まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
かつてアパレル勤務時代に取り扱いのあった「ドットボタン」。
パーツが①頭②ゲンコ③バネ④ホソの4種で1セット、2種のコマが工具として附随したものでした。
おそらくダウンジャケットに付いているホックボタンが該当、多くの方が一度は着用経験のある馴染みあるあのアウターに使われていたボタンです。
ハンドメイドバッグ用の類似品を見ると、上のドットボタンとは少し違うのだな。。と思いました。
ツメパーツが2つ入る4セットである点が上の①-④のどれにも同類ではないのです。
ツメの位置を生地越しに確かめながら「生地にツメを差す」という肯定があるのです。
こうした打ち込み式のパーツは、ハンドメイドバッグ活動で大半の種類を実体験済み。
その感想としては、どれも随分不完全なものなのだというもの。
このたびの【279】では打ち込む作業だけの過程を、後の投稿の【281】ではミニポーチが完成する回として、この時期を境界線としてその後打ち込み式の完全廃止を決めました。
この「廃止」するほどの決定の意味をこのたびしっかりとお伝えできればと思います。
見かけのかっこよさ、量産品でも使われているという表面的な市場調査による浅い判断に懸念、「最終的には良質な製作にはならないであろう」と見通した理由などを綴りたいと思います。
「本来ドットボタンに相応しい素材はレザー」という教えに深く頷く、何とかその場で布にカシメることができたその後の寿命の短さ
アパレル業などのお洋服の返品の中に「ドットボタン外れ」などが多いのを勤務時代に多く見かけました。
このことは、ドットボタンを取り付けること自体が不完全な作業であるということの証拠です。
実際に、パーツメーカー様からも貴重な言葉をお聞きしています。
「パーツは基本的に革専用である、生地には向かない」と。
アパレル品の返品をくらった商品もすべて布製、本来相応しくないことをそもそもしているのです。
このたびは、布製であってもマジックテープでは生地を傷めてしまうパイル地に苦肉の策として「カシメるタイプのスナップボタン」を打ち込みました。


針付きの透かしパーツは、凸(とつ)パーツと凹(へこ)みパーツに共通に使用、ミニポーチ3点分なので、ここに映っていない凹みパーツ2個を加えると全部で12パーツを使用ということです。
赤い✕印は、私のこれまでの勘違いミス、打ち込みにクッション性のあるダンボールなど決して敷いてはならないのが正解なのです。
打ち込みは常に平らで硬い面で行うべき作業、非常にお恥ずかしながらも、もしかして同じようなことを汚れないシートとして使うアイデアとして閃いた方へ、制止するためのアウトプットです(^_^;)。

そもそも針が刺さらねば不完全な打ち込みになってしまうという生地に対する条件がもうここで生まれてしまっているのでした。
この条件の存在も後の廃止の理由の1つになります。
製作の自由を束縛し抑制する「条件」、私が大切にしている「自由」を奪うものなのです。



あとがき

世の中矛盾だらけなのだと息苦しく感じた実態。。いつ外れ破損するか分からない永続の保証無き留め具を製品に取り付けている姿です。
この確かな危うさの体感は、「すべての打ち込みパーツを廃止」にまで至る貴重な瞬間でした。
日付でいう当投稿の2020.11.20が「廃止」を決めた瞬間だったということになります。
その後、それでも使い続けたわずかな金属パーツは、「Dカン・線コキ・ナスカン」のみ。
これらは何の不安定さも無い、別の固定の仕方なのです。
Dカンタブをミシンで丈夫に縫い付けるその糸の返し縫いの強靭さに勝るものは無いという判断は、その後金属パーツを極力使わないミニマムなバッグの製作へと繋がっていったのでした。
