ヒネリ錠付きのバッグの急カーブラインの縫い合わせが難関、もっと作りやすくするための工夫を試作品を完成させながら検討【363】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグをこじんまりとした小規模製作をしていることのメリットは、急な変更の融通が利くところ。

このたびは、緊急でこれまでずっとあこがれてきた、巷では「ケリー型」と呼ばれる蓋付きのハンドバッグの「側面の急カーブ」に注目しながら試作品を作りました。

以前にも一度製作したのですが、もっといろんな生地で作れるようにとなると見直したい点は、やはり作りやすさです。

作りやすいものは綺麗にできるという鉄則のもと、良い意味で楽に製作できる工夫も非常に重要なのです。

矢印のカーブは半径2.5cmの円の一部を使ったカーブですが。縫い合わせは難関箇所となるほどの難しさです。

「昆布巻き」というデザイン名を付けています。

蓋付のコンパクトなもので、ショルダーなどはあえて付けずにハンドバッグとして持つものです。

このサイドのマチの部分のパーツがカーブを描いています。

ここが縫い合わせの際に非常に難関になるのです。

側面の急カーブを縫いやすいように変えることができるのかの型紙変更の考案

円の一部を利用したカーブはとても美しく自然であり、どのバッグにもその半径を変えながら引用してまいりました。

本当はこのまま2.5cmの半径の円の一部を利用のカーブで行きたいところなのですが、作りにくいデザインは良質なものが出来上がりにくいう理論からカーブの見直しをはかります。

左は、これまでのカーブの型紙。右は緩やかなカーブにしてみた型紙。
結局、底が水平ではないこのカーブはボツ、こちらの型紙はやめました。

やはり、良い形になるはずがありません。なぜなら本体の形に沿わないからです。

この案は、型紙だけでボツになりましたのでサンプルは作りませんでした。

次の写真を見ていただきますとおおよそのここにはめ込む形が浮かび上がっているのが分かります。

そうしますと、今までの半径2.5cmの円のカーブの一部を引用のラインは正解だったと言えます。
このたび試作を作った時に採用した型紙:こんな風に途中まで円の一部のラインという形でやってみました。
上の型紙で縫った結果のライン:出来上がりの前にステッチ自体があのラインでは上手くかけられず。

結局は、物理的な動きの自然の法則とでも言いましょうか、円のようなカーブがどう考えても自然であり、そのようにミシンが進んでしまうのです。

とりあえず、このまま続行しました。

今回使用の生地はカーテン地、モカグレー色に四角いジャガード柄です。

ドレープカーテン地:ポリエステル/100%、日本製。入り口のフラップのシミュレーション。

そもそもフラップが浅過ぎるという点がここですでに失敗だと判明、それでも続行します。

なかなか折りたたみ構造も難しいものです。

おそらく試作が何度も必要なデザインだと思われます。

そして、とりあえずの完成です↓。

「昆布巻き:試作」<サイズ>縦18cmx横24/28cmxマチ8cm。

一応組み立てることはできたものの多くの課題のあるものになった試作。

まず、やはりフラップは浅すぎまして、この2倍ほど下へ長さを伸ばしたいところです。

側面も浅すぎて隙間ができていました。

ところで、側面のカーブに関しましては、結果的には元の型紙の方がましでした↓。

元の半径2.5cmカーブの型紙:やはり円の一部を利用したカーブでなければ美しくないのだと結論付けました。

そして、次回への展望として、半径を少し増やすというカーブにして側面の型紙を作ってみます。

次回への持越し事項として、今度は半径4cmの円の一部で引用する型紙を製作。
カーブの線が2.5cm半径よりも数ミリ内側に入りカーブ緩やかに。。少しでも縫いやすくなるはずです。
先にこの側面のサイズを徹底することでマチも広がり全体の型紙も見直すことになります。

すでにこの型紙自体をおおまかな台形型に変えまして、上の方になるに従い幅を狭くする改良も同時にしています。

と、こんな感じでその後の方向性が1つ見つかったということになります。

ヒネリ錠についての心配事と縫い代はみだしのリスク改善のアイデア

ヒネリ錠に対しては懸念が常にあります。

生地に大きな穴をあけることのリスクをとても感じます。

確かにかっこよさはあります。

それは、きっと枠がくり抜かれて透かしになっているかっこよさだと思います。

その反面、とてもリスキーな構造だと思います。

今ある生地をくり抜いてしまって包み込むこともせずヒネリ錠を付けているので、いつ何時、ヒネリ錠の間からゲジゲジの生地がはみ出すか気が気でありません。

隠しポケットの枠みたいに、ラッピング布でくるみ込むことも考えてみましたが、これも一度サンプルを作ることになりそうです。

頑丈に取り付けるすべが見つかれば、ヒネリ錠自体はポイント的な存在感でカッコイイです。

あとがき

こうして、組み立て式でなければなかなか作ることさえできないハンドバッグを作ろうと考えられたのも、「プレート組み立て式」の作りを採用し始めてからです。

このことがまずは有難いです。

あこがれだけで終わるということがなく、試作に踏み切れただけれでも一定の成果は有りました。

同様の立体型デザインに「バニティーバッグ」があります。

これは、通常よく作られる「ひっくり返し型」で裏地付きでも可能だと思いますが、組み立て式のばあいは、ラインがしっかり出て、イメージに近い形で実現できます。

そう考えますと、ほぼ無限に立体型のデザインが作れるということになりませんでしょうか。

確かにこの回は試作にとどまり、サイズ感も間違いながらのものでしかありませんでしたが、今後のハンドメイドバッグの製作のヒントになる点があれば幸いです(^-^)。

本革レザーで作られるフラップバッグが布で丈夫に作れるのかをブロード生地で試作した記録【117】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2020年に入る前に目標を立てていました。

フラップ付きのハンドバッグを作るというものです。

この蓋付きデザインのハンドバッグというのは、が昔から変わらず好きでずっと愛用してきた「ヴィトン」様の「マルゼルブ」というデザインがあったりします。

かれこれ30年ほど前のモデルじゃないかと思うのですが一切飽きが来ません。

もちろんpicturesque流のデザインを一から型紙を起こしていきますが、これまでのミニバッグの仲間に加えていきたいと思っています。

そうすると、おにぎり、卵焼き、餅巾着、かまぼこ、納豆に加えて、このフラップ付きハンドバッグががミニバックコレクションの仲間になりるかもしれません。

ここにもう1点フラップ型を加えてたいと思います。

フラップ付きバッグの特徴

先程の画像の他の5型と比べ、フラップ型はまた違った新しい形です。

どれともデザインが共通する部分がなくまたとない1点ずつのデザインにしています。

一番にやはり、あの蓋が正面に留め具と一緒に視界に入ってきますので、このバッグの顔のような象徴的な部分になります。

ということで、蓋こそがとても重要な部分。

蓋の良い作りが素敵なバッグになる1つの要素かと思っています。

試作見本製作での学びあれこれ

今回は、試作見本なので、普段チョイスしないタイプの柄ですが、入手したい生地におまけでくっついてきた生地なので使用させていただいた和柄の鶴プリントです。

コンビで梅の花も描かれ、着物風に柄がバイヤスに流れる配置です。

今回ミニフラップバッグの試作品に使用する生地:生地名不明、綿/100%、日本製。

生地名が分かりませんが、おそらくブロードです。

薄すぎもせず厚くもない使いやすい生地。

パープルベースなので、このパープルの薄い部分とマッチする縫い糸のスパン糸#30をチョイス。

まず、初めてでとまどったのが、「ヒネリ錠」というケリーバッグの入り口の留め具の取り付け位置。

そして、表地だけなのか裏地にも貫通させるのかということです。

まず、ヒネリ錠の金具のパーツをじっくり見てみます。

留め具が付くバッグ用のヒネリ錠のパーツ一式
:ヒネリ錠にもいろいろ形はありますが、とても基本的なデザインがこれです。

この写真だけ見ると複雑で一瞬戸惑いますが、大丈夫です。

まず大きく設置個所が2つにわかれまして、①は②とセットでバッグの正面の本体側に取り付けます。

しかも、ここが肝心です。表地にのみ取り付けて裏地で覆い隠すように取り付けるのです。

そして③は実は「ねじ」によって2枚を重ねているパーツであります。

真ん中の穴にヒネリが通るよう、表地と裏地両方にスクエアにくり抜き、抜き代を隠しながら、重ねてネジで留めて取り付けます。

このネジを留める部分も細かい箇所ですが、目打ちか何かで穴を開けておいてネジをドライバーで埋め込みます。

最初しっかり意識できず、両方とも表地にのみ取り付けてしまい、あっ、となりました。

ネジ式なので、もう一度ネジを取り外してやり直すことはできましたが(^_^;)。。

この他のもう1つの学びは、スクエアの穴をくり抜き作業にカッターナイフで行ってしまったこと。

これは、歪みの原因です。

カッターナイフはどうしてもスクエアに4回向きを変える時に休みますので、その時にずれます。

よって一気に四角をくり抜く「スクエアポンチ」を今回試作後に探したしだいです。

なかなかピンポイントでこのサイズのスクエアポンチというものも見つからないので、その後の工夫も今後必要です。

特注で作ってくれるところを探したりもしてみました。

スクエアの穴開けをカッターナイフで行った場合
:糸がボソッと残り、綺麗にくり抜くことができません。さらに、ずれて歪みがちで困難です。
ここをスクエア型のポンチで一発くり抜きをするとまっすぐに綺麗にくり抜けそうです。

ヒネリ錠をまっすぐ取り付けることの難しさ

では、完成した試作品見てみましょう。

ミニフラップバッグ試作品
:<サイズ>縦16cmx横27cmxマチ6cm(ヒネリ錠の枠の取り付けがやや右上がりにゆがんでます)。

まず、持ち手が、細すぎるかもという点ですね。

これは、アイレットリング通しの仕様で、どうしても細くしたのですが、それにしても貧弱。

やはり20mmほどの幅は必要かもしれません。

そうなるとアイレットを大きくするのか、縫い付けにするのかという課題があります。

あとは、そもそもこれ私の納得するサイズ感ではないです。

縦の長さが短すぎて、和用のバッグらしくなり過ぎました。

ということで、縦の長さを出来上がり16cmから+5cmは追加したいところです。

横から見た感じ:このU字型の角がいかにぴったり合わさるかで出来栄えがぐっと良くなります。
今回は、一部はみだしています。こういった構造の限界でしょう。

側面の取り付けも非常にテクニックを要します。

ここを乗り切って綺麗にできれば、技術がアップということになりそうです。

今回は、はみ出している部分が角であり、これをいかにぴったりとくっつけるかを仕付け糸などで工夫してトライしていきます。

どうしても平面ミシンなので仕方がないのですが、平面ミシンでもできる限りの手は尽くしていきたいと思います。

うっかりポケットを付け忘れたので、ポーチを付けました。

実は、金具にあれこれ集中していてポケットを付け忘れてしまいました(汗)。

なので、代わりにポーチを作りました。

ポーチの中にもぶら下がり式ポケットの付いたポーチとなりました。

裏地も付いていて、共布です。

この付加価値でポケット付け忘れのフォローに。

あとがき

ここから↓は、後になって、ブログの手直しの際に付け加えました箇所になります。

ヒネリ錠を使ったバッグのその後の製作なのですが、専用のサイズのポンチをオーダーメイドして作ってもらいました。

そのオーダーメイド品のポンチでくり抜いて作ってみたフラップバッグも製作してみました。

しかしながら、生地のゲジゲジの縫い代が最終的に重い物を持っている中ではみ出してくる予想です。

そうしますと、永久的なものではなくなってしまい、こういったくり抜きの案ではない考え方をしてみました。

それは、スーツのポケットの片玉縁のやり方に類似のラッピング方法。

裏地を中表に当てておいて、スクエアの真ん中をY字に切り込み、ひっくり返して、スクエアの縫い代を覆い隠すやり方です。

しかし、これも最終的には、完全でないという結論に至っています。

その理由は、③のパーツの両サイドのネジ用の穴開けが、ラッピング生地のせいで分厚くなったことで困難になり、大きな穴を開けざるを得なくなりました。

そうしたところ、今度は穴自体が枠からはみ出す懸念が生まれました。

そもそも、パーツメーカー様のお話によれば、こういったパーツは、「レザー専用」であるということです。

布では、ほつれが起こりやすく向いていないというのがその回答。

何もわからなかった私は実体験でその本革レザーのみに適したものだということを知ったのです。

その後、ヒネリ錠をバッグに使うことはありません。

永久的なバッグを作りたい私の意向に沿うものではないことを知ったからです。

ただ見かけのかっこよさはヒネリ錠は抜群です。

だからこそ残念ですが、それよりも、「長持ち」の作りを重視しているので、こうしたパーツとお別れをしてきたのです。

ということで、本題である、本革レザーに匹敵のフラップバッグが作れるのかどうかの答えは、「作れない」という結論を出しました。

ただ、ここからのヒントは何かあるかもしれません。

ヒネリ錠が布製でも、どこかで使える場面が見つかれば良いと思っています。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク