製造者自ら考案の仕様を3箇所も間違えたエコバッグはボツ品へ、それでも決して使い物にはならなくはない作りの良さがかえって分かった【1325】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近ずっと連続製作のナップサック。

数か月ぶりにもう1点の定番品、「エコバッグ:切餅:きりもち」を製作しました。

というのも、このデザインは1枚仕立てで表地1種のみで作るので、縦が1m必要であり、そこそこパーツの数が多いのです。

支柱・取っ手・底ベルトなどの長いパーツが多いというところも特徴です。

一重仕立ては縫い代を美しく隠す工夫が必要で、丁寧な作りとなるとロック始末よりも「ラッピング:くるみ込み」を選択しています。

なかなか良い仕立てのジャケットやコートのハギ目に両端ラッピング/パイピングで縫い代を始末してあるタイプをご覧になったことがあるかもしれません。

ああいった作業が高級感の証(あかし)と言えるのも、手間をかけるからなのです。

さて、この用尺1mかかるデザインを生地ストックの中、「ちりめん」が使えそうだと取り出して製作したのです。

黄色がかったクリームベージュ色の無地のちりめんは凹凸感があって高級感が高まりました。

しかし、結果、3つの仕様ミスによりボツとなったのでした。

このたびは、そのミスの3つを解説しまして、ボツにするほどの理由と反対にボツになっても結局は使い勝手には何ら申し分のない現実もお伝えしたいと思います。

①ベルトの取り付け順間違い②三つ折り内部の生地カットし忘れ③トップの三つ折り幅間違い(幅狭過ぎ)の3つのミスでボツになったエコバッグは十分使えた

久しぶりだったのもあり、考案者自らがポイントを忘れて、3箇所仕様通りではない出来上りになりました。

一見問題ないようですが、その作り方に込めた意味があるのでやはりミスになりまして、試作品として自分使いの機会をいただきました。

自分使いの持ち心地などの感触に関しましては、別記事の【1324】に綴らせていただきました。

では、その間違いの場所をを解説してまいります↓。

切餅:<サイズ>縦37cmx横36cmx18cm。<表地:ベージュ>ちりめん、ポリエステル/100%、日本製。

大きめの箱も入る程のたっぷりとした容量が誇れる点です。

取っ手もたっぷりとした長さがあるので、少し箱がはみ出しても大丈夫。

現実的な買い物シーンではこうしてはみ出すことも多いと思います。

使い勝手に特に大きく影響することは有りませんでしたが。。

<間違い①>底ベルトの順番を支柱よりも後にしてしまったこと。本来は横向きが先に取り付ける順番です。

早速なのですが、肝心な底ベルトの縫い付け順を間違えてしまいました。

ここには深みある理由があり、まずは中に入ったものを底ベルトで底板のような役割で支えるのが第一。

そして、さらならるパワーとして縦の支柱を両サイドから全体を持ち上げるという意味です。

その意味を考えると製作してしまった順番はとんだ矛盾なのです。

このお話をしなければ気付かないことかもしれないですが、意味をこめていますので、非常に違和感があり「間違えた」とどうしても思えるのです。

自分が考案しながらも自らが間違えるというのが何とも。。

<間違い②>両サイドの縫い代の三つ折りの一番上。三つ折り内部の隠れた1枚をカットし平らにするのが正解。

この時は忘れても何ら問題がないように感じますが、その後のトップの三つ折りの時にごわつきます。

先に作業のサイドの三つ折り時点で薄くすいておかねばならなかったのです。

後から応急処置的に三つ折りの直前に分厚くなった状態を斜めにカットしていては、結局効果が薄くごわついたままなのです。

そうした結果、トップの三つ折りのステッチはこのごわついた箇所でゆがんでしまったという負の連鎖が。。
<間違い③>そもそもトップの三つ折りは、1.5cmの巾の三つ折りが正解。サイドと同じ1.25cmずつでミス。

1.5cmを1.25cmで三つ折りしてしまったその差0.25cmの差が意外と大きいのです。

その影響は取っ手の付け位置との距離が増えトップのラインがややたれ気味に。。

ちりめん生地の重くタランとなるという性質には打撃のミスです。

もう1つはバッグの入り口らしく幅をゆったりととりながら、それでいてすっきりとした1.5cmの三つ折りはベストな入口の様子だと確認した上での仕様なのです。

まるで、建築でいうところの「門:もん」のようなイメージですかね。

ということで、3箇所も自分で考えた仕様を間違えるというハプニングを伴った出来上がりだったのでした(^_^;)。

たためる範囲はこれくらいまで。これで縦21cmx横12cmx厚み5cmです。

それだけ頑丈な作りを追求していると思っていただければと。

あとがき

このたびの3つのミスによって分かった事。。ピクチャレスクはたまたま考案した役割を担っただけであるということです。

自らもその仕様の記録をしっかり見直してその通りに作る何ら第3者なのだという感覚です。

デザインは私だけのものでは決してない、多くの方にアウトプットし広める、「共有型」のものなのだと改めてそう思ったこのたびの製作でした(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

バニティーバッグ作りのボツ品からの学び、寸法の正確さ・生地の厚みの制限・歪みが目立つ難易度が課題【16】

アイキャッチ画像16

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、考え方によっては貴重な経験を致しました。

製作のバニティーバッグが大きく失敗。

「失敗作」というのも製作者それぞれのジャッジのポイントがあると思いますが、とにかく美しくなかったのです。

気分が良くない、晴れないような気持ちを製造者自らが感じてしまっては、決して成功とは言えないのです。

正確な寸法はもちろんのこと、おしゃれ度も良き心地を得るには大切。

本来、こんな風に写真などをご披露するようなものではないのかもしれませんが、ある意味貴重だと思います。

というのも、多くが美しく仕上がっている成功だけを記録として残してあることがほとんどだからです。

しかし、ピクチャレスクとしましては、ボツ品からの学び、その後の改良や成長の記録も含めた「本当のこと」をお伝えしたいと思い、この失敗をゴールではなく「過程」としてとらえました。

寸法を正確に設定することすらしていなかった未熟なバニティーバッグ、更にパッと見の美しい姿が必要な難易度

ボツ品のバニティーバッグは大変お恥ずかしいのですが、技術の未熟さを含めた複数の原因の集まりの結果です。

冷静に原因を解析していきます。

後で貼りますYouTube動画には登場しなかった別のボツ品も、ここで掲載していきたいと思います。

一応完成させてしまいましたが、ラインが美しくないことがぱっと見で分かります。特に濃紺の無地部分。
楕円底の部分がきちんと重ならなかったのも寸法の不徹底さと生地に厚みがあり過ぎたため。

本来ショルダー付きなのですが、ショルダーを作る手前で製作をストップ。

そもそも生地の調達でミスをしており、表地の美しいジャガードの生地不足により、裏地に使う濃紺のジャガード生地を表地にもやむなく使うなどということになったのでした。

せっかくの美しいジャガード生地にもかかわらずカーブのラインが悪いのは、不安定さに負けた歪みです。

生地が不安定なら、接着芯に加えて「ハード薄芯も貼る」ということでハリコシを出し、カーブも美しく出るようにできることをその後気付いていきます。

側面パーツと底パーツの寸法の不一致によるタック:致命的なミスですが、無理やり完成してしまいました。
1種の生地のみで作ったバニティーショルダーバッグのボツ品:そもそもファスナーが柄をつぶしています。
ネックパーツの歪み:確かに歪みやすい場所ですが、あまりにも左に寄ってしまっています。
マルチカラーの美しいカラーの集まりに汚い色の焦げ茶のファスナーというセンスの無さは一番の致命的ミス。
もっと根本的なこと、この生地をバニティバッグで作ったことさえ選択ミスなのかもしれないのです。

あとがき

難易度が高いデザインは、せめて難易度を下げる工夫をするべきでしたが、そこまでの配慮が無かった2019年のこと。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.04.29からおよそ5年半後の2025.01.16に、ブログ記事の「手直し」の順番でタイトルから見直し、ここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年ではかなり技術が高まりましたが、バニティーバッグは成功確率が低く、製作廃止に至りました。

「100%ではないなら作らない」という考え方。

とはいえ、「未熟な技術しか持ち合わせていない2019年に、よくぞこのようなデザインに挑戦したものだ」と懐かしく振り返ります。

その後、急カーブ過ぎる半径2.5cmのカーブラインを、思い切って緩やかな半径7.5cmの円の一部を使うことで作りやすくモデルチェンジ。

その他、ネックパーツの真っすぐな設置の仕方の工夫などを徹底的に研究し、ある一定のレベルまではアップしたのがこちら↓。

これがバニティー型の最後の製作品だったかと。生地のハリコシの力も借りながら完成。おかげ様で売れました。

とはいえ、たまたま生地の良さのおかげで成功した時があったというところにとどまりますので、難易度は依然としてあったわけです。

ただこのデザインは魅力もあり、小さいからこそ難しさがあったとも言えます。

縦の寸法を長くリュックにした形などは広々と作業ができることで、もしかして成功する確率が高まるかもしれません。

そんな見込みを立てられるのも、苦い失敗の結果ながらも難易度高めのデザインに挑んだ2019年の成果と言えるかもしれません。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク