まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
こんな苦いエピソードがあります。
ショルダー付きのドーム型バッグ(ハイブランド)のショルダータブが本革1枚仕立てでした。
おそらく、今思えば、縫い込み易いように革を漉いて薄くしてある作りだと思われます。
中身を入れて持ち歩く経年の末、レザーが裂けてある日ポンと外れました。
こうして「Xデー」は突然やってきたのでした。
同じブランドの店舗で何とかお直してもらえましたが、おそらく取り付け方は同じ手法でしょう。
ブランドバッグは、見た目の綺麗さも重視でしょうから、スマートな形に見えるように弱くなっている部分もあると見ました。
そして、気休め程度のショルダー機能をメインに使用していた使い方の限界もあったと振り返ります。
その後、自らもバッグを製作するポジションに立った今できること、それは過去の苦い体験を良き方向へ活かすことです。
このたびは、永続的なバッグ全体を支える「ショルダータブ」の作り方です。
当ブログ記事は、最初の投稿の2020.05.14からおよそ5年後の2025.05.08にブログ記事の「手直し」の順番でタイトルから見直し綴り直しをしています。
2025年では、2020年に動画におさめた作りよりも更に発展、当ブログ記事の最後に改良後の最強のショルダータブの姿をご覧いただけます。
こんな小さなパーツがバッグ全体を支えている、本体と共に歩み何十年も永続的な姿を実現するためのショルダータブ

丈夫に作るためには、作りやすいノウハウも重要。
厚みある生地の場合、間に挟み込む柔らかさも必要であることが、冒頭のブランドバッグの「革をなぜ薄く漉いたのか」の理由を解くカギとなるでしょう。
わざわざ一手間入れたその意味が必ずあるはずなのです。









この4本ステッチが走る2025年バージョンの方もステッチは一繋ぎで最後同じ場所に戻るので、作り方としては非常にスムーズです。
巾着ホールに使用するというアイデアが生まれたと同時に、頻繁に動きがあることで丈夫さをより考慮するように。
グラグラと動く「わ」の部分をステッチで固定して最も固定された究極な状態を実現したというわけです。
通常、「わ」にステッチなどしないという考え方から、多くの市販品では省略されている過程であると思います。
この4本ステッチの姿は、ショルダー・取っ手・支柱ベルトに引用の4本ステッチに重なるところがありますが、折り方は違います。
このたびの「シンメトリー」な三つ折り観音開きの折り方は、硬い生地でも融通性を持って作ることができる平らな折り方なのです。
あとがき

もっと大きな見方をしますと、「ジーンズ」の例があります。
ポケットのスレキは、メイン生地のデニムよりもはるかに弱々しく、ジーンズをこの先何十年もはいていきたいのに、ある時点でポケットが終焉を迎えてしまうのです。
その他バッグの例では、ナイロン生地に対して本革レザーの取っ手を付けた高級感を感じる組み合わせ。
しかし実際は、ナイロン部分の角などの破れがあるにもかかわらず取っ手がもったいなく変わらぬ姿で健在というもどかしさです。
このように、自らのがっかり体験を、ユーザー様目線として活かしたいと思ったのでした(^-^)。
