次の作業段階に影響のないように薄くしておく工夫、ステッチ巾2.5cmの片面1枚を縦半分を切り落として行う三つ折りステッチの目を見張るような効果【845】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作においての限界は「厚み」だと思っております。

かなり厚手の生地にもすんなり対応できる「職業用ミシン」に慣れて約15年。

では職業用ミシンが最強かというと、厚みに関しては限界があります。

なぜなら、バッグは決まって三つ折りが登場し、さらに三つ折り同士が重なって厚みが増すことになりやすいからです。

これまでは、8号帆布、ゴブラン、セルヴィッチ25オンスデニムにわたって厚みの生地を職業ミシンで縫ってきた経験があります。

これらの生地は、裏地とのコンビでもある限られたデザインでなければ、針の16番や糸の30番でも追いつかないことがあります。

そんな際には、一重仕立てのデザインということも厚手生地をうまく活用するコツになります。

ただ、そうはいっても、一重仕立てにしても更に別の悩みが出てくるのです。

それは縫い代の始末です。

トートバッグを裏地付きで作ることは一見手間がかかるようですが、厚みの生地としては、縫い代が裏地との重なりで隠れるので両割りするだけで隠れてくれるので解決です。

今回製作しているのは、一重仕立てのエコバッグ。

エコバッグも必要な時にだけ取り出したいために重さの軽減やたためる薄さも追求しています。

そうしますと、そこそこ肉厚な「カーテン地」などは縫い代始末の際の三つ折りが困難を極めます。

その対策をしたのがこの度です。

厚み生地のお取り扱いの際には、是非お役立て下さいませ。

縫い代を二重のまま三つ折りが困難、片方を半分ハサミでカットして三つ折りする劇的な効果

サイドの縫い代は2.5cmで地縫いステッチ二重。三つ折りの上(内側)の1枚を7mm程度残してカット。
次に、アイロンで三つ折りするとカットしないよりもはるかに三つ折りがしやすくなりました。

当然ながら、三つ折りの厚みも一部そぎ落とされ薄くなりました。

三つ折りしてステッチしたものが下側の1本のステッチ。上に出ている二重線は地縫いの時のもの。

この、地縫い線が見えてしまうことの解消は、また別の機会に工夫していまして、ここでは見えるやり方をしています。

こうした時にど真ん中にに地縫いのステッチが位置すると三つ折りが正確な分量でできた証となります。
この三つ折りの時にカットした効果は、次の入り口1周の三つ折りが綺麗にできることで表れます。

厚みがあり過ぎると三つ折りステッチもぐちゃぐちゃになります。

よくジーンズの裾上げで折り伏せ縫いしてある硬い部分を三つ折りせねばならないのですが、あれを綺麗にできることが裾上げ担当者の技術です。

ジーンズは何とも仕方がないのですが、その時に金づちでたたくことをしてペタンコにしているので、考え方としては似ています。

つまり、「厚みを解消している」ところが共通です。

厚みある生地にとって、三つ折りは非常にやっかいな障害物なのです。

ということで、一重仕立てこそ裏地付きよりも工夫せねばならないことも出てくるのです。

内側といっても表なのだという厳しい見方になるからです。

あとがき

二重仕立てではなかなかミシンが追い付かないゴブラン生地、ヘビーデニムなどは、その縫い代始末に悩みます。

せっかくのレア生地であるならきちんと美しく作りたいもの。

この度のカーテン地はほつれやすいところも欠点で、いろんなデメリットが集まった生地であったことで、カットした効果が出やすかったと言えます。

視界からは遠い内側も美しく仕立てるという「姿勢」は、きっと誰かがどこかで見ている、そんな気がしてならないのです。

生地屋様からの教えだったこと、カーブを含むバッグの縁を覆うラッピング/パイピングの出来上がり幅は7mm程度が一番作業しやすく瀟洒【1069】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作活動を開始したのが2007年頃。

その後難しいデザインの製作にも挑戦していきました。

そのような中で、随分飛びぬけた挑戦ではあったのですが、バッグの縁をラッピングするという訓練をしていた期間が結構長くありました。

バッグの縁のラッピング:難易度が高すぎて外側に施すことはその後とりやめましたが、この時の訓練は貴重。

この写真は、2018年製のボストンバッグです。

結果的には、あまりにも困難な成功率の低い作業ということでデザインや仕様そのものを変えていく決断に行き着きました。

とはいえ、その後のラッピングの場面では、あの時の過去の訓練が非常に役に立ちました。

そして、パイピングの幅のメソッドなるものも生まれましたので、ここでご紹介したいと思います。

一重仕立てのデニムや帆布のごわついた生地で作るバッグの縁に対して美しく仕上がる7mm程度の出来上がり幅としてご紹介致します。

シミュレーション①:巾35mmからのスタートで観音開き折り。紙では3.5cm幅を4等分で8mm強。
シミュレーション②:布で単独に作ってみたラッピングテープ、すっきりとした幅の仕上がりと感じます。

1cmではカーブは到底こなせない、7mmの縫い代の地縫いで始めていく、カーブを含む7mm程度仕上がりのバッグの縁のラッピング

計算とは矛盾がありますが、実際は生地の厚みがあるところへ覆っていきます。

よって、厚みが1-2mm加わるので、生地がもっていかれるのでかえって現実的な型紙なのです。

ただ1cmには決して満たない7mmという控え目な縫い代が非常に重要。

そのために地縫いをしっかりと7mm、もしくは6mm程度でやっておくのです。

ラッピングする厚みも限界があるわけで、ミルフィーユのような重なりには向かないものです。

こんな微妙な条件もあり、バッグの縁かがりのラッピングは結構高度な技術です。

下記のような考え方はよくないのでくれぐれもお気を付け下さいませ↓。

1cmではラッピング布に皺が寄ったりなどの失敗があります。過去に何度もしわが寄ったり汚く仕上がったりして失敗し、研究済みです。

安定して作業できそうな1cmですが、そういったイメージとは違い実際は綺麗にできない幅ということになるのです。

特に丸底バッグなどのラッピングなどには、布の裁断もバイヤス(45度向き)で行うのがマスト。

これをストレートでやってしまうと、また別の融通の利かなさの問題が発生しますので、ある程度伸び縮みがあり、作業しやすいバイヤスが結果として美しく仕上がっていきます。

ストレートの部分のラッピングはコストがかからないようにストレート裁断で行うこともありますが、ストレートの部分であってもバイヤス裁断の方がラッピングしやすいと感じました。

実際に厚みあるデニムの底のラッピングをナイロン/100%生地でほどこした時の写真です↓。

6mm程度で仕上がったデニムの底のラッピング:7mm程度なので6mmも範囲。訓練の結果こんな感じに。。
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前面と後ろ面両方にステッチが貫通していなければなりません。この6-7mm仕上げが極限ではないでしょうか。

この時もラッピングを突然するということは決してしていません。

ロックミシンの5mm程度の幅を利用し、その5mmくらいをまずは2重縫いの地縫い。

もう1mm程度余分のラッピング布がその地縫いステッチを隠してくれるのです。

あとがき

この度のノウハウは、10年以上も前に人からの教えが根底にあったことです。

やはり、人から人へその手法やポイントを伝えていくことが、長い年月を経た未来に役立つことの1つの例です。

教えて下さった生地屋様のオーナー様には感謝致します<m(__)m>。

そんなことを受け継いで、美しくバッグを作りたい方へ、今度は私がお伝えする番だと思うのです(^-^)。

キャンパス地の縁の別布パイピングをハンドメイドでプロ級に仕上げるための一番最初のステッチの位置の工夫【613】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

パイピングという作業が出てくる場面があります。

例えば、バッグの裏地無しの縁の縫い代をくるむ場合やコースターの周りなど。。

結構いろいろな場面があるものです。

このたびは、そのような「縁パイピング」の作業を鮮やかな仕上がりのコツの中でも、最初の段階の最初のステッチの位置はどこが望ましいのかについて綴りたいと思います。

最初の位置がすべてを決めると言っても過言ではないほどの重要なスタートラインとなります。

線の上そのまま縫うのではない、「わずかに縫い代側に逸れる位置」を縫うことがその後の作業に繋がる

一応アイロンで基本的な線を付けます。

ラッピングはくるみ込むので、反対側の分も均等に線が付いた、観音開きのような折り方です。

このように線が3本現れるように均等に、細長い生地を縦に真ん中、更にその真ん中で折り目を付けます。

そして、スタートの位置が一番右のラインの折り目になるわけですが、ここでもうすでにこのたびのポイントとなります。

右端は縫い代の先端。本体生地にパイピング布の右端をぴったり重ね、線より右側に1mmずれた位置を縫います。

まともにアイロン線の上を忠実に縫ってしまうと、縫い閉じの時のキャンパス地の1mm程度の厚みがパイピング布において不足し、前面と後ろ面の生地の分量が均等にならないのです。

つまり、ずらした1mmというのは、生地の厚み分を余分に見込むという意味です。

このたびは、ここまでです。

その後、くるんで、縫い閉じステッチがあるのですが、そこでもポイントがあるので、また別の機会に。。

ざっくりと、その後の作業をお伝えしますと、アイロンでパイピングに返す時に、先ほど縫ったステッチ線を完全に隠して見えなくすること。

そして、最後に縫いとじの時は、今度は、先ほど縫ったステッチ線をぎりぎりで覆い隠れる位置にステッチすることです。

あまり余裕を持って覆い隠すと反対側のステッチが良い位置に乗りません。

ということで、まずは、印通りとも言えない意外な1mm際を縫うというポイントの理由が、キャンパス地の厚みを考慮してものであるということをお伝えしました。

ただ、ラッピングも5mm以上にも及ぶような厚みのものは、パイピングをすること自体見直す必要がありますので成功率は低いです。

よって、1枚-2枚仕立て程度の1-2mmの範囲内のものがこの方法で綺麗にできると思います。

裏側も表側と同じような鏡に映したように均等にステッチが載ったパイピングは非常に美しいもので、目指すゴールはその姿です。

あとがき

このたびは、ストレートの場所なので、別布パイピング布を縦か横のストレート裁ちで行いました。

カーブを描いている場合は、多少生地がもったいなく余っても、必ずバイヤステープに裁つことが必要です。

なぜなら、カーブをストレート裁ちでパイピングすると品物が「反る」ことがあるからです(実際に反った経験をしました)。

このたび途中までの解説のその後の続きは、いずれ、たくさんのパイピングの経験からアウトプットした内容をどこかの記事で綴りたいと思います(^-^)。