<リメイク図解>古着の黒セーターと柄ベストからパッチワーク8枚ずつへ、そして裏地付きの安定感ある巾着袋へ【1237】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近、サステイナブルな生活の意識ということに関連して、「リメイク」をご紹介していくことに決めました。

とはいえ、リメイクは、ファッション分野でいうと、お洋服を解体して別のアイテムにそっくり変身してしまうことです。

そうしますと、それを広告収入付きのYOUTUBEなどでの発信は商業利用にあたると把握しています。

実際に該当洋服メーカー様への複数のお問合せをしてきた私ですが、ご返答はこの考え方で正解のようです。

よって、リメイクの内容の発信も基本的には難しいものになっていました。

そのことを考え始めたのが2019年の春の事。

そこでこれまでの数年の間、リメイクの投稿はやめていたのですが、ここへ来て世の中の流れが一気に変わっていきました。

もうこのままでは地球の存続が危ういということで、本気でSDGsを一人一人が考えるべき時に来たようです。

そこで、著作権に阻まれて難しいリメイクのご紹介を、何とか伝える方法はないかともがきながら考えたのが、「図解」でした。

図解だけでリメイク内容をご紹介するということをこの2023年1月からスタートし始めました。

この投稿番号の【1237】で3回目になりまして、最初の2回は、【1200】と【1233】です。

それぞれ場面が違ったり、準備だけであったりと、いろんな切り口から内容を考えまして、とにかく、このリメイク自体が持続できるものになればと思っています。

もう元のアイテムとしては着用できないセーターとベストからのパッチワークシート作り

喪服のジャケットの中に着るようにと購入した黒のハイネックセーター(左)。
マルチカラーのネイティブ柄が素敵なグレーベースのネル風素材のベスト(右)。

黒のセーターは毛/100%であったかいものでしたが、少し毛玉が気になることと、ジャケットのインナーとしては沿いが悪く、上に上がってしまって、うまくなじまなかったのが着用をやめるきっかけです。

また、右のグレーベースのネイティブ柄のベストは、アメリカン古着だったのですが、写真よりも傷みと毛羽立ちが気になるものでした。

どう組み合わせても、着用感があまり新鮮ではないということになり素敵な本革レザー付きボタンだけはストックし、本体は解体です。

古着もいかにも古びた感じで着るという着方をしていなく、綺麗な古着を選りすぐり、新しい装い方で着ていくことをスタンスとしていますので、いずれもちょっとそこからは外れると入手後に思えたアイテムです。

こういったことは結構あると思います。最初の選択が完璧ではないことも私もあります。

古着と言えども古びた感じが気になるなんて、何か矛盾ですが、それ以上に、古着ながら新しい感じが生まれる喜びの方が実際は多いです。

今回のような古着入手の失敗のケースのは最小限に抑えるようにしていますが、時々やってしまうのです(^_^;)。

さて、お洋服もハギ目が多いアイテムですので、今回はパッチワークシートを作って巾着袋を作るという2段階が作業になります。

まず、型紙は縦12.5cmx横17.5cmの長方形1枚を合計8枚
セーターとベストからそれぞれ上手く切り取り、裁断します。

ベストの方だけ、この図のようにハギができてしまいましたが、真ん中を「わ」にすることで巾着袋になる仕立てなので、底部分にハギが隠れるような位置に配置しました。

いつものパッチワークシート作りと同様で、1cmの縫い代で2重ステッチ。

そして、アイロンで割りまして、表面からハギ部分の両サイドにステッチをかけて固定します。

とても手間をかけた作業になります。

そして、今回の場合、「わ」ですので、マチ10cmに仕上げるために、「わ」の両サイド5cmずつをくり抜きました。

黒のセーターの方は、ハギ目無しで8枚裁断できました。

意外とベストよりも大きい面積のはずが、袖などは不足で、9枚とれただけです。

1枚は余分なので使いません。

そうして、黒のセーターの方を裏地にして、裏地付き巾着袋をいつもの仕立て方で作って行ったのです。

手持ちの江戸打ち紐のグレーを紐先に黒のループエンドをおしゃれに飾りながら完成です。

リメイク品とは言え、手を抜かないことがポイント

巾着袋のサイズ:縦15cmx横16/29cmxマチ10cm。

サイズ感としては、横にどっしりと広がった小さい巾着袋の割にはマチの大きな入れ物型になりました。

これが使えるものになるための秘訣。

ここで、スタイリッシュにマチの分量を小さくしたり、マチ無しにすると用途が薄れます。

それくらいマチというものに価値があることをこれまでの製作で実感しています。

あとは、量産品に負けないための策にもなるということですね。

生地の分量が限られ、機械的に考えられた量産品の大手の会社様の製造企画には、こうしたマチのたっぷり感は見られません。

どれも最低限のよくある見たことがあるサイズ感です。

そうではなくて、機能を高められることが1点ものの強味です。

たとえ、古着から作ったからと言って手を抜くのではなく、むしろきちんと手間をかけていった方がお勧めです。

この後の「長持ち」に対して、「実際の持ちの良さ」と心理的な面の「長く持ちたいと思う」という2つが存在することを意識します。

いい加減に作られたものを簡単に買い替えるのは、作りが良くない安物だからです。

そういった意味では、後者の心理面が意外と大切なことになります。

物が簡単に入手でき、溢れんばかりの在庫が抱えられた現在の世の中で、この後者、「長く持ちたいと思う」ことこそが着目すべきことなのではないかと思うのです。

あとがき

この先の地球の存続のことを考えたら、SDGsがとても大切なのに、一方で、何でも簡単に安く入手できる現代の矛盾があります。

小難しい言葉などはいったんさておき、「1つの物を大切に長く使い続ける素晴らしさ」を自分自身で感じてみることだと思います。

それには、お買い物も必ず、「渾身のお気に入りを最小限の数だけ購入する」がテーマであることが望ましいです。

そして、忘れがちなのは、それを持つ「心地良さ」です。

持っていてあまり好きじゃない柄であったなどは、どこかでチョイスを失敗しているのです。

私も完璧ではなく、そういったことがあるわけで、そんな時に、「捨てる」のではなく、「今後も使ってもらうには」を考えることです。

そうすると、転売できるものは転売し、転売するに値しない程の傷みのあるようなものなどは、こうして姿や形を変えて何か別の用途を考えていくという工夫が生まれます。

たまたま私はミシンを使いますが、このたまたまも一人一人が当たり前にミシン技術があれば、何ら日常のこととなるわけです。

一番はそれが理想です。

ただ得手不得手があるので、誰かにやってもらうということがあるのですが、これが、なかなか商業利用が困難なのがリメイクで、家族や友達にリメイクしてもらうということが正当なリメイクの依頼になると思われます。

ただ、そこでお金を発生させないようにしなければ商業利用になってしまいます。

一番は家族に一人、もしくは身近な人に一人こうしたミシン技術の持ち主がいると、SDGsライフもぐっと進むと思っています。

そうすると、私も自分だけでなく、その手法ややり方をこうしてご紹介しながら、伝達していく意味がありそうです(^-^)。

古い傷み具合のかっこよさだけが古着の良さじゃない、綺麗でも古い時代に作られた証(あかし)が読めるのだ【1160】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着を好んでもう随分長くなります。

ここ近年では、これまで新品を購入していた方も「サスティナブル」の動きに乗り、ヴィンテージ物などにご注目されたことがあるかと思います。

ここ最近素敵なヴィンテージセーターに出会いましたので、ご紹介を致します。

この良き味わいを作っている源は何なのかなどをお話させていただきたいと思います。

今後の古着選びに何かお役に立てるかもしれません(^-^)。

ぼやけた曖昧な染色は手間がかかっている

メルカリ様で購入させていただいたヴィンテージセーター:アクリル/70%、毛/30%、日本製。「手編み」というキーワードで探したものです。ヴィンテージの洋服にたどり着くには、「オーダーメイド」とか「手編み」、「手作り」などのキーで1点物の本物にたどり着きやすいです。

色を一言では言い表しにくい中間色が魅力です。

糸の色は、グレーと茶の間、黒、ブルーもあります。

全体ではモカ茶みたいに映りますが、その所々の曖昧さが全体では、マルチカラーみたいです。

このセーター、例えばボトムにデニムを検討しようとしますと、黒、グレー、ネイビー、ブルーとすべてのデニムの色がどれも合わせられそうなことが想像される素晴らしい融通の利き方です。

この柔軟性あるカラーの源を少し探ります。

糸の様子:1本の糸の染色が中間色だらけでさらにそれが集まってやさしいぼかしが実現。

現在よく見る量産品があれもこれも扁平な、同じような色ばかりであることも多いのは、その手間の簡素化とか機械化によってスピーディーに出来上がってしまうところにあるのかもしれません。

このセーターは手編みです。

メイン材料の糸がこのように丁寧な手間をかけたものだとうかがえることに加え、手編みであることで更に1点物が実現されています。

ということで、このセーター自体は古めかしい傷みなどはそれほどありませんが、その糸の使い方1つでもこうして、現在ではなかなか見られない古き良き時代の生産物であると見ることができるのです。

あとがき

海外の人から見ると日本の古着は状態が良いとのことです。

収納しっぱなしで眠っている古着もまだまだ多いのですね。

経年があると、現在とのギャップが面白く、洋服というものが本来はいかに手間がかかるお品なのかを改めて考えさせられます。

ファストファッション品を見慣れた現代では、こうしたことを忘れているのかもしれません。

本当の良質な洋服とは何なのかを、ヴィンテージの良質な洋服が教えてくれるのです。