仰々しさを解消し連のつなげ方を変えるアレンジもある、昭和のヴィンテージあこや真珠ネックレスを新しい形で活かし出番を増やす方法【299】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在「本物志向のレンタルジュエリー」という事業をさせていただいております。

ネックレス(ペンダント)、ブレス(バングル)、リングの3アイテムを1セットにまとめてジュエリーのみのコーデをあらかじめ完了、雰囲気を作ったお洋服に合わせやすいセット組としています。

その中には、過去には真珠も多く何割かを占めているほどでした。

ただ、レンタルとしての価値は真珠があまりに低く、ショックを受けた現実がありました。

これも実際にレンタル事業をやってみて分かったことでした。

随分好みとの距離を感じ、より一層元のコレクションの感覚から抜け出すきっかけになりました。

当然お客様の意向を取り入れることが優先なので納得の上、お手入れしにくいデリケート過ぎる割には地金部分の少ない真珠は廃止へ。

それでも実は真珠の大ファン。

ということで、今後できることもあります。

真珠の装い方をご対案することなど、役割の末端ながらも真珠に関わって行ければと思っております。

あこや真珠については、天然と人工の部分が良いバランスで融合した素晴らしいお品物。

そんな真ん丸な形をしたかわいいあこや真珠について、このたび新たに知ることとなった知識と歴史をご紹介し、フォーマルだけのイメージが根強かったあこや真珠に対する新しい向き合い方をお伝えできればと思います。

あこや真珠は日本人が生み出した養殖技術で作られるもの

真珠と言えば、かの有名な「ミキモト」様や「タサキ」様が思い浮かぶかと思います。

社名である「ミキモト」というネーミングは、人の苗字そのまま「御木本幸吉」様のことです。

まだ、真珠が高価な希少性が高すぎて気軽に一般の人々が持てなかった時代に、養殖技術によって、たくさんのしかも形の整った宝飾品を作れるようになったことに貢献し、その後あこや真珠が多くの人に広がっていきます。

現在真珠をジュエリーとして装うことに関してはあまり盛り上がっているとは言えないものの、一部では真珠ファンは健在であると思いますしクラシックなアイテムです。

このたび、1冊の本を拝読。

あこや真珠について、特に真珠がどのように出来上がるかというなかなか私達が分かりにくいような構造を知りました。

「真珠 美の壺 著者:***:NHK出版」。

もともとこの本は、美の壺というNHKのテレビ番組が元なのです。

実は、この番組が開始の2006年当初よく見ておりました番組で、VHSビデオ録画をしていました。

こういった芸術系の番組は堅いイメージですが、この美の壺は、雰囲気が刷新され、身近に芸術を感じられるような番組でした。

現在ももしかして番組は続行中なのかもしれませんが、テレビを見なくなった私は現在は見ることはありません。

ところで、あこや真珠の真ん丸についてですが、あれは、もともとあの真ん丸に出来上がるのではなく、技術として真ん丸に仕上げる工程があってのもの。

そのことはぼんやり知っていたものの、具体的にはよく分かっていませんでした。

まずは、自然に何も手を加えずに出来上がる真珠の出来方をまず理解するところが近道です。

真珠はある意味、奇跡的な生物であると言えます。

貝の性質とか働きとして、持ち備えた貝殻を作ろうとする働きというところがポイント。

貝には「外套膜(がいとうまく)」という物体を覆う役割の膜を持っていて、外部から虫とか異物が混入することがたまにある時に、貝の隙間から中へ入ることがあるとのこと。

その時、貝の身は、「あ、何か来た!」と反応。

そして、持ち備えている物体を覆う外套膜を使って真珠袋という袋を形成。

つまり、貝殻を作ると同じように、混入物にも貝殻を作ろうとするのだそう。

それが真珠の正体です。

その自然構造で出来上がった真珠が真ん丸になることはめったにないわけです。

ぐちゃぐちゃの形だったり、整ったものではない。

それを創業者の御木本様が、よく研究の末真ん丸に出来上がることを目標に養殖という、人間がお手伝いする形で整った形状を実現。

自然に出来上がる異物混入と同じことを、綺麗な形状に出来上がるように人間が手を加えることの価値があります。

実際のやり方などは、真珠専門店様のブログなどに書かれていまして、どうぞプロの説明をご一読されることをお勧めしますね。

経年のビンテージあこや真珠を今着る洋服に取り入れる例

ただ、こうして、手間がかけられた美しいあこや真珠も昭和の時代に作られたものが、しっかりお手入れされなかったりすると、令和の現在では、黄ばんだり、キズなどで、質が低下したものになっていることがあります。

慶事や、弔事には、そういった黄ばみなどのあるものはなかなか気が進みませんので、やはり、真っ白な綺麗な物を付けたいと思います。

けれども、普段使いの気軽に少しだけお出かけだったり、通勤だったり、カジュアルな着こなしのアクセサリーに使う真珠は、もっと質が落ちていてもそれがかえって気軽で使い勝手が良い物です。

ということで、あこや真珠であっても、質を見分けて、シーンで使い分けるということが私のお勧めする使い方になります。

あこや真珠のネックレス:普段使いっぽく、小さなあこやも間に入れてつなげてテグスで気軽に通したもの。

このネックレスは、もう真珠自体が保管やお手入れが悪く、汗やらなにやらで質の悪いものになってしまったので残念ですが、それでも、あこや真珠という価値は変わらず健在。

留め具も質をシルバークラスプからぐんと落として、ステンレスのダルマ板やカニカンに交換。

元の豪華な作りの良いクラスプは、高級な程度の良い真珠のネックレスへ付け替えて使ったりしました。

この留め具がなじみのあるダルマ板やカニカンであることだけでも普段使いの証となります。

見る人が見ると、あこや真珠の価値を分かってくれて、カジュアルなあこや真珠の使い方を理解してもらえそう。

ということで、このような古いビンテージ物のあこや真珠の使い方のご提案でした。

シルバー925は留め具のほんのわずかな部分でも金属アレルギーに影響があるもの。

ステンレスの留め具に変えて、最大限の対応をしてみたのでした。

ロングネックレスを自作:色の悪い良質ではない「あこや」だけをあえて集めたネックレスx3本分ほどの長さ。

ロングの真珠がピカピカだと大変近づきにくいフォーマル色が高まります。

そしてお値段もとても高価。

それよりも、気軽にジーンズにさえ装えるようなロングあこやネックレスを自作。

しかもヴィンテージの古い黄ばんだようなものがかえって良いのです。

同じような少し傷んだようなものをロングにつなぎ合わせれば、自主的にリフォームが完成。

留め具のやり方だけはそれぞれ学ばねばなりませんが、動画で分かりやすい説明もあり、最初知識ゼロからのスタートで連物だけは作れるようになったのです。

あとがき

日本人は、真珠をそのまま連の粒がそろったままネックレスという使い方を好むようで、ジュエリーとしての使い方が主流ですが、ヨーロッパの人々は、芸術品のように飾りなどにすることも多いそうです。

文化とかお国柄の違いがあるようです。

今後は、ネックレスなどの身に着けるアクセサリーからもっといろいろな使い方に拡張していく余地がまだまだあるようです。

それに加えて、かつては女性だけのアイテムのように扱われた真珠ネックレスも今や、男性も何ら躊躇なく身に着けるところへも広がりを見せている様子です。

せっかくのあこや真珠という日本生まれの古き良き産物、新しい使い方や、新しい使い手に広がることが期待されます。

真珠のコーデも、エレガントなイメージがまだまだ強いですが、カジュアルな真珠のコーデというものが、かつてのフォーマル一辺倒とのギャップが感じられ新鮮です。

そんなコーデの例なども今後お伝えしてまいりたいと思います(^-^)。

あこや真珠ネックレスがクラシックな40cm丈よりも長い「マチネ」、このことで何が変わるのかのまとめ【417】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ネックレスの長さがどうであれ、装う者の自由。

しかし、フォーマルなシーンではある程度決め事があり、長さが違うと「場違い」などと思われかねないので、基本的な知識としては「長さとシーンの関係」を学んでおいた方が良いと思います。

このたびは、あこや真珠の「マチネ:中間的な50-60cm丈のこと」の3点セットをご覧いただきながら、相応しいシーンと長さの関係をお伝えしたいと思います。

54cm丈のあこや真珠のネックレスは、セレモニーには不可か!?

もう最初に答えを綴ってしまいます。

お葬式、結婚式の慶弔関わらず、フォーマルシーンでは、決まって「プリンセスレングス:40-45cm」が「マナー」であるとのこと。

やはり、形式的な硬い場面では、慶弔問わずすっきりとした短めレングスが望ましいということです。

とはいえ、チョーカーのような短さも極端であり、ゆとりのある「プリンセス」ということになるのです。

このたびご紹介しますのは、そんな常識やしきたりを逸脱した長さの54cmという「マチネ:50-60cm」のあこや真珠ネックレスを中心としたセットの活用できそうなシーンを考えた「抜け感」の入った組み合わせです。

しかも粒が珠の違いで交互に大小差のあるカジュアルな雰囲気も入っているネックレスです。

慶弔以外に使えるシーンが本当にあるのでしょうか。

そのポテンシャルを考えていきます。

〇ネックレス:あこや真珠の5-6mmを交互に配置した作り。長さは54cm。
〇ブレスレット:7mm程度のあこや真珠。シルバークラスプは、ネックレスとお揃いの薔薇の彫り。
〇リング:  珠が8mm程度のシルバー925台のダブルリング。お花のつぼみに見立てた、弁が特徴。13号程度。
3点セット:普遍的な一連ながら、ネックレスの珠の大小に強弱が付き、リングもダブルリングとややアクティブ。

このセットは、形式ばったフォーマルさからの逸脱であり、本来整った真珠に「抜け感」を程よく入れ込んだものになります。

ホームパーティー、行事、催し物への参加などのシーンに気軽に装える有難いテイストとして仕上げました。

ある程度エレガントには装って参加したいものの、硬いイメージは窮屈でかえって引け目を感じることになるのも残念です。

そうしたシーンを細かく区別した本来の常識的な付け方を打ち破ったものになります。

あとがき

子供様の学校の催しなら、むしろこのたびくらいのものが良いでしょう。

現在では、Tシャツに真珠ネックレスを付けるというほどの真珠の活用シーンが広がっています。

そして、女性特有のジュエリーであった過去をうっかり忘れそうなほど、男性もこぞって真珠を手にするようになったのです。

今後、特に形の整った高級ラインの「あこや真珠」は新しいものだと高嶺の花的存在になってしまう製造の事情があるようです。

それならば、新品ではなくても、過去の比較的状態の良い中古品も良し、淡水真珠の技術改良後の真ん丸にとてつもなく近い整った粒のものなどをうまく選りすぐるも良し、素敵にコスパ良く真珠を付けて下さいませ。

あまりに高価過ぎるジュエリーではその心配に気を取られて本来の目的に集中できないです。

大切な本来の行事優先の、それでいてレベルの良い真珠ジュエリーを見極める1つのヒントになれば光栄でございます(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

何と美しいのであろう、オーロラが混じりまるで海の水面のような「ライトブルーグレー」のあこや真珠ジュエリーのまとめ方【425】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ジュエリーは、またとない1点物のようなアイテムも多く、互いに相性の良いジュエリー同士が見つかった際にはセットアップスーツのようにまとめておくことをお勧めしたいです。

このたびは、あこや真珠のブルーグレー色が天然カラーである3セットの集結をお届けしたいと思います。

いかに世の中に出回っている「グレーで天然真珠です」と謳われている真珠が実は「染色」であるものが多いのかということです。

単純な見分け方としましては、パッと見て、一般的なねずみ色と呼ばれるような鉄色のグレーの場合、あれだけの珠の数が配置の一連物のネックレスは間違いなく染色です。

あのような色の天然でできた色であればおそらくかなりの高額ですし一般的な入手が難しいと言えるかと。

ただ、難しいのが、1粒くらいは混じるマルチカラーの中に存在することは可能だと思いますので、「間違いなく」というのも「9割」ということにしておいた方が良いかもしれません。

では、ねずみ色のような色ではないオーロラが混じるグレーはどんな色なのかということですが、このたびは、その色だけの集結のセットがございますので、じっくりと見ていただければと思います。

見る角度によってグリーンにもブルーにも、そしてピンクにも映る天然らしさこそが価値

〇ネックレス:全体が薄いブルーグレー色のあこや。珠のサイズは7mm程度。43cm。

よく考えがちな「均一感=整っている=良質」という考え方とは違い、不ぞろいなカラーであることこそ天然の証なのです。

〇ブレスレット:2連仕立てのお花の7mm程度の2連。ネックレスよりも全体にピンク色に寄っています。

2連というところがボリューム感あふれます。

〇リング: 925台。ブルー味とピンク味の2種に分かれ、ネックレスやブレスそれぞれにマッチ。15号。

あとがき

真っ白よりも「ブルーグレー」の方が比較的お洋服には馴染みやすいのかもしれませんが、それでもパッ見は白っぽく映ると思います。

それぐらいさりげないカラーです。

連になって複数一度に集結していることこそがそのレベルの高さという解釈でいきますと、このたび、更にブレスやリングと合わせたことはより一層そのカラーの特性が高まるのです。

ここで、反対の考え方をしてみます。

真っ白のあこや真珠に、このうっすらグレーイッシュなアイテムを追加するとなると、違和感を非常に感じるものだと思います。

だからこそ、全く同じ色味でそろえてしまうことの意味があります。

他ではどうしても合わないこれらが集結したのだという意味になります。

全くのお揃いが良いこのたびのような場合と、別物の方が良い場合とあるかと思いますが、この場合はお揃いの効果が色濃く出る方の選択だったと思います(^-^)。