まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
「スーツ=軍服!?:辻元よしふみ 著/辻元玲子 絵」を拝読。
何年か越しにやっと入手できた本、本は滅多に手持ちとして持たないのですが、衣服の歴史をベースに今や今後を考える時には非常に手堅い内容なのです。
今ではどこの国の人でも着るスーツ、かつての着物時代の日本にはなかったアイテムです。
海外との交流によって日本に流入したのは開国後の幕末から明治初期の頃、着物時代(約1000年)に比べれば洋服時代(約150年)はまだまだ入り口なのです。
このたびは、誰もが一度は着たことがあるジャケットの構造に残る軍服の名残をピックアップしました。
スーツのラペル上のボタンホールは語る、使わないのにデザインになっていることは歴史の足跡の温存

もともとスーツはイギリス生まれ。
1800年代、スタンド襟の「軍服」から発展し上衿のみ返した折り襟へ、そして、第一ボタンをはずした開襟への流れで、襟を倒して着るということから「ラペル」というパーツに姿を変えました。
伝統的な歴史あるモデルには、重要なことが秘められているものです。
スタンド襟の軍服デザインが襟が倒れることによって、「ラペル」というパーツ名の現在のスーツの上衿になったのでした。
その途中段階としては、第一ボタンを寒さしのぎに閉じることもあり、「スタンド」と「倒れ襟」との使い分けシーンがあったのです。
スタンド襟時代の頑丈な襟の表面は、現代のラペルの裏面のしっかりとした作りにそのコンセプトは引き継がれていると思います。
「なぜ廃止して撤去してしまわずにあえて残しているのか」に関しては、文化を残したいスーツ生まれのイギリスの「考え方」「意志」のようなものをまずは感じます。
そして、この文化への敬意として、きちんとしたオーダーメイドスーツ屋様はこのことを理解し継承しているのだと見ています。
あとがき
スーツ離れも多い現代ですが、ニッチな存在としてもこうしたクラシックなスタイルは是非残っていってほしいと思います。
例えば、ステージのお衣装やフォーマルな場面がある限り消滅はしないと思いますが、せっかく残ってきたラペルのボタンホールも残っていくことを願います。
移り変わりのスピードがあるファッションでは、フォーカスされる部分が「コスパ」「タイパ」という製造側の都合により省略されてしまうことも多いです。
一方で、この背景を知らない者でさえ一目見てもどこかが優れていると感じる圧倒的な姿があることは、非常に素晴らしいことです。
ぱっと見の好印象が入り口で本当のことを知ることができるというお役目を、機能を失ったラペルのボタンホールは担てくれているのかもしれません(^-^)。

