宝石ブランド様が人知れず行ってきた陰に隠れた工夫は、他の追従をものともしないこだわりや個性にある【337】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「華麗なる宝石物語:桐生操 著」という本を拝読。

宝石にまつわるエピソード的な貴族の物語と、宝石ブランド様の創業秘話などを知りました。

この本から学べることは、「商品が広く知れ渡るための努力のようなもの」です。

どのブランド様も何もせずにただの運でトップの座に至ったわけでは決してないことが分かります。

現在の「成功」に至った軌跡の出発点が意外、最初から未来を予想して最も最短の方法で歩もうと念入りに計画されたものでは決してなかったということです。

長い長い歴史と歩みがあったことを知り、結局大切なことは何なのかを自身の言葉で綴りたいと思います。

それぞれのブランド様の成功の理由は何だったのか

前半部分の宝石にまつわる物語も非常に面白くて引き込まれて夢中になって読んでしまいました。

後半部分の宝石ブランド様の創業のきっかけや当時の様子などもとても興味深いストーリーでした。

特に後半では、現在でも固定ファンの多く付いた老舗宝石商様の成功の理由というものを知りました。

他の事業のヒントにも必ずなると思いましたのでその点に特に注目してみたいと思います。

まず、誰もが知っている「ティファニー」様。

創業は、骨董品や文房具を扱う小さな雑貨店からのスタートのようです。

とても意外です。

「ティファニー」社はアイデアというところにとても個性があったようです。

アイデアというのはデザインのアイデアではなく、商品を売り出して広めるためのアイデアです。

次は、「ヴァン・クリーフ&アーペル」様。

周囲が石を見せることに注視したアイテムを作っていたのに対し、デザインを主軸にすえたことが新しかったとのこと。

そして、「モーブッサン」様。

新しい時代でも伝統の重みを入れ込むが、伝統といっても古さを感じさせるものではない現代にマッチしたものという拘りを入れ込んでいるようです。

そして、「ハリーウィンストン」様。

石本来の美しさを活かすべく、石だけが見えるデザインを技術によって実現。

そして「ブルガリ」様。

いつでもどんな場所にでも付けていけるジュエリーを目指したということです。

それぞれのブランドには、特有の拘りや個性があるのです。

昔は、高貴な人のみが身に着けるものだったジュエリーが、こういったブランド様の多くが大衆に広まるように購入しやすくする工夫とか、日常的なジュエリーというものを考えていったからこそ今では身近に感じられるアイテムになることができたのだと思います。

もちろん、ブランド様によっては、高貴なイメージを保ちたいということであえて安く入手できるようなお品は提案していないところもあるのかもしれません。

だんだんと多くのブランドが伝統的な高級品のラインも保ちつつ、一部のラインとして、購入する人の層を広げるために日常的なジュエリーを提案してきているという時代の変化も含めた流れがあることは、もっと隅々まで名を知られる時期に来たのだということでしょう。

この広く知れ渡るということについては、どの事業にとってもヒントになることです。

「どこの誰もが知っている」ということこそがそのブランドの成功の証ということなのかなと思います。

あとがき

宝石を扱う「宝石商」である有名な宝石ブランド様達。

それぞれ独自の特徴を世の中へ広めることに成功した現在がみんながよく知るブランドであるということにつながった証。

「宝石」自体の美しさだけを頼みの綱としていることが決して見られない、自社で展開する工夫がありました。

ここから学べることは、どんな事業でも材料の質の良さとか取引先などに依存していることがいかにまだまだ足りない状態なのかが分かります。

独自の「身を粉にする」までの努力と研究や工夫とアイデアが「多くの人への広まり」を実現しているのです。

その1つには、時代の変化と共に共通する「庶民が持つジュエリー」というポイントだったわけです。

「本物志向のレンタルジュエリー」をさせていただいている自身が目指すところも、たとえ製造業者ではなくても自社ならではの努力と研究や工夫とアイデアが必要なのです。

レンタルは元は品物が存在しているわけですが、1つには「組み合わせのご提案」というところが独自の工夫になります。

セットになったジュエリーはpicturesque(ピクチャレスク)しかできないことであり、そこに強くこだわっています。

まだまだ思うように実現できてはいませんが、とても素晴らしい姿を見せてださいましたこのたびの本に感謝です<m(__)m>。

複数のデザインに共通する深みのあるテイストこそ「ブランド」を作るのではないか、地道に改良を重ねたハンドメイドバッグの名前付け【323】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いよいよ2021年に入りました。

昨年2020年から立てていた目標として、ハンドメイドバッグのデザインの精鋭がありました。

そのためには、いろいろなデザインにも挑戦しないと可否が分からないものなので、いろいろトライしてみた2020年でした。

最終的にひっかかりが残る部分というのは、使い勝手やセキュリティー性の不十分さです。

これがないといくら素敵に見えても、ユーザー様をがっかりさせてしまうからです。

使い勝手というのも少々奥が深く、ストレスのない開閉や機能でなければと思い、頑丈に施錠しすぎて、かえって開閉がスムーズに行えないこともありました。

その辺りのバランスを見て、入り口が完全に閉まっているなら中側のポケットにはファスナーは必要がない方がかえって良いのです。

物の取り出しにストレスを生むことなくスムーズに使えるメリットがあるなど細かいバランスを検討してきました。

そうして、最終的に全7点のハンドメイドバッグを、2021年に製作していくものと決めました。

思えば、20デザインほどもともとあり、7点になったということはおよそ3分の1に絞ったことになります。

価格帯別でいえば、1つの価格帯で1点-3点といった割り振りです。

そして、とても重要になると考えているキーポイントがあります。

それは、1デザインごとにネーミングをしたことです。

このたびは精鋭の7点のそれぞれの「名前」をご紹介したいと思います。

7点のハンドメイドバッグの名前付け、親しみやすく日本製らしさが伝わるようにと「衣食住」の「食」から引用

ハンドメイドバッグ7点の名前・・・身近な食べ物が集まりました。
切餅(エコバッグ):形が切餅のような配分の直方体であることからのイメージ。実際に切餅も入ります(^-^)。
昆布巻き(フラップバッグ):包み込むようなデザインが昆布巻きに繋がりました。ごつい名前とのギャップw。
卵焼き(バニティバッグ):卵焼きを立てた時のイメージから。お弁当バッグにも良いかと思います。
テリーヌ(ブリーフケース):メンズが発祥のデザイン。内側の綺麗なお花柄が特徴。

外側と内側のギャップも楽しめるものになります。

「テリーヌ」はゼラチンを使ったおしゃれな洋食。

作ったことがあるので、よりイメージが浮かびやすかった名前です。

おにぎり(アーチ型バッグ):フリルは最終的に付かないものになります。こんな形なのにリュックになります。
かまぼこ(ボストン型):底がぴったり安定した感じがかまぼこをイメージ。こちらもリュックになります。
餅巾着(巾着型バッグ):ファスナーを一切使っていないのに、セキュリティー性が高い巾着型を実現。

どれも、最初からのサイズやデザインだったわけではなく、改良に改良を重ねて前向きに取り組んだ先の行き着いた姿です。

あとがき

以上の7点に名前を付けました。こうしてこの7点をじっくりと生地の違いを楽しんでいただくようできるだけたくさん作っていきたいです。

今回の写真のようなカラー物はいったん2021年の3月くらいで終了。

その後は、黒ベースのマルチカラーだったりだとか黒を絡めて、黒コーデに合うバッグということにもう少し特化していく計画を組んでいます。

では、2021年もどうぞよろしくお願いします(^-^)。

製作に「らしさ」を込める、例えば「この人が製作のポケットだ」と分かるように【294】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、ハンドメイドバッグの各パーツについて、他のバッグとの差別化とか個性、あるいはブランディングにまでなるのかもしれない、なっていきたいというそのパーツ自体のデザインや作りについてのお話です。

手法を秘蔵するよりも伝えていくことの方が断然素晴らしいとお伝えする方向主流に舵を切っています。

よく、音楽に似ていると思うことがあるのですが、メロディーとか曲調で、この作曲家が作ったのではないかとか、「らしい」と思ったりすることに似る部分があります。

。。というのも、同じ芸術品を作り上げるということが共通しているからです。

円の一部の5cmの半径を利用したフラップ

内側のフラップポケットのフラップ:半径5cmの円の一部をコンパスで利用し型紙を作っています。

ゆったりとしたボリュームあるフラップです。

ポケットの袋を優しく覆う屋根のようなセキュリティー性を追求したデザイン。

以前に、ここにマジックテープを付けていたのですが、実際に自分で使ってみて、マジックテープを不要にした方がストレスフリーでした。

この安全性と使い勝手のバランスは悩むところですが、都度の細かな判断により決めていくのです。

入り口がファスナーなどで密閉されていれば、ここは、マジックテープ無しの方が開閉の時に余計なヒネリなどが必要なく、さっと物が取り出せるポケットになるだろうということに行き着いています。

フラップポケットの完成。
隠しポケット作りのラッピング布を固定した場面。

ポケットの袋は、ラッピング布をそのまま袋として大きいパーツで使う方法もありますが、別にしています。

理由としては、もともとファスナーが付いたバージョンからスタートしたので、それと同じ手法だとここで区切るのが同じ作りとなります。

ファスナーの場合、ポケットの中を覗いた時に、ファスナーの縁が見えない綺麗なやり方がこの分けるやり方です。

もう1つの理由は、直接だと、上の枠のラインにポケットの袋に物を入れたときの重さの比重の影響で、スクエアの枠の形が変形することの懸念です。

枠に袋を取り付けたという構造は枠が変形しないと見た考え方です。

隠しポケットの出来上がり。

この「片玉縁風」は、「ひさし」が中を見えにくくして、セキュリティー性を高めます。

ここ最近はファスナーを取り付けておらず、手を入れてすぐ取り出せる便利性も考えて行き着いたファスナー無しの隠しポケットです。

隠しポケットの裏側の構造。

袋にもちゃんと接着芯を貼ったので丈夫です。

出来上がったバッグではこういった部分は見ることができないので貴重な写真です。

取っ手の完成:取っ手は共布で作ることが多いです。既製品の本革レザーなどは利用しません。

ご要望に応じ本革も取っ手にしたことがありますが、元の方向性としましては、本革は使いません。

アイレットカンに細めの本革を通して結ぶというのも向きが不安定で廃止しています。

あれこれ考えると、現在は、取っ手も布で作るに至っています。

取っ手の付け根タブx4個完成。

このようにパーツのみで一度縁をぐるり1周にって、8角形のとんがりをしっかり出しておくことが綺麗にできるコツの1つ。

ストレッチフクレジャカードという生地は、薄手で折り目が付けやすくて、角がしっかり出てくれたので出来上がりは期待できます。

厚手すぎるとふんわりとなってしまい線があいまいで、あまり綺麗にできない傾向があります。

ショルダータブの5cm四方のパーツ。
接着芯である薄芯に加えて、ハード薄芯をボンドで貼ります。

このような小さなパーツでも、ハード薄芯まで貼ることで、うんと丈夫なタブになります。

タブは全体を支えるので大変重要な箇所。

ここを薄くあっさり作ってしまってあるのがレザー製品。

ブランドのスタイリッシュなバッグのショルダータブがちぎれることが起きていた過去があります。

スタイリッシュに映ることを重視して薄くしてあること、元々ハンドバッグに附随しただけのショルダーであった過去のバッグの流行の傾向があったと思います。

しかしながら、ここ近年は、ハンドバッグよりもショルダー、リュックと体に負担の少ないデザインに変化しつつあります。

よって、よりタブの存在は重要になってくるというわけです。

リュックなので3個のショルダータブが完成。

やはり、この生地にはゴールドのDカンが合いますね。

取っ手を真ん中線から、左右へ6.5cm、下へ6.5cmの位置が正8角形のタブの位置。

取っ手は2cm分中へ隠します。

縫い付けは、一番上の横のラインを返し縫3度、周囲を2度のステッチで固定。

なじんで見にくいですね。アップにしてみます。

更に寄ってみます。

この8角形のタブの目的は、取っ手の付け根を隠すこととデザイン性の2つを兼ねています。
ここも力がかかるところなので、このように8角形のタブの部分にハード厚芯で力布として補強します。

最初は粗裁ちで四角く裁断して、縫った後で余計な縁をカットする方法でこうなります。

このように作るととても安心できます。

以上がここまでの今回の進捗具合でした。

いろいろなパーツの裏側をご紹介致しました。

あとがき

今回の複数パーツについてそれぞれ、意味が込められていることがお分かりいただけたかと思います。

長く愛用されるようなものをどのデザインのバッグにも組み込んでいきたいと思っています。

こういった細かいパーツも、ちゃんと意味が入っていると、「深みのある品物」なれます。

なぜ、この形なのか、それが苦肉の策の末行き着いた形であればあるほど、はっきりとしっかりお伝えできる「哲学」になります。

メンズアイテムからのヒントが画期的、ご本人が活動的な働く女性のアイコンだった「ココ・シャネル」の偉業について【231】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今現在から見通す、今後の自分の未来像などというのを時々思い浮かべます。

ここ近年めまぐるしくいろいろなことが変化していていく世の中。

これまでの淡々とした毎日がだんだん変化していると感じ始め、違和感を感じ、これまでの働き方に「行きどまり」を感じた2017年末、勤務する働き方をやめ2018年から個人事業主をしながら現在に至ります。

年金など我々の頃には期待できないということも言われてはいるのですが、それよりも将来像として、「おばあさんになっても働いている」というイメージを持っています。

ずっと仕事をしていくことが、生きがいであり幸せであるというような価値観です。

ここ最近ファッションの勉強を兼ねて、ファッション史の本をたくさん読ませていただきました。

その中に、実際に亡くなる前の日まで働かれていた方がいました。

誰もが知っているデザイナー「ココ・シャネル」様。

ココは歌い手時代からのあだ名なので、本名は「ガブリエル・シャネル」、フランス人です。

シャネル自身が働く女性の先駆者

「シャネル-最強ブランドの秘密:山田登世子 著」という本を長い日数をかけながら一読。

すごく言葉の言い回しが難しく、漢字を何度も何度もググりながら、漢字の勉強もした本です(^_^;)。

ただ、とても面白く読むことができました。

著者様は、他の本にも文献として登場するのをよく見かけるお名前。

「ファッション史家」なる人物だと思っていたのですが、どちらかというと「フランス専門の文学者」という立ち位置でいらっしゃいます説明がウィキにはありました。

では、この本の中から大変感銘を受けた部分、シャネルの成した「業(わざ)」だと思う点について書きたいと思います。

シャネルは活躍の時期が戦前の1910年頃から。

今から見るかつてのパリが舞台のデザイナー達が活躍したころのオートクチュール時代では、わりと先駆者。

途中、世界大戦も挟んでいますので、仕事をいったん中断せざるを得ず移住や亡命など激動の不安定な時代を経験された時の人でもありました。

時代背景こそがその要因であったこともあり、新しく女性が生まれ変わっていく時代でもありました。

デザイナーとして「メゾン:店舗」をパリに開店した1910年以前は、貴族たちが華やかなドレスを身にまとい、豪華絢爛といういわば見かけの表面上のすばらしさがファッションの評価となっていた時代の終焉がありました。

まだまだその名残がある中、実際そのドレスを着ている女性本人は、身動きがとりにくく、ウエストをぎゅぎゅっとコルセットで締め付け、かわいそうなことにそのコルセットの締め付けのせいで骨が損傷していまうという事態にまでなった方もいたほど、体が被害を被っていたのです。

そのような競い合いながら良きお相手に見初められることを意識するばかりの見せかけのお洋服の時代。

お嬢様が家でじっとしている時代から、女性も外へ一人で出、スポーツをしたりするような時代にもなっていく過程があり、その良き波にシャネルは自ら飛び乗ったとも言えます。

ご自身こそが働く活動的な女性としての現実を見事に同じ女性に今後の着心地のよい洋服をリアルに示しながらご提案していったという、上手い宣伝方法です。

男性の洋服からのヒントがこの人ならではのアイデアだと言える

シャネルは、男性の洋服をよく観察していたよう。

駐屯兵に出くわし、彼らがぶら下げていた、ショルダーバッグのはしりのようなバッグを応用し、かの定番の「チェーンショルダーバッグ」を生み出したのです。

両手がバッグから解放され、手が自由であることが画期的でありました。

また、そのショルダーバッグの中の構造に、携帯用の口紅が入れられる箇所を作り、機能性にすぐれているという男性的な要素を盛りこんだバッグを作っていったのです。

また、恋人の洋服をよく研究し、メンズのアイテムでしかなかったセーターやツイード素材なども男性のアイテムからの引用です。

日々、アンテナをはりめぐらし、アイデアをメンズから取り入れるといったところが全く新しかったのです。

今までに使われなかった新しい色、ベージュと黒の背景

「シャネルカラー」と呼ばれる2色があります。

それはベージュと黒。

ベージュは、かつてシャネルが生まれ育ったパリから遠く離れた村の生まれ故郷の「土」の色。

シャネルにとっては、人生の中の1ページにベージュがあったのです。

もう1色の黒は、幼少期に過ごした修道院の「シスター」達のユニフォームの黒。

かつては、喪服にしか使われていない色であったにもかかわらず、あえてこの黒色を普段着、お出かけ着に取り入れたということが画期的でした。

黒というのは、実はとても強い色、他の何色を混ぜても変化しない黒のままである最強の色なのです。

まさに、この黒に込めたシャネルの「精神の強さ」が感じられます。

身の回りからの着想を得るセンス、色でその思いの度合いを伝える、なんて素敵♪。

イミテーションアクセサリーにこめられた「ブランディング」

シャネルは、今までは、貴金属、つまり今でもとても高価な素材である18金やプラチナなどを使ったアクセサリーしか存在しなかったところへ、おもちゃのような、メッキのイミテーションアクセサリーをあえて高価格で販売しました。

この挑戦にもとても強い気持ちが込められているようです。

「豪華絢爛な貴金属を世の中からなくしてしまおう」とまで思っての企画であったよう。

と、同時に人々は、素材の良さで買うのではない、シャネルが作ったものだから特に高価な素材でなくとも振り向くのです。

そうしますと、「シャネル」様の「ブランディング」が、きらきらのダイヤモンドや真珠や貴金属に勝利したということを証明したと言えるのです。

ヨーロッパとアメリカの文化の違い

シャネルは、アメリカに特に受け入れられたと言われています。

映画の衣装の製作の依頼が多くあったことで、ハリウッドの重要なデザイナーであったヨーロッパ人です。

ヨーロッパは、もともと職人の技術がベースにしっかりないとなかなか認められない文化があるようです。

歴史を重んじ新しいことを嫌う文化がヨーロッパには根付いていました。

一方アメリカは、そういった伝統は持っていないので、ファッションは、コピーや模倣からのスタートとなるわけです。

そう考えるとアメリカ生まれの世界的なハイブランドはとても貴重です。

「カルバンクライン」、「ラルフローレン」、「ティファニー」などがアメリカ生まれの世界的なブランドの例。

ただ、アメリカ生まれは少数であり、ほぼハイブランドはヨーロッパが占めているのも事実です。

学校で洋裁を習っていない独学の人

なんとも意外なことですが、「シャネル」様は、洋裁は幼い頃修道院の授業で洋裁に触れていたことだけで、本格的には洋裁の学校へ行っていないので独学です。

1983年あたりからシャネルのデザイナーを担われている「カール・ラガーフェルド」様も同じように独学で洋裁の学校へは行かれていないようです。

そんなところも後継者として理解が深かったところに繋がるのかもしれません。

シャネルはデザイナーの粋を越えた商人

シャネルブランドの商品に関しては、初代「ココ・シャネル(本名:ガブリエル・シャネル)」時代から、コピーや模倣が後を絶たなかったようです。

このことに対する受け答えは、商人気質な考え方を持つデザイナーであったと思えます。

「むしろ真似されて偽物も広く受け入れられることこそが、反対にオリジナルであるシャネル自体のブランドの価値も上がるのだ」という考え方でありました。

真似してもし切れない本物の極致なる場所に居るのだという自信を感じます。

「むしろ、誰からも模倣されないような商品は魅力的でない」のだと。

「自分も町を歩き、その人々達からヒントを得ている」ということらしいのです。

とても、マーケットの構造を広い目でとらえた考え方だと思いました。

こうした考え方は、現在でも何かヒントになるところが見つかりそうです。

本物の宝石と偽物のプラスチックの違い

こんなエピソードも語り継がれているようです。

「住まいであるホテルの一室のアトリエに、常に本物の天然石と、偽物の天然石を並べていつも眺め、本物と偽物の意味とそこからブランドの力というものの可能性を見ていた」と言われています。

言うまでもなく本物の宝石は、ダイヤモンドにしてもルビーにしても高価で美しくきらびやかです。

でも、その高価な美しいキラキラした宝石を身にまとい、見せびらかす風潮の貴族たちのふるまいをシャネルは嫌っていたようなのです。

それに対抗して究極の魔法で人々を驚かせます。

フェイクパールに金のメッキで出来上がったおもちゃのようなネックレスにシャネルのマークを入れることで、付加価値が大変高いものに仕立てました。

こんなことに気づいたのではないでしょうか、「ブランドの価値というのは、ダイヤモンドにも勝る」ということを。。

実際どうでしょう、シャネルのマークが入っているだけで皆が群がります。

人々は、シャネルのそのブランドの価値を受け入れている証拠です。

そんなことが、現在でもずっと健在であるということがシャネルが長年常に考えてきたことの実りであると言えるでしょう。

ブランドの価値を高めることこそが一番の勝利であるということをシャネルは自分の「ブランディング」という武器で、本物の高価な宝石達に挑戦状をたたきつけたのでしょう。

メゾンでの洋服作りをしながら、ずっと持ち続けてきたテーマというか生涯をかけて追求してきたこと。

かつては苦しい幼少時代を送り裕福な生活ができなかったことへの反骨精神のようなものかも、あるいは「悔しさ」も入り混じるのかもしれません。

当のご本人しか分からないことです。

私もシャネルの魔法に引っかかっていた

上述のアトリエにある本物の天然石と偽物の石をのエピソードを知り、はっとした私でした。

全くシャネルと同じように考えていた部分があったことに気づいたのです。

シャネルのブランド戦略の読みが成功していること
シャネルのプラスチックリング:ペンダントやブレスはK18WGと天然石のコンビ。

こちらは、私がアクセサリーが好きで集めてきた、ペンダント、ブレス、リングの3点セットです。

ペンダントの地金は18金ホワイトゴールドでそこそこ高級です。

それにレベルを合わせることを試みて自作したフローライトという天然石のブレスレットも、わざわざ留め具を滅多に売っていないK18WG製のパーツを調達し手作りました。

3点が同じ比重のレベルであることが私がコーデで考えるバランスの1つで、色や形がそろっているだけでなく、材質も均一なレベルにしたかったという拘りです。

そこへ、なんと普通ならここへは合わせない、プラスチックリングを合わせて満足しているのです。

しかし、「シャネルマーク」がしっかりと真ん中に入ったおしゃれなリングであることがここへの仲間入りを果たした所以。

つまり、私は18金ホワイトゴールどに匹敵する価値をプラスチックという素材よりもシャネルのブランド価値に見たわけです。

もし、このプラリングがシャネルのものでないならば、決してここへは合わせなかったでしょう。

おそらく、台がK18WGで、天然石のアメジストあたりがのっているリングを合わせていたことでしょう。

これは、「シャネル」様の考えてきた本当の価値とは何かということの問いかけに共感した姿の1つ。

プラスチックのようなその辺りに転がっているような素材でも、ブランド名が入ることで、付く付加価値が強固で価値あるものであることを証明しています。

もう1つピックアップしてみました。

シャネルのブランド戦略の読みが成功していること
シャネルの金メッキペンダント:バングルやリングは天然鼈甲(べっこう)。

今度は、今や入手が容易ではないと言われている天然鼈甲(べっこう)製のバングルとリング。

これに、シャネルのモチーフのペンダントトップが付いた、ゴールドのメッキ塗りのペンダントを合わせていました。

もし、このペンダント「シャネルブランド」の物でなければ、このようなメッキをそこそこ高級な鼈甲に合わせたりしません。

レベルがペンダントだけ下がってしまい、質がアンバランスだと気になって仕方がなく、違和感を感じてしまうことでしょう。

おそらく、同じ鼈甲製のチェーンか何かのネックレスとか、何かしらの本物らしい天然素材のアイテムを合わせると思います。

ということは、このシャネルのマーク1つで、このペンダントの価値が大きく付加されて鼈甲と同等と思えるアイテムに感じているということです。

すさまじき、ブランド力だということに改めて驚いてしまいました。

シャネルのかけた魔法の渦に私もまんまと巻き込まれたということになります。

あとがき

シャネルは、商品の価値というものを、製作費や材料に置いたのではなく、自社の価値というところに置いたことがシャネル以前のデザイナーとは一線を画した点です。

実際私も、シャネルのプラスチックのリングの価値を貴金属と同等に一緒の価値としてコーデしていたことが、シャネルの狙い通りのブランディングにまんまとはまっているのです。

あとがき

世界的ハイブランドの存在の「シャネル」様が、今現在でも人を魅了しているということが、「ガブリエル・シャネル」様が長い年月をかけてこだわってきたことの実りであると私は思います。

「ガブリエル・シャネル」様が1971年になって間もなくの時期に亡くなり、しばらく「シャネル社」の事業は低迷が続いたと言われています。

その後、1983年就任の「カール・ラガーフェルド」氏がうまくシャネルブランドを継承し、再起を遂げました。

このカール・ラガーフェルド氏も2019年になって間もなく亡くなられました。

さて、シャネルブランドは今後どうなるのか。。

といったところですが、新しいデザイナー様にバトンタッチをしながら引き継がれてはいくと思います。

まだまだ創業者である、「ガブリエル・シャネル」様が築いた「ブランド」自体の地位は簡単には揺らがないと思うのです。

そういう永久的なものになりうるというのが、ブランド力のすごさだということですね。

そこに気づいた、創始者、「ガブリエル・シャネル(通称:ココ・シャネル)」様の先見の明はとてつもないものであったと思います(^-^)。

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