ぶつぶつの織り柄の立体感と高級感のアムンゼン、3色展開のストライプパッチワークをバッグに仕立てた【4】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグは基本的には1点物志向、全く同じ製作を繰り返すということをしないスタイルです。

それでも、材料である生地の売り場の展示の色違いの展開が並ぶその美しさを「そのまま利用したい」と思う感激が時々あります。

2017年くらいに出会った「アムンゼン」というぶつぶつな表層が特徴の生地。

無彩色カラーの3色展開のオフ・モカ・黒すべてを調達、3色が同時に登場するバッグをイメージし、まずこのたびは、ストライプパッチワークでショルダーバッグを製作。

ボーダーやブロック柄も引き続き製作していきます。

マチ無しショルダーバッグがどこまで立体的に映るのかの可能性を示してくれた肉厚のアムンゼン生地

マチ無しですが、ファスナーの入り口サイドに口布を付けました。

そうするとふんわりと膨らみ、マチがあるバッグみたいな容積が生まれました。

ひっくり返しの物理的な「反り」が自然な膨らみを生むのです。

それだけで容積が広がるのであり、肉厚生地ならばなおのこと。

その隙間のサイズに合うような控えめな気持ち程度の口布があるだけで、結構な効果が出ました↓。

こんな風にひっくり返しによって膨らんだ入口をその自然に膨らんだ容量に合うような巾で口布を取り付け。

口布は片方で2cm程です。

ペットボトルの底があたる底面を取り付けたこのような形のパーツを作ります。

バイヤスのキルトステッチをかけて、丈夫で強固なものにします。

通常のペットボトルサイズで少し頭が出るような深さが取り出しやすいかと。

サイドはこんな風になっています。手で持っている部分を縦にミシンで縫い付けて固定します。立派な作りです。
<サイズ>縦33cmx横29cm(マチ無し)。A4強のサイズです。ペタンコではないところが特徴。
3種の同じモデル:左からこのたびのストライプ・ボーダー・市松とそれぞれの柄特有の味わい。

あとがき

無地なのにぶつぶつが凹凸感があって肉厚で美しい生地。

多くの布製バッグの製作には、カラフルな明るい生地を選択されることが多いです。

しかし、「無地ライク」というようなこのたびのような生地でも凹凸感ある織りが高級感を演出できたり、同色のジャガード柄が立体感を演出できることをお伝えしました。

バッグ製造者自らが生み出すことができるのが「パッチワーク」による更なる立体感です。

渋めのダークカラーや無地の扁平の生地にはなかなかスポットライトが当たりませんが、パッチワークはそういった生地も引用できる可能性にあふれていると言えるのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

入り口完全密閉で無理強いの無い外表構造、パッチワークの柄違いのドーム型とトート型のボストンバッグ【105】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.07.07からおよ5年後の2025.04.17に、ブログ記事の「手直し」で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

「アムンゼン」という凹凸感ある美しい生地の3色を、ボーダーとストライプのパッチワークに仕立て、ビッグボストンバッグのデザイン違いを2点を作った記録です。

決して綺麗に出来上がったとは言い難いものですが、この作り方の期間あってこその後の見直しも生まれた重要な軌跡だったのでした。

アムンゼン生地で作ったボーダー・ストライプの2点のデザイン違いのボストンバッグ、仕様を見直しする良き機会

ボーダーパッチワークの型紙:ドーム型の方。場所によって幅が違うのは完成時に目に映る当配列を意識。
ストライプパッチワークの型紙:トート型の方。幅の広い方はマチで奪われる分も見込み差が激しくなっています。
本体の型紙(トート型):当時マチは途中で作っていました。後からの見直しでは、最初から削っておくのが正解。
本体の型紙(ドーム型):こちらのマチの作り方は、本体を縦に長く繋いで底部分をマチとして確保するタイプ。
パッチワークシート作り後の裁断:<表地:3色>アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。
裏地(上から反時計回りに①ベージュ②黒③グレー):①コードレーン、ポリエステル/100%、日本製。②ちりめん、ポリエステル/100%、日本製。③サマーストライプ、キュプラ/100%、日本製。元はストライプをボーダー向きに使用。
貼り付けポケット:片方に寄せて設置。後の見直しでは、柄を覆い柄の美しさを遮るこのやり方をタブーに。
ファスナーポケット:すべてポケットはファスナーポケット。たまたまファスナーカラーが生地に合いました。
取っ手作り:グレーのソフト厚芯を内蔵、4本ステッチでぷっくりと持ち心地良く仕上げるやり方はその後も継続。
取っ手の縫い付け:力が1点集中しがちなので裏面に当て芯を加えています。後に底からの「支柱」へ見直し。
ドーム型の方の底同士のハギ目:ハギ目の縫い代両割り後、両端ステッチでスタイリッシュに仕上げ。
マチ作り:このやり方は、十文字のぴったりした重なりが困難。後の見直しで型紙から削っておくことに徹底。
ドーム型への底鋲の設置:ボストンバッグでよく設置される附属品。
トート型への底鋲の設置:後にこうした穴をわざわざ開けるパーツはすべて廃止。それほど機能的ではありません。
段差ポケット:ポケットの袋構造の融通性を利用、袋が裏面で重なっても大丈夫な段差は、狭い面積に2個が可能。
ファスナーポケットのアップ:もっと極端には、上下にも並べることが可能です。
ドーム型の方の底周辺の半月パーツ:このカーブが実際のボストンバッグの底のフォルムを作ります。
トート型の入り口ファスナー:トートバッグで入り口がファスナーで完全密閉されている点が価値。

ただ、内枠内での使い方となるので、一回り狭くなる感覚を感じるのは、クラシックなボストンバッグと同じで出し入れはしにくいというデメリットがあります。

縫い代のパイピング:「外表」は無理強いがなくてスタイリッシュ、その代わりパイピングが必要となります。
パイピングの完成:よく見ると綺麗ではない点が成功率の低さです。非常に難易度が高い作業だと思います。
くるみ底板の設置:ストライプの方はトート型の方で裏地と同じ生地。ボーダーの方はドーム型の方で別生地。
ショルダーパッド作り:左上の取っ手に内蔵と同じソフト厚芯を多重にクッション性を高めます。
ショルダー:車のシートベルトにイコールの素材であり頑丈。ほつれやすいので縫い代は必ず内側に隠します。
取り外し機能無しのショルダーパッドの完成:取り外し機能は見出せませんでしたので一体型となります。
完成したショルダー:先端にフックが付いていて、Dカンに引っかけます。「ニフコ」社製の丈夫なプラスチック。
ドーム型ボストンバッグ(アムンゼンボーダーパッチワーク):<サイズ>記録に残っておりません<m(__)m>。
ドーム型の方のその他の角度:可愛らしいフォルムだと思います。アムンゼンの生地の高級感が活かされます。
トート型ボストンバッグ(アムンゼンストライプパッチワーク):<サイズ>記録に残っておりません<m(__)m>。
トート型のその他の角度:入り口が完全密閉は確かな価値になると思います。正面のポケットは無い方が良いです。
課題点(トート型):トート型の入り口のファスナー周りの始末。せめてダブルステッチにするべきでした。

あとがき

途中の画像の解説で、今後も継続したもの・見直したものをはっきりと示しました。

この製作体験からは、本当に必要な材料のみをミニマムに使った現在の2025年のナップサック製作へのわずかな道筋が見えていたような気がしてなりません。

ボストンバッグには付けるべきものだと思っていた底鋲も、穴を開けて取り付けたところで劣化するような弱さもありました。

溢れる材料の中からの選択は、しっかりとした製作者の軸を持っていなければならないということになります。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

3色のみの無彩色カラー黒・茶・白が織りなす、ストライプ・ボーダー・市松それぞれが別物の四角いバッグ【18】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイド製作にパッチワークを取り入れることがあります。

むやみにぶつ切りのパッチワークを企画することはせっかくの繋がりをわざわざ切る行為、望ましくはないと考えます。

パッチワークは、あくまでも「苦肉の策」で行います。

そして、もう1つのケースもこのたび発見。

残布ではないけれどもそれ1色では何とも味気がない場合に独自の解釈をもってマルチカラー展開をしていくというもの。

同じ生地で色違いを無地1点ずつで3点製作する一般的な展開とは別の道なのです。

たった1点ずつを同時に使用のマルチカラーのパッチワークが織りなす世界観をもって「貴重なバッグ」を3点作っていくという考え方です。

無彩色の黒・茶・白それぞれ1色では成し遂げられない、3色同時使いx3種のパッチワークは3点別物のバッグへ

使用生地:アムンゼン(3カラー共通)、ポリエステル/100%、日本製。表地は3色、裏地は黒1色使いです。

もともとぶつぶつの織柄が高級感があり美しい生地ではあるのですが、1色のみで製作した地味さは物足りなかったこれまで。

このたびのマルチカラーの案はそのような味気無さを解決するための一歩進んだアイデアです。

3色の同じ「アムンゼン」を均等配分に使うところがポイント、ストライプ・ボーダー・市松の3種の柄をパッチワークで作り出していきます↓。

左上から、ストライプ・ボーダー・市松のパッチワーク。どれもそれぞれの唯一の柄になっていきました。

手順は、短冊状にカットし接着芯を貼りミシンで縫い繋げていきます。

そして、裏をアイロンで割り、表に出たハギ目の線の両サイド1mm程度をミシンステッチで固定。

丈夫でありながら、整った美しい柄が出ます。

この最後の表面からのステッチは大変美しく映え、柄が美しく出ることにも一役買うのです。

完成:<サイズ>ストライプが縦33cmx横29cm(マチ無し)。右の2つは縦35cmx横31cm(マチ無し)。
左上から時計回りにボトルホルダー・フラップポケット(外)・フラップポケット(内)。充実した内部です。
入り口開閉:生地の中表ひっくり返しにより反り、マチが自然に出来上がることでファスナーの両サイドに比翼。

裏地には、表地の中の1つ黒(実際はチャコール)のみを採用、黒無地1色ですが立派な内部構造です。

ボトルホルダーのボックスキルト・大きい方のポケットのストライプキルト・内部のランダムキルトと3種をそれぞれに引用。

ポケットの二重構造はセキュリティー性が高く、大切な物入れに向いていまして安心感で満たされるという「心地」を得ます。

このたびは、マジックテープ同士の二重構造でしたが、奥の方をファスナーにするなどすれば、もっとセキュリティ性を高めることも可能。

まるで複雑なパスワードのようです。

着用のサイズ感:上の写真の右2つの内の「市松」パッチワークです。縦35cmx横31cmというのは大きいです。

あとがき

マチが無いのに随分容量があるバッグです。

1泊旅行を気軽に計画する時に、たくさんの荷物を詰め込む手間やストレスを、このバッグが払拭できるような存在になればと。

おでかけの背中を後押しできるような存在になれば、それはそれは本望です(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

種類の違うパッチワーク仕立ての4点、ストライプ・ボーダー・市松・バイヤスそれぞれに合わせた裏地の柄【8】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1つ前の番号の記事【7】では、今まで製作したことが無かった「バイヤスパッチワーク」をシートとして完成。

バックを作る下準備が出来ていました。

このたびはバイヤスパッチワークバッグを含むその他、ボーダー・ストライプ・市松を追加の全4種類のパッチワーク仕立てのミニショルダーバッグをまとめてご紹介。

無地だからこそ際立つパッチワークのデザイン違いの美しい柄、そして裏地にはどんな柄を合わせていったのかというところをポイントに完成品を眺める回としたいと思います。

是非お楽しみくださいませ。

4種のデザイン違いのパッチワークが織りなす柄、チャコールグレーの無地の渋めの生地の大いなる可能性の発見

【7】の投稿で準備しておりましたのは、初挑戦のバイヤスパッチワークでした↓。

バッグの前後2枚のバイヤスストライプパッチワークシートの完成
【7】で完成していたバイヤスパッチワークシート:前後の2枚を表地に、裏地を付けたショルダーバッグに製作。
完成:<サイズ>縦21cmx横21cmxマチ無し。大きなピッチのバイヤスパッチワークが面からはみ出す形。
使用の表地は、アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。チャコールグレーの無地は比較的珍しいカラーです。

このバイヤス柄を含む全4種、同じデザイン・同じ生地で裏地のみそれぞれ違うというスタイルで製作した完成品を見ていきます↓。

左から、「市松柄」「ストライプ柄」「ボーダー柄」「バイヤス柄」です。どれもそれぞれの味わいがあり1点物。

では、それぞれの裏地とのコンビを見ていきます↓。

「市松パッチワーク」の裏地:同じ市松に相性を感じながら、グレーのジャガード生地を選択しました。
「ストライプパッチワーク」の裏地:ストライプの整然さと水玉柄の柄同士の相性のご提案のようなコンビ。
「ボーダーパッチワーク」の裏地:細かい幅が個性的。ストライプ先染めを横向きに使用し足並みを揃えました。
「バイヤスパッチワーク」の裏地:斜め右上がりの意味があると言われる千鳥格子を選択し歩調を合わせました。

あとがき

このたびの製作には究極の部分が2つありました。

1つは、「無地ライクな生地」であったこと。

とはいえ、美しいぶつぶつの織柄は「アムンゼン」ならではの高級感と美しさです。

プリント物だけに目を向けるのではなく、元の生地自体の織柄の美しさに目を向けることの勧めのようなことになればと思いましたのが1つです。

そして、もう1つは、チャコールグレーという、冬のイメージのようなダークな生地は、ネット販売のようなハンドメイドバッグ製作には間違いなく敬遠されるカラー。

そこにあえて挑戦し、「美しいとは何を指すのか」の投げかけのようなことに対し、自らも1つの答えを出せた製作ではないかと振り返ります(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

バイヤス向きのストライプパッチワークシートがスタイリッシュ、自ら作りだした柄は製作品への自信の1つ【7】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

凹凸感のある生地は大変美しく立体感を生み出してくれます。

このたびぶつぶつの表面の織柄が美しい「アムンゼン」をパッチワークに仕立て、ミニショルダーバッグを製作する準備の段階に入りました。

ストライプやボーダーとはまた違ったタイプの柄、バイヤスパッチワークシートを作った記録です。

このシートがバッグとして完成する投稿記事は、次の番号の【8】になります。

反で購入するほど溺れた「アムンゼン」、「バイヤスパッチワーク」を仕立て自分が生み出せる柄の可能性を見つけた

パッチワークに「アムンゼン」生地の3色展開の内、反ごと調達のチャコールグレーを使います。

名前の由来は、あの南極探検隊の「アムンゼン」様の探検の成功から、同年に完成した新しい生地だったそう。

ポリエステル100%で、表面のぶつぶつが特徴、織り方としては、「梨地織」に属します。

アムンゼン生地:チャコールグレー色です。地味なカラーですが織柄が美しい。ポリエステル/100%、日本製。

「アムンゼン」としてはめずらしい肉厚、とてもふんわりしています。

この生地から、いったいどのようにパッチワークができていくのかを写真で簡単にお伝えししてまいります↓。

①生地をカット:生地を型紙にあてて、縦向きに短冊のようにカットします(10枚)。ちゃんと型紙があります。
②接着芯貼り:生地に風合いやコシ、張りを出すための目的で、1枚ごとに丁寧に接着芯を貼りました。
③ミシンで縫いつなげる:芯地が貼られた状態のパーツをミシンでつなぎ合わせます。縫い代は1.5cmです。
④アイロンで割る:裏側を両開きにアイロンで割り、平らにしていきます。
⑤ハギ目の両サイドのミシンステッチ:表側の溝の両縁をミシンでステッチ。固定の機能と美しさの表現の兼用。

これが実は、なかなかされていないことが多いです。

ハギ目のデメリットである弱さを補填するような丈夫さを作ってくれるのは、ハギ目の両端のステッチなのです。

さらには、パッと見た感じがビシッと引き締まり瀟洒になります。

⑥カットする:型紙に当てて、45度の向きにカットします。随分もったいなく生地が余ることが分かります。

出来上がってしまえば、このような事情が分からないので、大変貴重な場面になるかと思います。

⑦シート完成:パッチワークシートが完成しました。うっとりするほどの美しさです。

もともとぶつぶつの織柄がある生地に、更にパッチワークで立体感を出しました。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2018.12.13からおよそ6年後の2025.01.07に過去のブログの「手直し」の順番で、読みやすく綴り直しをしています。

随分手直しするまでに時間がかかってしまいましたが、今この時を振り返ってみても、このパッチワークの体験は大変良き学びでした。

「サスティナブル」な製作も意識する2025年現在では、見込みもなくやすやすと反ごとに生地を購入することはもうしておりません。

そして、確かに素敵なバイヤスパッチワークなのですが、せっかく縫った多くの部分が45度のカットによって削られました。

厚みがあり過ぎて残布をポーチにすることさえできないのです。

そうしますと、こういった余分な生地を余らせてしまう製作自体も後に見直すことになりました。

「どうしてもこのバイヤスパッチワークである必要があるのか」を考えた時の答えを大切にするのです。

そうやって、理由と意味を真剣に見直し、理由など無いような表面的なかっこ良さだけの浅い製作をしないという心得です。

理由や意味が入っている製作は、結局は深みある優れた品物になっていくのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク