<マチ>型紙に赤マジックで線を引きながら探る、トートバッグのマチの計算式にマチの縫い代寸は入れない理由【138】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事は、2020.07.02に投稿の1つ前の【137】と関連、以前はこちら【138】と1記事に合算してまとめておりました。

それもブログ記事の整頓の1つではあったのですが、その後の更なる「手直し」により、当記事の番がやってきた2025.05.20現在、新規投稿により【137】とは分けることにしたのです。

【137】では、「マチ付きトートバッグの出来上がり寸法からの逆算で作る正しい型紙」の作り方を解説しました。

積み算式に、縦と横を出来上がり寸法からのスタートで正しくマチ寸法と縫い代寸法を加えていく「方法論」のみです。

こうした計算式のみの提示で、数字を当てはめるやり方ですぐに引用できることを優先し、「理由」の部分を後回しにしていたのでした。

この【138】から続く後の【769】【807】【915】は、同様にタイトルに<マチ>が付き、その計算方法の正しさの解明の部分に焦点を当てた投稿なのです。

完全解明には、物理的なところまで迫る難しさがあり、そのことが混乱と複雑さを生むことで、最も基本的なやり方のみの投稿を【137】とさせていただいたのでした。

ということで、このたびからの<マチ>の投稿は、「マチの縫い代を計算式に含めない不思議」を紐解く物理的構造に迫る内容となっていきます。

単純で誰もが同じように実験出来て納得できるようにと、型紙を立体的にして実際にマチを作りミシンで縫う部分に赤マジックを印しました。

型紙を広げた時にその線はどこを走っているのでしょうか。。それがマチの計算式を納得する1つの解明方法になると思います。

<マチ>マチ付きトートバッグの型紙を立体的に組み立て、縫い代1.5cmに赤線を引いて広げたら出た答え

【137】の投稿でも利用したマチ付きトートバッグの出来上がりサイズと縫い代を含む型紙サイズの計算式。
実際のトートバッグではこの部分の構造を寸法の部分に焦点を当て解明していきます。
マチを作る時の風景(縫い代は1.5cm):トートバッグ製作経験者様はこの風景はなじみ深いと思います。
マジックシミュレーション:上の図と同じ状態の半分で見ていきました。こうして1.5cmの縫い代線を付します。
平面型紙での上のマジックの位置:削ったマチに内部に赤線が付き、右側に少しはみ出しました。
反対側も同じように赤マジック(点線):区別がつきやすいよう点線にした反対側。

ここで、暗いトンネルを抜け出たかのように明らかになったことは、ミシンで縫っている線は、平面で「Lの字」を縫っていることにイコールであるということ。

言い方を変えますと、実線の方は上糸、点線の方は下糸という見方もできます。

どうでしょう、マジックの線が型紙の1.5cm内側を完全に覆ったという実証から、逆説的に「マチに縫い代1.5cmを含めていないのに正しく出来上がった」と言える実験結果です。

寸法に焦点を当てた見方:7.5cmの型紙のマチを折った時の半台形の底辺は1.5cm右にはみ出した9cm。

左側は、本体の底の縫い代1.5cmに該当しますので、マチからは削除の9-1.5=7.5cmがマチの領域。

出来上がりのマチ7.5cm分よりも1.5cm右にはみ出して奪った1.5cm分は、底の縫い代である左側1.5cmと重複することの余分と打ち消し合って「0:ゼロ」なのだという見方で腑に落ちませんか?。

このたびは、ここまでです。

あとがき

このたびの赤マジックの検証でも、随分クリアになってきたのではないでしょうか。

私は、この実験をするまでこのような構造すらイメージできていませんでした。

しかし、今後アウトプットして多くの方にお伝えしていくにはもっと深堀りして腑に落ちねばとやってみたことでした。

じゃあ、縫い代が底は1.5cmでもマチの方が1cmという風に同じ縫い代ではない場合はどうなるのか。。など、多様なケースでやってみて、物理的法則や構造を掴んでいくことになります。

というわけで、続く【769】【807】【915】も投稿があるのです。

自らが納得したお品物は、きっと優れたお品物になっていくと思うのです。

素敵なバッグが完成できますよう、応援したいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

前後2面を合体する構造のマチ付きバッグの視線が集まる大切な場所、底のハギ目の十文字が美しく重なるための舞台裏【184】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

パッチワークを作る時のハギ目の出方の美しさ、キルティングのステッチ線の美しい出方。。

これらが整然と並ぶことで出来上がるテイストの可能性も広がります。

そのためには、正確な寸法や裁断ラインのミリ単位の徹底を事前に工夫します。

この考え方と何ら変わらぬと思えますのが、マチ付きトートバッグのマチ底。

むしろこちらは左右にたった1か所ずつであることで、よりそれぞれが際立つ場所になるのです。

このたびは、縦も横もハギ目が重なる「十文字」のマチ底の出方の美しい姿を追求、トートバッグを本当の意味で美しく作り上げるコツをお伝えしてまいりたいと思います。

ありふれたデザインだからこその徹底追求、マチ付きトートバッグの角の十文字のぴったりと美しく重なるための事前作業

美しく十文字が出るためには、マチ縫いのステッチ直前における重なり位置のチェックの徹底ということになります。

そもそも両割りをしっかり開いている前提。ここで見る内部の重なりこそ表面を整えていることになるのです。
位置決定後の待ち針:真ん中が最初、残りの左右を留めます。この向きに異議があれば上部からこちらへ差します。
マチ縫い:この時は縁から縫っていますが、二重縫いなので真ん中から始めて真ん中に戻るという順こそグッド。

縫う時にも少しずれることを考えますと、そもそも最初に待ち針を打ったど真ん中からスタートが確実と言えます。

これは、後になってからのノウハウなので、画像や動画が端っこからのものしかなく、申し訳ないです<m(__)m>。

数々のマチ付きトートバッグ:こんなシンプルなサブバッグでも、このたびのような細部の整いで差が出るもの。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.08.16からおよそ5年後の2025.07.05にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

良い仕事ができているお品物は、価値も上がるものだと見ています。

特に、トートバッグはシンプルで作りやすく、そのノウハウもネット上にあふれていますので製作意欲をそそる1つのデザインです。

素朴なデザインであるからこそ、その作り易さのみに甘んじることなく、確かな熱意を持って挑むことです。

マチの十文字もいわゆる柄のようなもの、チェック柄の一部をズームに映しているのだと考えたら。。

マチのハギ目も、美しさを感じるということはもはや「模様」のようなものなのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク