この考え方は危険!、織物生地には織芯、ニット生地にはニット芯という使い分けが正しくない理由【111】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、つい先日私が起こした失敗談からの学びとして、とても大切なお話をさせていただきたいと思います。

それは、芯地の使い分けについてです。

織芯とニット芯をどのように生地に対応させていくかです。

まるで水膨れのよう、気泡が出来てしまった原因の正体

今回、ナイロンオックスというナイロン/100%の生地を扱ってブリーフケースを製作していました。

後に、<ビジネスシリーズ>というものでご披露させていただきます。

今回のこのナイロン/100%に対して、最初、接着芯を織芯でチョイスしていました。

とても単純な考え方です。

織物には織芯をニット地にはニット芯をという考え方でした。

ナイロン/100%のこのナイロンオックスの生地も織物だということで織芯を貼ったわけです。

そうしましたら、こんなことになりました↓。

接着芯によって縮んだ生地がもたらす気泡・・・せっかく縫いを綺麗に行っても最悪の面持ちに。。

あーあ、すべてが台無しに。。。

そうなんです。こんなことになってしまったのです。

ただ、この画像は非常に後に貴重な場面となります。

この原因は、ナイロンという糸の特性にあることが後から分かりました。

例えば、ナイロンが10%ほど混在している混合生地である場合、織物であれば、このようなことにならなかったと思います。

しかし、今回はナイロン/100%。

ナイロンという素材は、弾力性があると言われていまして、横にも縦にも手で引っ張ると伸びます。

ストッキングやタイツにナイロン/100%の素材が利用されていることからも理解しやすいかと思います。

とても伸びるというところが脚を自由に出し入れできて、そのまま動くことが可能になる素材なわけですので、いかにナイロンが伸びる弾力性のある素材であるかが分かります。

つまり、織物、ニットという枠組みではなくて、伸びる生地、弾力がある生地かそうでないかの判断をせねばならなかったのです。

ということはナイロンだけにはとどまりません。

例えばポリステル/100%の素材で、弾力性のある横に伸びる感じの生地出会ったことが過去にあります。

アムンゼンという生地でした。ミシンの針が刺さりやすいがさっとした隙間のある織り方でした。

これに接着芯の不織布タイプを貼ったことがあるのですが、ものすごくしわしわと生地が縮む様相が見られました。

気泡ではなくて、しわしわと縮むことも生地と接着芯の相性の悪さの結果です。

ということで、何も織物だから織芯をチョイスするのが正解ということではないわけです。

そう考えると、織物にもニットにもニット芯を貼るということにしていれば、今回のことが起こることはないと考えます。

なので、ニット芯を定番にしてそれを1本で使っていく考え方も安全策の1つ。

私は、いちいち織芯とニット芯を使い分けているから選択を誤るとこうなることがあるのです。

ただ、しかーしっ( `ー´)ノ。

織芯には、ニット芯に比べて、ハリやコシがうまく出るというメリットがあることも重要。

そうすると使い分けをしていく使い方をするという考え方がもっともなのです。

今回の教訓を今後へ活かす心得

ということで、今回のような恐ろしい体験をしましたので、いかに芯地が大切かということ、そして、当たり前にすんなりうまくいった過去も、生地と芯地がマッチしたことの結果であることが分かります。

芯地を貼る前に生地の縦横を引っ張ってテンションというか伸び縮みの具合をしっかり確かめるという作業が今後は入れていきたいと思います。

ここ最近調達してストックしてある生地の中にも、ものすごい弾力性のあるものもあります。

なので、織物、ニットというくくりは、あまり当てにしてはいけません。

生地の本当の姿といいますか、実際の伸び縮みこそが大切になってくるのです。

あとがき

この気泡のできる理由というのが織芯の融通の無さとナイロンの融通の良さのミスマッチで起こることだと分かりました。

一度できた気泡はアイロンでつぶしてもまたできてしまいます。

ということで、ナイロン/100%、もしくは、ナイロンの割合が高い素材は、たとえ織物であっても最初からニット芯を選択することが正解です。

「織物、ニット」という生地の区分けは「伸びる、伸びない」という単純な分類ではなく、「伸びる織物」や「弾力性のある織物」も区分けの中にちゃんと入れていかねばならないのです。