原価から掛け率で見積もるわずかな儲けを含んだ価格算出よりも大切なこと、多くの人へお届けし、知ってもらうことに焦点を当てた販売価格【1063】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ道を歩み、およそ15年が経過しています。

最初の2007年辺りは、ひたすら一重仕立てのポーチとエコバッグ型を¥100でネット販売。

原価のことも、何も考えないただ製作したものを受け入れてもらうような作業でした。

とはいえ、その一重仕立てにはファスナーも付き、吊り下げ式のポケットも丁寧に仕立てていたのでした。

その結果は完売でした。

非常に究極過ぎる例ですが、たった¥100でも見向きもされないこともあろうかと思いますと、受け入れられたということになります。

その頃は、「利益」などが眼中に無かった随分無茶な価格決めだとも見ることができます。

しかし、初期の段階で受け入れられた手ごたえは大変貴重だったのでした。

あれはあれで、1つの重要なステップだったような気がします。

しかし、その後技術アップと商業的発展を目指すために利益を含めるようになり、原価を意識するようになっていきます。

あるべき方向性ではあったものの、随分最初の頃のひたすら製作することにまっすぐ没頭していた頃の気持ちと遠ざかってしまったのではないかと、一度見直してみようと思ったのでした。

見直すものというのは、他でもない「熱量」です。

一途にハンドメイドバッグだけを製造+販売では成り立たないことで工夫した他の事業との並行での存続が熱量をキープした

販売する以上利益が無ければ売る意味がないということも、ごもっともです。

商業である以上、ある一定の利益を含んで、そのうえで出来上がった価格で売れることが望ましいです。

ですので、こういう商品を販売するということを始めるにあたって、そもそも、その販売業者の「ブランド」が確立されているべきとも言えます。

有名な人が何か商品をリリースすると売れ始めるスピードは速いです(その後の継続はさておき)が、それはすでに「ブランド」があるからではないかと。

ただ、無名な1ハンドメイド製作者様も隠れた魅力を持っておられるかもしれないのです、埋もれているだけかもしれないのです。

今後何らかの形でいかにも花開きそうな様相をしたお品であるなどは、時間がかかっても知れ渡らないと非常にもったいないことです。

その最初の段階として、少し利益の件をあきらめて、手探りで売れる価格を探していくことがとても貴重だと思います。

ネット上には、ほとんど綺麗な事しか書かれていませんので、本当の姿は別の所に隠されているのではないかと思います。

陰で、こうした実験的なたゆまぬ努力は本当はこれこそが実りへの大切な時期なのではないかと思います、たとえ長年の月日がかかってもです。

今一度冒頭の¥100の頃のことを分析してみます。

¥100ながら、かなり価値のあるお品物であったことも実は誇れる点でした↓。

①生地の柄が素敵(主に薔薇小花柄などのプリント物の美しい柄に特化)

②吊り下げ式ポケットの共通の設置

③YKK社製ファスナーの徹底

これが¥100なのですから、喜んでご購入いただいたことには確かに納得です。

そして、「レジ袋」がまだ登場していない時代ですので、一重仕立ての畳めるような簡易袋のようなバッグはあまりなかったという時代の波のようなものもありました。

ということで、たった¥100でも忘れていなかったことは、「良質さの追求」だったのでした。

継続なくして実りは無い、他の別事業と並行してでも続ける決意

そもそもハンドメイドバッグがバカ売れしていないのにもかかわらず、2018年にハンドメイドバッグ製作+販売を事業としてスタートしてしまった無知さや無謀さは反省するところ。

しかし、これで良いのです、とにかく一歩を踏み出せたのですから。。

そうして、3年後には別事業の「レンタルジュエリー」を始めていきました。

同じファッション分野ですが全く違う手ごたえです。

そして、現在でも欠かさず、両方に熱量が平等にあるのかを必ず途中で確認しながら続行しています。

このやり方というのは、「シャネル」様に学ぶところであります。

他のハイブランド様と同じように香水の分野にも事業を展開している点が1つ。

そしてもっとバックグラウンドでは、経営者が別事業での儲けを基盤にファッション事業を運営フォローしている点に、存続が本来難しい分野が支えられているとのこと。

単純には、こんな風にまとめられます↓。

「本当に続けたかったら、別事業でフォローしながらでも続けていく」ということになります。

最終的に頼りになることは「熱」なのです。

あとがき

ハンドメイドバッグ1筋で行くスタンスよりも、複数の中の1つとして続けていく方が、初心のあの¥100でも価値を込め、受け入れられていた品物を製作できるのではないかということです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2022.08.06からおよそ2年後の2024.09.14に「手直し」の順番で記事タイトルから見直し、ここまで綴り直しをしてまいりました。

現在では、ハンドメイドバッグを製作+販売するという形態だけではなく、「ノウハウ」のご提供の方向も考案しました。

変化することは活動としては当然でありますので、随分違った方向を考えたものですが、ただ元の製作をストップすることなく今後も続行していくことで、活動が広がったことに対して喜んでおります。

¥100時代の当初はそのようなことこれっぽちも頭にありませんでしたから。。

こうした発想は、事業活動に準備もままならないまま早く一歩を踏み出してしまったことでかえって生まれた考え方です。

今では、技術が幾分か誇れるほどにバッグ製作の腕も上がりました。

この変化は間違いなくこれまで続行してきた成果に他ありません。

ここまで綴ってまいりましたことが、今の状態に悩む方へのヒントになることがあればと願っています(^-^)。

新たな付加価値生まれるか!?高級はぎれで作る美しいポーチ【59】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、最近集まってきましたはぎれの行方です。

はぎれも余り方によってはとてももったいなく、そのままにしておくのは惜しいはぎれも多々あります。

そこで、今後の企画が思いつきました。

年末あたりをきっかけに、ポーチ市をWEB上で開催したいです。

特殊な形のポーチばかりを集めて、ピンポイントな使い道をあえてタイトルに謳う...そんなことをやってみたいと思います。それには、少しずつ作り始めねばなりません。

その第一弾として、1つポーチができました。

もったいない面積で余ったはぎれの有効活用例

今回は、黒地にブロンズの薔薇柄のジャガード生地で、単行本が入るポーチを作ってみました。

生地自体が比較的厚手なので、とりあえず手短かに一重仕立てだけで作ってみました。

一重仕立てなので、とにかく三つ折りで隅っこの縫い代を隠します。
まずは縫い代をすべて隠したうえで組み立てて、端っこを重ねてステッチして出来上がりました。
マジックテープを付けて使いやすくしました。これも1つの立派な付加価値です。
フラップを外側に縫い付けました。
外側に取り付ける方が包み込むような構造に出来上がりますのでお勧めです。

後から思うのは、はぎれでも、裏地を用意してきちんとしたものを作ることです。

はぎれだから。。。という固定観念がお品のレベルをコントロールしてしまいます。

せっかくの高級生地。製作には変わりがありません。

こうした小物作りでは、小さいアイテムなのに、よくできた作りを目指していきます。

あとがき

今回の生地はイタリア製の高級な生地です。

高級と言うとどの価格の範囲内?と思われるかもしれません。

1m当たりの単価が¥3,000-¥7,000周辺で立派な高級生地だと思います。

今回の生地がこのレベルに当たります。

あまりにも高級過ぎる¥10,000/mなどのお品は、確かに素敵ですが、じゃあそれほど違いがあるかというと、レア度や産地品であるとかそんな要素もお値段に組み込まれていると感じています。

そうしますと、製作者としては、材料自体のレベルも見ていくことで、そこまでのコストをかけずしても十分であったりもします。

その後のデザインなどの工夫で材料以上の効果が価値になっていくのかを考えることが、それこそがハンドメイド製作だと思うのです。

今回の高級生地は、最高級品も交えた中では中級だと思われます。

では¥1,000/m以下の生地が悪いお品なのでしょうか。

いえいえ、そんなことはないです。たとえ¥100/mの格安生地でも、その良さが一定レベルあれば良いお品は作れると思っています。

また、この安い生地でいかに良いお品を作って行くかということのお話を別の機会にとことんさせていただきたいと思っています。

「生地頼みの製作」というクセは自分自身のアイデアが余り詰まっていなくて、よくないと思っています。

自身で生地の良さを判断して、更に、製作者としての力量を加えて付加価値を出していくものでありたいと思っています。