1点しかない古着それぞれに隠れた着用の可能性、①ウエストのタックやダーツの豊富さ②ラインを変えられるワタリ③股上の分量を調節できる深さ【825】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着ライフを送りまして、かれこれ15年程。

ワードローブのアイテム全てが「古着」で埋め尽くされます。

もうお店で新品のお洋服を購入しないというスタイルになり随分久しいです。

古着は、それ1点しかありませんので、サイズが合うかどうかの面では、能動的にこちらから合わせていくという姿勢を持って挑んでいます。

そうしたスタイルの中で、「リフォーム」への挑戦も並行してあったと思います。

もう少しウエストサイズが大きければ。。などの満たされていない部分をリフォームによって着用可能にしていくことです。

可能な場合、たくさんの中から本当にお気に入りをチョイスできるという幸せな瞬間へたどり着きやすくなると思います。

最もメジャーなパンツやスカートの「裾上げ」は、周知なのでこのたびは省きました3ケースをご紹介したいと思います。

リフォームすれば着用できる可能性を秘めた素敵な古着アイテムを見つけるための3つの着目点

では、3ケースの1ケース目です。

①ウエストのサイズアップ/ダウン・・・ダーツやタックが豊富なものは、広げる/狭めるの両方が可能。

これは、過去に実際に作業をさせていただきました。

当記事では【207】の記事でアップさせていただいております。

その時のタイトスカートもタックとダーツがコンビになって、しかも前も後ろも左右に入り、合計4ヶ所x2つずつという豊富なモデルでした。

ダーツやタックで作られた丸みとか立体感も活かしつつ、少しずつつまんだ部分を浅くすると、ゆうに5cm以上はサイズアップ可能でした。

ここまで豊富ではなくても、ダーツやタックが左右に1つずつ入っているだけでも可能性が見えてきます。

ここに着目して古着を選んでみてくださいませ。

では、次2ケース目です↓。

2)パンツラインの変更・・・ベルボトムからテーパード寄りへの変更が可能。

2つ目は、パンツラインの変更です。

2010年代後半にテーパードが流行したかと思えば、その後逆とも言えるワイドのガウチョが流行。

ものすごい大ブームというわけではないにしろ、このように洋服というものはどうしても流行を入れていかないといけないような構造があるのです。

流行には随分振り回されてしまい、マイペースなお洋服の着方が出来ない窮屈さも感じます。

そういった流行の歴史を俯瞰して、非常に大きなくくりで全体を見た時に、「不変的なライン」を選びます。

実際に作業しましたのは、デニムの「ベルボトム気味」なパンツを「ややテーパード気味」というラインへ変更しました。

ベルボトムのままでは、1970年代とか1990年代後半のブームがありましたので、かつての過去の流行を彷彿とさせるような古いイメージのラインは変えたかったのです。

かといって、2010年代の「テーパード」に真正面から。。というのももう古い感じがしてしまうのです。

目で見て変化が分かる範囲ながら、できるだけどの時代でもこの先の未来でも、違和感のないラインはどんなラインなのか。。ということをよく考えました。

せっかくお直ししたのだから今後末永くはいていけるようにと思うと、ここで流行を色濃く入れていかない方がかえって良い判断であると考えます。

最後3ケース目です↓。

3)デニムなどの股上の深さの変更・・・股下の長さも影響することもありますが、股上は深くも浅くも可能。

自主体験は、股上が35cm以上もあるハイブランドパンツの古着(未使用品のまっさら)、ウエストが狭いこともあり、当時流行の浅めにしたことでした。

ウエストを広げたことを兼ねていたので当然効果はあったのですが、その後、再び股上深めが流行の2020年代になりました。

プロのリフォーム屋様のお話では、深い股上を浅くするも深くするもデフォルトの美しいラインにはかなわないとのこと。

よほどでなければそのままを受け入れるという選択も忘れないようにしたいものです。

あとがき

ここ最近は、自分では綺麗にはできない限界があるものは、迷わずリフォーム屋様にお願いすることにしています。

せっかく古着をお得に購入したのにリフォーム代が高額についてしまうことで古着を選択しないのか。。ということについては、悩むところです。

外注リフォームも結果「永久的」な品物になった、極端ながら「一生着ていけるものになった」というほどの結果になれば、コスパは良いです。

やや高額についたとしても、着やすく生まれ変わった「価値」が非常に大きいです。

想像以上にリフォーム屋様の腕前は確かなものです。

このような素晴らしい手仕事の日本人がおられることへ尊敬の念を抱かずにはいられない程の出来上がりです。

話し合いの結果、リフォームを躊躇したにしても、一緒にどうしたらよくなるのかを考えていただいた意味がきっとあります(^-^)。

ヴィンテージバッグ、この先も永久的に持つ続けていくために越えなければいけない「一部分の合皮パーツの劣化の解決」の峠【665】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

すべてのファッションアイテムを「USED品」でまかなうスタイルを長年続けています。

その中で養われる目というのは、品物の良さや語られていなかったことを見抜くことができる目です。

これまで随分多くの失敗もあり、購入したヴィンテージバッグが、実は価値が無かったとまでの残念な品物を手にすることもありました。

そんな中で、それでも古い物の方が新品よりも間違いなく味わい深く素敵であるということを考える嗜好の不変さがこのヴィンテージ品を持つスタイルの継続を後押ししてきました。

このたびは、もともととても綺麗な状態で購入した25年くらい前のハイブランドバッグの内部のポケット劣化のケースを例に、「一生物」になることに対して不足する部分を現在の持ち主が工夫していくという任務のようなものをお伝えしたいと思います。

「一生物」だと本当に言い切れるには、越えるべき「峠」があることを実体験から知ったのでした。

よく「このバッグ一生物だね」などという言葉がありますが、それは最初の新品の内に見通した過去の感じ方に過ぎないのです。

その後実際に経年した今分かる貴重な姿と共に、「本当の一生物とはどんな状態なのか」を考えるヒントになれば非常に光栄でございます。

実際のお話になりますので、より現実的にヴィンテージ物の困難な部分もリアルにお伝えできればと思います。

合皮部分の劣化などの問題に必ずぶち当たる「ハイブランドバッグ」

集めてきたバッグの中で、何もお直しをする必要が無かったというのはほんの1-2点。

それは、布製だったりALLレザーの本革のみで作られたバッグです。

ほとんどが、どのような一流ブランドと呼ばれるバッグであっても、裏地に合皮が使われていたりして、その部分だけ経年劣化が起こってくるのが10年超えてきた後から起こるのです。

リフォームの専門家ではないのですが、趣味とコスパを兼ねこれまで様々な自主リフォームをたくさんしてまいりました。

実際は難易度が高いケースもあり、自分で行えるもの、フォームをお願いしたものとが混在します。

自分で行ったものとしては、合皮部分の内ポケットがねっちょりとべたついてきて、それをポケットのステッチを外してポケット無しの状態にして終わりという単純なリフォーム。

新たにポケットを付ける必要などないと、同ブランドのポーチを入れてポケット代わりに使うという新案をもって解決しています。

よってその程度なら自分で可能です。

自分ではどうにもならなかったものとしては、内袋がまるまる合皮が劣化し、裏地ごと布製へ変更してもらったリフォーム。

これは、一度自分でもやってみましたが、道具の不足と金具が邪魔して綺麗にはできませんでした。

よって、綺麗に仕上げたいとなるとやはり専門技術に頼るのが一番です。

一方、こんなケースはミシンをある程度使える者が自主リフォームできたことです↓。

もともと中古品バッグ購入時にショルダーが付いていない状態(おそらくちぎれたのだと予想します、フックはバッグに付いていました)でした。

そこで、こういった案を思いつきます↓。

本体が劣化と型崩れで終了の廃棄処分に相応しい別の中古品から無事であった本革ショルダーのみ移動。

そして自分でミシンでその移動したショルダーをバッグのDカンに通し、縫い付けてショルダー設置が実現しました。

これは、あくまで自分使いにとどまります。

思いっきり複数のブランド様がミックスしてしまっていますので、「著作権侵害」の遵守の為、写真とか具体的なブランド名もご紹介することを控えます。

そして、この品物はずっと持っていく決意のもとです。

販売した時点で商業利用になり「著作権侵害」になるからです。

こういったヴィンテージ物のアレンジの仕方は1点物なので、素敵なコレクションになります。

できれば元のままで持つのが一番なのですが、それがかなわない状態だからこその策となりますので、その辺りはこうした実態になってしまう「責任」は本来製造者にあるかと。

とはいえ、ヴィンテージ物であり、そうとばかりは言えない他の劣化に紛れ、こうした当初の製造時の「合皮」や「PVC」素材を取り入れた劣化が起こると分かっている製造の企画案の責任が追求されることはありません。

今回のこのリフォームだらけのエピソードから言えることは、リフォーム後は本当の意味で一生物になったということです。

その前までは、中途半端だったり、価値の不足した状態だったところへ、「リフォームの峠」を越えて、ずっと今後も使えるものになったということです。

製造者様も大手小規模問わず、合皮をブランド価値を入れ込むバッグのような高級品に中途半端に一部使いするということを見直していただきたいと強く思います。

合皮なら合皮ならではの雨の日専用ということで、すべて合皮であればそれは納得のお品になれかもしれませんが、あるいみ「まやかし」というようなことが行われていることへはこうした思いを吐露したかったのでした。

あとがき

「リフォームの峠」を超えてこそ本当の「一生物バッグ」にやっとなったわけですが、そもそも事前にできる対策の一番は、バッグを見極める真贋です。

将来劣化が起こらない状態で作られたバッグは、本当の意味で「価値」が十分にあると言い切れるのです。

そうすれば、数十年後であってもリフォームさえしなくてよいですから。

使用する中での傷みなどとはこれは別問題。

多くが使う中での劣化と混同され、そこに紛れ逃げてしまうことがこれまで可能だったのです。

そうして考えていくと、「素材」の面から見た時に、実際にヴィンテージバッグの中でリフォーム無しでやってこれたのは、「布製」です。

ハイブランド様でも布製はありますので、布製だけを選ぶという手もあるのです。

布製の表地に対して裏地に合皮レザーを使うことは全くとは言いませんが、ほとんど無いですので、裏地も布であることが多いです。

そうすると表地が布製というのは、結局のところ、長い長い目で見たら、安全な劣化のない長持ちのお品になれる可能性が高いです。

以上のことから今一度本革ハイブランドバッグに戻りますと、「本革レザーバッグの裏地になぜ合皮が使われてきたのか」の答えがある程度予想できます。

それは、表地である本革レザーのコンビとして相応しい見かけを、裏地にも見せる必要があったからだと思います。

布を裏地に付けるのでは、あまりに優劣の差が激しく目に映るので、その時点だけでも高級感のある合皮が裏地に選ばれてきた理由だと予想します。

その他「撥水」の意味も多少はあるということもあるかもしれません。

ということで、「購入時の慎重さ」というのもポイントになり、未来を見通す考え方をした購入が重要だということになります。

最初の新品の内は、製造者は1点でも多く売りたいですから、「その時だけ何とかまかり通れば良い」という考えもあったと思います。

ただ、こういった情報は結局後にめくれていきますから、この度のように30年経過した今、分かることも紛れもない事実であり、製造者はその責任をもっと真摯に受け止めていただきたいと思うのです。

ワンピースの裏地のパンクのハギ目のお直し、裂けた繊維状の部分こそ修復の「砦:とりで」である【224】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、実は特殊なコーデ方法からのスタートで古着ワンピース購入に行き着きました。

その特殊というのは、すでに持っているこれも昭和時代の鼈甲ネックレスに色がぴったり合う靴をまず探して、そのネックレスと靴に合うようなワンピースを探したという見つけ方でした。

このように、小物を基準にして洋服を探すという逆の発想の探し方もあるのです。

例えば、お手持ちの行き場のない難しいアクセサリーがあるとしまして、それを活かすには、それ中心のコーデをしていけば「アクセサリーが使えるものになる」ということが実現できるのです。

主役にするものは洋服だけとは限らないわけです。

オレンジ茶が差し色になるためのワンピースを探した結果。。

ネックレスや靴が主役:ベージュ色のウール素材のノースリーブワンピースは「NEW YORKER」。古着です。

実はこのワンピース、裏地のヒップ周辺がパンクしていたのです。

このパンクのせいで、このようなワンピースが残っていたのだと思うと、逆にこれはチャンス。

パンクさえなんとか直せば素敵には着用できるわけで、ここでリフォームの意欲がメキメキ湧いてきました。

広範囲にわたってパンクした困難なお直し方法のアイデア、伸び止めテープや接着芯の利用

裏地のお尻周辺の広範囲なパンクの様子:特徴は、裏地の継ぎ目が毛のように裂けている点。

おそらく、毎日の自転車通勤に着用されていたのだと予想されます。

お尻部分はただでさえ、座る時に引っ張られますし、自転車ではその圧力は倍増。

裏地がパンクしやすい状況が多いのが自転車に乗るシーンなのです。

では、ここから実際にやったお直しの手順を写真とコメントでご紹介しますね。

後で動画も出てきますが、写真もかなり細かいショットを押さえてあります。

まず、もう役には立たないだろう横向きにぼそぼそと飛び出し過ぎたほつれた繊維だけはカット。

ただし、縦に草みたいにシャッシャッと残っている部分は絶対カットしないように!!。

これがのちに大切になります。

まずは、アイロンで平坦にします。
7mm巾のストレートの伸び止めテープ:残した繊維状のハケのような部分に布の付け足しと補強の意味で接着。
こんな風に伸び止めテープが元の状態に近い布のような役割を果たしてくれます。
そして、この伸び止めテープとほつれた端の部分を中側に隠すべく、少な目の幅で1度折ってアイロンします。
隠した良い位置のスタート位置に待ち針を留めてから、仕付け糸をします。
仕付け糸完成です。片倒しの状態が作られています。
ミシンの段階に入ります。2本のミシンステッチを入れます。まずは、視界に入る外側面から縁2mmをステッチ。
反対側の内側に隠れる部分の端っこがぴらぴらしているので縫い留めるというのを兼ねてこちら側も縫います。
合計2列縫いました。これで完成です。こちらは外面の出来上がり。
内面の出来上がり

あまり上手ではありませんが(^_^;)、丁寧さを追求するともっと美しく仕上げられることが見込めます。

なかなか丈夫にもなりました。

お直しの際にできるだけもとの状態のイメージのままということをイメージするのが良いですね。

今回のような大幅なパンクを考えると、ちょっとしたパンクの段階で気付いててお直しした方がまずは良いです。

そもそも、裏地付きのタイトなスカートやワンピなどの服装の時に自転車はよくないとも言えますね。

しかし、ここまでになってもなんとかしようと思えば手段はあるということです。

裏地1つで、手放すしかないとあきらめるのはもったいないことです。

あとがき

私は、リフォーム業というのはしておりません。

洋服のリフォームは洋服が作れる人がされていることが多く、洋服に関しては、洋裁のサイトのテストで「0点」を取ったという記録があるほどの洋服作りの「敗退者」なのです。

ただ、ハンドメイドバッグ作りの独学ノウハウはありますので、この度の伸び止めテープの案などはバッグの製作の経験から出たものだと思います。

全体コーデとなったときに、古着のみを購入するスタイルは、どうしてもリフォームが必要なことがあります。

自分に合うものを選ぶというのは望ましいことなのですが、それ1点しかないという状況なので、サイズや仕様を希望通りに変えていきたいと思うことがたくさん出てきます。

よって、こちらのお直しの技術はある程度得ていく必要があると思い、独自にリフォームを体験しています。

今のところは、自分のお直しの必要の場面を必ずアウトプットするようにして公開しています。

結局はすべて実体験からが一番率直に語れますので、実際にやってみたことをこうして記録として残すことの意味があります。

特に洋裁の専門に携わっておられなくとも、古着がお好きであれば、この「お直し」の分野にも目を向けてみて下さいませ。

外注は綺麗にはやっていただけますが、手の施しようがない場合お断りもありますし、高額です。

ピカピカの新品ではないからこそ、練習と称してお直しの技術を自分で身に付けていくことも古着の気さくさです。