まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
「はぎれ」という漢字、「端布(はぎれ)」と書きます。
ところで、高級なお洋服などは、特に柄をきちんと縦横共合わせて縫製されています。
その部分が、贅沢品(ぜいたくひん)であったり、高級品であったりする証(あかし)となってきたこれまで。
その贅沢に作られたお品物の裏側では、材料の生地の多くが採用されずに、処分されたのではないかと想像します。
このたび、そんな想像を埋めるようなはぎれを存分に使った製作をご紹介したいと思います。
はぎれそのままを捨てることなく等分にカットしながら作っていく、型紙無しのペンケースの裁断
裁断の苦労は柄合わせです、そうでもない簡単な柄と種類によってかなり差があるものです。
例えば、チェック柄というのは、親しみやすい柄である一方で、この柄合わせに関しては、洋服やバッグやポーチにおいて、縦も横も両方合わせる意識をせねばなりません。
ストライプやボーダー柄であると縦か横のどちらか片方だけ合わせる、半分の手間となります。
また、水玉やドット系のある一定の同じ間隔の柄は比較的柄合わせは簡単で、柄合わせの必要がないものも多いです。
このたび利用させていただきました薔薇柄の場合は、ある一定のまとまり(「ピッチ」と呼びます)でひたすら繰り返されています。
「比較的大きめの薔薇の花が2個隣り合わせの部分」が1枚のはぎれの中で2回登場していますので、まずは半分ずつで使えると考えることができます。
そうしますと、チェック柄のような縦も横も柄を意識するという方向性の柄の味方になるわけですが、花柄というのは柄の向きも上下あるわけでその辺りは縫い合わせる前にチェックが必要です。
この柄はお花や葉っぱの向きはあえて方向性が無いようにプリントされていますので、向きは気にしなくて良いということになります。
この生地は、今回の記事の1つ前の記事の【10】で、低反発クッションを作った時のカバーの残りの生地です。
ペンケース製作過程、4等分し、2ピッチをうまく使い分けて裏地付きで完成へ
気軽に作れるようなアバウトな製作方法でご紹介したいと思います。
裏に芯地を貼ってから、カットしました。
さらに、表地の方のパーツ2枚のみにハード薄芯を貼ることにしました。
そして、端から1.5cmの部分に地縫い線用に印を付けて、上側の口を開けておいて、残り3方を縫います。
アイロンで割り、入り口の空き1.5cmに印を付けて、ひっくり返し1.5cm中側へアイロンで折り込みます。
この空き口というのは、結局は閉じて板状のパーツにしてしまうので、1枚の頑丈なプレートを作っていると考えたら分かりやすいです。
空き口を縫っていく時に、その流れでそのまま全体にぐるり1週ステッチをかけます。
そして、ファスナーにこの後、縫い付けます。
ファスナーは外に飛び出しますので、端っこを、別布で縦6cmx横5cm程のタブを作り、ファスナーの先を包み込みます。
そして、ファスナー本体に2本のステッチで縫い付けたら、表側から、縁の端から2mmほどのステッチの上をなぞる形で2度縫いで本体を合体します。
はい、これで出来上がりました。
最後は、大切なボールペン、シャープペンを思う存分入れます。
確かに、ハード薄芯のおかげでしっかりしたキャンパス地程度の厚みになったのですが、入れなくても良かったかもしれないと思うこともあります。
あとがき
布を隅々まで使うことの気持ち良さを感じましたこのたび。
ほんの初期のペンケースでしたが、その後別のタイプも製作しています↓。
この度の作り方は、黒色の半月型のモデルの「外表型」へ発展しました。
ファスナータブなど飛び出さずにすっきりとシンプルに仕上がった改良をしました。
当ブログ記事は、過去の2019.03.16の投稿からおよそ5年半後の2024.08.18にブログ記事の「手直し」をしていまして、まさにこの部分は追記しています。
現在の2024年からは2019年は随分過去の製作でしたので顧みると随分お品物が野暮ったい印象です。
先程の写真の3点のペンケースは、もともとどれも生地が高級でしたし、すべて現在も手元で利用し続けています。
手作りは一度作るとよほど置き場所に困らなければずっと持ち続けることができることを実感。
できるだけ中身に入れる目的を最初に決めて、実用的であることもかえって長持ちの秘訣。
入れる物が考え付かない物は価値が無いということに繋がるのです。
無料であっても有料であっても使い道が無いものは喜んでもらえないことが想像できます。