結ばずに折って重ねて縫い付け、6mm巾の共布巾着ひもの先を美しくループエンド内に収納【761】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近連続して製作段階の細かな作業をご紹介しています。

以前の記事【759】【760】そして、このたびの【761】で、リュックに内蔵する巾着袋の共布巾着ひもに関わる細かな製作過程をご紹介しています。

美しい仕上がりと長持ちという欲張りな2つの目的を同等に叶えるというもの。

このたびは、ループエンドを紐先に取り付ける作業をもって内蔵巾着袋が完成です。

このような些細な作業にも工夫がありますので、是非ご注目いただければと思います。

共布ひものループエンド内への収納、折って縫い付けた時点で向きが固定される

いくら中に収納といっても、縫い代は隠しておくのが望ましい姿。

ループエンドの中も半分は外側みたいなものなのです。

まず最初にループエンドにそのまま2本まとめて通します。

そのループエンドに通った状態で次のようにやっていきます↓。

巾着ひもの2本を互いにおがみ合わせるように内側へ折ります。ループエンド内に隠れる分量だけ折ります。
こんな風な見栄えになります。この後、斜めにステッチを入れます。一度縫いだけが限界みたいです。
とても分厚いものを縫うという無謀なミシンがけとなりますので、返し縫いは崩れる原因なのでやりません。
こんな風に収納できました。はみだしが無いと美しいです。すずらんループエンドがエレガントです♪。

結ぶやり方はボリュームが増大してループエンド内に収まりきらないことが多いですし、何よりも「粗い」印象になります。

このたびのような平らに折ってステッチをかけるまでするやり方は「しとやか」なふるまいのよう。

この違いは「カジュアル」と「エレガント」の分かれ道にさえなるものだと思います。

あとがき

細かな部分ですが、パッと見たときの「あっ!」という感動に繋がることを思うと力を入れたい部分です。

このループエンドが非常に素敵、「アイリス」社製のすずらんデザインです。

シェイプされたデザインがエレガントで、シルバーとゴールドの2色展開です(^-^)。

ここで内蔵巾着袋が完成しましたので、引き続き内貼りの裏地製作・表地と作っていきます。

リュックの全体の順番としまして、内蔵巾着袋を最初に作っているのです。

さて、この細かな作業が完成にどう影響するのか、完成品は【762】で。

特に内蔵巾着袋が全体のどんな存在なのかをご覧いただけると思います(^-^)。

製作のラストを飾る「ひも通し」、共布で作った巾着ひもを巾着袋に通す時の天地の向きの統一【760】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在「餅巾着」という名前の巾着リュックに内蔵の巾着袋(裏地付きの二重仕立て)を製作中。

今回は、その出来上がり直前の場面、ひも通しを美しく仕上げるために向きをそろえる意識をすることをポイントにご覧いただきたいと思います。

共布で作った紐には天地の向きがある、「わ」を天に「溝:みぞ」を地に向ける設置の仕方で仕上げるひものねじれのない巾着袋

既製品のコードの場合は筒形なのでで180度回転しても、紐自体は同じ向きなので気にすることはありません。

しかしながら、共布ひもである場合、紐の作りが片方が「わ」、片方が「溝:みぞ」ということでアシンメトリーなのです。

向きはどちらでも自由なのですが、たまる「溝」に変なほこりをためないという意味で天が「わ」地が「溝」と決めています。

天が「わ」になった向き:上側をこの向きで通します。
地が「溝」になった向き:下側はこのように溝が位置します。
上記のそれぞれの位置をキープしながらねじれないように出口へ出します。

出口に変な向きで出てしまっても、手探りで向きを整えることも可能です。

せっかくこのように設置しても、使っていく中では当然ねじれてきますが、この時点で位置を整えておく理由があります。

結んで使う場合は結び直しということができるのですが、この後、紐先にループエンドを付けます。

その際に、この向きのまま縫い付けて固定してしまうので、「向きが決まる」ということです。

その作業があるために、この時点で向きを正しくピシッとしておかねば、永久にねじれたひもの完成品になってしまうからです。

ところで、出来上がり巾にも理由があります。

型紙は2.5cm巾で出来上がりが6mm強です。

いかに細かなお仕立てをしかも綺麗にするかの限界として、このひもの幅を設定。

これ以下では綺麗に出来上がらない、それ以上だと野暮ったくなるなどのバランスです。

この後に取り付けるループエンドのホールのサイズとの相性もあります。

あとがき

古典的な口の閉じ方ですが、実際に使う中で一番さりげなくて確実なのが「絞る」という動きです。

メインの入り口の隙間がどうしてもできてしまう「大まかにしぼるだけ」の入り口の内部には、こうした完全密閉の機能があると良いです。

単純なトートバッグだけを作ろうとしますと、心配事が出来てしまいます。

何でもないプレーンなトートバッグでも、内部にこういった巾着袋を内蔵というアイデアで、旅行バッグにでもなることができる可能性が生まれるのです。

このコンビネーションの考え方は、製作時間は長くなりますが、機能としては優れ、奥行きの深い内容の品物になると思います(^-^)。

巾着バッグの入り口にタブを取り付けるたった1つの手間で高まる価値及び量産の工業製品との差別化【91】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回から、<簡易リュックシリーズ>というものに入りました。

「リュックというのはこのようなものである」、という固定観念を打ち破るような、簡単な構造なのに親しみやすく使いやすい、そんなリュックを作って行くということを目標に据えました。

表地も裏地も共通の1種のみで作るナップサック風リュック

<表地・裏地共通>生地名は不明(耳にpaper printedという表記)、ポリエステル/100%、日本製。

生地は薄手で、女性のワンピースなどに作られたデッドストック的な生地だと思えました。

これがワンピースだったとしたら、少しレトロっぽいですね。

これをバッグにしてしまうのが、picturesque流。

柄がとても素敵なボタニカル花柄で、こんな柄がナップサックになるとは、とても面白いのではないでしょうか。

そして、古き良き味わいとしての1つとして、生地製造に取り入れられているカラーの中間色の美しさを見ます。

赤に行ってしまわない手前のエンジ色、茶色に行ってしまわない手前のモカなど、いくつかの素敵な中間色が惜しみなく使われ、手間がかけられている様子です。

この手間が見られるところに「価値」のイメージが付きますね。

タブをワンポイントにする超シンプルリュックのデザイン

今回のデザインは大変シンプルです。

巾着袋の紐をそのままショルダーにして、入り口にちょんと、小さなフラップのようなタブを付けるだけです。

入口のタブ:カーブは簡単な、直線の六角形タイプ。マジックテープは1枚分のみに縫い付け。
そして、しっかりとした形のキープのために、ハード薄芯も貼っています。

巾着紐がぎゅっと絞られながらも、タブは変形してほしくないのです。

同じ場所でこの巾着の圧力に勝る硬さ当店が少し難しい点です。

ショルダーを兼ねた巾着ひもは1mなんてものではない、たっぷりとした1.5mの長さで。。

今回のA4相当のサイズのリュックに対して、ひもは、合計3m、片方1.5mずつという分量でちょうどよかったです。

目安は、口をオープンした状態で、取り付けタブを引っ張っていない状態で数センチのゆとりがあれば、背中にもいい具合な長さであり、開閉もすっきりとしたものになります。

とても、1m程度の長さなどではないということです。

巾着ひもの分量は、絞らない状態でちょうど本体を引っ張っていない分量が最低限で無駄がないです。

完成品で気になったひもの色の改善

巾着型リュック完成:<サイズ>縦32cmx横25cmxマチ10cm。

ひもは、モカ茶なんですが、少し汚いですね。

これを後日、紐を交換しました↓。

薄グレーのコードに変更したナップサック。

こちらの方が優し気に馴染みました。

とてもかわいい花柄♪、思わずじっと眺めてしまいます。

入口のタブがデザインに非常に良い表情を出してくれました。

シンプルなデザインは、1つ1つのパーツにインパクトが込められます。

あとがき

今回のような、巾着の入り口にタブを1つ設置するだけで、バッグに、「顔や表情」が現れます。

そうしたことが、「らしさ」になっていきますので、「よく見かけるお品」との差別化になっていきます。

「ハンドメイドバッグ」と呼ばれるアイテムは、個人が作ることが多く、量産品であると、「工業製品」というイメージになります。

工業製品をハンドメイド作家が参考にし過ぎると、ちょっとした矛盾が起きると思っています。

量産で行われる「手間の削減」です。ここを真似してしまうべきではないと。

この対極にある「手間をおしみなくかけていく」ことこそが個人で規模が小さいながら良きお品を作って行けるポイントだと思っています。

もちろん、その手間のかけどころは、上手く判断せねばなりませんが。。