ハンドメイドではコスパが悪くてやらない、サイズ違いの珠がグラデーション配列のヴィンテージネックレスの「Uの字ライン」の価値【1264】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

家族から譲り受けた昭和時代のネックレスの中に、天然石の珠が一連に繋がったものを手にした経験がある方は多いと思います。

かつては、装いの定番として、真珠や天然石の珠(たま)を一連に繋げた40cm前後のショートネックレスをお出かけ着に装う付け方がたくさんされていたのです。

40cm前後のショートレングスというのは、「プリンセス」と呼ばれる、最もエレガントな長さの1つ、お出かけには決まって着用されてきたワンピースにも相性が良かったのです。

パワーストーンブームの2010年前後から、ネット通販の背景も大きかったと思います、天然石のお店や問屋様の存在が以前よりも分かりやすくなりました。

その頃、天然石の連をいくつものネックレスやブレスに繋げて仕立てることにはまっていました。

ある期間(2015年頃)は、「ロザリオ」と呼ばれる、メンズのY字ネックレスを製作して販売したことも。。

留め具をK18YG/K18WGにすることで、なかなか世には出回っていない高級感あるネックレスにすることもできます。

ただ、自作は、コスパ良く作ることをどうしても考えますので、1点物にもこだわる場合だと、同じサイズの珠を1連で購入することが一番お買い得です。

そうすると、出来上がったネックレスのラインは円形になるのです。

一方、ヴィンテージ物の手持ちの鼈甲ネックレスはU字型でした。

ここに使われている玉はサイズがまちまちで、グラデーションのように連なることで、易し気なUの字を描くのです。

このたびは、このようなラインの違いで古い物と新しい物の違いを見ながら、ヴィンテージ物の姿を深堀り出来ればと思います。

珠のサイズ違いでグラデーション配置こそヴィンテージの証、ハンドメイドの均一な珠の並びの円形との比較で古いネックレスの深みを感じた

左は琥珀、右は鼈甲です。いずれも古いもので、おそらく昭和時代のお品だと思われます。右は家族からの譲受。

類似のオレンジ色は、天然樹脂や亀の甲羅がその素材であるヴィンテージで物ではたくさん見つかる琥珀と鼈甲です。

これらのネックレスの珠の配置にご注目いただきたい。

左の琥珀は一部しか映っていませんが、先端の1粒に一番ビッグな珠を配置しています。

そして、珠のサイズが、ネックに近くなっていくにつれて小さくなっていきます。

このバランスは、右の鼈甲で分かりやすく見ることができます。

考え方は左右共同じ、留め具付近では珠が極小になってバランスがきっちりと取られています。

こうした珠に差が付けてあるタイプのネックレスこそ、ヴィンテージ物の証と言っても良いと思います。

ネックラインに最も自然に馴染み、易し気なUの字を描いた姿、「しっとり」といった表現が似合いそうです。

珠のサイズが同じ場合は横に広がって丸いラインに寄ります。

一方で、あこや真珠は同一のサイズの珠を配置する品物もあり、より丸みのラインを強調しているように感じますので、ヴィンテージ物でもUの字ばかりとは限りません。

左はラウンド型の淡水真珠11mm程度。右はマルチカラーのルチルクォーツの8mm珠。

いずれも石屋様から購入し、ハンドメイドのもの。

あとがき

「首に沿うように。。」という心遣いのようなヴィンテージの方のグラデーション配置に対して非常に感動しています。

自作の場合は当然のようにほとんど単一に作ってしまうのも、現在の流行などに突然飛び入りして、「歴史」や「過去の優れた逸品」などをじっくり見ていないからです。

例えば、たくさん作るような夢中になる期間があり、余った時に、間に小さなサイズも入れてみた組み合わせを作ってみるなど、経験によって寄り道と言いますか、新しい発見があります。

こういった、単調な作業の中のわずかな違和感やハプニングは大切です。

なぜなら、均一的というのはロボット的なものが一番に得意とすることだからです。

我々は人間であり、人間ならではの「イレギュラー」な作業というものも大切にしていきたいと思うのです(^-^)。

書き手:ピクチャレスク