ポケット設置に希望通りにゆったりとした容量がとれないバニティーバッグ、2重構造にすることで2個分のポケットを実現【40】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年で挑戦しております立体的なバッグ、ボストン型・ドーム型などと並び難易度が高いというイメージのバニティー型のショルダーバッグの製作風景。

製作の前半が当記事の【40】、次回の記事【41】が完成を含む後半部分になります。

このたびは、前半部分で作業時間を占めますポケットの製作にスポットを当て、面積を広々ととれないバニティの内部で同じ場所に二重構造に考案したというアイデアをお伝えしたいと思います。

美しいブルーグレーのジャガードの裏地、バニティー内部の狭い面積のデメリットをポケット二重構造でカバーした

表地は、「紬(つむぎ)シルクプリント」という名前の生地。

これまでのバッグ製作の経験からは、バニティー型は、あまり厚みがあると作れない為、やや薄手の方が成功率が上がると思っております。

背の部分が重なるので、重なってもミシンがしっかり通ることを見込みます。

表地:紬(つむぎ)シルクプリント、絹/100%、日本製。左は遠目、右はズーム。3色以上の定義のマルチカラー。
裏地:ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。色はブルーグレー。実際もっとブルー気味です。

つむぎというと着物の紬(つむぎ)が有名ですが、節が全体に横向きに入り、その織り模様が凹凸感があって大変美しいです。

控え目なマルチカラーもしとやか、一時流行のパターンによるたくさんの小花プリント柄とは何となく違う個性は、小花柄1つずつにも入り込むこの「節」のせいでは。

表地のみの状態のうちに早い段階で取っ手を付けます。理由は、ステッチの裏側を内部に隠したいからです。
内側のポケット作り:ファスナー使用で内部にポケット袋が隠れた構造がセキュリティー性をより高めます。
外側のポケット:先に設置したファスナーポケットの次の段階で覆うように貼り付けポケットを縫い付け。
二重ポケットの完成:一瞬1つのポケットしか目に映らないところがセキュリティー性の高さです。

この部分は、生地が重なるので表地にアタリが出ないよう、裏地には薄手を選ぶということもポイント。

以前に表地のジャガード生地の裏面を裏地に使用した製作では、裏地にしては生地に厚みがあり過ぎ、表に響いていたという苦い経験があります。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.29からおよそ5年半後の2025.02.09にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

バニティーバッグの成功率は高いものではありません。

どうしても近くにパーツが込み入り、ミシンの限界を感じながら生地に対する条件付きの製作になってしまうことも、なかなか作り手がいない原因でしょうか。

だからこそ挑戦して独自のメソッドが生まれると貴重な「武器」になるとも言えるのです。

そうしますとこうした裏事情こそが大切、上手くできた時であったとしても、デメリットも同時にお伝えすることが苦労した者からの貴重なメッセージです。

当記事のシルク紬は、結果的にはバニティにはあまり向かない生地だったと2025年では振り返っています。

もっとこの生地の素敵さが最大限に生きるようなバッグがあると後から思い、巾着袋を製作してみたのが2022年↓。

色違い生地の巾着袋:柄を広々と見せるような切替えのない丸いラインのデザインの方が向いていたかと。

2025年にもしこの生地を採用するとすれば、おそらく裏地にキルトをかけて使用させていただくと思います。

高級生地であっても、その価格やブランディングに左右されず、フラットな見方をしていきます。

こうして年月が経過するにあたってどんどん考え方を含む製作スタイルも変わっていったのです。

そう考えますと、この2019年にしかない記録としてはこうした高級生地でバニティバッグを作ったことはかえって貴重。

次の【41】でその完成をご覧いただけます(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク