の著作権に寄るところが大きく、結果、商業利用のバッグ作りとしては正しく成り立つものではありません。

せっかくバッグの製作の腕を上げていくならば、何かしら、「活動」としてお値段をつけて販売していくことはとても意味のあることだと思っています。

そうしますと、柄だけに頼った製作だけでは本当の意味では生粋の自身のアウトプットが入り込んだ製作とは言えないのです。

今回お話しますような裏地付きのバッグでは、表地と裏地のコンビであるその「コーデ」が出てくるのでこの組み合わせに関しても夢中になる場面です。

時には裏地こそが主役級の拘りの時もあるのです。

ストックがラストのセルヴィッチデニムが表地の片面分しか面積が無かった時の工夫

ダブルナップサックの材料:一部製作を進めていまして、フラップポケットを完了しています。

今回は、4種もの生地が登場します。

①セルヴィッチデニム11oz(カーキ茶)、②セルヴィッチデニムoz不明(イエローベージュ)、③先染めビッグチェック(パステルマルチカラー)。④ナイロンオックスはっ水加工(サンドベージュ)です。

パット見ていただくとあることにお気づきではないでしょうか。

全体的に色がなじんで奇抜ではないことです。

これは本当に嬉しいミラクルが起こってこれぞというチェックの裏地に出会えたことが大きく影響しています。

表地は、最初①しかなかったのですが、パッチワークのパーツに裁断してあった以前に使用済の残りがナップサックの片面分しか残っていなかったのです。

これでこの生地の本当の最終です。

そこで、同じセルヴィッチデニムでそろえ、このカーキ茶に合うバイカラーになる色を探しました。

セルヴィッチ機自体がもう日本では岡山県、広島県辺りにしかないとのことで、非常にレア生地。

わずかな選択肢の中から②を発見。

ただ、この②も①の色違いというようなお品ではなく、風合いには違いはありますが、色としては悪い組み合わせではありません。

ただ、しかし。。。

茶系同士のバイカラーはお洋服の上下の組み合わせでもそうなのですが、「田舎」っぽくなりがちなのです。

田園風景の土や岩を思わせる茶色の濃淡は優しい雰囲気に寄りがちで、クールな黒とは異質です。

そこで、じーっと①と②を眺めながら考えたのが、「これらに馴染みながらも違う綺麗な色の登場」がポイントかもしれないということ。

そして、パッチワークにすることで四角い柄ができることにリズムを合わせた、チェック柄であれこれ探した結果このたびのパステルマルチカラーのビッグチェックの③が見つかったのです。

この生地も今や生地屋さんでは見つかりっこない生地です。

もとはインテリア・カーテン地だったと思いますし、かなり昔の生地だと思うのです。

購入も何かインテリアで壁に使用されていたような端切れだったので、到着後一度お洗濯しています。

その時にしわが寄りにくかったことから、ポリエステル/100%、もしくはポリエステル混なのかなと。

毛の場合は、洗う時に毛特有のにおいがしますので、それが無かったからおそらく合繊です。

非常にきちんとした作りで、お洋服で見るヴィンテージもののチェック柄などが現在では手間などかけられていないようなお品ばかりと比較すると、微妙な色を抽出してあるところも古き良きお品だと感じています。

とにかく、昔のお品は丁寧に手間が惜しみなくかけられている者が多い。。

あくまで想像ですので、私なりの見方になりますが。。

本当は、生地はこちらは横向きですが、限られたはぎれストックですので、柄合わせを優先し、横向きに使用。

縦と横を引っ張ってみた時に織物であっても多少伸びるのが横、硬い強固な方が縦という見方で見分けられます。

このチェックは縦も横も頑丈だったので横向きに使っても何も問題はなく、チェックの柄であったことも幸いしました。

ただ、よく見ると綾の部分の多くの箇所が斜め右上がりがこの生地の場合正解なので、この綾の向きを見て「横向きだ」と、見る人が見れば分かります。

あとがき

どうして、昔のものは素敵なのだろう。

今見るものと違う手間を惜しみなくかけた製造が現在の効率重視の量産品との違いでしょうか。

やはりヴィンテージ物は魅力たっぷりです。

今回のこのチェックの裏地の発見の時に、「今後ヴィンテージのストック生地にこだわったバッグを作ろうか」などと考えてみたものです。

それはそれで、すべての箇所がヴィンテージで行けるかというとコンビの相性もありますので、やはり新しいものに古いものを一部取り入れるこのたびのような形に行き着くような気がします。

無理矢理ヴィンテージだけでそろえると、今度はおしゃれ度が落ちて、古臭さも表れてしまうのでその判断はバランスを重視したものになります。

古着のお洋服を解体した生地は「著作権の侵害」になるので、気を付けねばならないこともここでお伝えしておきます。

私がこの度入手したヴィンテージだと思われる生地は、もともと生地としてのはぎれだったので利用して商業利用も良いだろうと判断したものになります。

また、完成を是非お楽しみにどうぞ(^-^)。

サイズに特徴を入れていくハンドメイドリュックの製作のご紹介【750】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグの製作で、結構重要なポイントとなる点にサイズ感があります。

最初の用途を想像したイメージからの型紙の製図になりますが、分かりやすいのが、入れるものが決まっている場合ですね。

今回の場合、ペットボトル2Lを幾本か入れていく使い方のシーンの目的を中心にしたオーダーを賜りまして、ペットボトル容器を当てながら、再度に更に動かす時の余裕を見た作図による型紙でビッグサイズにお作りしましたリュックです。

リュックも細かいシーンでは取っ手が必要な件

出来上がりサイズは、縦57cmx横39.5cmxマチ17cmほど。パーツによってデニムの反のロットが変えてあり、色の濃淡が最初の時点でも楽しめるお品です。

あまり見かけないリュックですね。

そもそもデニムでリュックは珍しいと思いますので、サイズが思い切ったビッグサイズでさらに特徴を出します。

この写真の上の方をご覧いただきたいのですが、取っ手をお付けしました。

ちょっとしたシーンですが、コンビニなどの支払いのシーンで、お財布を出した時にリュックは降ろします。

その時にお財布の出し入れ時にコンビニのレジ前の台の上に置くにしても、支える時に持ち手があると、変なところをつまんで、あたりが付いたりクセがついたりせずとも、ただ持ち手をつかめば良いわけです。

といった具合にリュックでも取っ手はあった方が良いかと思っております。

裏地の素材について

裏地はこのようなシックなチェック柄を使用しました。

先染めは、高級感がありますね。

表地のカジュアルな綿の素材であるデニムに合わせて、綿/100%のチェックをチョイスしました。

なかなか厚みもあり、デニムとのバランスも良いです。

大人の人が持つデニムに相性の良いような無彩色なチェック柄。。。

デニム素材共にいずれも日本製の生地です。

お仕立ての特徴

今までもずっとこのお仕立てでやってきていますが、こういったファスナーが付くタイプのバッグは、デザインすべてが、基本的には同じ作りです。

表地と裏地の縫い代をあらかじめ隠す、ひっくり返しの板のようなプレートを作り、それを組み立てていく方法です。

よって、縁から裏地が少し覗くという特徴が見られますね。

あとがき

デニムリュックは注意点があります。

ショルダー部分が雨の降り始め、大雨の時であると、洋服に色が移る場合があり、洋服の色の工夫があると良いですね。

天気の良い日は、白のTシャツなどにデニムが爽やかで◎です。

現在2021年というのは、洋服では、ジーンズがいったん大きな流行から下火になったかとお見受けします。

そのかわりにテロンとしたスラックスパンツが浮上のようです。1980年代を新しい形でめぐっているようです。

それでも、大きいくくりとしては、バッグの素材の1つに定番物でデニム素材ってあると良いかと思います。

何しろ丈夫さが売りの素材です(^-^)。

使用目的が明らかに大容量で重くなるバッグに使う裏地の選定例【674】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、大きなリュックを作ろうとしています。

その時の裏地にスポットを当ててみます。

大容量のお買いもの用のリュックなので、当然たくさんの物が入り、重さもかなりのものになると影響するのが生地の傷みです。

使っていくのだから、ある程度すれたりなどはするにしても、簡単に破れたりはやはりコスパの悪い質の劣った商品になってしまいます。

表地は頑丈でも裏地っておざなりになりがち。

この裏地こそを丈夫なものに仕立てていこうということを今回工夫します。

それには、まずは、最初の生地のチョイスが物を言います。

ブロードやローンでは厳しそうな場合に選択する裏地生地とは?

表地が綿なので、裏地も綿で行こうとしておりまして、少しお洒落に柄入りにしてみました。

生地名が不明ですが、黒x白xモカグレーで成り立つシックなタータンチェックの先染め生地です。この彩にご注目。とても丈夫な織りであると見ることができます。

端の毛は、耳の部分です。糸の太さとか密集具合がこの部分を見るとある程度分析できます。

糸が太めで密集しています。

全体に肉厚ぎみな目の詰まった生地なのです。

先染めチェックは綾になっていることが多いので、同時に丈夫な物であることが多いです。

ストライプの先染めとも迷いましたが、このチェックに入るモカグレーの素敵さでこちらを選択。

ストライプの方にはモカグレーは入っていませんでした。

こうして、重いものを入れ、かつ大容量入れる時に負荷が裏地にも当然かかってくるので、簡単に破れたりはしないしっかりとした裏地にするためのファーストステップとして、生地の選定が重要であるというお話でした。

あとがき

ここへ、更に織芯の接着芯を貼って、より補強します。

この対策で強度を高める効果を期待。

隠れた部分なので、長い目で見たコスパを狙ったものになります。

コスパの意味って奥深いと思うんです。

言葉の一人歩きで、一瞬の見かけで決まるものなのか。。

そこに疑問があります。

本当に結果、長持ちできるための対策をしているのか、結局はその点につきるかと。

マーケット手法で謳われる小手先の言葉って、いずればれるものではないかと思っています。

とにかく、本当のことをそのまま真実として伝えていくような商品にしていく決意で製作に臨みます(^o^)丿。

布バッグのチェック柄のサイドの柄合わせ、最低限ボーダー状の向きだけ段違いなく合わせる勧め【80】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作で、<チェック柄シリーズ>という企画をしてみました。

3種の違った形のチェック柄を同時進行で仕上げ、ミニサイズのショルダーバッグを製作しました。

ミニサイズのフォルムの可愛さと、3種が元は同じチェックであることが少し違った形で勢ぞろいするコレクションの面白さをお伝えできればと思います(^-^)。

様々なチェック柄、マルチカラーな糸使いが素敵な素材コレクション

今回は、表地も裏地も同じ生地を使いますので、3種のみが生地として登場します。

左:手織りジョントン綿、綿/100%、タイ製・・・ジョントンはよくジョムトンと発音されているようで、
タイの北部のジョムトン地方で織られる織物のようです。
白い筋が特徴。色使いが原色カラーの集まりで、生き生きとした柄です。
中:起毛チェック、綿/100%、日本製・・・起毛という名前から毛羽立ったイメージがわきますが、
実際はネルなどよりもはるかになめらかです。手触りは、さらふわといった感じ。
黒色を使いながらもその他の暖色が活きて全体的に暖かみのある雰囲気です。
右:先染チェック、綿/97%、ポリウレタン/3%、日本製・・・インディゴブルーのギンガムチェックが爽やか。
ネイビーや水色ブルーよりもレアなトーンのブルーだと思います。

ボーダー方向のみ合わせてもかなり見た目に効果があるチェックの柄合わせ

チェックの柄合わせとなると本来は、縦と横を両方合わせるのが完璧な柄合わせ。

柄合わせにおいて、縦とか横という言葉を使うと大変紛らわしく、どちらのことを指しているのかわからなくなってしまいますので、「ボーダー状に合わせる」とか、「ストライプ状に合わせる」などと呼びますね。

つまり、チェックを、ボーダーとストライプの組み合わせと考えていきます。

バッグでは、一番視線の気になる場所がサイド。ここのハギ目の柄の出方が良い見た目になるかどうかがキーポイント。

今回は、ボーダー状のみ合わせましたが、これだけで随分見た目がすっきりと見えますね。

つまり、ボーダー状に合わせることさえ意識すれば、整った印象ができる大きな効果が得られるのです。

チェックの柄合わせ(ボーダー状のみ)・・・矢印はサイドの縫い合わせのはぎ部分を示しています。

ボーダー状に柄合わせというのは、例えば真ん中でいうと、赤とか黄色の横線がちゃんとハギ目に対して横に対象に一直線に並んでいるのかということです。

並んでいますね。そういう見方で右と左も見てみてください。

そうすると、すべて段が一直線にそろっていますよね。これは、ボーダー状に柄をそろえたことになります。

一方、ストライプ状の柄のそろい方の見方ですが、矢印のサイドの切り替え線を軸に、左右が同じ配分で柄が出ているかというとどれもそうではないですよね。

一番右は、一見分かりにくいですが、黒い線をブロックで考えると、ハギ目から右は半分なのに、ハギ目から左はフルに1ピッチ分ありますよね。

しかし、ストライプ状にそろえることは、これを見た限り、それほどボーダー状にそろえることよりも結果が分かりにくいということです。

なので、まずは、ボーダー状にそろえることが綺麗に見える一番の秘訣と言えますね。

ガチガチにそろえすぎると、生地がもったいなくて、余らせなくてはならないのです。

超高級品はこのようなことを徹底して行い、生地を余らせた分のロスを商品の値段に反映させて、高価になるわけです。

この辺りも生地の高級さを見ながらの匙加減でしょう。

今回の場合は、ボーダー状のみそろえれば十分な効果が出るのでそれ以上は必要ないとの私の判断からこのように作りました。

それに、真ん中のジョントン綿は、白いストライプ状の霧のような柄があまりにランダムすぎて、ストライプ状に柄合わせは非常に困難です。

とにかく、段違いみたいな見かけが心持ちを悪くするので、スッキリと段がそろう「ボーダー状に合わせる」ことをチェック柄の場合の一番のポイントとさせていただきたいと思います(^-^)。

あとがき

こんな感じで3点が一緒である良さがあります。

チェックも種類の違うチェックを集めるととても楽しいものです。

販売においては、お店にディスプレイで並べるように、こういった柄違いの展開の仕方は、同じ生地の色違いではない楽しさが生まれます。

何でもない平凡な形のバッグですが、集まってコレクションのようになると随分躍動感が出るものです。

「家族でお揃いのデザインでどうですか」などのご提案もできるかもしれませんね(^-^)。