生地屋様からの教えだったこと、カーブを含むバッグの縁を覆うラッピング/パイピングの出来上がり幅は7mm程度が一番作業しやすく瀟洒【1069】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作活動を開始したのが2007年頃。

その後難しいデザインの製作にも挑戦していきました。

そのような中で、随分飛びぬけた挑戦ではあったのですが、バッグの縁をラッピングするという訓練をしていた期間が結構長くありました。

バッグの縁のラッピング:難易度が高すぎて外側に施すことはその後とりやめましたが、この時の訓練は貴重。

この写真は、2018年製のボストンバッグです。

結果的には、あまりにも困難な成功率の低い作業ということでデザインや仕様そのものを変えていく決断に行き着きました。

とはいえ、その後のラッピングの場面では、あの時の過去の訓練が非常に役に立ちました。

そして、パイピングの幅のメソッドなるものも生まれましたので、ここでご紹介したいと思います。

一重仕立てのデニムや帆布のごわついた生地で作るバッグの縁に対して美しく仕上がる7mm程度の出来上がり幅としてご紹介致します。

シミュレーション①:巾35mmからのスタートで観音開き折り。紙では3.5cm幅を4等分で8mm強。
シミュレーション②:布で単独に作ってみたラッピングテープ、すっきりとした幅の仕上がりと感じます。

1cmではカーブは到底こなせない、7mmの縫い代の地縫いで始めていく、カーブを含む7mm程度仕上がりのバッグの縁のラッピング

計算とは矛盾がありますが、実際は生地の厚みがあるところへ覆っていきます。

よって、厚みが1-2mm加わるので、生地がもっていかれるのでかえって現実的な型紙なのです。

ただ1cmには決して満たない7mmという控え目な縫い代が非常に重要。

そのために地縫いをしっかりと7mm、もしくは6mm程度でやっておくのです。

ラッピングする厚みも限界があるわけで、ミルフィーユのような重なりには向かないものです。

こんな微妙な条件もあり、バッグの縁かがりのラッピングは結構高度な技術です。

下記のような考え方はよくないのでくれぐれもお気を付け下さいませ↓。

1cmではラッピング布に皺が寄ったりなどの失敗があります。過去に何度もしわが寄ったり汚く仕上がったりして失敗し、研究済みです。

安定して作業できそうな1cmですが、そういったイメージとは違い実際は綺麗にできない幅ということになるのです。

特に丸底バッグなどのラッピングなどには、布の裁断もバイヤス(45度向き)で行うのがマスト。

これをストレートでやってしまうと、また別の融通の利かなさの問題が発生しますので、ある程度伸び縮みがあり、作業しやすいバイヤスが結果として美しく仕上がっていきます。

ストレートの部分のラッピングはコストがかからないようにストレート裁断で行うこともありますが、ストレートの部分であってもバイヤス裁断の方がラッピングしやすいと感じました。

実際に厚みあるデニムの底のラッピングをナイロン/100%生地でほどこした時の写真です↓。

6mm程度で仕上がったデニムの底のラッピング:7mm程度なので6mmも範囲。訓練の結果こんな感じに。。
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前面と後ろ面両方にステッチが貫通していなければなりません。この6-7mm仕上げが極限ではないでしょうか。

この時もラッピングを突然するということは決してしていません。

ロックミシンの5mm程度の幅を利用し、その5mmくらいをまずは2重縫いの地縫い。

もう1mm程度余分のラッピング布がその地縫いステッチを隠してくれるのです。

あとがき

この度のノウハウは、10年以上も前に人からの教えが根底にあったことです。

やはり、人から人へその手法やポイントを伝えていくことが、長い年月を経た未来に役立つことの1つの例です。

教えて下さった生地屋様のオーナー様には感謝致します<m(__)m>。

そんなことを受け継いで、美しくバッグを作りたい方へ、今度は私がお伝えする番だと思うのです(^-^)。

一重仕立ての支柱型エコバッグ、丈夫に作りたいが嵩張らずにすっきりと仕上げるためのバランスの良い片倒しの向き【228】

アイキャッチ画像228

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「スーツに合うエコバッグ」という企画で支柱型エコバッグを連続製作しております。

広幅が見つけやすいカーテン地中心に1点物として作っていくスタイルです。

前回の課題を今回で解決、更に得た課題は次回へ。。というように研究製作しながら内容を高めています。

このたびお伝えする部分は、一重仕立ての縫い代の始末の解決策の1つ、サイドの三つ折り。

三つ折り部分の片倒しは底やマチとも交わりますので、いかに嵩張らずスタイリッシュに仕上がるのかを研究し交わる部分は互いに反対方向に倒れる計算をしたのです。

裏無しエコバッグの内部は視界に入り外部のようなもの、サイドの三つ折りは底のラッピングと反対向きに倒し平らにならした

使用生地(表地のみ):カーテン地、ポリエステル/100%、日本製。朱色の濃淡が個性的でエレガント。

柄物を表地に選択するとポップな感じになりがちですが、こうしたジャガードの整然とした配列の柄ならば「スーツに合うエコバッグ」にもなり得ると選択したものです。

両面使い:この生地の特徴の片面が無地である点も大いに活用、支柱ベルトのみ無地の面を使用。
底ベルトの面の向きの失敗:結果として見てみますと柄つぶれて汚いことからも、無地にした方が良かったかと。
支柱ベルトの縫い付け:ぼんやりした中間的なベースのカラーに対しては無地の部分はアクセントとなりました。

ここからは、サイドの三つ折りの記録です↓。

左右の地縫い:三つ折り分に使う2.5cm分に等しい端から2.5cmそのままに最初のステッチ。しかしこれは✕。

後でお示ししますが、このステッチをこの場所に入れることで、三つ折りの反対側にこの線が残ってしまいます。

何ともすっきりとしない三つ折りの仕上げを見直し、随分後になりますが2024年に最初のステッチは端から7mmの位置へ変更しています。

この7mmの位置は三つ折り内に隠れる位置なのです。

三つ折りアイロン:天地が逆ですが上が底のラインとしてご欄下さいませ。1.25cmずつ左右共三つ折りします。
三つ折りステッチ:左右共同じ面に向かって三つ折りをするという点がまずはポイントです。
三つ折りステッチの時のトップの始末:すでにトップを三つ折りしてある状態で行いました。

後の仕様では、トップはサイドの三つ折りの後に変更しましたが、このたびの解説には関係の無い場所ですので、また後日の投稿にて。

マチの製作:サイドの左右の片倒しの方向と底のラッピングの片倒しの方向が反対で平らになります。
上と別のショット:マチの真ん中の交わりでは平らにしなければその後のマチのラッピングが嵩張るのです。

ここで、先程の作業の三つ折りの向きが左右共同じ面になるようにというルールが活きるわけです。

もし、バラバラに別方向に向かって三つ折りをしていたとしたら、底のラッピンがねじれてしまうからです。

マチのラッピングから見るサイドの三つ折りの倒れ:倒れた向きの目に映る方が1ステッチのみの方。
縫い代始末の完了:作業の順番は、底のラッピングが先でその後にマチのラッピングを左右共することが必然。
支柱型エコバッグ完成(朱色ダイヤ柄ジャガード):<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ16cm。

実は私ある間違いをしていまして、支柱の縫い付け位置が外過ぎました。

かなり後になって気付きこのまま作ってしまい非常に恐縮なのですが、もっと内側に寄ったバランスが正解です。

底ベルトも配色であるべき大切な理由:底板のような役割でバッグを支える1つの機能なのだという分かり易さ。

あとがき

当ブログ記事は最初の投稿の2020.09.30からおよそ5年後の2025.08.18にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまりました。

途中「その後の改良」という表現をいくつかさせていただきましたが、この5年の間でこのモデルを事細かに改良しているのです。

最後に極めつけのピンタックによって「スーツに合うエコバッグ」らしくなっていった様子は、このダイヤジャガードでより感じたことでした。

毎回課題も多いのですが、実は良い方向に向かえたこともあり、2020年当時はまだそれが入り混じっていました。

より洗練されるためには、課題の早期解決だと思います。

良い部分に奢らず、ひたむきに課題をクリアしていくスタイルが2025年現在の定番モデル(内容が高まった完成型に近い状態)を作ったと言えます(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク