160cm幅のレア生地を利用したたっぷりな取っ手のエコバッグ、三つ折りステッチ糸の見え方と底ベルトの隙間の課題【222】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在連続製作中の「スーツに合うエコバッグ」の3点目がこのたび完成。

1点製作するごとに、その時の課題を見つけ次回にクリアしていくというスタイルで1デザインの内容を高めていきます。

当ブログ記事は最初の投稿の2020.09.24からおよそ5年後の2020.08.12にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

2025年では、このモデルは立派に完成型になったと判断、そのノウハウをコンテンツにまとめるところへ進めています。

まだこの当時は見直す必要がある箇所が多々あり、こうしたシンプルなデザインでも随分奥が深いことが分かります。

このたびは、ヘリンボンジャガードが美しいグレーのインテリア生地で製作、2つの課題が生まれましたので、その記録となぜ課題にする必要があったのかをお伝えできればと思います。

是非、製作におけるブラッシュアップのヒントに、このたびの記録をご覧いただければと思います。

160cm幅の特殊さが取っ手65cmの実現に貢献、それでもまだ未解決のもっと奥にある基本的な構造の課題を得たエコバッグ

使用生地(表地のみ):コットンヘリンボン、綿/100%、日本製。グレーがお洒落度を高める160cm幅の生地。

160cm幅があることで、長い支柱ベルトを幅いっぱいに利用すると、65cmの取っ手が実現できました。

ただこの生地は特殊で160cm幅などめったに無いために、すべての生地をカバーできる仕様ではないということに。。

この点も長い目で見た課題と言えました。

その他更なる2点の課題が見つかりまして、2025年ではいずれも解決後の仕様となってノウハウに記録されていますが、あえてお伝えしてまいりたいと思います。

前回の課題の解決:ベルト同士の重なりの順番の徹底。先に底ベルトが、その上に長い支柱ベルトという順番。

ただ、この順番だけにとどまらない出来上りで分かった課題がありました↓。

出来上がりの底部分:底ベルト同士が内側に寄り過ぎています。原因は縫い代を含めた真ん中に設置した為。
視覚的な違和感:ベルト自体の設置のみならずベルトの周りの隙間も整然とするために設置位置を見直す課題。

ぱっと見の違和感もそうですが、均等にど真ん中に付くということが底を平均的に固めるという意味にちゃんと理解されるのです。

もう1つの課題は、内部です↓。

三つ折りステッチの最初のステッチ位置の見直し:幅2.5cmを1.25cmずつ三つ折り。最初のステッチ位置は✕。
三つ折りステッチの裏面に出た2本のステッチの課題:最初に2.5cmの位置にステッチすると右下のように。。

これが必ずしも平行にならないことから、かえって難易度を高め美しくないと判断、後に最初のステッチの位置を5mm程度へ変更。

そうすれば、三つ折り内にステッチがくるみ込まれ、最初のステッチが隠れるので、縫い閉じの2本目のステッチのみが左上のように両面共美しく見えるということになります。

支柱型エコバッグの完成(グレーヘリンボンジャガード):<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ16cm。

取っ手は、幅2cmx65cmです、生地幅によってめいっぱい裁断することで取っ手の長さが変動するのです。

あとがき

作る前のイメージを上回る完成品で分かる結果、世の中に試作品が溢れ返るその実態は確かに頷けるものです。

表面的に完成したからと慢心になっていた過去が非常に恥ずかしい程、このようなシンプルさでもこれほどに課題が見つかるものなのです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ユーザー様のリアルなシチュエーションをしっかりと思い巡らした、帰宅途中のオフィス着に馴染むお買い物用エコバッグ【216】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2020年7月から本格導入の「レジ袋有料化」。

それに伴い、ハンドメイドバッグ活動においてもエコバッグを検討するようになりました。

ただ、一斉に同じ動きがあることも当然予測するところ、ラットレースに参加するにあたっては「差別化」を意識することになりました。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.09.18からおよそ5年後の2025.08.06にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

2025年ではピクチャレスクが企画したエコバッグは、コンテンツにまとめてそのノウハウを多くの方に広める方向も進めております。

ノウハウにまとめるほどですので、その後様々な改良を重ね完成型に行き着いたからです。

そんな2025年現在から見ると随分「初期型」と言えるこのたびの回ですが、「初期型」ならではの課題を見つけ現在では改良されている点も同時にお伝えできればと思います。

こうして過去のブログ記事の「手直し」が、過去の投稿の内容の不足を補填し、新しい考え方やアイデアも盛り込めることを非常に有難く思っております。

投稿内容の部分的変更が難しいYouTube動画は、良いも悪いも当時のありのままの姿としてはむしろ貴重だと受け止め、現在の改良後の比較対象として見ていただこうと考えました。

会社帰りのお買い物シーンの想定、黒のシックなストライプ柄をシャープな角のあるスタイリッシュなエコバッグに利用した

使用生地(表地のみ):ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。色は黒。ストライプ柄は先染めです。
「支柱」パーツの裁断:細長いですが、生地を広げて一重仕立てで型紙を当てて裁断。幅は7.5cm幅で観音開き。
「支柱」ベルト作り:観音開き折りを外枠ステッチ+内部の2本ステッチの均等な4本ステッチが美しく並びます。
「支柱」ベルトの配置:横の最長60cmの20cmの位置に左右共ベルトの端が来る位置に設置。

このたびは、ざっくりと1ショットずつの場面を写しましたので、細かい寸法はお示ししていませんがすみません<m(__)m>。

固定ステッチの準備:底からスタートし、もとある4本ステッチの上をなぞりながら、外枠から内枠に渦巻き。

後の投稿【1215】で、この渦巻のステッチが途切れずに一気にできることを解説しています。

両サイドの三つ折りステッチ:一重仕立てではここもポイント。縫い代を隠す方法の1つのエコノミーなやり方。

「初期型」では、先に1.5cmを地縫いして、次の段階として三つ折りステッチをしていました。

しかし、最初の地縫いのステッチが丸見えで、これを2024年に改良。

地縫いは省略せずに行うものの5mm程度の場所、そして、次の三つ折りステッチの時に、最初のステッチがくるみ込まれて隠れるといったすっきりとした出来上りへ。

出来上がりの内部の構造:底とマチは共布でラッピングをしています。もう1つのハギ目はサイドの三つ折り。
入り口の縫い代始末:1cmずつの三つ折りです。ここは後に1.5cmずつの三つ折りへ変更しています。
最後に行うピンタックステッチ:これがあるのとないのとでは雲泥の差。ビジネスライクに寄るのもこのおかげ。
完成した状態の取っ手の固定:「初期型」では上下の二重ステッチで固定していました。

そもそも、この長い支柱パーツは横向き裁断がコスパが良く、長い「支柱」の為には広幅生地に限定されるものでした。

その制限からの解放として、2023年初期辺りにハギ目を2箇所作った3パーツから成り立つ構造へ改良、生地幅が110cmなどのシングルにも十分対応できるようになりました。

その代わり、2か所の左右のハギ目がこの赤丸の位置に出るので、そのハギ目カバーと固定の役割りとして「ハギ目カバータブ」が誕生したということになります。

支柱ベルトの底の重なり:「初期型」では、縫い代の中へ入れ込んでさえいなかったのです。
黒のストライプのエコバッグ完成(初期型):<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ15cm。
お洋服とのコーデ:オフィス着らしい黒の上下に合わせてみました。

あとがき

一重仕立ての何でもないエコバッグこそたくさんの追求がありました。

これは、シンプルなものほど奥が深いということに繋がるものです。

お洋服にもあることで、たくさん装飾されたものが必ずしもじっくりと考案されたかどうかは分からないということ。

余分が削ぎ落され、本当に必要なパーツだけで成り立ったシンプルさは、実はよく考えられた深みある製品だと見ることもできるのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

本格セルヴィッチデニムの一重仕立てを切り抜けたエコバッグ2タイプ、甲乙無し同等仕上げのレジ袋型と紙袋型【112】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2020.07.01からいよいよ「レジ袋の有料化」が始まります。

その画期的な変化を前に、ハンドメイドバッグ製作者としまして、「レジ袋に代わる存在」に注目しました。

自分一人のみで結論付けず、世の中の流れをお仕事仲間の目線も得ながら、2つのタイプを考案したのです。

ポイントとしては、これまでのレジ袋の気軽さを受け継いだような存在でありたいと一重仕立てに作った2種であること。

一重仕立ては、縫い代の解決に悩むことがあり、その点は裏地付きよりも大変な部分です。

このたび、セルヴィッチデニムの14ozという本格派デニムでのサンプル製作で、一重仕立てならではの良さに迫ることが出来ればと思います。

2種のエコバッグを「レジ袋型」と「紙袋型」で試作、本格派セルヴィッチデニムによって芽生えたメインバッグの可能性

早速ながら完成したタイプの違う2種のエコバッグをご覧下さいませ↓。

セルヴィッチデニム14ozのエコバッグ2種:両方共本体が37cm四方くらい。左は「レジ袋型」で右は「紙袋型」。

この写真の出来上りではやや正方形気味なフォルム、後にサイズを縦のみ5cm程追加して縦長フォルムへ変更することに決めました。

「レジ袋型」の方の入り口タブ:マジックテープを設置して荷物のこんもりとした山を覆う役割を考えました。
様々な端っこの始末:左は内部の三つ折りステッチ。右上は最終のピンタックステッチ。下は取っ手を広げた所。
「レジ袋型」の取っ手:元はスーパーのポリ製の既製品に倣い縫い代のある布製ならではのアレンジ込み。
「紙袋型」の取っ手:取っ手の付け根を変六角形のタブでカバーしながらスタイリッシュに。フラップは台形。

これら2種は全く違った作りであり別デザインであることで2種が同時に存在する意味があると考えました。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.03.27からおよそ5年後の2025.04.24にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

その後は、「レジ袋型」を「B to B」的な卸販売業へ、「紙袋型」は取っ手の部分を「支柱型」へ大きく改良してフラップを除外しながらサンプルが本製作に活かされました。

更に2023年以降は、「レジ袋型」は2020年当時の卸売り先様のデザインへと譲渡、「紙袋型」は当「共有型のハンドメイドバッグ」の共有デザインへとそのデザインの存在も分かれていきました。

その後、ユニークな実験をしておりまして、「紙袋型」のサンプルの方を1年間雨の日も風の日も実際のお買い物に使っていったそのデニムの様相の変化を綴った記録を後の【463】のブログに投稿しています。

まるで、ジーンズをはいて色落ちさせていくようなかつての流行を、バッグでやってみました記録、よろしければ、【463】にこの後お立ち寄りいただければと思います。

この体験は、一重仕立てのバッグの縫い代の隠し方などのヒントがたくさん詰まり、後の一重仕立ての製作の良き引出しとなりました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク