まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
ハンドメイドバッグを一番最初に作り始めたのが2007年春のこと。
当初は一重仕立てのポーチとマチ無しトートバッグ、言ってみれば袋のようなものです。
その時にもすでに取っ手は付けておりまして、当時を振り返ります。
当時の完成品の写真は残っておりませんので恐縮なのですが、取っ手の作りは、当初から4本ステッチを取り入れていたと思います。
ただ、その技術はと言えば、特にステッチ同士の間隔を均一に徹底する意識も薄く、手作り感満載のものだったかと(^_^;)。
やはり本格的な技術力の意識は、2018年スタートの事業主としてのハンドメイドバッグをスタートしてからだと思います。
随分心意気の違いで、こうも変わるものなのだと実感しておりますが、「事業における商品」としての重みが趣味のハンドメイド活動からの大きな変化です。
そして、現在も変わることなくすべてのバッグに取り入れています4本ステッチベルトを、このたび長いたすき用に取り付けることになりました。
長いたすきは「エプロン」用となります。
多くのエプロンはたすきなどそれほど重視されていない附属のような作りですが、よく考えてみてください、たすきこそ一番動きのある場所であり大切なエプロン固定の要(かなめ)ではないですか。
これこそしっかりと作っていくパーツなのだと重視する考え方をしています。
幅の広いベルトテープは4本ステッチが生地の補強の役割もしてくれる
細めのベルトテープというと、1cm代くらいまで、太目となると2cm辺りから。
2cm程の幅のたすきを作るための7.5cm幅の型紙で裁断した細長い生地(地の目に並行か垂直、バイヤスではない)に接着芯の織芯を貼り、丁寧に四つ折り観音開きに折って美しくステッチをかけていきます。
その時に、ステッチの幅が均一であることこそ美しい秘訣。
これまで10年以上作ってきても、集中が途切れた瞬間に幅が不統一になるものです。
それほど難易度は有りますが、たくさんの訓練で技術を高め、「経験と勘」が生まれます。
線は引きません、目で見てステッチをかけていく部分なのですから。
ちなみにこの生地は、チノクロス、綿/100%、日本製、カラーはモカです。
このダメ押しの最後アイロンこそが、綺麗にできるひと手間だと解いています。
そして、縁の先端の美しい直角の姿はきちんと折り込み縫い代を隠してあるがゆえのことです。
最初に外枠をボックスステッチし、次に真ん中2本の右側、左側と1本ずつ区切りながらステッチを分けました。
取っ手などの挟み込みタイプの場合なら先端の縫い代が隠れるので連続で横移動して次のステッチへ移ると効率が良いです。
しかし、縫い代を包み込むたすきの場合ステッチが汚くなることを防ぐために、真ん中2本はそれぞれステッチし、糸を端っこの溝に隠します。
もう1つうっとりするほど美しくなるコツとしまして、「生地によくなじんだ糸のカラーの選択」が挙げられます。
糸の色はあなどれません。
綺麗に縫っても浮いてしまったら台無しです(ステッチを業と強調する場合は別です)。
糸はストックを持ってカラー展開を豊富にしておくことをお勧めします。
ちなみに、現在はスパン・テトロンの合計で30番糸限定で135本です(今数えてまいりました)。
あとがき
職人的訓練の末、結構等間隔で4本ステッチができるようになってきましたが、目指すところはもっと完璧な美しいものなので、まだまだ発展途上にあります。
しかし、縫いだけでなく、今回ご紹介のようにその手前のアイロンこそ綺麗に仕上がるためのコツ。
全体としましては、「アイロンとミシン縫いのコンビが技術である」と考えた方が良いかと思います。
<HMB教室>のカテゴリーでも、取っ手の綺麗な作り方として図解と共にご紹介させていただいております。
このたびご紹介のコツは、「ちょっと綺麗」といったところです。
その後、「極上」というほどの美しさになるためのコツというものもあるでしょうから、ある程度のレベルになったら、是非目指していって下さいませ。
比較的幅が狭い2cm以下の場合はもともとステッチの間隔が狭いので誤差が目に映りにくいです。
このたびの2cmだとステッチの間隔が広いので誤差が目に付きます。
練習は2cmくらいでやった方が上達が実感しやすいかもしれません。
技術向上後に、いろんなバッグを作っていくと、いかにショルダーや取っ手のステッチの等間隔が見た目のポイントになっているかに気づかれることでしょう。
量産品では時間がかかり過ぎてしまい決して追求されない部分、こういったことこそ差別化として小規模で少ない数を製造する者がなせる業なのです(^-^)。