難関箇所はどこまで行っても解決はしない、取っ手一続きの袋の急カーブの三つ折りをギャザーデザインのように受け入れてもらう最大限の努力【995】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

先日ある1つの「YouTube動画」を拝聴させていただきました<m(__)m>。

ドーム型のパーツのカーブ部分を三つ折りする場面の動画です。

難関箇所を綺麗に仕上げるための何かコツはないだろうかと困った挙句の研究の1つです、動画の管理人様、ありがとうございました<m(__)m>。

カーブを縫う時というのは、重なり合った部分がある場合にはやりにくく、綺麗にはなかなかできないもの。

それは、物理的にペタンコの平面では限界があるからとも言えます。

その動画では、ドームのように膨らんだカーブで、生地が余り過ぎる場合のいせ込みをミシンを使った均等配分でやるやり方でした。

困っているのはその逆の事象であり、へこんだ「カーブライン」となります。

これは逆にカーブ部分の生地が不足になるというところがこれも同じように難関と言えます。

不足のピンと張ってしまったカーブの生地をどう広げていくのか、どう調整していくのかを工夫してみた記録です。

製作しているのはあのスーパーで今や有料になった、「レジ袋」です。

急カーブをどうしても出さなければならなかった理由はビニールのレジ袋そっくりであることに拘ったから

こういった取っ手が本体と一続きになっているレジ袋などが該当。ここに急カーブが4つ登場します。

1箇所どころか4箇所とものなりますと、かなりこの部分の視覚的な影響は大きいのです。

4箇所共に、半径2.5cmの円の一部を使いました。

円の一部を利用したカーブが一番美しいわけですが、さすがに半径2.5cmは難易度が高いのです。

それでも半径5cmにしてしまうと、元のスーパーのあのビニール袋からイメージが大きく変わるためにこの難関を持ったまま続行したのでした。

難関と分かっていながらそれなりに仕上げる対策としてお伝えしますので、必ずしも良質で100%美しく仕上がるベースを持ってのものではないことをまずはご了解いただければと思います。

そもそもベースとしまして、カーブの部分に、「伸び止めテープ:バイヤス」を4箇所とも貼ります。

まず、一気に三つ折りしてしまわないやり方が良いです。

三つ折りは2度折るので、一度目で一回区切り、ステッチで固定するのです。

アイロンをかける場所は、カーブの箇所に関しては、手前の「わ」の部分である先端のみ。

奥の方の部分は浮かせておきます。

この時に、わずかではありますが、カーブの真ん中1か所だけをハサミでカットを入れると少し広がりますので、もしかしてカットは少しは入れた方が良いかも。

カット無しでやったものと比べるとやはり、カットを入れる効果も大きいようでした。

いわゆる折る場所の線付けだけのアイロンになります。

そして、そのカーブの折り線の際をミシンでステッチ。

返し縫いなどは無し、玉結び、玉止めはします。

2度目に折る時に、はるかに位置がはっきりしてきます。

さらに2度目も、一度目のように奥は浮かせて手前の「わ」のみアイロンをかけます。

そして、縫う時にしわを、内陸部のような内側の広い方へ流しながら縫うのです。

慌てずにゆっくり綺麗にやることを目標にして縫うということです。

そうすると少し見栄えが良くなります。

この最初の固定ステッチというのは、内側に隠れてしまう部分ですが、なかなか効き目があります。

二度目に縫う位置は、一度目の固定ステッチの上をなぞるように綺麗に重ねます。

おそらく、どう工夫しても半径2.5cmの縁の一部の急カーブでは、ギャザー風にはなってしまうかと思います。

そうは言っても、極力ギャザーも均等になり、縫い目を邪魔するタックは内陸部へ押しやるというところが縫いのテクニックになるかと思います。

とことん研究して、ここまでが限界でした。

あとがき

こうまでして、元のレジ袋のビニール袋に似せた価値に拘りたいのか、製作しやすいようにアレンジしてしまうのかの判断は一度はした方が良いです。

このモデルは今後は作っていくことはございません。

「難関」→「美しく出来上がらない」という過去に何度も何度も経験をしておりまして、苦労しても価値の無い物を作ってしまうことが非常におかしなことをしていると感じるからです。

そして、何よりも作りながらの「心地」が気が気ではない、そのような製造に対する気持ちもあります。

これは決して身勝手な考え方ではありませんでして、気持ちよく心を込めて作れたものこそ美し出来上がると同時に、その内部に気持ちが宿るのだと思うからです。

不思議なことを言っているようでスピリチュアル的に聞こえるかもしれませんが、実際に難関をそのまま分かっていながら完成させた品物とは最終的に決別しています。

在庫ですら置いておくことができないほど、製造者はその粗悪さが本当は分かっているはずなのです。

リュックの入り口の表地と裏地の縫い合わせ、裏地が薄手の場合に皺やタックが寄らないための伸び止め防止策の効果を得た感触【868】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「餅巾着」というリュックを製作中です。

このたびは、最終の段階で表地と裏地を入口で合体する入り口の縫い付けの場面。

この入り口1周にステッチを2度縫いで強固にかけていきますが、その時に裏地というのは一般的に表地よりも薄手にチョイスすることが多く、たるみがち。

同じパーツで裁断して同じサイズであっても、生地の横の伸び具合が織り方によって異なるからです。

ニットだけではなく、織物もある程度横に伸びるという性質をまずはここでお伝えしておきたいと思います。

待ち針で留める時にも力が加わり、伸びが生じることで生地が寄せられて他の部分が余るという現象にも気を付ける必要があります。

こういったことの解消に、初めての試みながら、伸び止めテープ(平)を入口1周に貼ることに決めました。

このたびは、伸び止めテープを貼ってステッチをするまでの過程をご紹介したいと思います。

完成品では決して見ることのない場面、貴重な記録としてお役立ていただければ光栄でございます。

裏地が薄手であったりとろみ素材の場合に有効な伸び止めテープ(平)を貼る場所は「ここ」です

では、入り口に伸び止めテープを貼るその位置などにポイントがありますので、ご紹介したいと思います。

伸び止めテープは9mmが使いやすくて定番。縫い代1.5cmの印の真上が下のラインに当たる位置に貼りました。

ここに貼った理由は、伸び止めテープを後の作業でミシンで縫い付け固定する必要があるから、ミシンのステッチがかかる場所に注視した貼り方であるべきなのです。

実際に赤色の点線がステッチの位置になる場所。

間違いがちなのは、ここで、生地の縫い代の先端に貼っててしまうこと。

そうしますと、ステッチの線が伸び止めテープにかからないので、「ステッチによる固定」が実現できないのです。

こうして縫い代1.5cmで折った時に、伸び止めテープの位置がトップの先端まで及んでいる必要があります。

そして、この後、トップから3mm程が表地と一緒に縫われることで伸び止めテープにもステッチが必ずかかります。

表地と縫い合わせた入口の裏地の様子:伸び止めテープを貼った効果は絶大でした。

あとがき

伸び止めテープにステッチがかかることに関しては、伸び止めテープど真ん中である必要は無いと思います。

可能な場合はその方が良いと思いますが、この度の場合ではど真ん中となると折り線をまたいだ真ん中ということ。

伸び止めテープが2重に重なりまた効果が変わってくると思いますし、余計な皺の出現を懸念してその方法はとっていません。

ただ、実験してみる価値はあると思いまして、伸び止めテープを2重にしたい場合には「わ」をまたいで使用するというのも有効な策かもしれないのです。

この裏地生地は、実際に作業してみて思ったことがあります。

とろみ生地と呼ぶようなものではあるけれど、もともとの織った作りが非常にしっかりとした素材だということです。

生地も、良し悪しがあると思います。

緻密に織られている生地は、薄手でもしっかりとしているということです。

伸び止めテープの今回の貼った感じのハリコシが上手く出たのも、もとの素材の良さもあってのことも大いに影響があると見ています(^-^)。