黒でジャガードという2つの共通点がコンビのナップサック、ハイブランドバッグのサブバッグになれそうなミステリアスさ生まれる【1334】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回1点ハンドメイドバッグが完成しました。

ここ最近連続製作の「ダブルナップサック」です。

サック型のデザインはもう1つシングルタイプの「ワンショルダー兼リュック」というのがありますが、サイズがコンパクトにしてあり、今回製作の「ダブルナップサック」の方が容量は有ります。

メイン使いがリュック仕様なので安定感があるのが特徴です。

ここ1年ストックの生地の消化をしておりまして、ダブルナップサックで、めいっぱい面積を使ってできるだけ作るのですが、ストックの面積によって小さめのワンショルダーの方にすることがあります。

そういったこと関係なしにお好みもありますので、2種をデザインとして考案して生地をコスパ良く使い切るということを考えたのがきっかけです。

あとは、片方の肩だけに負担のかかる通常の斜めがけショルダータイプをやめておりまして、ワンショルダーの方もリュックのように使える仕様にとアレンジ済。

とにかくベースが両肩に背負えるリュックの機能を必ず設置するということにしているのです。

黒だけでできたナップサックの奥行きはジャガードが作る

「ダブルナップサック」:<サイズ>縦29cmx横31/46cmxマチ15cm。

表面に「ハード薄芯」を当て、5cmのダイヤキルトをかけています。

結果的なことですが、表地も裏地も薄手なので非常に軽いです。

次にひっくり返して内側を見てみましょう↓。

<表地:黒>ポリエステルジャガード:プリズム、ポリエステル/100%、日本製。
<裏地:黒>カットジャガード、綿/100%、日本製。

裏地がカットジャガードの部分以外のベース地が薄手(薄でで丈夫な素材)で黒の接着芯の糊の点が透けてしまいました。

致し方がないのですが、やはりこちらのより薄手の方を裏地にしたことは正解です。

表地は、薄手ながら目の詰まった織りがされた全体に柄が散りばめられたジャガードですので丈夫です。

そこへさらにダイヤキルトステッチで丈夫に固定しています。

今回のようなジャガード同士の組み合わせは、のっぺりとした黒無地と比べて立体感があります。

片方だけなく両方の柄同士の組み合わせは、大小の柄の大きさに強弱が付き、類似の幾何的な模様であることで相性よくコンビになりました。

黒同士のコンビも良いものです。

ジャガードの良さを面白く使わせていただき、真っ黒なのにまるでコーデしているような気持ちになったものです(^_^;)。

【お詫びと訂正】動画内で、「カットジャガード」を「カットして貼り付ける」とお伝えしましたが間違いです。 正しくは、映画などのカットのように途中でストップの意味。
「カット(休止)を入れて糸を替えながら変化を出して柄にしていく手間をかけたジャガード」というのが正解。
ごめんなさいね、勉強不足でした。

あとがき

以前にYouTubeにご質問いただきましたが、この表地の「プリズム」という名前の生地は、別の生地屋さんでは同じ生地を「プリズマン」とネーミングされていました。

いずれにしてもうまく付けられた名前だと思います。

すごくイメージが湧きやすく購入威力をそそる生地です。

この生地ともう1つ類似の生地は少しのデザインの違いがありますがほぼ同類。

どちらも定番生地で生地の「衣装コーナー」で見かけます。

ハンドメイドバッグを製作する際にエレガントな雰囲気のバッグにしたい場合、裏地にもご利用いただけそうですので、是非ご注目下さいませ。

左:ジャガード(黒)/右:ジャガード:プリズム(黒)・・・類似ですが少し違いますね。

今回の場合、裏地のカットジャガードに相性が良いのは採用した右の「プリズム」の方です。

柄の形がとがっていてはっきりとしています。

ただ、左もいろんな柄に対応できるという点では融通が利きます。

例えば、花柄などにもなじむのは左側だったりするのです。

今まで裏地にしか使ったことのなかった薄手のこのタイプの生地をこのたびキルトのおかげで表地に使えたことも新しい部分でした。

何も厚手のごつい素材だけが表地ということでもなさそうです。

キルトとのコンビということを考えると生地の使い道も広がります。

薄手でもなんなく表地にすることが可能なのだということになります(^-^)。

「生地が足りない、それでも大きなバッグを作りたい」という願望を満たした、間にシックなレースを挟んだはぎ目の美しいフォロー【986】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

過去の在庫生地一掃を兼ねた、比較的短い日数で作ることができる「インテリア収納袋」の連続製作をしております。

これまで10点程製作してまいりまして、この度もその続きですが、少し問題が当初からありました。

それは「生地不足」。

大きなバッグを作るほどの生地が一続きには満たなかったのです。

ただ、幸いにも、同じ生地が生地屋様の最終在庫で見つかり、2枚をうまくつなげて大きなバッグを作ることを考えたのです。

このたびは、「ハギ目」というデメリットがかえって「デザイン性あふれた装飾」に価値が加わる程のメリットで補う場面をお伝えしたいと思います。

「ハギ」は必ずしもデメリットではない、間にレースを挟み込み装飾性あふれた素敵な「切替え」となる

インテリア収納袋(トート型「大」):<サイズ>縦35cmx横44/64cmxマチ20cm。

<表地:チャコールグレーxピンク>ブリスタージャガードニット、綿/42%、ポリエステル/25%、アクリル/18%、毛/5%、ポリウレタン/3%(混率の中に7%分が抜けていますが、この情報しかございません<m(__)m>)、日本製。

<裏地:黒>リブニット、ポリエステル/100%、日本製。

このお写真でお分かりになるかと思いますが、下の方がハギになっています。

そこへシンプルな薔薇のレースを挟み込むことで装飾しました。

レースは、メッシュタイプなので、見えない部分には丁寧に伸び止めテープを補強に貼っています。

パッと見ただけではもう内部のことは分かりません。

この「ハギ」になった両パーツが、同じ生地を切り替えてある点の不思議さは、「1繋ぎの生地不足」の事情があると理解してもらいたい点です。

最初からこのハギ目あるデザインをしたい意向ではなかったということです。

もともと生地屋様にストックが短い30cm程ずつしかなかったのですが、4枚入手できたことで、前面、後面共にハギにして大きなサイズを作ることができたのでした。

ハギ部分のある本体を繋げてトートバッグに作って行く時の美しく仕上がるためのポイント

①裁断場面:型紙のハギの位置を徹底して合わせて裁断。

②レースを埋め込む時:一段階ステップを踏み、仮止めをする意味のステッチを先に入れておきます。その後、本体を1.5cmの縫い代で地縫い。

③ハギの両サイドの固定:ハギ目の溝部分の左右1.5mm程度の位置もステッチで固定、下側に関しては、レースの挟み込みの付け根を縫い付け固定することになります。

④本体の前後の合わせ縫いの縫い始め位置:ハギの部分からスタート。上からではだんだんずれてしまうから最初にここにステッチの針を刺すのです。

レースのハギ目のそろい:まずます合格。何も考えずにやるとここに段差ができてしまうことがあります。

⑤ステッチ糸のカラーのなじませ:ハギの両サイドのステッチは目立たない方が良です。表地のカラーになじみ、ニットに縫うことでさらに埋まります。

その他、最後段階のバッグの入り口の縫い閉じに伸び止めテープを貼ったりなども重要でした。

縫い糸の種類に関しては、普通の織物と変わらないテトロン糸で大丈夫でした。

あとがき

ハギ目のある大きなバッグを作ってみて思うことは、ハギ目があっても、大きなサイズの方がやはり「価値」は高くなるのではないかと思います。

目的に応じでサイズにも違いがあるのは確かなのですが、レアなサイズ感のビッグサイズはそれほど豊富には作られていないかと。

この出回り個数の「隙間」をうまく攻めていくと、大きなサイズに特化したバッグのニーズをつかめるかもしれません(^-^)。

小さなケースの背にポケットを付けてみた結果。。浅すぎて利用価値はなかったが、今一度見直すことの新鮮さは得られた【644】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ファンデーションケース」という名前でマチ付きのミニサイズのケースをはぎれを使った製作のデザインに取り組んでまいりました。

「もうこれで改良の余地など無い」とそう思った小さなポーチだったのですが、背に少し余裕があったので、ポケットを付けることにしてみました。

もしかして、ミニのシャドウケースが入らないだろうかと思ったからでした。

余計なものは付いていないミニマムで良いのだと実感した余計なポケットの失敗

1つで2個分の機能を果たす作りをしようと、ファンデーションケースの背にポケットを付けてみたのです。

こんな風に後ろ面に挟み込んで第二のお部屋を作りました。

結果は、マチを邪魔し、野暮ったくなってしまいました。

野暮ったくなったから幅を狭くしたところ、あまりにも浅いポケットに(+_+)。

シャドウがこぼれてしまいます。

こうして見てみるとポケットの浅さがてき面。実際にはシャドウ入れとしては機能しない様子(汗)。
せっかくなので、違った裏地で仕立てた2点をご覧いただきます。左は黄色い部分を多く使う裏地がライム色。

このようなポケットだったら、小さなケースはそれ1つで十分なのだと思えて来ます。

イタリア製のジャガード生地の残布で作ったケースはふんわり感が出てすごく良い物になるのですが、その厚みもポケットが使いにくくなる相性の悪さかもしれません。

ジャガードは通常よりも厚みが増していますので、マチを少し付けただけでも膨らみます。

次回、フラップ付きで、もう一度だけ背のところにポケットを付けてみます。

ここまで厚みの無い別生地でやってみますので、その投稿【648】にもお立ち寄りいただければと思います。

一度ひらめいたアイデアなので、一度は成功してみたいものです。

あとがき

時々、客観的に製作品を見直しことは重要だと思います。

勝手に「これが完成品だ」と思っていたら、まだまだ改良のアイデアが浮かんできて終わりがないのです。

しかし、それは、品物を高めるためのきっかけの気持ちであり大切にするべきだと思いました。

世の中の芸術品は、「誰がこれを理解できるのか」というようなものを作家様がとことん作っておられます。

ハンドメイド製作も芸術品に近い部分を感じることもありながら、「売る」と決めた時点でもうそれは「商品」です。

購入してもらうことを目指すことになりますので、「作品」とは別物、「受け入れられるための努力」というのは「芸術作品」と大きく違う点ではないかと考えます。

モノトーンジャガード生地の裏面で製作した白黒反転の花柄バニティバッグがまるで新しい生地を使用したかのように新鮮だったケース【433】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

連続して「バニティバッグ:卵焼き」を製作する期間を設けました。

細かい箇所の作りの徹底とか綺麗に出来上がる方法を研究しながらレベルアップをはかる目的からです。

このたびのバニティバッグの完成でこの連続製作期間が終了しまして、しばらくこのデザインはお休みです。

これまで研究した工夫や改善の総まとめとラストで新しく試みた対策なども併せてご紹介致します。

楕円パーツをひっくり返した後の返し口のとがりの解消はできたのか

スタートのすぐ近くの2-3mmの位置にもカットをいれるというもの。このたびは成功。

ただ、このカットのおかげなのかどうかが確かではありませんので、この縫い始めと縫い終わりの箇所の細かいカットは、今後も続行して注視してまいりたいと思います。

細いパーツの待ち針の使い方

針の先端側から先に時計回りに縫っていき、Uターン後に、待ち針を抜きながら折り返しを縫っていく。
表から見ると、裏地がはみ出しがちなことも更なる今後の課題。裏地の幅を狭くするのも案の1つ。

型紙は同じで縫い代を数ミリ減らすという方法が、融通が利き間違いにくいかもしれません。

ネックパーツが歪まぬように取り付ける対策

ネックパーツの縫い始めの位置を一番平和な底ラインから縫っていって、まっすぐの基礎を早いうちに作る。
手ごたえがありました。ゆがまずに真っすぐです。今後は、底ラインからスタートしていくことを徹底します。
裏地側のネックパーツは手まつり。表地パーツより一回り1cmずつサイズが大きいのでステッチが隠れます。

取っ手の付け根タブの縫い付け位置

サイドの真ん中から4cmの位置をタブの長い辺の真ん中と合致を注視。
まっすぐ取り付けてあることは「良質の証」となります。

生地不足による本体の「わ」の重なり部分を1.5cm型紙から削った結果

今回、生地不足によりハギが左右対称にならなかったので、1.5cm削り調整することでハギ目をど真ん中にしたということを、側面パーツ、蓋のマチパーツ共にしています。

重なる部分が1.5cm短くなったことのその出来上がりを見てみます。

重なり部分が一応確保。こちらは、上側です。次底面側見てみます↓。
下側こんな感じです。削った影響が出なくて本当に良かったです(^-^)。

ただ、やむを得ず削ったことなので、本来はもっとゆったりと重なります。

思いのほか美しかった、そもそも1点だけ作る場合にも応用したい、本来の表面を使うのか裏面をあえて使うのかの選択

「卵焼き」<サイズ>縦15cmx横22cmxマチ13cm。花柄が正位置。パーツごとに柄の向きのチェックを。
生地のゴツゴツ感もありますが、ネックパーツが気持ちよく真ん中に付きました。

今回の生地は、本来の表地の裏面を使用しました、表面というのがこちら↓。

ジャガードの面白い所は、全くの反転が裏面に出るということ。表地でそのまま作ると、どこかカジュアル。
こんな感じのバッグを2019年製作していたのでした。その残り生地が今回だったのです。

テイスト的には、今回の裏面の方が「瀟洒:しょうしゃ」です。

もし1点物を重視したい場合、1つの生地で1点だけ製作するにしても、表面なのか裏面なのかをフラットな目線で見ると良いです。

また、2点製作できる場合は、もう1点を裏面使いすることに目を向けてみるとまた違った雰囲気が生まれ、2種の別生地のようなテイストに作ることができます。

それほどまでに複数同じ物を作ることにためらいがあるのです。

あとがき

ここで、バニティバッグを連続して製作する期間が終了したわけですが、たくさんの学びがありました。

もし、1つのモデルに磨きをかけ、細部を徹底改良していきたい場合、「連続製作」は大変貴重な訓練の機会になります。

次回からは、モデルがうってかわって、「ヘルメットバッグ」を「セルヴィッチデニム生地」で作っていきます。

とても硬いジーンズのような生地で作るヘルメット入れです。

かつてバイク乗りでヘルメット収納にも工夫があったアイデアと、市販で売られる量産品のサイズ感の足りなさをたっぷりとした容量で実現してまいります。

お楽しみにどうぞ(^-^)。

作ってしまいましたが。。ゴブラン織りはバニティバッグに作ることが困難、それでも作ると言うなら重なりの十分な解消がマスト【378】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ゴブラン織という生地はとても広く浸透した人気の生地であると思います。

ハンドメイドバッグにも多く利用されているようで、おそらく1つに丈夫さのイメージがあるからだと思います。

ただ、製造側は対極の立場、「難易度の高い生地」ということになります。

丈夫に感じられるゴブラン、デニム、帆布はミシンの針の限界があり、あまりにも重ねすぎると完成にすら至らないことがあるのです。

このたびは、なんとか完成はしたものの、重なりの部分で糸目が飛んでしまい、限界を感じました。

このゴブラン織りで作ったバニティバッグをご覧いただきながら、それでもバニティバッグをゴブラン織で作る場合の厚みの解消方法を考えます。

縫い切れず不完全に出来上がってしまった原因は、重なり部分の解消ができていなかったことにある

バニティ型の「卵焼き」と名付けたデザインをゴブラン織と呼ばれるようなインテリアジャカードという名称の生地で製作しました。

硬くてハリコシがあることが大変良いのですが、重なり過ぎると針が折れるほどの硬さで、バニティバッグに作るということがそもそもチャレンジだったのでした。

1度すでに巾着型のバッグを製作した過去があり、重なりの多いバニティ型を作ることは過去にあきらめて巾着型にしたはずなのに、ここでまたバニティを作ろうということなのです。

同じ生地で作った巾着バッグ:巾着自体は作りやすかったですが、硬くて絞り切れずに結局ボツに。。

巾着もダメならと、もう一度バニティへ挑戦したのでした。

ただ、何も以前からの改善をせずにただ作るので結局は同じ「縫えない」難関が立ちはだかりました。

完成した正面:生地が真ん中でハギになったことが柄がとぎれて良くなかったです。
完成した背面:底の縫い合わせに苦労した様子があふれ出してしまっています。

最後の最後で針が通らなかったことで、ボツとなりました。

その部分のみハード薄芯を入れないなどをしたらぎりぎり縫えたかもしれませんが、フルに入れていました。

当然だったかもしれませんが、ここで限界を迎えてしまったのです。

難関を突破できなかった針目が飛んでしまった重なり部分。これでは穴が開いているのと同じです。

ではどうすればよかったということになるのでしょうか。

この「重なり」を減らす必要があると思います。

重ならずして縫い合わせることができませんが、「半分の厚み」にすることは可能なのではないかと。

この時点では、少なくともゴブラン生地が4枚重なっています。

これを2枚のみにすることは、隠れている見えない部分をカット。

そうすることで、針は通っていくと予想します。

それに加えて、こうも重なり部分で突然膨らむのも元々よくない仕様であったのでした。

できるだけスタイリッシュに厚みを解消しておかなければならなかったことを、針が通ればそれでよいと思ってしまっていたところがありましたのは反省です。

あとがき

引き続き、バニティバッグ「卵焼き」を別生地で作ってまいります。

当分ゴブラン生地は使うことはありませんが、失敗したことで今後への工夫が生まれました。

そもそも2次元のミシンで立体的なこんなものを作っているのですから当然難しいことをしているということになります。

「これは仕方がないことなのだ」ということと、「これは改善を工夫するべきことなのだ」ということをしっかり見ていきたいと思います。

まだまだバニティバッグが綺麗に出来ていないです。

どんな生地でも同じように安定的に作れるという「作り方」の部分を徹底しなければその場限りの品物となってしまいます。

作り方を私以外の方にもしっかりお伝えできるよう、「作りやすさ」の追求をしっかりやっていきたいという考え方を持っています。

夜景のようなシーンのジャガード生地で作ったボストンリュックのフォルムがまるで「かまぼこ」のようだった【300】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2020年は年間を通して、マルチカラーを含む色使いが豊富な素材に挑んでまいりました。

色使いが豊富ということは同時に糸が豊富でることが織り糸で紡がれるジャガードの事情、当然高級なものになっています。

この度の生地もイタリア製の華やかな色合いのもので高級生地の部類に入ると思います。

もっと腕が上がってから高級生地に行こうとぼんやり思っていたのですが、早めに一歩を踏み出してしまったためにもう予定よりかなり前倒しで技術アップとの同時進行を始めてしまいました。

良かったのか悪かったのか、それでも思い描いたことがあるなら早く着手するに越したことはないかと。

良い悪い関係なく手ごたえや結果は早く分かった方が、その後のスピーディーな前進や発展につながると思っております。

生地のおかげもあり合格ラインで完成できたミニボストンリュック

<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ9cm・・・表地:ジャカード、ポリエステル/100%、イタリア製。

このフォルム通り、「かまぼこ」という名前を付けています。

カーブのラインも結構満足なものにできました。

心配した底の重なる部分もOK、無事縫えました。

本格的なゴブラン織は非常に厳しく、以前縫えなかったという結果があったのですが、今回の場合ゴブラン程の厚みではない厚み具合が程良く、丈夫さも感じられるようなジャカード生地だったのがとてもラッキーだったのです。

裏地:ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。
ショルダーにもハード薄芯が入りハリコシのあるものになりました。このショルダーは裏地を使いました。

色の偏ったマルチカラーについて

今回の生地もそうなのですが、一応マルチカラーとなっています。

主に4色の色が入っていて、ロイヤルブルー、レモン色、薄ピンク、グリーン。

裏地やショルダーのグリーンは実は表地の中にわずかな面積で入っている部分。

こういった色というのはマルチカラーでも色が偏っているので、「青色系」ととらえられます。

なかなか色とりどりのマルチカラーというものを見つけることは困難で、〇〇系という色の偏りがあるものです。

マルチカラーの定義は3色以上ですので。。

あとがき

おそらく、この度の生地は、巾着などの形だと絞り切れない悩みもあると思います。

ボストンバッグのような硬めが向くデザインと巾着のような絞って融通の利く柔らかめが向くデザインとは対極にあり、それに伴いマッチする生地も対極にあるような生地同士ということになりそうです。

とはいえ、そんな条件など付かなくてもどんな素材でも当てはまるように作れるデザインこそが工夫のしどころなので、目指すゴールは、「生地を選ばない万能なデザインの考案」です。

製造もしやすく、完成品も満足のいくもの、この両方を考えながら工夫していく意味というのは、製造しやすいことが綺麗にできることにつながるからという理由以外ありません(^-^)。

出来上がりバッグでは決して目に映ることのない隠れたポケット裏の丁寧な作業が良質さにつながることの証明【298】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、どちらかというとコンパクトなサイズのハンドメイドバッグを作っております。

かつては、トート型の1泊できるようなもの、旅行用など大きなバッグも作ってきました。

そういう大きなバッグと比べ、コンパクトながら、ポケットつについては、めいいっぱいの容量を確保する所が特徴。

キーとか小さなものを入れるもよし、メモや手帳などのやや面積のある物も入ることもあるような器(うつわ)の広いポケットを設置していきます。

内側のフラップポケット:フラップが深く、セキュリティー性を高めています。スマホが横向きに入ります。

隠しポケットは、最初の当て芯が肝心、スーツの片玉縁の作り方を引用

今更ながら、隠しポケットに関して見直したことがあります。

それは一番最初の当て芯。

そもそもこの当て芯を適当なサイズに粗裁ちのまま行っていたのが今まででした。

これを、型紙にちゃんとあてはめた定形サイズに変更。

つまり、周りの余分も寸法通りのきちんとした余白にするということです。

その後作業がとてもしやすく傾きをチェックしたり、左右均等のサイズ感の確認も分かりやすくなりました。

作図自体もまっすぐ、待ち針の位置も正確に打ちやすいような定形サイズの型紙で裁断した当て芯。
そうすると、反対側に当てるラッピング布の位置も把握しやすくなりました。

当て芯1つで、その後の作業が劇的に行いやすくなりました。

このことは、とても重要で正確さが高まり、綺麗に仕上がるということにたどり着きます。

隠しポケット完成:まっすぐに真ん中に良い位置に取り付けることができました。当て芯の効果がここに。。

今更ながら、このことが分かり本当に良かったです。

今後もずっと「定番」として「フラップポケット」と共に作っていきたいもう1つのポケット、「隠しポケット」です。

あとがき

最後に組み立てがされていく時のもとの土台である左右が対称になっているということこそが、バッグに出来上がった時の整いを作り上げるのです。

それには、型紙を裁断する時点から左右対称にしやすいようなやり方があるということを学んでいます。

一番最初の場面は、サクサクッと通り過ぎてしまいそうですが、実は一番重要なのだと考えるようになりました。

こうした学びは、何度も自身の製作に落とし込み、その後は自身から語り伝えることができるノウハウとして多くのハンドメイドバッグを作る方達へお届けしていきたいと思っています(^-^)。

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作ってはみたけれど改めて考えた、そもそもこの繊細な素材でボストンデバッグを作るべきではなかったのではないかという回顧【296】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回1点のミニボストンバッグが完成。

リュック仕様の付いたハンドバッグで名前は「かまぼこ」。

かまぼこと呼ぶ以上、カーブの美しさと対比した底のまっすぐさを綺麗に出したいです。

初期の「かまぼこ」縦13cmx横24cmxマチ7cm:2019年製作。

初期型は、ミニサイズでしたが、あまりに容量が足りずに改良。

そして、このたび、マルチカラーで作ったサイズへと大きくアップしたものになります。

それでも大きなボストンバッグに比べたらハンドバッグの領域を超えることはありませんので、ミニということに致しました。

さらに、リュック仕様にもなるという頼もしい機能を入れてみたのです。

作って完成品を見た上で思うこと、「巾着型の方が断然美しかったであろう」という思い

「かまぼこ」2020年版:<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ9cm。

サイズのみ見てみると、2019年版が、縦13cmx横24cmxマチ7cm、2020年版が、縦19cmx横29cmxマチ9cmです。

縦も横もおよそ、5cmは広げているので、5cmという数字は、目に見えてサイズの変化が分かるくらいのものです。

サイズ感の点では大いに良き効果が感じられました。

しかしながら、2019年版の時にはあった良い雰囲気の整ったかまぼこ感が今回のものにはあまり感じられなかったのが残念。

選定の生地がはるかにこのたびがやわらかかったからです。

2019年のものは、強固な縦の織り方がとくにしっかりしたジャガードなのでびしっと仕上がっていました。

マルチカラーのこのたびの生地は、凹凸感があって美しいものの、緩い雰囲気になってしまったのです。

よって、そもそもこのデザインにはまる素材の選定を間違えたと思っております。

確かに、この素材は最初柔らかいからクシュッとなるような巾着タイプのデザインに当てはめようとしていたのですが、実は急にボストンバッグに変更していたのです。

率直な最初の考え方で行くべきでした。

リュックのショルダーの部分。
ファスナーの口布の部分。
スズランモチーフのファスナー飾り。
少しわかりにくいですが、底板は、どうしても内蔵できない作りなので、リムーバブル式で取り付け。

高級な生地でしたので、巾着型で成功していればそれはそれはエレガントに出来上がっていたと思います。

ボストンバッグ型だとややカジュアルテイストがありますね。

とにかく、繊細で柔らかい生地というのは、その柔軟性を活かして、しぼる動きがある「巾着型」に当てはめた方が特性が活きるようです。

あとがき

このたびも、ストレッチフクレジャガードはオレンジで色違いがあったと思います。

ただどちらかに良し悪しの比重が寄らないよう、色違いはよほどでなければ作らないです。

この記事も背景がカーキグリーンだからこそマルチカラーが美しく映えたという良いバランスが感じられる方のカラーでしたので、こちらが一番やはり今思い返しても一番です。

ただ、もう一度この生地があるならば巾着型でトライしてみたいと思う気持ちが残ります。

そもそも生地選定の時に、デザインをしっかりイメージして変な変更をしない、正直なイメージに従ったものが正解のようです。

グレーの良さをジャガードで知る、ヘリンボン柄がスーツにぴったりな160cm幅の生地を利用したエコバッグ【222】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ内では、グレーの色について書いた記事が複数ございます。

グレーというのは、シャープで強い黒よりもマイルドでやわらかい印象である点が魅力です。

その良さを堪能していただけるような、トーンが甘くなったグレーのジャカード、柄はヘリンボンでエコバッグを製作致しました。

前回の黒xシルバーグレーのバイカラー仕立ての時からの学びと改善を今回で改善しています。

大枠今回の出来上がりが完成形になったかな。。という印象です。

どうぞ、改善された底の部分の作りにもご注目くださいましてご覧くださいませ。

底ベルトを支柱よりも先に設置した出来上がりの様子で分かったこと

まずは、要(かなめ)である底部分の縫い付け場面です。

先に底ベルトを縫い付けて、その後支柱を縫い付けるという順番に決定。

その結果、とてもすっきりした印象になりました。

底ベルトを先に設置:縦向きの支柱は後で重ねます。出来上がりのすっきりさ、持ちあげる機能との相性です。
出来上がりの底面の様子:支柱が前後でぴたりと位置が重なり気持ちが良いです。
両サイドの三つ折り始末:本体の縫い代を使います。2.5cm(1.25cmずつ三つ折り)に変更しています。

この縫い代は、パイピングの幅が1cm強。前の1.5cmの縫い代ではパイピングを0.75cmに補足仕上げることになり、厚い生地やほつれやすい生地が大変難しいものでした。

よって、この改善も綺麗にできるコツにもなるかと思います。

ただ、これもミリ単位の正確さを追及することになりそう。。

というのも、こちらをご覧くださるとご理解いただけるかと思います↓。

2本のステッチのばらつきの課題:地縫いの線三つ折り線の2種。この巾を均一化するのか地縫いをやめるのか。。

もう少し詳しく解説しますと、2本の線の内左側は三つ折りのステッチ、右側は地縫いのステッチの線です。

そうしますと、地縫い→三つ折りで行く順番からは、地縫いした右側のステッチの意味が結局ありません。

そうすると、この部分は、同じカ所を地縫い/三つ折りステッチ兼用で良いのではないか。

つまり、左側のステッチ1つで良いのではないかということになります。

その分、これまで離れてはいたものの、二度縫われていた強度が半分にならぬよう、同じ個所を二重縫いに重ねるということをしてはどうなのか。。

もしくは、2枚の生地を重ねて縁から2-3mmを地縫いしてから三つ折りステッチ。

これであれば1度目の地縫いステッチが完全に三つ折りの中に隠されすっきりと見えます。

後者のアイデアがこれまでのやり方も活かせるやり方かもしれません。

グレーのジャガードのエコバッグはスーツ姿にマッチする

スーツに合うエコバッグ:グレーヘリンボンVER・・・<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ16cm。

完成です。なかなかシックです。ヘリンボンジャカードがかっこいい♪。

グレーはおしゃれです。やはり黒よりマイルドになりますね。

生地巾が160cmもあったのでそのまま160cmを支柱にしました。

そうすると、理想の取っ手65cmが実現しました。取っ手65cmは通常長めですが、物をたくさん入れて口がぱっかり開いたところに持つその取っ手は、これぐらいある方が実は背負いやすいのです。

このたびのヘリンボンジャガードのエコバッグは、「スーツに合うエコバッグ」としては、かなり相応しい出来上りだったと思います。

シンプルなデザインは、素材の影響も大きいです。

あとがき

グレーをたまたまインテリア地で見つかりましが、ほとんどはパンツ生地などのストレッチがかかったポリウレタン込みのポリエステル生地を120-130cm幅程度で見かける程度です。

グレーカラーは生地の中ではレアな方だと思います。

ヘリンボンとかグレンチェックは不動の人気がありますね。

とても良い素材に出会えたこの度でした。

有難くこのヘリンボンジャガードエコバッグはご購入いただきました(^-^)。

おしゃれな生地は品質表示に表れる、複雑な記載の品質表示から読み解く素材の織り込みのリアルな構造【197】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

自身が好むマルチカラージャガード。

洋服でも、ハンドメイドバッグ製作の材料である生地チョイスにもたくさん取り入れています。

じっと眺めてしまうようなうっとりする美しさは、その織り込まれた複雑な糸のミックスです。

今回は、このような美しく生地が出来上がるためのその「混率」に焦点を当てました。

混率というのは、「織り込まれたその生地に登場してくる糸の種類と材質の分量配分」ということになります。

このたびは、ジャガードについて、比較的単純な構造の生地例から順にご紹介してまいります。

最後の方になると高級で美しい素材であるがゆえに、複雑な構造に至ります。

じーっと生地をアップで見つめるような視点でお送りしたいと思います。

そして、複雑であっても品質表示と照らし合わせながらその表示の理解の仕方などを今後のお洋服の品質表示などを見る際にも是非お役立ていただければと思っております。

単純な混率

ジャカード織であっても一番シンプルなのは2色程の糸で折り込まれて柄を作っているもの。

単純な綿糸だけで折り込まれた市松ジャガード。おそらく同じ種類の2色の糸かと思われます。

たまたま均等配分の市松柄であることで、表示も単純。

2色に分かれた同じ綿/100%の糸を使って柄を出したこの生地を綿/100%とだけ表現したということになります。

法廷表示としてこの表示の仕方が通過するということになります。

表現はポリエステル/100%とだけシンプルなものですが、基布の糸と柄の糸の種類が全く違います。

2種がたまたま同じポリエステル/100%なのだと判断できます。

この表示は少し親切味に欠けるかなと私は思いました。

「基布:ポリエステル/100%、柄:ポリエステル/100%」と書いてあったら、「うん、うん」と納得できませんか。

ということで、次のような分かりやすい表示がされていることが生地購入者にとってはありがたいということがあります↓。

分かりやすい混率(分離表示)

「消費者庁」様のHPで説明がありますが、各部位別に混率を表す方法です。

このような表示の仕方は、見かけのイメージにぴったり合致して分かりやすいです。

「生地:ポリエステル/100%、柄:ナイロン/100%」の文字を見て、この柄の薄グレーの部分がポリエステル/100%の糸1色でできている、柄の薔薇の花の黒色のつるりとした素材は、ナイロン/100%の糸で柄織りされたものだと理解できます。

ただ、この生地は2種類しか糸が使われていないからこそぱっと見と等しい表現の仕方が可能であったとも言えるのかもしれません。

次からの表示の仕方は、織りこみ、編み込みがより複雑になり、小さな品質表示の枠に収まらなくなるようなミックスタイプの生地の場合になります↓。

複雑な混率(全体表示)

こちらも、「消費者庁」様のHPを参考にさせていただきましたが、「全体表示」は、品質表示に最も多く見かける表現の仕方であると思います。

「いくつかの複数の混率から成り立つ表現を、<質量>の割合で表す方法」とのことです。

全体表示の方法:やや見かけとイメージがつかみにくいです。どうしても面積で考えがちですから。。

ぱっと見、1種の糸だけでできているようにも見えますが、濃淡がありますので、「糸の種類の違いからそのもやもやな美しい感じが出来上がった構造である」という見方をしてみました。

引き続き、こちらも全体表示。

ポリエステルは今まで見てきた生地の特徴から、ツヤがあるかと思います。

テンセルは、色がくすんだようになっていて、さらさらした手触り。

こんなところから柄のどの部分の糸がテンセルやポリエステルなのかということが比較的分かりやすい濃淡ある大花柄です。

分かりにくい全体表示例:幾何柄のブルー系のジャカード織の生地です。

どの辺りがビスコース、どの辺りがポリエステルってなかなかわからないでしょう(^_^;)。

ビスコースとポリエステルのコンビは両方共ツヤのある糸なので、とてもゴージャスになるのですが、ビスコースとポリエステルの違いなど見た目でちっとも分かりません。

そして、これを「分離表示」しようとするとこのような幾何柄の複雑な柄の配置のどこの事を差しているのかさえ表現しにくいものです。

そうすると、おのずと、「全体表示」となるのだと解釈します。

ところで、こんな、全体表示の生地がありました↓。

あくまで予想なのですが、おそらく背景部分の白が綿/100%で、柄の黒の部分が絹/100%。

そうするとこの全体表示の仕方はイメージがわきにくいですね。

前述の薔薇のフロッキーと全く同じ構造の2種の糸が2パーツの柄になっているというもの。

お国柄とも言うのでしょうか、イタリア製と日本製とで表示の仕方が違うという点も興味深いですね。

「パッと見の分かりやすさに重点を置く」のか、「元の原材料である糸に重点を置く」のかで「全体表示」or「分離表示」が決まるのが1つ。

そして、表現し切れる範囲を超えた複雑すぎる多種の糸がミックスされた生地は「全体表示」にせざるを得ないと言えます。

結局はユーザーが分かりやすいかどうかであることを考えると、私としては、「分離表示」で示された日本製のフロッキーの生地に示されたような表示の仕方が結果的に「親切な表示の仕方」だと解釈します。

が、そう単純な生地ばかり出ないのも現実なのです。

イタリア製に多く見られる混率は、美しいがゆえに表現し切れない複雑さを秘めていると理解できます。

品質表示が複雑な生地=こったお品と言って良いでしょう。

これも品質表示の奥深さです。

あとがき

今回は、生地の混率にスポットを当ててみました。

生地の混率をじっくりと見るのは、事業をしている人が大半、もしくはアレルギーを気にする方だと思います。

品質表示をじっくり見るということは、その素材を選ぶかどうかの厳しいジャッジのためにはの重要です。

素材を大切にしている自身がこの後できることとして、いただいた生地の混率情報をきちんと記録し、必ず製造品が完成した暁には購入していただくお客様に伝えていくことです。

作り手の役割として、細かな知る限りの情報を先端のユーザーとなる人へお届けしつくしていくことです。

そうした中で、お客様が混率に興味を持ち、自分で調べたり素材に興味を持っていくきっかけになったりして行き渡る明るいその先が見込まれます。

時には、このような情報をクリアに伝達してくれる製造者に対しても「信用/信頼」が生まれるということも。。